原子力ロビーによる放射線被曝の押付けを拒否しよう!
その14   2019年5月4日
WTO最終判決「韓国の水産物輸入規制は妥当」が示す世界各国の日本への不信
〜食品中の放射性物質基準は「世界で最も厳しいレベル」では無い〜
 去る4月11日に世界貿易機関(WTO)の紛争を処理する上級委員会が、韓国が福島をはじめ8つの県産の水産物の輸入を全面禁止していることをWTO協定違反とした1審(紛争処理小委員会)判断を破棄し、日本が逆転敗訴した。更に4月26日に外務省が<WTO紛争解決「韓国による日本産水産物等の輸入規制」上級委員会報告書及びパネル報告書の採択>とサイトにアップした。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_007380.html
 更に、「日本産食品の科学的安全性は認められた」との記載が第一審の判決文にあたる報告書になかった(朝日新聞ディジタル)こと、現在も23カ国・地域が日本産食品の輸入規制を続けていることも明らかになった。 


(NHKウェブニュースより)

 安倍政権や外務省が悪あがきしているがこの現実を私たちは真摯に受け止めないといけない。世界貿易を推進する世界組織が韓国の放射線汚染を理由とする食品輸入制限を認めたのだ。私たちが毎日食べている食品は大丈夫だろうか?

 残念ながら大丈夫ではない。官僚も税金も私物化し官僚から記憶も記録も無くさせている安倍政権だ。食品の安全についても嘘をついている。
 例えば、復興庁他10省庁による「放射線リスクに関する基礎的情報」や復興庁「放射線のホント」や文科省「放射線副読本」に記載されている表「食品中の放射性物質の基準」には、日本の基準(一般食品100、乳児用食品50、牛乳50、飲料水10)【Bq/kg】に対して、EUやアメリカやコーデックスでは1000【Bq/kg】以上と記載している。しかしながら、同表には作為があり、日本のは「平常」時の値であり他国のは緊急時(事故後)の数字だ。この表で「日本は世界で最も厳しいレベルの基準」と主張しているがこれが真っ赤な嘘なのだ。
 
日本政府がこの様に「日本は世界で最も厳しいレベルの基準」と偽って我々「国民」に放射性物質を押し付けている中で、近隣諸国が心配して水産食品の輸入を制限することは当然だ。今回のWTOの決定により、他国にも輸入制限が拡がることが懸念されているのも分かる。本当は「内部被曝から体を守るためには徹頭徹尾、放射能汚染された食品を口にしない」ことが大事なのだから。政府による放射性物質含有食品押しつけを常に警戒しないといけない。