『週刊鉄亀』2000年7月10日号

●7月某日(月)
 昼過ぎ、知り合いのビデオ制作者の事務所にて、農水省系某研究所から借りていた資料ビデオをダビング。知り合いといっても、もちろん料金を払ったのだが、激安。
 本誌の読者でもあるスタッフの女性から「毎週あれだけ書くのたいへんでしょう?」と言われたのだが、実は、全然たいへんではない。僕は文章を書いていると、脳が沸騰してくるのを感じ、誰も読みもしない超長文を自動筆記のように書きまくってしまうのだ。これは病気か? 僕はつねに文章を読み続け、文章を書き続けていないと落ち着かない。「文章依存症」とでも呼ぶべきか? その割には、原稿が遅れることがよくあるのだが(苦笑)。
 夕方、あるご縁で紹介された某経済誌編集者と会う。リニューアルのために企画づくりをしているそうで、リニューアル創刊準備号の原稿2頁分をさっそく依頼される。快諾。現行バージョンの来月号の記事も頼まれたのだが、来週締め切りと言われてしまったので、こちらは残念ながら断った。
 いまさらながらではあるが、北条民雄著『いのちの初夜』(角川文庫)を読み終えた(詳細はコラムへ)。

●7月某日(火)
 午前中、天笠啓祐氏、石井政之氏といっしょに、某科学技術情報誌編集部と特集について打ち合わせ。そのまま昼食。
 終了後、石井氏とは別れ、天笠氏といっしょに品川に移動。国民生活センターにて、名古屋大学理学部助手の河田昌東氏が遺伝子組み換え食品について講演するのを聴く。河田氏は分子生物学者でありながらも遺伝子組み換え食品を批判している、ある意味で貴重な人物である。最も興味深かったのは「ベンブルックレポート」と呼ばれる報告について。元農務省の研究者チャールズ・ベンブルック氏が8つの大学から遺伝子組み換えダイズ(ラウンドアップ耐性ダイズ)の栽培試験データを集め、解析したところ、在来種よりも組み換えダイズのほうが収量が少なかった、という衝撃的な内容のレポートである。河田氏が全訳したものを僕も所有しているが、マスコミで紹介されたのは、毎日新聞でだけらしい。
 そのほかの話もきわめて有益。さすが(いい意味での)専門家だ。すさまじい調査能力と説得力に圧倒される。

●7月某日(水)
 この日の行動については極秘(^^;)。ほんとは書きたくて仕方ないのだが……。

●7月某日(木)
 終日、家事、資料読み。
『朝日新聞』7月6日付で、「病原体や患者の複製DNA 病院の4割密封せず廃棄」という記事をよんだ(詳細はコラムへ)。
 
●7月某日(金)
 高速バスに乗り、またもや茨城県つくば市へ。農水省系某研究所を取材。ちなみに遺伝子組み換え作物関連でも、何度も取材したことのある研究所である。今回のテーマは「外来生物」。昆虫と植物、それぞれの専門家から話を聞く。期待していた昆虫の話はあまり面白くなく、期待していなかった植物の話はすごく面白かった。また、この植物の専門家とはずいぶん雑談もし、それがめっぽう面白かったのだが、詳しくはとても書けない(^^;)。
 最近、農水省にはほんとに世話になっている。かといって遺伝子組み換え作物/食品に対して甘くなるわけではないが……。

●7月某日(土)
 コンピュータ関連の勉強会に参加。ほとんど雑談ではあったが、頭の刺激にはなった。
 日刊工業新聞社から、『TRRIGER(トリガー)』8月号が届く。今回は、連載「バイオの世紀」で、東海大学医学部で研究されている造血幹細胞の増幅技術についてのレポートを執筆した。このところ再生医療関連のネタが続いているので、次回は少し趣向を変える予定である。
 武田徹著『IT革命原論』(共同通信社)を読み終える。
 
●7月某日(日)
 吉田司著『ビル・ゲイツに会った日』(講談社)を読み終える。
 僕は何冊ものを本を併行して読む習慣があるのだが、偶然にも、武田と吉田のそれぞれコンピュータ社会に関する本をほぼ同時に読み終えた(詳細はコラムへ)。
  終日、資料整理、家事、ホームページのコンテンツ作成。(つづく)

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