支援運動資料/理事会側資料
支援運動資料
理事会・大学側資料
本訴にいたる支援運動の経過

 

 

 

 

MENU(支援運動資料

2008.3.24

鹿児島国際大教職員の身分を守る会・鹿児島国際大学教職員組合・九州私立大学教職員組合連合の声明

2007.11.16 福井県立大学主催「菱山泉名誉教授寄贈図書の公開と講演会」の取材に関する福井新聞社への要請

2007.11.16

福井県立大学主催「菱山泉名誉教授寄贈図書の公開と講演会」に対する馬頭忠治教授の抗議

2007.11.15

福井県立大学主催「菱山泉名誉教授寄贈図書の公開と講演会の開催について」の報に接して(全国連絡会事務局声明
2007.1.1 新年のごあいさつ −2007年を迎えて−(全国連絡会代表 篠原三郎)
2006.11.21 声明文
学校法人津曲学園・菱山泉理事長、伊東光晴理事はじめ全理事の社会的責任と大学人としての資格を根本から問うとともに、上告の取り下げと鹿児島国際大学三教授の即時原職復帰を求める
2006.11.11 鹿児島国際大教職員の身分を守る会「集会アピール
2006.10.27 鹿児島国際大教職員の身分を守る会、鹿児島国際大学教職員組合、九州私立大学教職員組合連合の声明 (2006年10月27日)
2006.10.27 高裁判決(福岡高裁宮崎支部)・三教授全面勝訴を受けた全国連絡会の声明文
2006.10.27 高裁判決(福岡高裁宮崎支部)・三教授全面勝訴 主文

2006.8.21

研究室使用に関する仮処分命令取り消し訴訟、第2回審尋
2006.7.26 津曲学園:田尻教授に対し、研究室使用に関する仮処分命令取り消し訴訟を起こす(鹿児島地裁)

2006.4.23

控訴審・第2回口頭弁論の結果
2006.2.24 控訴審・進行協議の結果報告
2006.1.1 全国連絡会・年頭声明(重本事務局長)
2006.1.1 篠原三郎全国連絡会代表:年頭のご挨拶
2005.12.19 福岡高裁宮崎支部・第1回口頭弁論 報告
2005.12.5 津曲学園理事会の控訴(高裁)に対する三教授側の「答弁書
2005.11.20 鹿児島国際大学卒業生が三教授原職復帰の「嘆願書」を学長・同窓会長に提出
2005.11.11

菱山泉津曲学園理事長、瀬地山敏鹿児島国際大学学長が非常識で悪質な「再警告書」を三教授に送付

2005.11.10 仮処分に関わる第1回審尋 報告 結果
2005.10.7 三教授:2審における仮処分を申請 申請書
2005.9.15 声明文 (鹿児島国際大学三教授を支援する全国連絡会) −津曲学園理事会の控訴に抗議して−
2005.9.8 学園側:福岡高裁宮崎支部への控訴 控訴状
2005.8.31 要請書 (鹿児島国際大学三教授を支援する全国連絡会) −地裁・勝訴判決を受けて− 
2005.8.30 声明 (鹿児島国際大学職員の身分を守る会・九州私大教連) −地裁・勝訴判決を受けて− 
2005.8.30 声明 (全国連絡会) −地裁・勝訴判決を受けて− 
2005.8.30 鹿児島地裁判決・三教授全面勝訴 判決全文
2005.8 傍聴レポート 「裁判傍聴、私記〜最終弁論をきいて〜 」篠原三郎代表
2005.5.18 本訴裁判 第15回口頭弁論 報告
2005.4.25 ラウンドテーブル形式による「弁論準備期日」 報告
2005.3.2 本訴裁判 第14回口頭弁論 報告
2005.2.1 本訴裁判 第13回口頭弁論 報告
2005.1.1 全国連絡会・新年の挨拶(篠原代表)
2004.12.10 三教授解雇問題をめぐる裁判の経過 (現地関係者からの報告
2004.11.16 本訴裁判 第12回口頭弁論 報告
2004.9.13 本訴裁判 第11回口頭弁論 報告
2004.8.26 本訴裁判 第10回口頭弁論 報告 
2004.8.1 「あつい鹿児島」篠原三郎氏(鹿児島国際大学教職員の身分を守る会・第三回総会に参加して) 報告
2004.7.6 ブックレット『いま,大学で何がおきているか』 へのメッセージ 紹介
2004.7 仲田正機氏の『いま,大学で何がおきているか』 書評 (ねっとわーく京都」2004年7月号掲載)
2004.6.7 本訴裁判第9回口頭弁論 報告
2004.5.17 学園側:「仮処分異議申立裁判/地裁決定(2004年3月31日)」を不服とし,福岡高裁宮崎支部に「抗告」 抗告状
2004.5.17 本訴裁判第8回口頭弁論 報告
2004.3.28 大学評価学会が設立総会を開催 速報
2004.2.4 本訴裁判第7回口頭弁論 報告
2004.1.15 南日本新聞(2004年1月15日)朝刊 鹿国大教授解雇報道訴訟 「記事、事実に反せず」 鹿地裁 学園側の訴えを棄却
2004.1.14 仮処分再申立裁判第4回審尋 速報
2004.1.14 損害賠償裁判 八尾信光教授と南日本新聞社の全面勝訴判決 報告
2004.1.14 損害賠償裁判 八尾信光教授・南日本新聞社側が全面勝訴(判決文
2003.12.22 本訴裁判第1回証人尋問 報告
2003.12.22 仮処分再申立裁判 第3回審尋 報告
2003.12,20 鹿児島「守る会」が街頭宣伝活動を行なう 報告
2003.11.26 仮処分再申立裁判第2回審尋 報告
2003.11.26 損害賠償裁判第4回口頭弁論 傍聴記
2003.10.11 「学問の自由と研究者の人権」シンポジウム(9/21)の報告
2003.10.11 馬頭忠治氏著書刊行委員会:関係者に対する募金の要請
2003.9.30 鹿児島国際大学・津曲学園理事会に対する要請書の送付  2003年10月3日
2003.8.20 南日本新聞社と八尾信光氏に対する損害賠償事件/第2回口頭弁論 傍聴速報
2003.8.11 本訴裁判第5回口頭弁論 傍聴速報報告集会
2003.8.2−4 日本私大教連教研集会で『権利侵害問題」 集会参加者レポートの紹介
2003.6.4 南日本新聞社と八尾信光氏に対する損害賠償事件/第1回口頭弁論 傍聴記
2003.5.30 全国連絡会:「日本弁護士連合会人権擁護委員会への人権救済申立その後の経過と結論について」
2003.5.30 全国連絡会:日本学術会議への要望書「御礼と今後への要望」
2003.5.28 本訴裁判第4回口頭弁論 傍聴速報
2003.4.7 全国連絡会『世界』2003年3月号「読者談話室」に掲載された投稿に関する抗議
2003.4.7 本訴裁判第3回口頭弁論 傍聴速報
2003.2.24 本訴裁判第2回口頭弁論 傍聴記(支援者レポート)
2003.2.18 全国連絡会の検討要請に対する日本学術会議の回答
2003.2.12 全国連絡会:日本弁護士連合会に対し引き続き人権救済の審査を要請
2003.1.29 本訴裁判第1回口頭弁論 傍聴記(篠原三郎氏・全国連絡会代表)
2002.10.26 九州私大教連第14回定期大会津曲学園理事会に鹿児島国際大学懲戒解雇事件の解決を求める決議
2002.10.2 鹿児島国際大学教職員組合 団体交渉の申し入れについて
1回目申し入れ(10.2)、大学側回答(10.16)、2回目申し入れ(10.18)
2002.10.7 全国連絡会による関係機関への要請行動(東京)
A 文部科学省への要請書/B 日本弁護士連合会への申し立て/C 日本学術会議への報告および検討要請要請行動の結果報告
2002.10.2 仮処分決定全面勝訴報告集会決議 鹿児島国際大学教職員組合
2002.9.21-23 大きな関心を集めた鹿国大三教授懲戒解雇事件  第14回総合学術研究集会・八尾レポート(北大)
2002.7.17 鹿児島発の恥と恐怖 向原 祥隆(図書出版南方新社代表)南日本新聞「南点」
2002.5.25 鹿児島国際大学3教授不当解雇処分の真相と現状を聞く 社会文化学会東部部会
2002.5.11 鹿児島国際大学三教授を支援する全国連絡会に結集して八尾信光教授をまもる関西の会への参加を呼びかけます。

DATE

鹿児島国際大教職員の身分を守る会・鹿児島国際大学教職員組合・九州私立大学教職員組合連合の声明


声  明

2008年3月24日

 2008年3月21日に最高裁判所は、鹿児島国際大学経済学部の三人の教授に対する懲戒解雇処分に関し、津曲学園理事会からの上告を棄却し、同時に上告受理申立を不受理とする決定を下しました。2002年3月31日の懲戒解雇以来、三教授の「不当解雇であり無効である」との主張は、鹿児島地裁と福岡高裁において全面的に認められてきましたが、最高裁もこれを認めたのです。

この決定により解雇無効が確定し、学園理事会の主張した様々な懲戒理由は根本的に否定され、不当解雇であったことが完全に明らかになりました。

この勝利を踏まえて、私たちは津曲学園理事会に以下のことを要求します。

一、 最高裁判所の決定に従い、三教授を直ちに原職に復帰させること。

私たちは、大きな苦痛と負担を強いられながらこれまで奮闘を続けられてこられた三教授に敬意を表すと同時に、この裁判を一貫して支援し続けた皆様方と共に、この勝利を心から喜びたいと思います。
私たちは、上記の要求の実現のために、引き続き三教授を支援していきます。
今後とも、皆様のご支援、ご協力をお願いいたします。

・・・・・鹿児島国際大教職員の身分を守る会
・・・・・・・・・鹿児島国際大学教職員組合
・・・・・・・・九州私立大学教職員組合連合

福井県立大学主催「菱山泉名誉教授寄贈図書の公開と講演会」の取材に関する福井新聞社への要望書(2007.11.16)

2007年11月15日

 福井新聞編集部殿

 前略、失礼いたします。
 はじめまして、私は、鹿児島国際大学の馬頭忠治と申します。実は、福井県立大学のホームページにて、下記のようなセレモニーが開催されることを知り、その非常識さにびっくりしております。その理由につきまして、以下の文章や資料などを参照いただければと思っております。恐らく、貴社はこのセレモニーを取材されることだと推察されますが、客観的な報道となることを期待いたします。なお、福井県立大学には同様のものを学長宛で送付いたしました(2007年11月15日付け)。また、私たちを支援する全国連絡会も、下記のような声明を全国の大学教職員に発しております。ご参照いただければと思っています。
 さらに、この懲戒解雇事件とその歴史的な意味について、「アカデミック・モビングと大学運営」を執筆いたしましたので、その拙稿が所収されている『シリーズ「大学評価を考える」2巻 アカデミック・ハラスメントと大学評価』(大学評価学会)を同封いたします。ご笑覧いただければ幸甚です。

敬具

馬頭忠治
〒891-0144 鹿児島市下福元町5860-1
電話099-261-9181
Eメール bato518@r2.dion.ne.jp

添付資料

(福井県立大学主催「菱山泉名誉教授寄贈図書の公開と講演会」に対する馬頭忠治教授の抗議文)

福井県立大学主催「菱山泉名誉教授寄贈図書の公開と講演会」に対する馬頭忠治教授の抗議文

 福井県立大学 祖田 修学長殿

 前略、失礼いたします。
 突然の手紙をお許し下さい。私は、鹿児島国際大学経済学部教授の馬頭忠治と申します。実は、福井県立大学のホームページにて、「菱山泉名誉教授寄贈図書の公開と講演会の開催」を知り、驚愕しております。私は、故菱山泉前学長(後、津曲学園前理事長)や伊東光晴理事など津曲学園理事会によって不当解雇されました。現在、この解雇事件についての最高裁の判断を待っているところです。なお、これまでの裁判経過については下記@の通りです。
 こうした事情にあっても、式典が挙行されることに、大学人としても、只ただ、唖然とするばかりです。福井県立大学にあっては、大学の歴史に汚点を残すこの不当解雇について、どれほどご存知かは存じませんが、この式典が、この事件について周知し、ご検討の上でのことであれば、強く抗議したい気持ちを抑えることはできません。
 また、私が上梓した、この事件について広く捉えた拙稿(大学評価学会『アカデミック・ハラスメントと大学評価』所収)を謹呈させていただきたく存じます。また、私達を支援している全国連絡会は下記のような声明(A)を出しております。

馬頭忠治
〒891-0144 鹿児島市下福元町5860-1
電話099-261-9181
mail bato518@r2.dion.ne.jp

@鹿児島国際大学での三教授懲戒解雇処分をめぐる裁判経過 2007年11月1日

 2002年3月29日、鹿児島国際大学を経営する津曲学園理事会が三名の教授を3月31日付で懲戒解雇処分とする決定を行った。主な処分理由は1999年度に経済学部が行った教員公募での採用候補者の審査と決定が不当であったというもの。 教授会が決定して推薦した採用候補者を当時の学長の判断で不採用とした上、これらの処分を行った。

  これをめぐって以下の裁判が行われた。
(1)地位保全等仮処分申立裁判 (2002年4月5日提訴、同年9月30日に三教授側全面勝訴)
(2)仮処分決定に対する学園側の保全異議申立裁判(02年12月25日提訴、04年3月31日に三教授側全面勝訴)
(3)この決定を不服とした学園側の高裁への保全抗告裁判(04年4月17日提訴、大量の書面を提出したあと同年9月13日に学園側が提訴を取下げた)
(4)南日本新聞社とY教授に対する学園側の名誉毀損・損害賠償訴訟(03年4月22日提訴、04年1月14日に学園側全面敗訴の判決)
(5)2003年10月以降の賃金仮払いを求めた仮処分再申立裁判(03年10月15日提訴、04年8月27日に三教授側勝訴の決定)
(6)本訴(解雇無効・地位確認等請求裁判)(02年11月19日提訴、05年8月30日三教授側全面勝訴の地裁判決)判決は、「原告らにはいずれも懲戒事由に該当する事実が認められない」から「懲戒解雇」も「普通解雇」も「無効である」として、雇用契約上の地位を確認するとともに解雇処分後の給与と賞与の全額を支払うよう命じた。
(7)本訴控訴審  (05年9月8日に学園側が控訴、06年10月27日に三教授側全面勝訴)高裁判決は、事実と争点について地裁判決よりもさらに踏み込んだ判断を示し上、地裁判決と同旨の判決を言い渡した。判決理由の中では、大学の将来について教職員や学部長が意見や要望を述べることは「何ら問題とされるべきものではなく」、「被控訴人Yの経営介入行為なるものは、同被控訴人に対する本件懲戒解雇の口実にすぎない」とした。
(8)強制執行停止申立 (05年9月16日、控訴を理由に地裁判決に基づく強制執行の停止を学園側が申立てた。同日地裁は巨額の担保を学園側に供託させた上これを認めた)
(9)賃金仮払い申立裁判(地裁判決に基づく賃金支払いに学園側が応じなかったため、05年10月7日に賃金の仮払いを申立て。高裁の斡旋で12月分から仮払い再開。
(10)事情変更による保全取消申立裁判(06年6月28日学園側が新定年規定を理由にT教授の研究室退去を求めた。06年10月26日に地裁が学園側の申立を却下した)
(11)保全抗告裁判(上記決定を不服として学園当局が06年12月13日に高裁に保全抗告。 07年2月9日、裁判所の斡旋で07年7月31日まで研究室利用を認めることとした。
(12)本訴上告審 (本訴控訴審判決を不服として2006年11月10日付で学園当局が高裁を通して上告。07年2月9日最高裁第二小法廷に「事件記録」が到着した。

A福井県立大学主催 「菱山泉名誉教授寄贈図書の公開と講演会の開催について」の報に接して    

2007年11月15日 
鹿児島国際大学三教授を支援する全国連絡会事務局

 福井県立大学は、2007年11月12日付けで、同ホームページにて「菱山泉名誉教授寄贈図書の公開と講演会の開催について」と題するセレモニーの案内を行った。この案内は県民向けの公開案内でもある(開催日、11月20日)。また、同セレモニーでの講演会には、よりによって伊東光晴鹿児島国際大学理事が講演者となっている。鹿児島国際大学三教授を支援する全国連絡会事務局は、このセレモニーの実施に驚愕の念をいだいている。福井県立大学理事長、学長はじめこのセレモニーの実施を決定した関係者の見識を問いたい。不当に処分され人権を著しく侵害された三教授の主張は、鹿児島地裁、福岡高裁(宮崎支部)において全面的に認められ勝訴した。これに対して全面敗訴となった伊東光晴鹿児島国際大学理事らは上告したが、間もなく最高裁判決が出されようとしている。そのような中、このセレモニーは実施される。最高裁判決の後、鹿児島国際大学三教授を支援する全国連絡会は、この福井県立大学での件を含め声明を発表する予定でいる。
 以下の福井県立大学ホームページを参照されたい。

http://www.fpu.ac.jp/index.html

福井県立大学主催「菱山泉名誉教授寄贈図書の公開と講演会の開催について」の報に接して(2007.11.15)


福井県立大学主催「菱山泉名誉教授寄贈図書の公開と講演会の開催について」の報に接して    

2007年11月15日
鹿児島国際大学三教授を支援する全国連絡会事務局

福井県立大学は、2007年11月12日付けで、同ホームページにて「菱山泉名誉教授寄贈図書の公開と講演会の開催について」と題するセレモニーの案内を行った。この案内は県民向けの公開案内でもある(開催日、11月20日)。また、同セレモニーでの講演会には、よりによって伊東光晴鹿児島国際大学理事が講演者となっている。鹿児島国際大学三教授を支援する全国連絡会事務局は、このセレモニーの実施に驚愕の念をいだいている。福井県立大学理事長、学長はじめこのセレモニーの実施を決定した関係者の見識を問いたい。不当に処分され人権を著しく侵害された三教授の主張は、鹿児島地裁、福岡高裁(宮崎支部)において全面的に認められ勝訴した。これに対して全面敗訴となった伊東光晴鹿児島国際大学理事らは上告したが、間もなく最高裁判決が出されようとしている。そのような中、このセレモニーは実施される。最高裁判決の後、鹿児島国際大学三教授を支援する全国連絡会は、この福井県立大学での件を含め声明を発表する予定でいる。
以下の福井県立大学ホームページを参照されたい。

http://www.fpu.ac.jp/index.html

― 2007年を迎えて ― (200年1月1日)


― 2007年を迎えて ―

                 全国連代表 篠原三郎  


 2007年を新たな気持でお迎えのことと思います。
 さて、鹿児島国際大学三教授の不当解雇問題も、いよいよ足掛け6年目に入ります。昨年の10月27日、福岡高裁(宮崎支部)で解雇が無効であることがはっきり言い渡されたにもかかわらず、誤りを認めようとせず、菱山泉理事長、伊東光晴理事をはじめ全理事が11月10日上告したからです。

 ところで高裁ですが、判決日です。傍聴席からみて左側には、三教授、それに弁護団がそろって出席しているのに対して、鹿児島地裁の判決に不満をもち学園理事会がみずから控訴していたはずなのに、かれら当事者たちは、それにかれらの弁護士は姿をあらわしていませんでした。右側には机と椅子があるだけです。そんな奇妙な光景のなかで裁判官の判決をきくのも異様に感じられてなりませんでした。しかしながら、二審の判決文は、一審のそれよりも適確で、したがって、学園側により厳しい内容であったように読み取れました。法廷にかれらが出席できなかったのも、そんな裁判結果をあらかじめ察知していたからに違いありません。にもかかわらずの学園側の今回の上告です。

 これまでもあらゆる手段を利用して三教授に大学教員としての名誉を傷つけ、ご家族にもまた精神的な苦痛、生活上の不安を与えつづけてきながら、敗訴に敗訴を重ねつつあるかれらは、なんらの罪障感ももたず、さらにこれまでの状況を継続しようとするのです。それらは、どうみても、菱山泉理事長、伊東光晴理事などによる学園理事会の非常識な権力と面子にこだわる専横にしかみえません。

 このために学生納付金に依拠する学園財政からの無駄な支出もさらに増えていくはずですし、学園の社会的イメージダウンもいっそう強くなっていくはずです。そして、三教授とその家族をはじめ、学園に関係する学生、生徒、保護者、同窓生、教職員、地域住民など多くの人々にさらなる迷惑、負担、苦痛をかけていくことになります。

 しかし、考えてみれば、このような問題、鹿児島国際大学一大学にかぎらず、どこの大学にでも、まただれにでも起きてくる、いや現に今、遭遇している方もいるのではないでしょうか。それゆえに、とにもかくにも、このような不幸な事態を一日もはやく解決するべく励みたく思っております。
 この新年もよろしくご支援のほどをお願いします。

権力に かくも拘(こだわ)る物語(ヒストリー) 哀しき人とおもう時あり

<声明文>
学校法人津曲学園・菱山泉理事長、伊東光晴理事はじめ
全理事の社会的責任と大学人としての資格を根本から問うとともに、
上告の取り下げと鹿児島国際大学三教授の即時原職復帰を求める(
2006年11月21日)

 上告の報を聞き、鹿児島国際大学三教授を支援する全国連絡会は、ここに声明文を公表する。

 2006年10月27日、福岡高裁(宮崎支部)は、鹿児島地裁判決(2005年8月30日)に続き、鹿児島国際大学三教授の懲戒解雇と普通解雇を無効とした。その判決は地裁判決よりもさらに踏み込んで三教授の主張を認めた全面勝訴であった。解雇から4年7ヶ月を経ての二度目の全面勝訴である。また、本件以外にも関連する仮処分判決を含むすべての判決もすでに、ことごとく学園理事側の敗訴となっている。ここに至っても、菱山泉理事長、伊東光晴理事はじめ全理事は、自らの誤りを認めず、2006年11月10日付けで「上告状」および「上告受理申立書」を提出した。これこそまさに「天を仰いで唾する行為」である。

 この4年7ヶ月の間、解雇された三教授は、大学教員としての名誉を著しく毀損され、そして三教授のみならずご家族の精神的な苦痛、生活上での不安ははかりしれないほどのものである。謂れのない理由による懲戒解雇という誤った処分がもたらした事態の責任は極めて大きい。そして、この状況が上告によってさらに延長されようとしている。われわれは、全理事個々に対して、名誉毀損への謝罪のみならず慰謝料の請求をも当然必要となるだろうと考える。

 また、学園理事側は、4年7ヶ月間の訴訟にあたって、あらんかぎりの手段を行使し、そして多額の学園財政をつぎ込んだ。これらのことは、菱山泉理事長、伊東光晴理事はじめ学園理事が、自らの理事(経営者)という立場を可能な限り利用しつくした訴訟であることを意味している。学園理事側の地裁から高裁までの提出書面は使えるものはことごとく提出するという徹底したものであり、その分量は膨大であった。また、2006年に入って行われた高裁裁判官による和解協議で、理事側が提示した条件は、三教授が到底受け入れられない提案内容であり、不成立に終わった。今回、こうした中での三教授側の二度目の全面勝訴である。

 菱山泉理事長、伊東光晴理事はじめ全理事は、この二度にわたる全面敗訴という結果を謙虚に受け止め、直ちに上告を取り下げ、三教授を原職に復帰させ、三教授に謝罪して名誉を回復させるべきである。また、学校法人・津曲学園、鹿児島国際大学のこれ以上の財政を含む具体的損失、社会的なイメージダウンを回避すべきであろう。公益法人たる学校法人の経営者として、学生納付金と国や県の補助金(税金)で経営されている私立学校の経営者として、その社会的・経営的責任を深く自覚すべきではないか。さらには、三教授とご家族はじめ、学園に関係する学生、生徒、保護者、同窓生、教職員、地域住民などに、これ以上の精神的な苦痛・負担・迷惑をかけるべきではないだろう。
 にもかかわらず、菱山泉理事長、伊東光晴理事はじめ学園理事は、上告に至った。あなたたちは自らの誤った行為をどこまで続けるつもりなのか。事ここに至って、私たちは、「あなたたちは大学人・学校法人理事としての資格はない」と断ぜざるをえない。

 鹿児島国際大学三教授を支援する全国連絡会は、津曲学園全理事の大学人・学校法人理事としての社会的責任を追及する取り組みを、これまで以上に進める決意である。

            2006年11月21日
                鹿児島国際大学三教授を支援する全国連絡会

鹿児島国際大教職員の身分を守る会「集会アピール」
 10月27日、福岡高裁宮崎支部は、原告らには「懲戒事由に該当する事実が認められないから」解雇は無効であるとした昨年8月30日の鹿児島地裁判決を支持して、またも三教授側全面勝訴の判決を言い渡しました。20Q2年3月の懲戒解雇処分以来、三教授が述べてきた解雇理由がないから解雇は無効であるという車張が高裁でも認められ、地裁につづいて、またも勝訴しました。

 私たち鹿児島国際大学教職員の身分を守る会は、鹿児島県内の大学関係の団体や個人、さらには市民の方々の協力を得ながら、三教授の闘いを署名運動や裁判傍聴等を通じて支援してきました。三教授のこれまでのねばり強い闘いが、人々の支援の輪を生み出してきました。そして、私たちは、この間の活動を通じて、大学のあり方や大学で働く者にとっての重大な権利侵害の問題について、深く考えさせられました。

 今回の判決は、三教授の訴え、そしてそれを支援してきた様々な人々の思いを正面から受けとめた内容のものだと考えます。

 高裁判決が下った今、上告をしないでこの判決を確定させ、解雇処分の誤りを認めて、三教授の雇用契約上の地位を確認するとともに、ただちに原職復帰させることを、津曲学園理事会に対して強く求めます。

 同時に、私たち守る会は、この問題が完全に解決されるまで、三教授の闘いに対して、これまで同様広範な人々による粘り強い支援の活動を引き続き行っていくことを誓います。

2006年11月11日
鹿児島国際大教職員の身分を守る会総会

鹿児島国際大教職員の身分を守る会、鹿児島国際大学教職員組合、九州私立大学教職員組合連合の声明 (2006年10月27日)

2006年10月27日

声  明


 本日、福岡高裁宮崎支部は、原告の訴えを全面的に認めて解雇無効の判決を言い渡した昨年8月30日の鹿児島地裁判決を支持し、学園の控訴を棄却する三教授全面勝利判決を出しました。2002年3月の懲戒解雇処分以来、三教授が主張してきた、まったく理由のない不当解雇であるという主張が、地裁につづいて、高裁でも認められました。
  解雇を無効とした、この高裁での勝利判決によって、懲戒解雇理由があったとする学園の言い分が完全に否定されて、大学内における教員の身分保障の重要性が改めて確認されました。
 本日の勝利判決をふまえて、私たちは、以下のことを津曲学園理事会に要求します。

一、上告を行わず、この判決を確定させること。
一、判決に従い、三教授を原職にただちに復帰させること。

 私たちは、三教授のこれまでの奮闘に敬意を表すると同時に、この裁判を支援していただいた全国のみなさんと共に、この勝利判決を心から喜びたいと思います。
 私たちは、この要求の実現にむけて三教授の支援をつづけていくことを決意しています。
 今後とも、みなさんのご支援、ご協力をおねがいします。

鹿児島国際大教職員の身分を守る会
鹿児島国際大学教職員組合
九州私立大学教職員組合連合

全国連絡会声明文(2006年10月27日)

 声 明 文

                   2006年10月27日
                    鹿児島国際大学三教授を支援する全国連絡会
                            代表 篠原三郎

 本日、福岡高等裁判所(宮崎支部)は、三教授の主張を受け入れ、学園側の控訴を棄却しました。2005年8月30日の鹿児島地方裁判所の判決(三教授の全面勝訴)を不服とした津曲学園理事会(菱山泉理事長)は福岡高等裁判所に控訴しましたが、地裁判決に続き、2002年3月の学園理事会の懲戒解雇処分が不当であるとする三教授の主張が認められました。
 本件は、鹿児島国際大学経済学部の採用人事をめぐる選考過程、教授会審議、運営等が不当であったとして、学園理事会が三教授を一方的に解雇したことにはじまるものでしたが、本控訴審判決は当初より私たちが主張してきたような学園理事会側の処分の不当性を、再度明らかにしてくれるものであります。
 私たち、鹿児島国際大学三教授を支援する全国連絡会は、学園理事会に対して、以下のように要請いたします。

1. 本控訴審判決を誠実に受け入れ、上告を行わず、三人の教授を現職にただちに復帰させること。
2. 三教授を復帰させるとともに、鹿児島国際大学を民主的で自由な学園にするように努めること。
3. 三教授の名誉を傷つけてきたことに対して謝罪すること。

 本控訴審判決とともに以上の要請を受け入れ、すみやかに本件の解決をはかることを求めます。また、4年7ヶ月にもおよぶ不当・不正常な状況をこれ以上続けることは、学生・保護者を含む学園・大学関係者にとって不幸であり、学園理事会の賢明なる判断を強く求めます。

以上

 

高裁(福岡高裁宮崎支部)判決の主文 (2006年10月27日) 三教授全面勝訴

主   文

1 本件控訴及び各附帯控訴に基づき,原判決を次のとおり変更する。
(1) 控訴人と被控訴人らとの間において,被控訴人らがそれぞれ控訴人に対し雇用契約上の権利を有する地位にあることを確認する。
(2) 控訴人は,平成14年5月1日から本判決確定の日まで,毎月20日限り,被控訴人田尻に対し1か月−−−−−−−円の割合による金員を,同馬頭に対し1か月−−−−−−−円の割合による金員を,同八尾に対し1か月−−−−−−−円の割合による金員をそれぞれ支払え。
(3) 控訴人は,平成14年5月から本判決確定の日まで,毎年3月,6月及ぴ12月の各末日限り,被控訴人田尻に対 し各−−−−−−−−円を,同馬頭に対し各−−−−−−−−円を,同八尾に対し各−−−−−−−−円をそれぞれ 支払え。
(4) 被控訴人らのその余の請求をいずれも棄却する。

2 訴訟費用は第1,2審とも控訴人の負担とする。
3 この判決は1項(2)及び(3)に限り仮に執行することができる。

研究室使用に関する仮処分命令取り消し訴訟(2006年06月28日 鹿児島地裁)


学園理事会、田尻教授に対し研究室使用に関する仮処分命令の取消を申し立てる

 津曲学園理事会は,6月28日,田尻教授に対し研究室使用に関する仮処分命令の取消を鹿児島地裁に申し立てた(「事情変更による仮処分命令取消申立書」)。

 同申立の内容は,田尻教授が満70歳になり,就業規則(理事会が主張する「2001年1月10日改定」「同年4月1日施行」)では定年になっているので,「少なくとも研究室使用許諾の部分の関係では、保全すべき権利、保全の必要性がともに消滅する事情変更が生じ」たのだから,当該部分の仮処分を取り消せ,すわなち田尻教授に研究室から出ていけというものである。

 これに対して,田尻教授は,学園の74歳から70歳に引き下げた就業規則は2001年1月10日に改定されておらず,田尻教授が懲戒解雇された平成14年3月31日より後である。したがって、学園側主張の前提となる就業規則は,適用されるものではないから、申立人の主張はそれ自体失当であるとの答弁書を提出した。また,答弁書では「就業規則は、これに従うという労働者の合意があって効力を生ずるものであり、使用者による一方的な労働条件の不利益変更はできない。定年を何歳と定めるかは重要な労働条件の一つであり、使用者が一方的に、懲戒解雇した後に独断で就業規則の改定をなし、定年年齢を下げるといった不利益変更をすることは到底許されるものではない。」と正当な主張を行っている。

 因みに,この問題に関して,今年4月に開催された理事会と組合との団交では,理事会から「係争中なので身分が確定するまで田尻教授の研究室利用は認める」という回答があったばかりである。なお,この問題とは別に,現在控訴審で進められている和解協議は,8月11日に電話会議により行われる予定になっている。

第2回口頭弁論(2006年04月23日)


鹿児島国際大不当解雇事件控訴審   第2回口頭弁論の結果 今回をもって結審!

 4月21日2時より,福岡高裁宮崎支部201号法定にて,鹿児島国際大学不当解雇事件控訴審の第2回口頭弁論が開催されました。被控訴人・三教授側の出席者は,増田・小堀両弁護士と当事者3名のほか、九州私大教連代表者や組合の役員、さらには「守る会」代表者を含む鹿児島からの支援者たちが大勢傍聴しました。一方,学園側は3名の弁護士,法人および大学の事務局長,職員1名でした。

 今回の口頭弁論において,裁判長は,これまでに双方から提出された書面類を確認し、3名に対する処分の就業規則上の根拠(条項)を学園側に確認したのち、次のようなことを述べました。

(1)控訴人・学園側が申し出た人証(菱山泉理事長等)は不必要と考え、却下する。

(2)裁判所としては、今回をもって結審とする。

 そして、裁判長は和解が相当と考えるので、別室にて待機するように指示して、閉廷となりました。

 その後,舞台は、2階の法廷から5階の部屋に移され、和解協議が行われました。双方、時間をずらして別々に裁判官に呼ばれ、和解の可能性について打診されました。その後,双方の当事者らを集めて今後の進行計画が確認されました。津曲学園は5月の理事会で検討するとの返事があったようで、6月6日午後4時から再び和解協議(あくまでも予定)が非公開でもたれることになりました。

控訴審・進行協議(2006.2.24)の結果報告

2月24日14時から20分程度、控訴審の「進行協議」が電話会議の形で行われました。

前回の予定では第2回口頭弁論が行われるはずでしたが、裁判官の交代が予定されていることから、電話会議に変更されたそうです。
そこでは、おおよそ下記のような点が話し合われたようです。

1.学園側が当方の準備書面と陳述書に反論したいと主張したので、それは3月末までに提出するようにということ。
2.裁判所が和解の可能性について学園側に打診したが、学園側が難色を示したこと。
3.第2回口頭弁論は4月21日(金)14:00から福岡高裁宮崎支部で行われること。

年頭声明(2006.1.1)

 

「告発」! あなたたちは大学財政をどれだけ投入するつもりか
―菱山泉理事長、瀬地山敏学長、伊東光晴理事ら大学経営者の社会的責任を問う―

全国連絡会事務局長 重本直利

 大学財政は、学生・保護者からの学費の納入金および公費助成などからなりたっている。この間、菱山理事長はじめ学校法人・津曲学園理事会は、この裁判に多額の大学財政を投入している。
  2005年8月30日の鹿児島地裁は、理事会による三教授に対する懲戒解雇は無効と判決を下した。中身は原告三教授の全面勝訴である。にもかかわらず、これら大学経営者は、「毒を食らわば皿まで」とばかり、最後の醜態を社会に見せている。大学人として醜悪の極みである。彼ら大学経営者は、地裁で全面敗訴後、高裁へ控訴し、賃金支払いもせず、研究室以外の利用禁止の「再警告」が出されるなど、自らの立場・権限からあらんかぎりの手段を駆使して弱い立場の三教授に全面的な攻撃をかけている。これは菱山理事長ら大学経営者の地裁全面敗訴に対するなりふり構わぬ権力行使である。まさに「天を仰いで唾する」という行為である。彼らは三教授を力で押しつぶそうとしている。大学という理性の府でこうした理不尽さは断じて許されてはならない。少なくとも地裁判決を謙虚に受け止めるべきである。
 2002年4月以降、すでに3年半以上が経過した。津曲学園理事会は、この間、この学生・保護者からの学費の納入金、公費助成金からなる大学財政をどれだけ使ったのだろうか。全国連絡会としては支出調査をはじめることにしている。この間の裁判には、学内外の広報誌、一般紙等を使い、また関西の複数の弁護士に依頼し、弁護士は公判ごとに大阪から鹿児島へ来、さらに学内の管理職員らを裁判へ動員しているなど、多大の金銭を含む負担を公益法人たる鹿児島国際大学にかけている。大学は大学経営者の私物ではない。学校法人である大学は公的な存在であり公益法人としての存在である。
  理事会、大学経営者側は、当然、この使った金額について、社会に公表する説明責任を負っている。最終的な段階において、これらの投入金額について、菱山泉理事長、瀬地山敏学長、伊東光晴理事らは、最終確定・公表し、いかなる高額であっても自弁で、つまり私財をもって償わなければならない。それが経営者たるものの社会に対する責任の取り方である。敗訴だけでは済まない。謝罪だけでも済まない。当然の理である。もし、こうした責任をとらないなら、我々は彼らを社会に「告発」するしかない。

 

 5年目の年を迎えて


                   鹿児島国際大学三教授を支援する全国連絡会
 代表 篠原三郎 

 新年のご挨拶を申し上げます。
 鹿児島地裁での勝訴にもかかわらず、嫌がらせとしか思えない津曲学園側の控訴により、全国連絡会も、いよいよ5年目の活動に入ろうとしております。
 そんななか、個人としてもさまざまなことが思いだされてきてなりません。折々詠んできた歌をかりて、その一部を紹介させていただきます。

 ・不当にも解雇されたる教師らの無念を知るやザムザをおもう

―2002年4月―
・教師らの不当解雇を訴える手紙書くこと日課となりし
・案の定事件となれば協力を惜しまぬ人と遠退く者と
・谷津山に一息で駆け上がりたき勝訴ニュースの届きたる午後

―2002年9月、仮処分決定―
・管理者に成りきりたるか往年の学者の背筋ついに見えざる
   
―2003年1月、本訴「第一回口頭弁論」を傍聴して―
・人権という言葉でもくくりえぬひとの痛みをかれら知らざる
・教師らの「解雇事件」に遭わざれば学ぶことなき人のありよう
・判決に向けて声明文案を練らねばならぬ勝訴間近し
 
 ―2005年5月、「最終弁論」を聴く―
・開廷の近づくほどにわが鼓動高鳴りて判決を待つ
  
―2005年8月30日、鹿児島地裁にて―
・構内を勝訴、勝訴と走りゆくこの体感は忘れられまじ
・臘梅の花のかがよう山の端ゆあらたまの年またはじまりぬ

 ともあれ、事件の本質が一地方の一大学の問題であるだけでなく、わが国全体の大学とその関係者が共通に直面していかざるをえない問題と受けとめ、最後の最後まで踏ん張っていかねばならないと考えています。
 新年もよろしくご協力、ご支援のほどお願いします。 

2006年1月1日

第1回口頭弁論(福岡高裁宮崎支部) 結果報告 2005.12.16

 
12月16日,鹿児島国際大学不当解雇事件控訴審・第1回口頭弁論が,福岡高裁宮崎支部201号法廷で開催されました。
 控訴審初の口頭弁論では,これまで裁判所に提出されている書面と証拠書類の確認が行われた。その後,学園理事会側はさらに追加の主張を予定していると発言。協議の結果,2月6日必着で双方の書面を提出することになりました。次回の口頭弁論は2月24日(金)14:00から。
 学園理事会側は、今日までに127枚の準備書面と陳述書2点を含む200枚近い書証を提出している。(これらの書面に対しては、ほぼ地裁での主張を繰り返しで、理事会側がでっち上げた「妄想」が拡大し、膨張しているという意見が聞こえてきました。)
 また、学園理事会側は、菱山理事長を含む2名の証人を申請しています。
 なお、傍聴には、理事会側では大学関係者3名、三教授側は、13名の支援者がありました。
  (支援者の皆さん、ありがとうございました!)

津曲学園理事会の控訴に対する三教授側の「答弁書」

 

控 訴 人  学校法人津曲学園
被控訴人  田尻 利 外2名

答   弁   書

平成17年12月5日

 福岡高等裁判所宮崎支部 御中

〒892-0841
鹿児島市照国町17番14号
エクセレント照国301号
上記被控訴人ら代理人
弁護士 増 田   博

控訴の趣旨に対する答弁

 1 本件控訴を棄却する。
 2 控訴費用は控訴人の負担とする。

控訴の理由に対する答弁

 1 控訴理由書(平成17年10月28日付)について
本件に関する原判決の判断は、いずれの争点についてもきわめて適切である。控訴人は、原判決が普通解雇事由に該当するか否かの判断を遺漏していると述べているが、原判決は、本件処分について、そもそも懲戒事由に該当する事実はないと判断した上で、普通解雇も解雇権の濫用にあたるとしているのであるから、判断の遺漏はない。

鹿児島大学卒業生による「嘆願書」(署名人46名)

 平成17年11月20日

鹿児島国際大学学長 瀬地山敏殿
 同大学 同窓会会長 野村 稔殿

嘆願書

 私たち卒業生として、大学創立70周年をお祝いいたしますとともに、大学および同大学同窓会のこれからの発展を期待してやみません。ところで、私たちにとりまして、津曲学園理事会による懲戒解雇事件が、如何に心中耐えがたいものであることをお察しいただきたく、また、以下に述べます理由により、お世話になった3先生(馬頭忠治、田尻利、八尾信光)をいち早く現職にもどしてこの事件を終息させていただきたく、ここに嘆願いたします。

1.鹿児島地方裁判所の判決(平成17年8月30日)が出ていること
2.裁判の長期化は、大学の不利益と不名誉を招くだけであり、また、卒業生として恥ずかしいかぎりであり、世間のそしりを受けるのは私たちであるため
3. 3先生が教壇に立ち、各方面でご活躍されることが、私たち卒業生としての誇りを取り戻し、いっそうの精進の励みとなるため


菱山泉津曲学園理事長、瀬地山敏鹿児島国際大学学長による非常識で悪質な「再警告書」

再 警 告 書

2005年(平成17年)11月11日

〒891-0145
 鹿児島市下福元町5860番地1
 馬頭 忠治 殿

〒890-0041 
  鹿児島市城西3丁目8番9号
学校法人津曲学園  
       理事長 菱 山   泉

鹿児島国際大学   
学 長 瀬地山   敏

当学園は、貴殿に対し、次のとおり再度警告するので、善処を求める。

1 貴殿が本学の施設を利用できるのは、2002年9月30日、鹿児島地方裁判所の仮処分決定で利用することが認められた大学7号館502号研究室のみに限られているところである。
2 しかるに貴殿は、2002年10月2日付の学長通達でも立ち入りを禁止されている上記研究室以外の本学施設内に繰り返し立ち入り、近時は、大学院研究科長らの科長室に居座って自らの処分撤回署名を求めて研究科長らの業務を妨害する等しており、極めて遺憾である。
3 2005年8月30日付鹿児島地方裁判所判決後に違反行為が目立つが、同判決は係争中で未だ確定しておらず、施設使用を許可する条項などはなく、地位確認の項目は仮に執行することは認められていない。
4 よって、通知人らは、貴殿に対し、利用が裁判所の決定により仮に認められている研究室を除き、他の学内施設(会議室、教室等を含む)に立ち入ることを禁止されていることを再度確認したい。
 上記禁止されている立ち入り行為は、施設管理権の違法な侵害であり、(予備的)解雇事由となり、しかるべき法的措置をとる所存であることを付言する。

以上

■補足説明(HP管理者)

(1)「大学院研究科長らの科長室に居座って自らの処分撤回署名を求めて研究科長らの業務を妨害する」という事態は、三教授の一人が科長室を訪れた事実はあるものの、その訪問は「許可を得て入室し、3〜4分裁判の経過を説明して協力依頼しただけであって、業務を妨害した事実はまったくなく、『忙しいからその話はしたくない』などとも言われていない」たぐいのものであったそうです。なんと恐ろしい曲解でしょう。

(2)そもそも仮処分判決に伴う三教授の「地位保全」にあって、その地位は「研究室利用」によってのみ担保されるものではなく、教育、研究、大学行政(教授会出席等)における「教授としての活動」が一般的に保障されてこそ、「地位保全」とみなすのが妥当な判断であり、社会的常識ではないか?あくまでも研究室利用にのみ限定しようとする態度は、悪質な嫌がらせであり、社会人としての常識以前の問題といえます。

福岡高裁宮崎支部における仮処分裁判 11月9日

 福岡高裁宮崎支部の仮処分裁判における第1回審尋が、11月9日に開催された。今回の審尋は、電話会議という形態で実施され、ほぼ10分程度で終了した。

 審尋の内容としては、まず、事件の基本的な性格について、裁判官と三教授側弁護士とで確認がなされたあと、審尋が開始され、最初に、裁判官から和解案が提示された。その内容は、「学園は毎月の給与分を支払うとのことだが被控訴人はどうか」というものであった。この提案に対し、三教授側は賞与を含めた支払を求めたいと回答した。学園側はこの求めに即答せず,11月末までに返答するということになった。学園側が賞与を含めた仮払いを拒否した場合,裁判による決着にゆだねられることになる。この点を確認し、審尋は終了した。

 なお,仮処分決定は,2審を限度とし,三教授側が求めていた「本案判決確定の月まで」という申請内容は無理である旨,確認された。また三教授側の控訴審における和解条件については,文書であらためて高裁に提出することになった。
 控訴審は,12月19日に第1回口頭弁論が開催される予定となっている。

■結果報告
11月下旬。裁判所の調停により、2005年12月から三教授に給与が支払われ、馬頭教授には12月、6月のボーナスの一部も支給されることになりました。支給期限は、高裁の判決が出されるまでとなっています。したがって、高裁での仮処分裁判は行われません。

三教授:高裁における仮処分申請書 2005年10月7日

仮 処 分 申 請 書

平成17年10月7日

福岡高等裁判所宮崎支部 御中

債権者ら代理人
弁護士  林     健 一 郎
同   井 之 脇  寿  一
同   森     雅  美
同   増  田     博
同   小  堀  清  直

申 請 の 趣 旨

1 債務者は、債権者田尻に対し、各金 ------ 万 ------ 円を、債権者馬頭に対し、各金 ----- 万 ----- 円を、債権者八尾に対し、各金 ----- 万 ----- 円を、いずれも平成17年9月から本案判決確定の月までの毎月20日限り、それぞれ仮に支払え。
2 申し立て費用は債務者の負担とする。

申 請 の 理 由
(略)

声明文 鹿児島国際大学三教授を支援する全国連絡会 2005.9.15

<声明文>
学校法人・津曲学園理事会の控訴に抗議し、控訴の取り下げを求める!

 2005年8月30日、鹿児島地裁は、鹿児島国際大学三教授の懲戒解雇を無効とした。その判決は原告・三教授の全面勝訴というべき内容であった。解雇から3年半、本訴から2年10ケ月余りを経ての勝訴である。また、本件以外にも関連する仮処分判決を含む4件の判決もすでに、ことごとく被告・学園理事会側の敗訴となっている。
 この間、被告・学園理事会側は、訴訟にあたって多額の学園財政をつぎ込み、裁判傍聴に教職員を動員し、学園広報を利用し、さらに関西からの弁護士2名を訴訟代理人とした。これらのことは、菱山理事長、伊東光晴理事ら学園理事者が、自らの理事(経営者)という立場を可能な限り利用しつくした訴訟であったことを意味する。被告・理事者側の裁判所へのこれまでの提出書面は関係するもの・使えるものはことごとく提出するという徹底したものであり、その分量は膨大であった聞いている。しかし、当然の帰結ではあるが、「無理が通れば道理が引っ込む」とはならず、被告・理事会側の全面敗訴であった。

 菱山泉理事長、伊東光晴理事はじめ全理事は、この全面敗訴という結果を謙虚に受け止め、三教授を原職にただちに復帰させるべきである。また、学校法人・津曲学園、鹿児島国際大学のこれ以上の財政を含む具体的損失、社会的なイメージダウンを回避すべきであろう。公益法人たる学校法人の経営者として、学生納付金に学園財政のほとんどを依拠する私立学校の経営者として、その社会的・経営的責任を深く自覚すべきではないか。さらには、三教授とご家族はじめ、学園に関係する学生、生徒、保護者、同窓生、教職員、地域住民などに、これ以上の精神的な苦痛・負担・迷惑をかけるべきではないだろう。
 にもかかわらず、菱山泉理事長、伊東光晴理事ら学園理事者は、9月8日、「原判決は当方の主張が認められておらず不満。上級審の判断を仰ぎたい」とし、福岡高裁・宮崎支部に控訴している。身勝手な恥かしい行為と言えよう。すみやかに控訴を取り下げることを求める。

            2005年9月15日
                鹿児島国際大学三教授を支援する全国連絡会

学園側:控訴状 2005年9月5日

控 訴 状

2005年(平成17年)9月5日

福岡高等裁判所 宮崎支部 民事部 御中

控訴人訴訟代理人        
弁護士 金 井 塚      修
弁護士 金 井 塚  康   弘

後記当事者間の鹿児島地方裁判所平成14年(ワ)第1028号解雇無効、地位確認等請求事件について、平成17年8月30日判決の言い渡しがあり、同日判決正本の送達を受けましたが、全部不服であるので控訴を提起します。

〒890-0041 鹿児島市城西3丁目8番9号
控訴人 学 校 法 人 津 曲 学 園
           上記代表者理事長 菱   山      泉
〒604-0872 京都市中京区東洞院通夷川上ル三本木5−478
       上記控訴人訴訟代理人 弁護士 金 井 塚      修

〒891-0145 鹿児島市錦江台3丁目4番13号
  被控訴人 田  尻     利
〒891-0144 鹿児島市下福元町5860番地1
被控訴人 馬  頭  忠  治
〒891-0145 鹿児島市錦江台3丁目19番13号
被控訴人 八  尾  信  光

原判決の表示

主 文
1 原告らが、被告に対し、それぞれ雇用契約上の権利を有する地位にあることを確認する。
2 被告は、平成14年4月から本判決確定の日まで毎月20日限り、原告田尻利に対し金――万――――円、原告馬頭忠治に対し金――万――――円、原告八尾信光に対し金――万――――円をそれぞれ支払え。
3 被告は、平成14年6月から本判決確定の日まで毎年3月、6月及び12月の各末日限り、原告田尻利に対し金―――万――――円、原告馬頭忠治に対し金―――万――――円、原告八尾信光に対し金―――万――――円をそれぞれ支払え。
4 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。
5 訴訟費用は被告の負担とする。
6 この判決は、第2項、第3項に限り、仮に執行することができる。

事実及び理由
(省 略)

控訴の趣旨

 1 原判決を取り消す。
 2 被控訴人らの請求をいずれも棄却する。
 3 訴訟費用は第1審、2審とも被控訴人らの負担とする。
との判決を求める。

控訴の理由

おって、控訴理由書を提出する。

以 上 

要請書 (鹿児島国際大学三教授を支援する全国連絡会) 2005.8.31

学校法人津曲学園理事 殿

要 請 書

                   2005年8月31日
                    鹿児島国際大学三教授を支援する全国連絡会
    代表 篠原三郎

 
 昨日、鹿児島地方裁判所は、原告三教授の訴えを全面的に受け入れ、解雇無効の判決を言い渡しました。2002年3月の学園理事会の懲戒解雇処分が不当であるとする三教授の主張が認められました。
 本件は、鹿児島国際大学経済学部の採用人事をめぐる選考過程、教授会審議、運営等に不正があったとして、学園理事会が三教授を一方的に解雇したことにはじまるものでしたが、勝訴判決は、当初より私たちが主張してきたような学園理事会側の処分の不当性を明らかにしてくれるものであります。

 私たち、鹿児島国際大学三教授を支援する全国連絡会は、学園理事に対して、以下のように要請いたします。
1. この判決を誠実に受け入れ、三人の教授を現職にただちに復帰させること。
2. 三教授を復帰させるとともに、鹿児島国際大学を民主的で自由な学園にするように努めること。
3. 三教授の名誉を傷つけてきたことに対して謝罪すること。
4. 全教職員、学生および保護者を含む学園関係者に事件の真相を説明すること。

以上
                   
                                       
連絡先事務局; 612‐8577 京都市伏見区深草塚本町67
 龍谷大学細川孝研究室気付
Tel  075‐645‐8634


付記;下記の関係資料を同封いたしました。ご高覧下さい。
1) 全国連絡会パンフレット、ポスター、リーフレット
2) 全国連事務局編『いま、大学で何がおきているか』(発売・かもがわ出版)

3)第6回全国会合案内チラシ

声 明 (鹿児島国際大学教職員の身分を守る会/九州私大教連)  2005.8.30

 

声 明

 本日、鹿児島地裁は、原告の訴えを全面的に認めて、解雇無効の判決を言い渡しました。2002年3月の懲戒解雇処分以来、三教授が主張してきた「解雇は不当である」という訴えが認められ、勝訴しました。

 解雇を不当としたこの勝訴判決によって、「不正があった」とする学園の言い分が完全に否定されて、大学内における教員の身分保障の重要性が改めて確認されまし允。

 私たちは、三人の原告のこれまでの奮闘に敬意を表すると同時に、全国のこの裁判を支援していただいたみなさんと共に、この勝訴判決を心から喜びたいと思います。そして、この勝訴判決をうけて、三教授を学園に復帰させる活動をただちに開始したいと思います。

 被告学園理事会側に対して、私たちは以下のことを求めます。

 1,控訴をしないで、この判決を確定させ、三人の教授を原職にただちに復帰させること。
 2,理事会は、解雇処分の誤りを認めて、鹿児島国際大学をふたたび活気のある、自由な学園に戻すようにつとめること。

 今後とも、みなさんのご支援、ご協力を布ねがいします。

鹿児島国際大教職員の身分を守る会
九州私大教連


2005年8月30日

声 明 (鹿児島国際大学三教授を支援する全国連絡会) 2005.8.30

 

声 明

2005年8月30日
鹿児島国際大学三教授を支援する全国連絡会

 本日、鹿児島地方裁判所は、原告の訴えを全面的に受け入れ、解雇無効の判決を言い渡しました。2002年3月の学園側の懲戒解雇処分が不当であるとする三教授の主張が認められました。

 事件は、鹿児島国際大学経済学部の採用人事をめぐる選考過程、教授会審議、運営等に不正があったとして、学園側が三教授を一方的に解雇したことにはじまるものでしたが、勝訴判決は、当初より私たちが主張してきたような、学園側の処分の不当性を明らかにしてくれるものであり、歓迎するものであります。

 私たちは、三教授のご家族のこれまでの奮闘に敬意を表すると同時に、地元鹿児島の「国際大学身分を守る会」をはじめ全国の多くの支援者とともに、この勝訴判決をこころより喜びたいと思います。また、終始、粘り強くご協力いただいた増田博弁護士をはじめとする弁護団に深く感謝するものであります。

 被告学園側に対して、私たちは以下のように要求します。
 1. この判決を誠実に受け入れ、三人の教授を現職にただちに復帰させること
 2. 三教授を復帰させるとともに、鹿児島国際大学を民主的で自由な学園にするようにつとめること
 3. 三教授の名誉を傷つけてきたことに対して謝罪すること
 4. 全教職員、学生および保護者を含む学園関係者に事件の真相を説明すること

以上

傍聴レポート 「裁判傍聴、私記〜最終弁論をきいて〜 」篠原三郎代表 2005.8

 5月17日、裁判がはじまって15回目の口頭弁論の日、被告学園側の引き延ばし策にあいながらも、ようやく漕ぎ着けた結審、最終弁論の日である。裁判は、午後1時10分にはじまる。
 裁判制度の知識に疎いわたくし、今回あらためて知ったことであるが、民事訴訟では、口頭弁論での陳述事項を事前に裁判所に「準備書面」として書類を提出しておくことになっているそうである(この制度、わが国に独特のようだ)。
 この日の書面がA4版で42枚となるほどの厖大なものであった。しかも、「三教授」と弁護士団が正確性を期するため何日も前から意見と議論を交わして作成した入念なものである。実は、たまたま前日の16日に鹿児島入りしたわたくし、書面作成の大詰めの段階の夕方、弁護士事務所でおこなわれているその現場に居合わすことになったが、その場に流れる雰囲気はほんとに烈しく、ときには厳しく、緊張の連続、午後10時近くまでつづくのである。
 解散後、翌日の口頭弁論のための要旨をさらに用意しなければならない増田弁護士は、多分夜半すぎの帰宅になったのではなかろうか。
 それゆえか、「本件では原告らを懲戒解雇したり、解雇したりするような事由は全くない」、「本件では、大学の自治、学問の自由に反する余りにも酷い処分であり、その違法性は著しいものと言わざるを得ない」、「原告らは、早急に救済されるべきである」、と終わる当日の裁判所での弁護士の口頭弁論は、堂々たるもので、実に明快、見事であった。この印象は、私だけのものでなく、傍聴にきていた多くの方から聞かれるものでもある。
 それに対する被告学園側の弁護士からは、法的に明確な裁決を期待しているといった程度の短かな発言しかきけなかった。しかも、早口で声が小さく、はじめの方は正確に聞きとれない。横柄で投げ遣りな態度とさえ感じられるものであった。
 その上で、期待していただけにさらに残念だったことは、被告側の有力者であり、第1回口頭弁論の折には、証言台にたって大見得を切ったような発言をされていた菱山泉理事長が出席せず、また、裁判にはこれまで一度も姿をあらわさなかったという伊東光晴理事、今回も出てこず、彼らの表情を直接知ることができなかったことである。
 閉廷後の当日、夕刻から開かれた地元の「鹿児島国際大学教職員の身分を守る会」幹事会での議題は、8月30日と決まった判決日での勝訴にかかわる具体的な取組み・段取、また予想される被告側の控訴をいかに阻止するかが中心で、賑わうものであった。


   判決に向けて声明文案を練らねばならぬ勝訴間近し

本訴裁判 第15回口頭弁論(結審)2005.5.18 結果報告 

 鹿児島国際大学解雇事件本訴裁判は,5月17日,第15回口頭弁論が開催されました。今回の口頭弁論は前回「弁論準備」で決められていた通り最終口頭弁論であり,したがって傍聴席は全国から集まった原告側支援者も含めて満席となりました。
 
 法廷では,まず裁判長から前回口頭弁論以降に両者から提出された証拠や準備書面等の確認がなされました。そのあと原告側代理人の増田弁護士から,約10分間にわたって最終準備書面の趣旨が述べられました。(以下,その趣旨を要約)

 本件教員採用審査に関わって懲戒解雇処分を受けた原告田尻利教授と馬頭忠治教授については,応募者の中で最も卓越した学問的業績をもった候補者を公募科目の担当者として教授会に推薦したにすぎない。候補者の学問的業績と科目適合性は,多くの著名な学者たちが裁判所に提出した意見書で指摘しており,原告らはそうした人物を公平に選考した。また,原告らの判断とは異なる選考委員の意見に対しても,それを取り入れ教授会報告を行った。同時に業績報告書の内容においても虚偽はない。
 また人事案件を審議する教授会運営に関わって懲戒処分を受けた八尾信光教授については,当の審査教授会において,反対意見者に充分な発言を保証し,議論が活発になされている。したがって,懲戒事由とされた多数の教員の意見を無視して不適切な議事運営を進めたことはない。また,学部新設、大学院設置に関して財政面からも積極的に意見を述べ、学長に文書や資料を提出したが、これは経済学部長として当然のことであり,それまでの親密さから率直な意見を述べたにすぎない。
 そして,本件懲戒解雇は,手続き面においても,教授会の審議を経たものではなく,また同大学就業規則に定める労働基準監督署長の認定も受けないまま行われたことが指摘され,その不当性が述べられました。

 一方,学園側弁護士は,1分にも満たない弁論らしき発言をしただけでした。

 最後に,裁判長から判決の言い渡しは8月30日1時10分から行われる旨,伝えられました。

 こうして,解雇無効、地位確認等を求めた本訴裁判は,結審を迎えることができました。2002年11月19日に鹿児島地裁へ訴状を提出してから今日まで約2年半が経過しました。いよいよ判決は8月30日です。今後ともご支援のほどよろしくお願い致します。

ラウンドテーブル形式による「弁論準備期日」 

 4月25日鹿児島地裁にて,鹿児島国際大学解雇事件本訴裁判の「弁論準備期日」が開催されました。
当初,口頭弁論は5月17日に行われる予定でしたが,被告学園側の要求によって,急遽,標記の裁判手続きが行われることになり,ラウンド・テーブル形式において実施されました(原告側は原告3人と4人の弁護士,被告学園側は金井塚弁護士親子と事務職員1人の出席)。
 今回の内容は,@被告側から原告側が解雇権濫用の主張をするのか否かについての確認,およびA裁判所が作成した「事実整理案」に対し被告側が「意見書」で膨大な加筆修正を要求したが,これをどのように扱うか,の2点でした。
 協議の結果,@については,原告側はこの点を予備的に主張することなりました。Aについては,被告側から出された多くの主張を取り上げるかどうかの判断は,裁判所に一任するという結果になりました。また、被告側から、最終準備書面について、時間をほしいとの要望もありましたが、この点についても、原告側弁護士が、すでに以前から予定してきたことで、いまさら変更する必要はないと反論、予定通り,次回第15回口頭弁論は,5月17日(火)13時15分からとされ,それで弁論は終結することに決まりました。
 この裁判,2002年11月19日に原告が訴状を提出してからすでに2年半が経過しましたが,次回でやっと結審となります。判決は夏ごろになるのではないかと考えています。引き続き,皆様のご支援をよろしくお願い致します。

本訴裁判 第13回口頭弁論2005.2.1 報告

2月1日鹿児島地裁にて,鹿国大解雇事件本訴裁判(「解雇無効・地位確認等請求裁判」)の第13回口頭弁論が開催されました(全体は6〜7分で終了)。この裁判は,すでに04年11月16日の第12回口頭弁論で証拠調べ(証拠書類の確認や双方への尋問など)が終了し、最終盤に入っています。

 前回第12回口頭弁論において,被告学園側は、懲戒解雇を裁判所に認めてもらうのは難しいと考えたのか、2年余り前に三教授に通告した「予備的解雇」(裁判所が本訴で懲戒解雇を「無効と判断」しても普通「解雇する」と通告した件)についての追加準備書面を提出したいと要求し、2004年12月20日までに提出すると約束していました。しかし,被告学園側はそれを提出せず、今回の第13回口頭弁論では、これを出さないと言いました。
 この書面について被告学園側は,04年12月20日付で裁判所に提出した「上申書」でも、「普通解雇事由について」の主張整理を「鋭意準備中でございますが」「今しばらくのご猶予を賜り」たいと述べていました。しかし,今回の口頭弁論では裁判長から、前回提出したいと言っていた「通常解雇」についての準備書面は出さないのですか、ときかれて、被告側弁護士は、それについては今のところ出さないつもりなので、裁判所としての論点整理をしてほしいと言ったのです。

 最後に裁判長が、3月1日(13:15からの第14回口頭弁論)までに裁判所としての争点整理案を出すとの方針を示して、弁論は終了しました。今後,この争点整理案を踏まえて被告・原告の双方が最終準備書面提出して結審(口頭弁論)し、その後に「判決」が下されるという見通しとなりました。

全国連絡会・新年のごあいさつ/篠原三郎代表(2005年1月1日)

新年をお迎えのことと存じます。
旧年は、鹿児島国際大学三教授支援の取り組みに一方ならぬご支援を賜りまして、まことに有難うございました。「不当解雇」事件が起きてから足掛け四年に入る今年、地裁での決着がいよいよみられるのではないか、と思われます。
三教授からの「仮処分申請」に対しては「法的に争う」と当初豪語していた学園当局側の主張、その他もろもろの画策も、その間、法廷の場でことごとく却下されつづけてきました。学園側の謝罪と経営責任を改めて問いたくあります。
一日も早い、三教授の勝利と職場復帰、名誉回復を願わないではいられません。ご家族の思いを察するにつれいっそう、たえられぬ気持ちになります。冤罪は晴らさなければなりません。
しかし、なにを仕掛けてくるかもしれない学園当局、したたかな連中相手、最後の最後まで息を抜くことなく、慎重であらねばならないと思っております。
今後ともよろしくご支援いただきますよう、お願い申し上げます。

臘梅(ろうばい)の匂いただよう朝の道あらたまの年よくぞありたき

2005年1月1日 篠原三郎

三教授解雇問題をめぐる裁判の経過 (現地関係者からの報告)

三教授解雇問題をめぐる裁判の経過

2004年12月10日

2002年3月末に強行された三教授解雇処分をめぐっては、これまでに6つの裁判が行われてきましたが、去る9月13日までに下記5つの裁判が決着し、それらのすべてにおいて良い結果が得られました。

・地位保全等仮処分申立裁判2002年4月提訴、4回の審尋を経て9月末に全面勝訴
・仮処分決定に対する学園側の異議申立裁判:02年12月に提訴、その審理は下記の本訴裁判の中で行われ、04年3月末に三教授側が全面勝訴
・仮処分決定への異議申立を却下した地裁の決定に対する学園側の福岡高裁宮崎支部への保全抗告裁判:04年4月提訴、9月に学園当局が提訴取下げ
・03年10月以降の賃金仮払いを求めた仮処分再申立裁判:5回の審尋を経て、04年8月に勝訴(裁判所は6月から本訴第1審判決までの生活費等の仮払いを命じた)。
・南日本新聞杜と八尾教授に対する学園側の名誉毅損損害賠償訴訟:03年4月提訴、4回の口頭弁論を経て、04年1月に原告の請求を全て却下する判決。被告側全面勝訴

なかでも仮処分決定に対する学園当局の異議申立裁判において、本訴を担当する裁判官たちが、「学問的立場の違いを理由に懲戒処分」すべきではない旨を説示した上、「債権者らには懲戒事由に該当する事実は認められない」から「解雇は…無効である」、大学の教員が「大学の将来の方向性について意見を述べることは当然に認められるところであって、懲戒事由を構成するものではない」という判断を示したことの意義は非常に大きいと考えられます。
最も重要な裁判は、2002年11月に三教授が提訴した「解雇無効・地位確認等請求裁判」(本訴)ですが、これについては、03年1月以降(途中2回の円卓審理をはさんで)04年11月までに12回の口頭弁論が行われ、証拠調べ(証拠書類の確認や双方への尋問など)を終了しました。このうち、第6回から第9回の口頭弁論では被告側3証人と菱山泉理事長(前学長)本人への尋問、第9回から第12回では証人1名をふくむ原告側4教授への尋問が行われ、三教授らに懲戒事由に該当するような事実がないことが一層明白になりました。
しかしその設階で被告側弁護士が、「予備的解雇」(裁判所が懲戒解雇を「無効と判断」しても「解雇する」という通告)について、追加準備書面を提出したいと主張したため、裁判がさらに引き延ばされることになりました。なお、この「予備的解雇」についても、上記異議審の決定で、「解雇権の濫用に該当し無効である」との判断が示されています。
今後の裁判は、「予備的解雇」についての被告・原告の準備書面提出→第13回口頭弁論(2005年2月1日)、裁判所による争点整理→第14回口頭弁論(3月1日)、原告・被告の最終準備書面提出→口頭弁論(結審)一→「判決」という運びになる見通しです。
裁判は当初の予想よりも長引かされていますが、これまでの裁判経過から見て、勝訴は間違いなく、三教授らは元気にがんばっています。

〔現地関係者からの報告〕

本訴裁判 第12回口頭弁論 報告 2004.11.16

 11月16日(火)13時30分より、第12回口答弁論が行われました。

 授業があることもあり、傍聴席は空席が目立ちました。1時45分から、馬頭教授に対する反対尋問が、3時より4時45分まで八尾先生の主尋問、反対尋問が行われました。今回で証人尋問は終わりました。12月20日までに、被告側から通常解雇に対する補充陳述書が提出され、原告側の反論が1月25日までになされ、2月1日1時15分より主張整理(書類の交換のみ)、3月1日1時15分より、裁判所より書面(?)が出され、4月か5月に結審されるようです。

 反対尋問は新しい論点はだされず、これまで通りの主張が執拗に強圧的に繰り返されましたが、馬頭、八尾両教授は淡々と明快に答えていました。
 馬頭教授に対しては、候補者は労働経済の専門であり、人事管理論、労務管理の専門ではない、労使関係論、人事管理論の論文がそれぞれ10本なければいけない、京大教授の赤岡氏が、人事管理論と労使関係論は切り離せないとしていると尋問。これに対し馬頭教授は、「管理論でないと経営学ではないという考え方は賛同しかねる」、また赤岡教授を気遣いながら、「赤岡先生の議論は森五郎さんの説を曲げておられる。今回の公募科目を設定した経緯を知らず、労務管理であると理解され決めつけている」と答えました。これに対し金井塚弁護士は「赤岡教授はこれまでの東大、京大の意見を踏まえて仰っている」と主張。「そうは思いません」と馬頭教授ははっきり断言されました。

 このほか大声を出した回数、人事管理論を業績報告書からはずし口答報告にすることを話しあったのはいつか(第3回で話し合ったという田尻教授と辻褄を合わせるため、亀丸教授と馬頭教授が共謀したとしたいようでした。)、候補者との個人的付き合いについて問われましたが、いずれも問題になるようなものではありませんでした。井の脇弁護士より尋問があり、10人の応募者のうち、人事管理論労使関係論の論文が各10本必要だとすると、それに該当するのは委員会が選んだ候補者だけで、あとの9人はまったく満たしていなかったこと、その結果面接までは原口氏も含めて全員で候補者を一位に選んだことが確認されました。
八尾教授は、井の脇弁護士の質問で、新学部、大学院開設委員会で菱山学長から財政的なことも考えていかなければならないという発言があり、大いに議論しようということで、学園のことを思い意見をいったこと。教授会運営は偏ることなくきちんとなされたことがあきらかになりました。

 反対尋問は金井塚親子が、代わる代わる資料を見る必要のない時も詰め寄って質問を続け、原告側弁護士が「ここは糾弾の場ではない」と制止しました。委員会審議の経過を聞き、教授会運営について事前に話し合いをもったのでは?教授会で退席者が出る事態は尋常ではないから採決すべきではなかったでは?教授会報告が2日後になったのは、その間に田尻教授らと話しをあわせていたのでは?採用候補者当人からの辞退の手紙が八尾教授に届いたのは懇意だったからではといった質問がなされましたが、事前に話し合った事実はなく、報告も翌日の面会を断ったのは学長で、2日後に報告した時には、学長は誰かの報告を受けみな知っていた。採用候補者からは、郵送で経済学部長宛に事務局に届いたこと。一度投票にはいることを審議し決めてから、退席者がでたからといって投票をやめることの方が問題と答えられました。菱山学長への手紙は、それまでの3年間、研究者としても学部長としても親密な関係が有り、心から菱山学長の健康と学者としての経歴が誤った大学運営により傷つくのを心配したためであったこと、また外部の人に手紙や資料を送った事実はなく、いずれも学外であっても開設委員会のメンバーであったことが述べられました。

 支援集会では井の脇、小堀、増田弁護士より、新たな主張はなく両教授の回答もよかった、被告側の主張の不十分さがあきらかになったという解説がなされました。馬頭先生、八尾先生お疲れさまでした。

本訴裁判 第11回口頭弁論 報告 2004.9.13

2004年9月13日 鹿児島からのレポート

鹿児島国際大学解雇事件本訴裁判の第11回口答弁論が、9月13日(月)13時35分から16時半まで(途中15時より5分間休廷)、鹿児島地206法廷で開かれました。傍聴者53名。原告側証人亀丸教授に対する反対尋問(前回の続き)と原告馬頭教授への尋問が行われました。

前の裁判が長引き5分遅れで開廷。前回のこり30分と言っていた亀丸教授への反対尋問は1時間半におよび、一般委員(保健体育)の亀丸教授に対し科目適合性について尋問を続けました。金井塚弁護士 「スポーツと人事管理論は通じるものがある。阪神が優勝したら、経営者がこぞってその本を読むじゃないですか。仲村氏の論文にピンとくるものがありましたか」と尋ねました。亀丸先生は「考え方を応用することはあるかもしれません」と答えられました。また前回、懲戒処分を納得していないと答えたことについて、「あなたが解雇にならなかったはなぜか?」と質問しました。真実を語る証人に対して、学園側弁護士のこうした質問は大変なプレッシャーであり、フェアでない気がしました。

5分の休憩をはさみ馬頭教授への尋問が始まりました。委員会審議の経過や候補者の科目適合性について、明快に答えました。弁護士によるあらゆる角度からの質問に、真実を語っている証人とそうでない証人があぶりだされました。馬頭教授の候補者の選考理由は門外漢の傍聴人にも、説得力がありました。16時少し前で、予定時間を30分あまり残し「科目適合性については、また次回に。今日はここまで」と金井塚弁護士が中断しようとしましたが、裁判長からも馬頭教授からも質問を続けるよう促され、予定通り16時半まで行い終了しました。

次回は11月16日(火)1時半より、馬頭教授の反対尋問の続きと八尾教授証人尋問が行われます。昨日おこなわれた全国連絡会の会合に出席した小栗教授、田尻教授より報告がありました。

本訴裁判 第10回口頭弁論 報告 2004.8.26

2004年08月26日

鹿児島国際大学解雇事件本訴裁判第10回口頭弁論(8月9日)

 鹿児島国際大学解雇事件本訴裁判第10回口頭弁論は,2004年8月9日(月)13時30 分から16時30分(途中15時から15時20分まで休廷)、鹿児島地裁206号法廷で開催さ れました。傍聴者60名程度でほぼ満席。今回の口頭弁論では,原告田尻教授への本人尋問(続き)と原告側証人亀丸教授への証人尋問が行われました。
 まず,最初の2時間は、前回途中で終わった原告田尻教授への本人尋問の続きが行 われました。
 初め20分程度、増田弁護士による主尋問が行われ、教員選考委員会で採用候補者を決定したあと業績評価報告書が作成された経緯と、教授会における報告と審議につい ての証言がなされました。
  この中で田尻氏は、おおよそ次のように証言しました。
 (1)教員選考委員会としては、当該採用候補者を第1位にすることに全員一致で決定 し、「労使関係論」と「人事管理論」の両科目を担当してもらえるという判断だったが、主査が「人事管理論はどうか」という意見を述べ、面接後の投票で採用候補者に決定された後、採用反対の主張をしたので、教授会へは「労使関係論」の教授として 推薦し、「人事管理論」も担当可という点については口頭で報告することで合意し た。教授会では、委員会報告書を配布し「労使関係論の教授として推薦」したが、報告の中では、「人事管理論も担当可能」であると判断した旨を二度にわたり口頭報告した。
 (2)教授会で独自の業績評価報告をしたいという主査の要求について、委員会は口頭での報告を認めただけであったが、主査は独自の文書を配布して30分以上にわたり 報告した。その後、採決に移ってほしいという意見があり、それには反対がなかったと思う。
 (3)委員会で5名のうち4名が馬頭副査の業績評価に賛成したのは、馬頭氏の方が学界状況や研究史を踏まえた評価をしており説得力があったからである。被告側は主査の専門性を高く評価し、主査の意見に従わなかったことを処分理由にしているが、自分はそう思っていない。馬頭氏には労使関係論に関する業績があり、人事管理論(労務管理論)に関する論文も評価されている。これに対して、主査の業績の中には他人の本の内容と全く同じことが書かれているものもある(甲69号証と甲70号証を照合されたい)。

 次に行われた原告側証人亀丸教授(教員選考委員会の一般委員を務めた)について は、15時50分ごろから井之脇弁護士が20分程度の主尋問、金井塚弁護士が20分あまり の反対尋問をしたところで時間切れとなりました。

 次回の第11回口頭弁論は、9月13日(月)13時30分から16時30分に行われ、亀丸・ 馬頭・八尾の三氏への尋問が行われることになりました。

「あつい鹿児島」 篠原三郎氏(鹿児島国際大学教職員の身分を守る会・第三回総会に参加して) 報告
あつい鹿児島

 7月17日、行く先はさぞかし暑いのでは、と覚悟して出かけましたが、着いた途端、空は遠くまで澄み、四囲の緑の山や森が初夏ではないかと思われるくらい透明である鹿児島であったことに驚きましたが、そんな明るい印象に重なるような鹿児島大学での「鹿児島国際大学教職員の身分を守る会・第3回総会」でした。
 「総会」では(挨拶等は省路しますが)、裁判傍聴活動を中心に、既報(@南日本新聞社と八尾教授を相手取っておこした学園当局の名誉毀損裁判では、被告側の主張が全面的に認められる。A仮処分決定に対する学園当局の異議申立も、学園側の主張が全面的に退けられる。……)のような、われわれに有利な裁判の進展のなかで、解雇処分の不当性もつぎつぎに明らかにされつつあり、現在、被告・原告双方からの尋問の過程に入り、「結審そして判決の日もそう遠くない」ことが報告されました。
つぎに、「守る会会員」や一般市民向けの街頭での情宣活動をめぐる具体的な取組みなど、また、「連合鹿児島」「鹿児島県労連」、その他との連携の状況など紹介されました。
 最後に、これからの活動方針が取り上げられましたが、それらを含め、地元でなくてはできないような木目の細かい諸活動の全体をうかがわせてもらい、感心しました。
 閉会後、二次会、三次会と多くの方と夜半まで個人的に語りあってきましたが、「守る会」の人たちのこころの熱さに圧倒されるばかりでなく、大学問題をめぐり多くのことを学びました。そして、なにより、三教授がそれぞれの課題に向かって元気で活躍されていることを知り、うれしく思いました。
 ともあれ・なにを仕掛けてくるかもわからない学園当局のしたたかな連中相手との闘い、最後まで息を抜くことなく、頑張らねばならないとの思いで帰ってきました。

「三教授、不当解雇」に遭わざれば知ることもなき人の生きざま

篠原三

全国連絡会編ブックレット『いま,大学で何がおきているか』 へのメッセージ  2004.7.6現在

*本訴での勝利を確信しております。ささやかな募金、刊行の負担として。(T)

*このたたかいに克つことが、全国の教育反動化粉砕の突破口になります。ご苦労さまですが、頑張ってください。(K)

*「無理が通れば道理ひっこむ」ような世情ですが、道理が通りつつあることを、うれしく力強く存じます。(G)

*本は他人事ではなく拝読しました。「下山氏の意見書」は良識を代表する見解であると思いました。(U)

*貧者の一灯です。会と三教授の健闘を祈りつつ。(F)

*私もA大年金10%不当削減について裁判をやりましたが、時間はかかり、カネもかかり、その上、精神的苦痛もはかりしれないものです(相手は大学のカネで裁判ができます)。
まして、お三方のご苦労は並のものではなく、心から支援いたします。(Y)

*立派な闘いの記録・総括の書『いま、大学で何が…』の出版をお慶び申し上げます。全国どこの大学にもよそごととは思えない、貴重な教訓として学ばせていただきます。(M)

*『いま、大学で何がおきているか』拝読しました。とくに最後の下山意見書を読んで得心しました。……(以下、省略)。(K)

*本当にお疲れさまです。勝利することを祈っています。早く元の状態に戻れるといいですね。和平の道はないのでしょうか……。(Y)

*いつもご苦労様です。国立大学の法人化に伴う学者・研究者の労働条件向上にご努力のことと思います。……(以下、省略)。(H)

*貴重な本をありがとうございました。国立大学の独法化も含めて、学問、教育、雇用など広く考えていかねばと思います。そのために力になる本だと思います。(N)

*先生方の貴重な研究・教育の時間を奪う大学側の不法行為にますます怒りが大きくなります。この本が多くの人の手に渡り、自らの問題としてこの問題を考えられるようにしたいと思います。(A)

*貴重な御書『いま、大学で何がおきているか』拝領いたしました。三教授支援のご尽力、誠にご苦労に存じます。想い起こしますと、かつての「大学紛争」以来、大学の改革の議論が広く起こりましたが、私がB大学を退職した昭和63年(1988年)以後、大学の学科・講座の改変と、それに伴う管理運営制度の「改革」が急速に、全国的に進展し、遂に国立大学の行政法人化に至って明治以来の大学制度の「上」からの「大革命」となりました。10数年間の大きな変革に、老骨の身、ただただおどろいています。政治・経済あるいは文化など諸分野の変貌に相応して研究教育のあり方も変化・改革されざるを得ないことは当然ですが、そのことによって「学問の自由」、それを保障する「大学の自治」が失われるならば大学の存在理由がなくなるでしょう。心ある研究者の危惧の言がともすれば大きな「改革」潮流に押し流されそうな今日、鹿児島国際大学三教授支援の皆様方の運動は「学問の自由」と「大学の自治」を護る篝火の意義をもつものとひそかに思念し、敬意を払います。勝訴の一日も早いことを期待いたします。(Y)

仲田正機氏『いま,大学で何がおきているか』 書評 (ねっとわーく京都」2004年7月号掲載)

 鹿児島国際大学の「人権侵害行為」から学問の自由と人権を追及した好著 −『いま,大学で何がおきているか―市民のための「大学改革」をめざして―』

仲田正機

 市民の皆さんにも是非お読み頂きたい本が出されました。こんなことがあっていいのだろうか、誰も「まさか大学で」と思うことが現におこったのです。それをまず知ってほしいわけです。
本書の発行主体は、「鹿児島国際大学三教授を支援する全国連絡会」(以下では、「三教授支援連絡会」と略す)であり、編集の労をとられたのは「三教授支援連絡会」の事務局です。一気呵成にお伝えしたい気持を先走って書きましたが、少し問題の経緯を説明します。

 今から2年前、2002年3月29日に鹿児島国際大学長と同大学を経営する学園理事長が同大学経済学部の三人の教授を懲戒退職処分にしたのです。
その理由は,その2年前に行なわれた2000年度の教員採用選考の審査において「虚偽」を働いたというのです。もう少しわかり易く言いますと,校務である教員採用選考の審査において「不正を働いた」というのです。勿論、「虚偽」や「不正」などありませんでした。
このことは、2002年9月30日の鹿児島地方裁判所の「地位保全等仮処分決定」においても、また同学園理事長や大学長の側(以下,学園側と略)が出した「仮処分異議申立」に対する、2004年4月1日の同地裁の「決定」においても、極めて明瞭に確認されています。
すなわち、鹿児島地方裁判所は本件に関する事実経過と双方の主張を一つひとつ詳細に検討した上で、「懲戒事由に該当する事実は認められない」と断じ、また2002年10月26日に学園側が苦し紛れに出した普通解雇についても「解雇権の濫用に該当し無効である」と裁断しました。
それにもかかわらず、学園側は解雇無効・地位確認等請求の裁判において争う姿勢のようです。自分達の大学運営上の「判断の誤り」を認めたくないのでしょうか。理由はよくわかりませんが、学園側にとって明らかに道理のない裁判に鹿児島国際大学の授業料収入等が使われていいのでしょうか。強い疑問を感じます。なぜなら、これで最も被害を受けるのは学生だからであります。

 本書は、大きく分けて四つの部分から構成されています。
「はじめに 『大学改革』の今日的意味」においては、ユネスコの高等教育宣言に拠りながら,「高等教育機関として学生自身の成長を実現できる大学づくり」が大学改革の根底に据えられるべきことを力説しています。その上で、いま、日本の大学が直面する問題を二つの事例を通じて浮き彫りにし、「市民のみなさんにも理解を深めていただきたい」と呼びかけています。
一つは、2004年4月からすべての大学・短大が文部科学省の認証を受けた評価機関による「第三者評価」を義務づけられたことであり、もう一つは鹿児島国際大学事件のことです。前者に係わっては「大学が社会から評価を受けるのは当然です」が、「国家が教育と研究を一方的に評価する」ことには強い反対の意思を表明しています。
本書の本論部分は、「第T部 鹿児島国際大学での三教授不当解雇事件」と「第U部 シンポジウム:学問の自由と研究者の人権」からなっています。
第T部では、本件の経過と性格が詳細に検討されています。三教授にたいする懲戒処分の不当性を多面的に分析し説得的に解明しており、解雇事件の解明として高い到達点を築くものでもあります。私は、この事件の基本性格を学園側の「人権侵害行為」と把握している点に注目しました。これは、学園側の行為が法律のみならず世論によっても裁かれるべきことを明示した点で重要だからです。
また、第U部は「三教授支援連絡会」が2003年9月にキャンパスプラザ京都で開催した公開シンポジウムの記録であり、その基調は「学問の自由と研究者の人権」を如何に守るかを全国から結集された多方面の専門学者の発言によって解明したものです。誠に迫力に富む内容です。
本書では,有識者の見解が囲み記事やコラムなどで豊富に再現され参考になります。市民の皆さんに是非一読をお奨めしたい一書です。

(立命館大学教授)

本訴裁判 第9回口頭弁論 報告 2004.6.7

鹿児島国際大学解雇事件、 第11回口頭弁論(6月7日)についての「南日本新聞」の報道を掲載します。

南日本新聞(6/08)

鹿国大解雇無効訴訟 元学長と原告教授を証人尋問 鹿地裁

 鹿児島国際大学から二〇〇二年に懲戒解雇された教授三人が、運営する津曲学園に解雇無効と教授としての地位確認などを求めた訴訟の口頭弁論が七日、鹿児島地裁(高野裕裁判長)であった。当時学長だった菱山泉理事長と原告の教授一人が証人尋問に答えた。
 菱山理事長は、三教授の解雇理由とした教員の公募採用問題に関し、「(三教授は)業績が適当でない人を教授会に推薦し、採用させようとした。教員人事は大学の生命線。懲戒解雇もやむを得なかった」と主張した。
 原告の田尻利教授は「推薦した教員とは面識があったが、選考委員会が開かれるまで応募していることを知らなかった」などと証言。採用手続きの正当性を訴えた。
 解雇された三教授は、同地裁に地位保全などの仮処分を申し立て、認められている。

<補足説明>
上記,新聞記事の中にある原告田尻利教授の証言について補足。

 6月7日の口頭弁論における田尻氏の証言では,「推薦した教員とは面識はあったが,個人的な付き合いはなかった。第一回選考委員会が開かれるまで,応募していることさえ知らなかった」旨の証言がおこなわれています。上記新聞記事では,「面識があるが,選考委員会が開かれるまで応募していることを知らなかった」とだけ表現されていますが,これは内容上不正確ですので、ここに補足いたします。

<追加予定>
 なお,口頭弁論の詳細は,裁判所作成記録ができしだい報告する準備を進めています。

学園側:「仮処分異議申立裁判/地裁決定(2004年3月31日)」を不服とし福岡高裁宮崎支部に「抗告」 

乙第31号証の1

保全抗告状

2004年(平成16年)4月17日

福岡高等裁判所 宮崎支部 民事部 御中

抗告人訴訟代理人 
弁護士 金井塚 修
弁護士 金井塚康弘

別紙当事者間の鹿児島地方裁判所平成14年(モ)第1538号保全異議事件について,平成16年3月31日決定があり、同年4月5日決定正本の送達を受けましたが、全部不服であるから抗告します。

抗告の趣旨

1 鹿児島地方裁判所が、同所平成14年(モ〉第1538号保全異議事件について平成16年3月31日にした決定を取り消す。
2 被抗告人の仮処分命令申立を却下する。
3 訴訟費用は、全て被抗告人らの負担とする。
との裁判を求める。

抗告の理由

第1 保全命令事件の表示
鹿児島地方裁判所平成14年(ヨ〉第84号地位保全の仮処分命令申立事件、同所同年(モ〉第1538号保全異議事件。

第2 保全命令申立事件の決定
鹿児島地方裁判所が、2002年(平成14年)9月30日地位保全の仮処分命令申立:事件について仮処分決定をしたので、抗告人は同年12月25日付けで上記仮処分決定に対して保全異議の申立てをしたところ、双方審尋の結果、2003年(平成15年)8月29日、審理を終結し、7か月後の2004年(平球16年)3月31日付にて仮処分決定を認可する旨の決定をした(以下「本件認可決定」という)。

第3 抗告事由

1 違法な認可決定
 (略)
2 主張整理の遺漏、脱落
 (略)
3 争点に対する判断の誤り
 (略)

第4 結語
よって、抗告の趣旨記載の裁判ありたく、本保全抗告に及んだ。
本文中にも適宜必要箇所で記載したが、さらに、おって、抗告人の主張と疎明を迫加する予定である。

 全文はこちら

本訴裁判第8回口頭弁論,仮処分再申立裁判第5回審尋が開催(5月17日)
● [本訴裁判第8回口頭弁論]の経過報告(傍聴者からのリポートより)

 第10回口頭弁論は10時から12時過ぎまで開かれ、被告学園側証人の衣川恵(鹿児島国際大学経済学部教授)への尋問の続き(70分)と、被告代表菱山泉理事長への尋問(約50分)が行われました。裁判長は今回から高野裕裁判官に交代しました。

 衣川証人は処分者側が申請した証人なので、処分理由を正当化するための証言を続けましたが、前言を撤回したり、「記憶がありません」などの証言を行いました。尋問の中で裁判官の一人からも証人に対して質問がありました。
 最初に被告側弁護士が衣川証人に対する主尋問を続行したので、その分だけ菱山理事長への尋問時間が足りなくなり、今回で完結すると思われていた菱山氏への尋問が半ばで中断し、次回まで続くことになりました。

 菱山氏は、裁判所に提出された高名な専門家たちの「意見書」も、三教授らの主張や弁明も無視して、以前からの主張を繰り返しました。また、自己の判断を正当化してくれた教授らが、いかに立派な経歴を有する学者であるかを力説しました。さらに,菱山氏は「科目適合性」の争点について次のような証言,−すなわち自ら外部評価委員として依頼したA教授(京都大学教授,2005年4月某県立大学学長予定)の実名を出し,彼は批判経営学の論点を踏まえた上で,採用候補者の業績は科目適合性に欠けると判断したと証言−を行いました。 

 次回は、6月7日(月)午後1時半から4時半で、菱山泉被告への主尋問の続きと反対尋問、原告田尻教授への尋問が行われる予定です。今回の被告側衣川証人への尋問が引き延ばされた結果、口頭弁論が一回多くなるかもしれません。


★補足 上記A教授(京都大学教授,2005年4月某県立大学学長予定)は,鹿児島国際大学解雇事件において,2000年2月津曲学園 (同大学設置法人)理事会で決定・設置された「大学問題調査委員会」の外部評価委員2名うちの1人として,2000年4月5日の第1回委員会から同年11月25日の第5回委員会まで,実質審議に加わった。この「大学問題調査委員会」(委員長は菱山泉前学長・現理事長)は,当該解雇事件の「懲戒事由」となった採用人事のプロセスおよび採用候補者の科目適合性について「調査」・議論した。
 同委員会において,A教授は採用候補者は「『人事管理論および労使関係論』の専門家ではない」等と記載した報告書を提出した。仮処分裁判では,被告学園側は同教授の報告書を裁判証拠資料(乙20号証)として提出し,同教授自らも陳述書(乙84号証)を提出している。さらに現在係争中の本訴裁判でも,被告学園側は同教授の報告書を証拠資料として提出している(乙32号証)。
 因みに,A教授は,上記裁判書面(乙32号証)において,採用候補者の業績中12本を検討して,うち3本は「労使関係論」の業績に該当すると明言していた。

●学園当局側、先に下された仮処分異議申立裁判の決定(3月31日地裁決定)を不服として「福岡高裁宮崎支部」に抗告

●「仮処分再申立裁判第5回審尋」の経過報告

 午後1時からは、賃金仮払い延長申立裁判の第5回審尋が平田豊裁判官の下で行われました。
 この中で学園側の金井塚康弘弁護士は、「仮処分異議申立却下の決定に対して福岡高裁宮崎支部に抗告したので、裁判所の対応を見てから決定をしてほしい」という主張をしたようです。新たな仮処分決定を何としても引き延ばそうというのが、この間の債務者学園側の対応です。裁判官は、5月末までに双方の追加書面を提出してもらい、それを踏まえて決定を出したいということだそうです。


大学評価学会が設立総会を開催(2004.3.28) 

 <速報>

 設立総会(案内チラシ)は、記念シンポッジウム「もう一つの『大学評価』宣言」の後に開催され、「大学評価京都宣言=もう一つの「大学評価」宣言」、大学評価学会規約の採択、そして代表選出が行なわれました。参加者は、118名に上り、総会での討議は熱気にあふれたものでした。まさに大学評価学会にふさわしい第一歩となりました。
 なお、発起人は142名で、代表には 田中 昌人氏 (教育学・発達保障論、京都大学名誉教授)、益川 敏英氏 (素粒子論、京都産業大学)、また副代表には戒能 民江 氏(法女性学・家族法、お茶の水女子大学)が就任されています。
 さらに マスコミ(新聞各紙)にも報道され、その後も反響が続いているようです。
 詳しくは、http://university.main.jp/blog/hyoukagakkai-main.htmlをご覧ください。

(文責・参加者 中村共一)

本訴裁判 第7回口頭弁論 経過報告 2004.2.4

 2月2日(月)1時半より、鹿児島地方裁判所206号法廷で第2回証人尋問が行われた。今回,池谷泉裁判長の退職により、佐藤武彦裁判所長が裁判長を勤めた。 傍聴者は理事会側16名、三教授側26名、マスコミ5名で、ほぼ満席。被告側は野村、永田事務局長、金井塚修、康弘弁護士。原告側は三教授、増田、小堀、井之脇、森、林弁護士。

 今回の口頭弁論は先の12月22日第6回口頭弁論に引き続き,被告学園側申請の証人尋問(その2回目)。被告側証人として選考委員会の主査であった原口俊道氏と理事会に上申書を提出した衣川恵氏が証言台に立った(2名とも,1月26日付で地裁に「陳述書」を提出している)。

 主査の証言と尋問は,主に教員選考委員会における選考プロセスの事実経過についてであった。他方,衣川氏の証言は本件解雇事件とは直接関係のない学内問題についてかなり多くを述べるものであった。なお,衣川氏への反対尋問は時間の関係上,今回は行われず,次回に継続となった。

 次回第8回口頭弁論は,5月17日(月)10時より,衣川氏への反対尋問と菱山泉理事長の尋問。第9回口頭弁論は6月7日(月)13時30分から原告側の亀丸政弘証人と三教授への尋問が行われます。

南日本新聞(2004年1月15日)朝刊の記事

鹿国大教授解雇報道訴訟
「記事、事実に反せず」 鹿地裁 学園側の訴えを棄却

 鹿児島国際大学(鹿児島市)の三教授懲戒解雇をめぐる南日本新聞の記事と見出しで名誉を傷つけられたとして,同大学を運営する津曲学園が南日本新聞社と,同学園と係争中の八尾信光教授(55)に計550万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決が14日,鹿児島地裁であった。池谷泉裁判官は南日本新聞の一連の表現については,「事実に反する報道とは認められない」として,学園側の訴えを棄却した。
判決によると,南日本新聞は同教授らの地位保全の仮処分決定を2002年10月1日付朝刊で「復職の仮処分決定」との見出しで報じた。さらに,03年2月17日付朝刊に寄稿した八尾氏の肩書を「鹿児島国際大学経済学部教授」と記載した。
学園側は「『復職』は誤報。肩書は正規に教授職に就いているかのような印象を与え,学園の名誉を棄損した」と主張していた。判決は地位保全については,「一般読者向けに分かりやすく説明すれば,仮の処分として『復職』が命ぜられたということになる」と判断。肩書については「無効とされた懲戒解雇前の肩書を用いることを違法とする理由はない」とした。
 八尾氏ら三教授は教員選考で不正があったなどとして,02年3月31日付で懲戒解雇された。解雇無効などを求めた訴訟は係争中。学園側は仮処分決定への異議を申し立てている。


学校法人津曲学園の話

判決文をよく読んで対応を検討したい。

八尾信光氏の話
学園側が損害賠償の訴訟を起こしたこと自体が驚きだった。主張が全面的に認められてありがたい。請求棄却を確信していたが,その通りになりホッとしている。

有川賢司南日本新聞社編集局長の話
本社が一貫して主張してきた取材および記事の正当性を全面的に認めた内容になっており,評価できる判決である。今後も引き続き,慎重で正確な報道を心がけたい。

(南日本新聞,2004年1月15日朝刊)

仮処分再申立裁判 第4回審尋 速報 2004.1.14

 昨年10月以降の賃金仮払い申請についての第4回審尋が、1時45分から平田豊裁判官の下で行われました。

 この日になって判ったのですが、本訴(および仮処分異議申立裁判)担当の池谷泉裁判官が数日後に(一身上の都合で)勇退することになったので、その仕事は3月まで裁判所長が引継ぎ、4月からは新しい裁判官が担当することになるようです。
 そうしたこともあってか、仮処分異議申立裁判についての決定が遅れています。賃金仮払いについての決定は、できればそれを踏まえたいので、3月5日にもう一度審尋をし、その上で決定を出したいそうです。ただし、異議審の判断については急ぐように求めていきたいというような話でした。
 そういうわけで、賃金仮払いの再開は遅れ遅れになっていますが、3月末までには決定がなされるでしょう。(速報)

(レポート 鹿児島一市民)

損害賠償裁判 八尾信光教授と南日本新聞社の全面勝訴判決 報告 2004.1.14

 津曲学園が南日本新聞と八尾先生を、名誉棄損で訴えた裁判は、原告側の訴えを全面棄却。裁判費用は全額原告負担。

 鹿児島地方裁判所201法廷で、1時10分開廷。
  池谷泉裁判長。増田博弁護士。傍聴者八尾先生側20名。学園側13名。マスコミ7名。金井塚弁護士親子は傍聴席に。新聞社の弁護士は出席せず。

  池谷裁判長が、「原告の訴え全面棄却。裁判費用全額原告負担」と2度判決を読み上げ、1時15分閉廷となりました。詳しい判決理由は後、手渡されるとのことでした。

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 支援集会で、増田弁護士より説明があり、金井塚親子が敗訴が判っていて席につかなかったこと、新聞社の弁護士もこなかったこと、元々まともな訴訟ではないため控訴しないのでは(まともなら)、控訴すれば乱訴で逆に名誉棄損で訴えられる、ということでした。
 また、池谷裁判長が3日後移動でいなくなり、4月別の人がくるまでは、裁判所長が裁判官を勤めること。ソフトな人あたりの所長なので、裁判の雰囲気は変わるかもということでした。

 明日の新聞は学園全面敗訴の文字が踊るでしょう。そして1月6日に陳述書を出した菱山理事長が哀れにさえ思えます。彼の暴走を止めなかった人たちの責任は本当に重い。大学の傷を深くする裁判を早くやめるよう、組合の声にも期待します。

(レポート 鹿児島一市民)

本訴裁判 第1回証人尋問(2003.12.22) 結果報告

 鹿国大懲戒解雇事件の本訴裁判は、先のラウンドテーブルで決定されたスケジュール通り,いよいよ証人尋問のステージに入った。その第1回目として,12月22日10時10分から12時10分まで2時間,被告学園側証人として外薗幸一氏(鹿国大国際文化学部教授、学長秘書室長)と韓義泳氏(鹿国大経済学部教授、大学院経済学研究科長)の2名が鹿児島地裁に出廷し,証人尋問が開催された。

 傍聴者は三教授側28人、学園側22人、マスコミ5名。被告側出席者は金井塚修、金井塚康弘両弁護士と野村大学事務局長、永田学園本部事務局長。原告側は増田、小堀、井之脇、森の三弁護士と三教授。裁判官は池谷泉、山本善彦、平井健一郎の各裁判官。

(レポート 鹿児島一市民)

仮処分再申立裁判 第3回審尋(2003.12.22) 結果報告

来年1月14日の第4回審尋をもって結審! 1月中に決定が出される見通し!


10月以降の本訴決定までの賃金の仮払いを申し立てている仮処分裁判に関する第3回審尋が12月22日13時から鹿児島地裁で行われました。

 学園(債務者)側は、当日になって12枚の「争点整理案」なるものを提出(本訴にも同時に提出)し、必要生活費に関する債権者側の疎明資料への反論もしたいなどと主張して、さらに審尋を要求しました。平田裁判官は、1月8日までに反論の書面を出すように指示し、1月14日(名誉毀損裁判判決後の)13時45分からの審尋で結審することになりました。

 それまでに、別件の(昨年の仮処分決定に対する)異議申立裁判の結論がだされる可能性がないわけでもありませんが、その結果が出ても出なくても、1月の最終審尋を踏まえて決定を出すという方針を示しました。

(聞き取り 鹿児島一市民)

鹿児島「守る会」街頭宣伝活動 (2003.12.20) 報告

原告3教授ら元気に街頭宣伝(12/20) !
 「私にも下さい」と鹿児島市民の反応もよく,解雇事件の関心も高かった!

 鹿児島国際大学懲戒解雇事件本訴裁判の証人尋問を12月22日(月)にひかえ,「鹿児島国際大学教職員の身分を守る会」(事務局長: 平井一臣鹿児島大学教授)は,12月20日午後より,鹿児島市内一番の繁華街「天文館」で不当解雇撤回を訴える街頭宣伝を実施した。
 この宣伝活動には,鹿児島国際大学教職員組合の組合員,鹿児島大学の女子学生,および原告3人の教授も参加し,総勢16名ほどがこの冬一番の寒さの中,鹿児島国際大学当局の不当処分を訴えた。
 また,この日のために,「守る会」は,チラシを500枚,および写真8ページ入りの「パンフレット」600部を作成したが,受け取る市民の反応もよく,約50分間で全て配り終えた。参加した鹿児島大学の女子学生によると「私にも下さい」とわざわざ取りに来られた市民がいたそうで,今回も市民の注目を集めた街頭宣伝であり,大きな成果をもって終了した。

仮処分再申立裁判 第2回審尋(2003.11.26) 結果報告 

 仮処分申立裁判の第2回審尋も、11月26日(水)の午後4時から鹿児島地裁302号ラウンドテーブルを使って行なわれました。この裁判は、賃金の仮払いが今年9月までとなっていたため、三教授側がその延長の仮処分決定を求めているものです。
 三教授(債権者)側代理人としては増田・小堀両弁護士、学園(債務者)側代理人としては金井塚弁護士親子が出席し、三教授と永田学園事務局長・K事務職員が同席しました。
 学園側は当日になって、元々仮払いの必要性はなかった、昨年の仮処分自体が「1年間を限度とする」仮払いを認めただけなのだから、新たな仮払いの必要性もない、新たな申立の真意を説明せよ、という趣旨の「求釈明申立書」を提出してきました。賃金の仮払い請求を却下せよというのが学園側の主張です。
 これに関して平田豊裁判官は、昨年の場合は地位保全の必要性に関する議論が中心で、(仮払い)金額は争点でなかった、賃金仮払いに関する新たな申立については、生活費としてどれだけの金額が必要か、10月、11月の生活はどのようにしているのか、12月15日までに疎明資料を出してほしい、本訴の進行状況についても説明してもらいたいと債権者側に求めました。
 他方で、賃金の仮払いが切れているので、決定までにあまり日数はかけられないとも言っていました。12月22日(月)の13時10分から第3回目の審尋が行なわれることになり、それまでには(昨年の仮処分決定に対する)学園側の異議申立についての裁判所の判断も示されるでしょうから、そうしたことをを踏まえて、その後に決定が下されることになります。
解雇処分そのものが理不尽極まるものであったのですから、賃金相当額が保全されるべきことは言うまでもないでしょう。

(聞き取り 鹿児島一市民)

損害賠償裁判第4回口頭弁論 ≪結果速報≫ 2003.11.26
鹿国大報道訴訟・損害賠償裁判 ≪結果速報≫

 津曲学園が南日本新聞社と八尾教授を訴えた鹿児島国際大学報道・損害賠償裁判の第4回口頭弁論が11月26日(水)1時10分より鹿児島地裁206法廷で開かれました。
 学園側出席者は金井塚康弘・修両弁護士、南日本新聞社側は保澤弁護士親子、八尾教授側は増田、小堀両弁護士。傍聴者は学園側4名、八尾教授側11名。マスコミ2名でした。

 この裁判は,前回の第3回口頭弁論で結審するはずのものでしたが,学園側の引き延ばしによって今日まで持ち越されてきた事案です。しかし,今回の第4回口頭弁論でも,学園側の金井塚弁護士はまだ準備書面に補足したい点がある旨主張
しました(証人を検討中と前回主張していましたが、これは書面に変えたとのこと)。新たに提出された書面では新しい論点が出されていなかったため、八尾教授側増田弁護士は反論はないと主張。南日本新聞社側保澤弁護士は今日かなり厚い書面が出たので、検討して反論するかもしれないと言いました。
  池谷裁判長は結審するか問いました。金井塚弁護士はあと2回弁論を希望し(この時傍聴席から嘲笑)、保澤弁護士は今日の書面によりもう一度反論するかもしれないと言い、増田弁護士は裁判所におまかせしますと言いました。そこで,池
谷裁判長は本日で終結し、次回1月14日の13時10分に判決するとすぐ結論を出しました。迷うまでもなく、もう決まっている(裁判所を煩わせる問題でない)という感じでした。

(支援集会)
支援集会には増田、小堀弁護士。マスコミ2名。支援者11名が参加。増田弁護士より,補足準備書面の内容,池谷裁判長の対応等に関して説明がありました。このあと4時半から仮処分のラウンドテーブルに三教授はのぞまれています。本日はおつかれさまでした。

(傍聴リポーター 鹿児島一市民)

 「学問の自由と研究者の人権」シンポジウムの報告 2003.10.11

 「学問の自由と研究者の人権」シンポジウムの報告

 9月21日、鹿児島国際大学三教授を支援する全国連絡会(以下、全国連絡会)は、「学問の自由と研究者の人権―国際的潮流と日本の課題、そして知識人の役割―」と題した公開シンポジュウムを開催しました。午前中に開催した全国連絡会の第4回全国会合とあわせて、60名の参加がありました。
 以下、シンポジュウムの概要を簡単にご報告します。

 シンポジュウムの第1部では、田中昌人氏、紀葉子氏、池内了氏、浜林正夫氏の四人のシンポジストの報告を受けて、パネルディスカッションを行いました。

 田中氏は、氏が在任中に編集された龍谷大学大学教育開発センター『21世紀の高等教育、科学、文化、自由に期待されているもの』(「大学教育開発」参考資料 第1集)をもとに、高等教育の国際的潮流を踏まえて、日本の高等教育が直面する課題について話されました。

 紀氏は「学問の自律性の危機と知識人の役割」と題して話されました。フランスの社会学者、ピエール・ブルデューを紹介しながら、ネオリベラリズムの下で進行している「学問の自律性の危機」を告発し、知識人の役割の発揮と連帯を呼びかけました。

 池内氏は、国立大学法人化法の問題点について指摘するとともに、法案成立後の国立大学の状況を紹介されました。今後の課題として、@先進国の中で圧倒的に低くなっている高等教育への公共支出の増大、A大学における教育の再定義、B大学自身の自浄能力の獲得、の3点を強調されました。

 浜林氏は、日本における研究者の人権状況を、国公立大学、私立大学、研究所や民間企業、非常勤講師のそれぞれについて話されました。その上で、今後の課題を指摘されました。その中で浜林氏は、日本の国民全体の人権が著しく侵害されていることを、まず認識する必要があることを強調されました。また、全国的な連帯の組織をつくっていく必要があることも指摘されました。

 4人のシンポジストからの報告を受けた後、パネルディスカッションに移りました。フロアーからは、富士大学における権利侵害の実態が紹介されるとともに、鹿児島国際大学における事件の現状報告がありました。また、大学における教学創造の課題や任期制などについて活発な議論が行われました。

 協賛団体の一つである社会文化学会の代表、中村共一氏が、第1部の閉会あいさつを行い、そのなかで「ネットワークの重要性」と「ネットワークへのコミットメント」を強調されました。

 18時から行われた第U部のレセプションには、36名の参加がありました。参加者全員の自己紹介を行うなど和やかな雰囲気ですすめられるとともに、全国的な連帯のためのネットワークづくりの課題が改めて確認されました。

細川孝(全国連絡会事務局)

* 全国連絡会では、シンポジュウムの内容をまとめる準備をすすめています。

馬頭忠治氏著書刊行委員会:関係者に対する募金の要請

謹啓 皆様にはご清祥のこととお慶び申し上げます。
 鹿児島国際大学の馬頭忠治さんと研究会・学会を同じくされている先生方、また経営学をご専門の先生方、馬頭さんの先輩・後輩の皆様におたよりをさせていただきます。

 鹿児島国際大学の不当解雇事件をめぐっては、2002年9月30日、鹿児島地方裁判所が、大学当局の三教授に対する「懲戒解雇は無効」と明快に判定しました。しかしながら大学当局は、三教授の原状を回復しようとしないため、いまなお裁判は係争中です。それどころか大学当局は、三教授に対して今もって陰に陽に嫌がらせを繰り返してきており、図書館や会議室、教室の利用を妨害し続けております。そのため三教授は、教育活動の機会を奪われているばかりでなく、研究環境さえ失われています。しかし、三教授は、大学当局の不当な妨害にも屈せず、毎日、研究室へ出かけて研究活動や裁判の準備を継続して闘っておられます。

 また、三教授を支援するシンポジウムが、2003年9月21日、キャンパスプラザ京都にて開催されました。「学問の自由と研究者の人権 ―― 国際的潮流と日本の課題、そして知識人の役割」と題するシンポジウムは、成功裏に終えることができました。

 さて、三教授のおひとり馬頭忠治さんと研究会・学会を同じくされている先生方、また経営学をご専門の先生方、馬頭さんの先輩・後輩の皆様にお願いをさせていただきます。馬頭さんを励まし、研究活動の継続を支援したく、下記の要領で馬頭さんの著作の出版と募金計画を考えております。皆様のご協力を頂ければと願っております。    

謹白。



                馬頭忠治氏著書刊行委員会代表   
                   篠原三郎(日本福祉大学元教授) 
                     角谷登志雄(立命館大学名誉教授)
仲田正機(立命館大学教授)    

                 2003年10月11日

馬頭忠治著『企業経営学を超えて−市民事業論の可能性−』(仮題)、晃洋出版社(検討中)、
   2004年3月刊行予定。

募金額 一口  五〇〇〇円
募金一口をいただいた方に馬頭忠治氏の著書1冊を謹呈させていただきます。
ご賛同いただけます場合には、同封の郵便振替用紙(口座番号00950−3−247779 送り先・加入者名 細川孝)でご送金ください。


鹿児島国際大学・津曲学園理事会に対する要請書の送付  2003年10月3日

菱山 泉 殿

要 請 書 の 送 付

2003年9月30日
鹿児島国際大学三教授を支援する全国連絡会


 
 同封の要請書を送付する。この要請書には全国から4028名の署名がなされている。この署名人数は2003年9月21日現在の数である。なお、署名人の名前等が記載された署名用紙の現物は当会事務局で保管されている。


鹿児島国際大学三教授に対する懲戒退職処分の撤回と
名誉毀損の謝罪を行ない、原状回復を求める要請書

 2002年3月29日、学校法人津曲学園理事長・津曲貞春、鹿児島国際大学学長菱山泉の連名で、経済学部教授・田尻利氏、同・馬頭忠治氏、同・八尾信光氏に対して「懲戒退職」処分が決定され通知された。この三教授に対する懲戒退職処分は、日本の大学の長い歴史においても前代未聞の驚くべき内容であり、暴挙と言えるものである。理事長・学長は、懲戒退職処分の理由においては、1999年6月に始まった公募採用人事に関する審査内容にまでふみこみ、さらに教授会での採用決定に至る議事運営のあり様にも言及している。また、正式な手続きを経た教授会決定をふみにじり、教授会の採用決定者に対して採用不可の文書を送付している。これらは、全く常軌を逸した行為であり、法人経営側が教授会自治を無視し、一方的に教学内容に介入するという教学権への重大な侵害を意味する。
 また、処分の全教職員向け告知文書は、「業績評価書」についての「虚偽記載」をはじめとして教育・研究に従事する大学教員の名誉を著しく傷つける文面内容が綴られている。これは、明らかに名誉毀損である。懲戒退職処分の基準について、当局側は、4月2日の記者会見で「就業規則に抵触するということではないが」と自ら言明し、この処分が就業規則によらず、他のいかなる法的根拠によって行われたかを明示できずにいる。しかも、同じ記者会見の席で、処分を受けた教授の不正の意図(虚偽記載の意図)については「分からない」と述べている。この処分の方法も、教授会の議を経ず法人側の一方的なものであり、理事長・学長はじめ一部経営陣の超法規的で恣意的な処分であった。このようなことが許されるなら大学教職員は日常的な不安と恐怖のなかで仕事を行わなければならなくなる。
 今回の懲戒退職処分は、大学内における自由な言論を封殺し、反対意見を述べた者を排除する(解雇する)など驚くべき時代錯誤の専断的支配であり、前代未聞の暴挙である。このことは21世紀の新たな大学づくりに努力している全国の大学および教職員・学生にとって脅威ですらある。我々は、理事長、学長はじめとした全理事に、鹿児島国際大学三教授への懲戒退職処分をすみやかに撤回し、謝罪することをここに強く求めるものである。
 以下、要請を行う。   2002年4月7日

学校法人津曲学園理事長津曲貞春、鹿児島国際大学学長菱山泉、および津曲学園全理事 殿

要請事項

1 田尻利教授、馬頭忠治教授、八尾信光教授に対する懲戒退職処分をすみやかに撤回し、原状回復を行うこと。
2 上記三教授の名誉を著しく傷つけたことに対して謝罪すること。

           (取り扱い団体 鹿児島国際大学三教授を支援する全国連絡会)


上記の要請書に署名した人数(2003年9月21日現在)
 署名人総数 4028名
 大学関係者 1260名
 内訳;国公立大学(国公立研究機関を含む)449名、私立大学 811名
 上記以外  2768名

なお、署名用紙の現物は取り扱い団体事務局で保管されている。

 

南日本新聞社と八尾信光氏に対する損害賠償事件/第2回口頭弁論 傍聴速報 2003.8.20

 鹿児島国際大学が南日本新聞社と八尾教授を訴えた損害賠償訴訟(鹿国大報道訴訟)裁判の第2回口頭弁論が8月20日,鹿児島地裁で開かれました。1時11分開廷、1時15分閉廷(約4分間という最短の口頭弁論でした)。

 傍聴者は八尾教授側 20名。南日本新聞社からは編集局長が1人。大学側は「なんとまあ!」職員が2名。そして南日本新聞の記者1名でした。

 前回口頭弁論にて「名誉棄損の根拠は何か」を問われていましたが、今日の弁論直前に,この点での大学側の回答があり、それは以下のものだったようです。
1、仮処分では,地位保全により研究室の利用はみとめられたが、肩書を使っていいとは書いてなかった。
2、原告は解雇され、経済学部教授でなくなったことを不服とし裁判を起こしているではないかということ(「何イッテンダカ!」)。

 口頭弁論では,学園側弁護士vs南日本新聞社側弁護士・八尾教授側弁護士の間で,書面の提出に関わって若干のやりとりがありました。裁判長は,次回の口頭弁論を9月24日とし,この日に結審があり得ると宣言。裁判官はもう大学側の言い分は認めないという結論をすでに持っているといった雰囲気。それであわてた学園側弁護士の金井塚氏が「損害立証のため証人をたてるかも」と言いましたが,裁判官は「それは書面で出して下さい」とあっさり拒否しました。

 次回はピンクの新庁舎205号法廷です。

(閉廷後の支援集会の報告)
8月20日1時20分より(約15分間)
参加者は17名。
増田弁護士から今回の損害賠償訴訟裁判の性格と今後の見通しについて報告されました。
本日は,お疲れ様でした。

(傍聴・リポーター)鹿児島市民

第5回口頭弁論 2003.8.11 傍聴速報 /報告集会

 

第5回口頭弁論レポート   8月11日(月)13:10−13:34 

 傍聴者:大学・学園側職員18名程度、原告側34名程度(A大学を懲戒解雇され、先ごろ地位保全等の仮処分裁判で全面勝利したBさんも応援傍聴された)、南日本新聞などマスコミ関係者2,3名などで満席でした。

 最初10分あまり証拠の確認。被告が提出していた証拠(コピー)のうち、理事会の決議録(三つ)のコピーが1枚ずつしか提出されていないので、その原本を確認するといったことが行われた。口頭弁論には証拠の原本を持参することになっているので、被告側は多数の資料を持参していた。そのあと、原告が提出した準備書面の趣旨を増田弁護士が8分ほどの限られた時間の中で説明。増田弁護士は,田尻、馬頭、八尾の三氏について被告が示した懲戒理由を要約し、その一つ一つに対して簡潔に反論し処分理由はないと述べました。

その要旨は次の通り。
--------------------------------------------------------------------------------------------------------
被告学園側の田尻教授に対する解雇理由は以下の4点でした。
@科目不適合な候補者を教授会に推薦。A委員会審議を4回から8回に延長。
B主査に副査との交代をせまった。C主査に暴言。品格が問われる。
 これらの解雇理由について、増田弁護士は,選考委員会が選んだ教授は現役の国立大学教授であり、科目担当者として抜群の業績ある研究者であったこと、委員会の延長は全員一致で決め審議を尽くしただけであること、委員会の結論にそった報告書の作成を主査が断ったので副査との交代を提案したこと、主査は委員会では他の誰からも制約なく発言しており、脅されたというのは偽りであること、などを指摘し反論しました。

被告学園側の馬頭教授に対する解雇理由は2点でした。
@副査が業績評価書を作成し教授会に提出。A業績報告書の虚偽記載。
 これに対して,弁護士は,馬頭教授は委員会の結論、意思により業績評価書を提出したことを指摘。虚偽記載などは全くなく、学者生命を脅かす名誉棄損の主張は悪質であると反論しました。

被告学園側の八尾教授に対する解雇理由は5点でした。
@教授会での議事運営。A経営問題介入。B学則改正で越権審議。C文書などの送付。  
D大学改革の妨害。
 これに対し、増田弁護士は,教授会で議長として誠実に議論を尽くしたこと。採決に入ることを全員で決めた後、退席者が出たからといって採決をやめたら、それこそ専断行為。経営への介入はない。経済学部長として財政面を心配するのは当然。学則改正案の審議は学則の定めに従ったもの。大学の将来を心配して学長らに私信を送っただけ。解雇理由になることはひとつもないと反論しました。
------------------------------------------------------------------------------------------------

 その後、裁判長から次回は、引き続き被告学園側証拠の原本との照合、人証の準備(証人の決定や尋問計画の打合せ)をしたいので原告側は残り書面を出してほしいなどということが言われました。それで次回は、非公開の円卓審理ということになり、その次の口頭弁論はその時に決めることとなりました。
 日取りについて池谷裁判官は8月25日を提案しましたが、被告側はいろいろ都合があると言って引き延ばし、9月中旬は裁判所の引越しもあるので、結局、上記円卓審理は9月24日(水)の16時30分からということになってしまいました。被告側は裁判を長期化させようとしています。昨年9月末の仮処分決定に対する学園側の異議申立については、(却下するかどうか)9月末に決定したい、とのことでした。

第5回口頭弁論終了ののち、報告集会を開催 (弁護士会館 13時48分から14時15分)。

参加者29名。

   支援集会は29人が参加、小栗実先生の弁舌さわやかな司会で増田弁護士より今日の裁 判の説明がありました。仮処分が9いっぱいなので、もう一度申請すること、学園側から出されている仮処分の異議申し立てに対する裁判所の判断(却下だと思います) が9月末になるようです。
 純心大学のセクハラ解雇事件の仮処分が、給与の仮払いだけで地位保全が受け入れら れなかった事への質問があり、企業の仮処分ではそうした例が多く、どうせ保全して も受け入れられないだろうという時は本訴に持ち込むことがあるそうです。このことからも、三教授問題は裁判官があまりにひどい例と考えていて、地位保全、給与も全 額支払いが認められたということです(必要最低限の生活費だけに減らされることもあるそう) 。

 富士大学の川島先生より、互いに情報交換しあい頑張りましょうとエールの交換。川島先生はご自分の裁判で大学の特殊性、教授会自治などを自分の弁護士に理解しても らうのに(弁護士教育)一番エネルギーをさいたということです。川島先生は教授会で理事会への反対意見を述べていたら事務職に配置転換、部屋もトイレの横の倉庫(冷暖房なし)に移されるなどシンデレラなどのお話でも聞いたことのないように虐げられ、これを不服とする裁判に勝訴した日に解雇されました。経済的問題も切実だが、解雇されたものにしか判らない気持があり、メンタリティーでの支援が必要と話されまし た。

 田尻先生より傍聴のお礼と8月20日1時10分からの八尾先生の名誉棄損裁判への傍聴の 呼びかけがありました。

(口頭弁論リポーター)鹿児島市民A 

日本私大教連教研集会で『権利侵害問題」 集会参加者レポートの紹介 2003..8.2−4

(レポート)「鹿児島三教授を支援する全国連絡会」事務局

(8月2日)午後2時より開会集会

開会集会は,日本私大教連委員長 高橋哲也氏の主催者あいさつ,メッセージ・祝電の紹介,争議組合の紹介から始まり,その後,基調報告「大学の自治に新たな息吹を」,記念講演「二つのグローバリゼーションと日本国憲法の現在」が行われた。
全国連絡会としては,集会開会前の午後1時より受付の横に小さな机を置き,また壁等に「不当解雇を絶対許しません」のポスターを貼って,参加者にパンフを配布(この日は,160部ほど参加者に配布)した。反応は,非常にいいものでした。

(8月3日)各セッションに分かれての討議

権利侵害問題を扱うセッション12(セッション名「大学教職員・組合の権利確立の取り組み」)のみ報告。

セッション12の参加者は延べ40名。
報告は7本。報告順は以下の通りでした(1件あたり,質問も含めて持ち時間は約1時間)。

1.富士大学解雇事件
2.東亜大学整理解雇事件
3.鹿児島国際大学懲戒解雇事件
4.秀明大学不当労働行為事件
5.湘南工科大学不当労働行為・解雇事件
6.大阪芸術大学不当労働行為(配転)事件
7.鈴鹿医療科学大学就業規則不利益変更事件

これら7本のうち,解雇など直接,権利侵害を受けている当事者の報告は,鹿児島国際大学と鈴鹿医療科学大学を除く,5大学(鈴鹿医大は教職員全員オープンキャンパスで参加不可)。したがって,当事者自らの報告がずらっと並んだということから,極めて迫力のある報告会であった。
また,報告者以外の参加者の中には,四天王寺仏教大学解雇事件の関係者と思われる方,また大垣女子短大解雇事件の当事者堀江氏等もおられた。

(各報告の概略は以下の通り)

1.富士大学解雇事件
7月15日の仮処分裁判において,全面勝利を勝ち取ったことを報告。
内容は仮処分判決全文を配布して,不当配転から解雇事件にいたる経緯,および仮処分判決の意義等を報告。

2.東亜大学整理解雇事件
2001年度から発生した希望退職募集,人権侵害(不当配転)の実態を報告。
2003年3月末,約20名の教員の退職勧奨とそれを拒否した4名に対する解雇事件が発生し,4月17日,解雇された4名は山口地裁に地位保全等を求めた仮処分申請。
報告では,整理解雇の4条件をめぐって学園側と組合側の主張を詳しく説明された。

3.鹿児島国際大学懲戒解雇事件
教員採用をめぐる事件の経緯,大学の学部新設,学則改定,人事選考手続きの再編等を説明し,これら学内改革ともからんで,懲戒解雇事件が発生したことを報告。

4.秀明大学不当労働行為事件
1999年に発生した組合員の不当解雇事件から始まり,2002年から今日まで続く,組合員に対する数々の不当労働行為(授業妨害,再解雇予告,自宅研修許可取り消し,授業はずし,長期海外出張命令,非常勤行為不許可等)を報告。2002年12月13日に,千葉地方労働委員会に不当労働行為の救済申立を行った。

5.湘南工科大学不当労働行為・解雇事件
1986年3月,教授会の教授昇格に際して組合3名が任命されなかったことから事件が発生。以後,不当労働行為救済のために,神奈川地労委→中労委→東京地裁→東京高裁→東京地裁の緊急命令→東京高裁の命令取消申立と係争が続いた。その間,2002年8月に,組合員2名が学園当局から懲戒解雇された。
すさまじい一連の事件経過が生々しく報告された。ただし,この経過を簡単に述べることは不可能。

6.大阪芸術大学不当労働行為(配転)事件
1998年を境に,理事長が変わり,大学教学への介入,組合を無視した就業規則変更等々が発生,これに批判的な教職員組合を弾圧してきた経緯を報告。
2003年新学期に,組合三役と主要執行委員に対し,教授会・学科会議を諮ることなく不当な配転を実施。また,団体交渉も拒否。現在,組合は地労委への申立,裁判準備を行うとともに,団体交渉で自主解決を目指して奮闘している。

7.鈴鹿医療科学大学就業規則不利益変更事件
この事件は,退職金支払において,学園が規程を変更(不利益変更)して減額支給した事案に対して,裁判で争われたものである。報告では,裁判で全面勝利した旨,および判決の意義について述べられた。

(セッション12の全体感想)

@現在,主に裁判で闘われている全国の権利侵害事件をかなり網羅した報告会であり,特に事件当事者からの報告であったので,非常にリアルで迫力があるものであった。
Aただし,全体としては,各大学の個別報告のみに終始し,中央組織である日本私大教連が,全国的な闘争を展開するうえでどのような課題があるのか等,議論の総括をすべきであった。この点,参加者は7時間ほどの報告を受けたが,最後の全体議論が全くなかったのは,非常に残念であった。

以上,関連事項のみ報告。

南日本新聞社と八尾信光氏に対する損害賠償事件/第1回口頭弁論 2003.6.4

 

 大学が南日本新聞と八尾教授を名誉棄損で訴えた第一回口頭弁論を傍聴しました。

 傍聴者は学園理事会側数名、八尾教授側12名、マスコミ5名(取材陣と南日本の編集局長)。法廷内では,原告側は金井塚弁護士親子のみ、被告側は増田弁護士、八尾教授、南日本新聞の保澤弁護士親子でした。

 金井塚弁護士が今後電話会議でお願い出来ないか?と発言。裁判長が傍聴人も多いからといい、増田弁護士も通常の裁判にして欲しいといい、通常の裁判形式で行われることになりました。増田弁護士が三教授の裁判と合同するか同じ日にできないかと聞きましたが、それはできないことになりました。今回,八尾教授側の明快な答弁書と新聞社の答弁書が出されましたが、さらに新聞社は意見書を出したいということで次回は8月20日1時10分からとなりました。相変わらず金井塚弁護士は裁判の日程が詰まっている様で、日程がどんどん先送りになりました。

 支援集会は裁判所二階の部屋で行われ、終わり頃に南日本新聞の記者二人が取材に来ました。増田弁護士より解説があり、「仮処分の決定がどういう意味を持つのか」が明らかになる。常識では本訴の判決があるまでは、そのままの地位で扱いなさいということ。だから新聞社もその常識に従い八尾先生の肩書を記載したという主張を行った様です。問題は大学側がこのように非常識な裁判をしてくる、そのことがこの処分の異常さを物語るものであるということでした。

 大学側がほとんど傍聴に来ていないことからも、この裁判が大学の名誉を守るというより、気にいらない発言には裁判で訴えるぞと脅し、口封じする言論弾圧だと思いました。

鹿児島市民

日本弁護士連合会人権擁護委員会への人権救済申立、その後の経過と結論について 2003.5.30

 日本弁護士連合会人権擁護委員会への人権救済申立、その後の経過と結論について

全国連絡会事務局
2003年5月30日

2002年10月7日 
 人権救済の申立書面を提出、受理される。その後、予備審査に入る。 

2003年1月29日 
 人権擁護委員会第5部会長(予備審査担当)田中早苗氏より、申立の再確認の連絡書面が届く(これは、三教授が、2002年11月19日に、解雇無効、地位確認等請求の鹿児島地方裁判所へ提訴を行ったことにより、引き続き審査を求めるか否かの確認書面)。

2003年5月20日
 人権擁護委員会委員長佐々木健次氏より、「慎重に検討した結果」として、人権救済の申立は「取り扱いかねる」との結論が通知された。

全国連絡会事務局コメント
  5月20日の書面は結論のみで理由が添えられていませんでした。事務局としては、1月29日の再確認書面で「日弁連の人権救済手続きは、原則として、司法手続きによる救済を待つことができないか、司法手続きによる救済では不十分であると考えられる場合に、勧告等を出すものです」と記載されていますので、今回の我々の申立はこれに該当しないとの判断が下されたと推察します。

日本学術会議への「御礼と今後の要望」 2003.5.30
 日本学術会議会長
    吉川弘之殿

                 2003年5月30日
                  鹿児島国際大学三教授を支援する全国連絡会
                              代表 篠原三郎


御礼と今後への要望


 御返事が遅れましたが、「鹿児島国際大学三教授の「懲戒退職処分」に関する報告および検討要請」(平成14年10月7日)についての回答書をご送付いただきありがとうございました。また、学術と社会常置委員会および運営審議会での御検討をいただいたことに深く感謝申し上げます。
 回答内容についてですが、われわれの要請は、あくまで「個別具体的な雇用契約上の権利義務関係等に係わる紛争」に対する検討要請ではなく、学問の自由に関わる検討要請でした。この後者の点に対し、現行の学術会議法およびその権能等の理由により認定することは困難であり調査審議の対象にすべきではないとの結論に至ったことはわれわれにとって実に残念ではありますが、御趣旨は了解いたしました。
 今後は、回答末尾にありますように、「学問の自由の在り方等について継続的に調査審議を行う中で」、本件「懲戒退職処分」を御検討いただきたく引き続きよろしくお願い申し上げます。
 最後に、日本学術会議・吉川弘之会長はじめ運営審議会委員、また今回、書面を提出しました学術と社会常置委員会委員長および委員各位の御検討にあらためて御礼申し上げます。

第4回口頭弁論 傍聴速報 2003.5.28

 第4回口頭弁論 (5月26日(月)午後1時10分開廷)

  1時10分開廷。マスコミ7人、大学側20人、三教授側18人程度の傍聴だったと思います。授業や出張のため傍聴できなかった人もいたようです。テレビクルーも2社入っていました。傍聴席に空席がありました。

 ようやく大学側の準備書面が一通り提出されました。裁判官は学園側の金井塚康弘弁護士に対して,証拠書類の聴聞録、議事録に一部不備がある点を指摘しました。そののち、金井塚弁護士が今回の書面の簡単な説明をしました。その内容は、三氏に対する処分理由と虚偽記載に関する16項目の指摘、そして予備的解雇についてでした。最後の点は、金井塚弁護士も相当苦労してるようで、意味不明でした。

 このあと原告側(三教授側)の反論に入るのですが、増田弁護士が「準備に2カ月ください」と提案し、その反論は次回8月11日1時10分からとなりました。増田弁護士が弁論をし、原告の一人が意見陳述することになります。また、証人尋問の計画と尋問事項についての確認が行われる予定です。裁判官がそのあとに別の予定があるということで、当日は20分しか時間がないそうです。

 その後のスケジュールとしては、いよいよ証人尋問が開始され、また書面を出し合うなどして、結審に至ることになります。

 それから、今年9月には賃金の仮払い期日が切れることから、裁判官が保全維持(仮処分の継続)はどうしますかと尋ね、7月18日までに、それについて双方が書面を提出することになりました。

(速報者)鹿児島市民  

『世界』2003年3月号「読者談話室」に掲載された投稿に関する抗議  2003.4.7

 2003年4月7日

株式会社 岩波書店
『世界』編集長 岡本厚 様

                 鹿児島国際大学三教授を支援する全国連絡会
                                 代表 篠原三郎

『世界』2003年3月号「読者談話室」に掲載された投稿に関する抗議

 貴社発行の『世界』2003年3月号「読者談話室」に、「大学改革は原因にあらず−三教員懲戒処分」(投稿者、衣川恵氏)と題する投稿が掲載されました。鹿児島国際大学三教授を支援する全国連絡会は、下記の点で本投稿には重大な問題があると考え、貴編集部に対し抗議を申し入れます。なお、全国連絡会の概要は同封資料をご参照下さい。
 投稿した衣川氏は上記大学経済学部の教授で、学長と理事長に「上申書」や「証言」書を提出して今回の懲戒処分を促した人物です。氏の投稿は、1月号に掲載された投稿に対する反論という形式をとっていますが、その内容は三教授の名誉を著しく傷つけることを意図したものであり、到底容認することができません。本来、投稿ということで、投稿者の責任で書かれたものを掲載することが原則とはいえ、本投稿は看過できない内容を多く含んでいます。すでに鹿児島地方裁判所での仮処分裁判の事実認定で全面的に退けられた当局側の主張を誇張や歪曲を加えながら一方的に繰り返し、不当に解雇された三教授の処分が当然のものであったかのごとく描いています。具体的には下記の諸点が問題です。

1)「公募人事における不正が主因である」(歪曲、名誉毀損)
2)「理事長が最終決定を行うことが通例であった」(歪曲。当該大学における教員選考は学部の教員選考委員会と教授会によって行われ、それを尊重して決定されるのが通例であり、それまでに教授会の決定が学長や理事長によって覆されたという例があったという話は聞いたことがありません。)
3)「最も専門性を有する主査が」(誤解または歪曲)
4)「委員長(専門外)や副査らが、主査に対して、声を荒げて主査の辞任などを迫った」(事実の歪曲、名誉毀損)
5)「副査が、不当な評価書に基づいて採用可とする公式報告を行った」(誹謗中傷)
6)「学部長(経済学)は、かかる意見を無視し、…強引に採決しようとした」(事実の歪曲、誹謗中傷)
7)「退出の七名を加えると…、過半数の賛成も得られていない」(誹謗。関連規程に則り有効投票の3分の2以上の賛成によって可決された教授会の決定を誹謗しています。)
8)「間違った副査の業績評価書に基づく不当な議案であった」(誹謗中傷)
9)「当該学部では、教授会の多数派が学部を制する状況が続いており、人事に執着し、問題のある人事選考が目立っていた」(虚偽、歪曲、誹謗中傷)
10)「ほとんど科目適合性のない人を推薦」(独断、歪曲、名誉毀損)
11)「その〔処分決定〕手続は、…学園および学内の規程に照らして、なんらの瑕疵もない」(虚偽、歪曲。学則第38条および第40条の定めに反し「教員の人事」に関する重要事項を教授会と大学評議会での審議を経ずに決定しています。就業規則第55条の定めに反し「所轄労働基準監督署長の認定」を経ずに「懲戒退職」処分を強行しています。
私立大学といえども大学である以上、大学教員を懲戒処分する場合は、教授会と大学評議会での調査と審議を経るべきです。)
12)「著名な故平田清明前学長、その教学改革路線を引き継いだ菱山泉学長のもとに」  (今回の懲戒解雇処分が、故平田清明前学長の教学改革路線の延長上にあるかのような印象を読者に与え、故平田清明前学長に対する名誉毀損となっています。)
13)「三教員懲戒処分は、全国的な大学改革や当該大学の改革に起因するものではなく、人事選考の不正こそが主因である」(問題の矮小化、歪曲、名誉毀損) 
以上です。

 三教授を支援する全国連絡会は現在、大学・学園当局が処分を撤回しないため、やむを得ず本訴に入っている三教授の支援活動を行っています。当該大学の教職員組合、地元の市民と研究者、全国の研究者による支援運動は大きな広がりを見せています。その運動の一端は同封しました支援の会のパンフレットにも記されています。
 国立大学法人法案が国会に上程され、「大学改革」が新たな展開を見せるなかで、三教授への不当解雇処分は、法人化後の国立大学のありようを示唆しているとさえ考えることができます。学長に権限が集中された大学では、「学問の自由」や「大学の自治」が失われるということです。
 『世界』誌はこれまで、大学問題、教育問題において民主的な世論形成に大きな貢献をされてきました。このような実績を誇る貴誌において、今回このような投稿が掲載されたことは残念でなりません。
 貴編集部の不適切な対応によって、三教授の名誉が著しく傷つけられたことに厳重に抗議いたします。今後は、強引な「大学改革」に伴なって生じる研究者の人権問題にも深い配慮をされますように要望します。

以上

第3回口頭弁論 傍聴速報 2003.4.8

 第3回口頭弁論は、4月 7日(月)の午後1時10分に開廷。

 金井塚弁護士より、いまだ理事会側のすべての準備書面がそろっていないという説明があり、再び延期。原告側の反論は 5月26日(月)の第4回口頭弁論において行われることになりました。現在の準備書面では、いまだ懲戒解雇と予備解雇に関する法的根拠についての説明はありません。原告側の増田弁護士からは、早く準備書面を揃えるようにとの要望がだされ、また仮処分の時には処分理由から消えていた、採用候補者の業績報告書における「事実の捏造」と「虚偽記載」とは具体的にどの部分をさすのかを示すようにとの要求を出しました。最後に、裁判官から準備書面の提出期限を遵守するように指示がなされ、次回は 5月26日1時10分から開廷されることになりました。

 傍聴席では理事会側関係者13名、原告側支援者18名が傍聴し、報道関係では記者3名が取材にきていたそうです。

(文責KN)

第2回口頭弁論 傍聴記 (ある支援者のレポート) 2003.2.24

 第2回口頭弁論は2月24日(月)の午前10時に開廷しました。その30分前には被告大学の幹部職員が多数法廷の外の廊下で待機していました。開廷10分前には傍聴席に20人以上いたようです。この時期、一番忙しいはずの入試室と教務課を含めて部長、課長、係長クラスが動員されていました。
 原告側は、3教授の家族、教職員組合の執行部、守る会の会員(鹿国大・鹿大・県短教員、市民会員)などが被告側の動員数と同じかそれを上回る人数集まりました。
南日本新聞や鹿児島新報などの記者が数人取材に来ていました。
 開廷5分前には原告・被告双方の弁護団がそろいました。原告側は3教授と増田博、小堀清直、森雅美、井之脇寿一の4弁護士です。被告側は、野村(大学)、永田(学園本部)両事務局長と金井塚弁護士親子でした。金井塚修弁護士は痩身できつい表情をした老人でしたが、金井塚康弘弁護士は小太りで童顔、温和な表情をした若い弁護士でした。
 10時に3人の判事が入廷し、すぐに裁判長による代理人への質問が始まりました。閉廷までの10分間、原告側にはほとんど質問はなく、もっぱら被告側に対する質問に終始しました。被告側は準備書面と分厚い証拠資料を提出していましたが、裁判長は「証拠説明書」に不備があると指摘しました。若い金井塚康弘弁護士は懇切な「指導」をうけ、提出し直すように求められ、恐縮した様子でした。
 そのあと、これは第1回口頭弁論で裁判長が問題にしていた点ですが、被告側が主張する予備的解雇について説明が求められました。被告側は、すでに普通解雇を行っていて、それを予備的に主張すると答えました。懲戒解雇と普通解雇の両方をしておいて、懲戒解雇が認められない場合は普通解雇の効力を主張するという作戦です。裁判長は1か月前の解雇予告など普通解雇の手続きをとったのかどうか確認し、被告側弁護士が肯定すると、条件付解雇ということですねと問い、金井塚弁護士がそれも肯定すると、裁判長は「条件付解雇が有効か無効か議論がありますね」と言いました。金井塚弁護士がこの日一番落ち着かない態度を見せたのはこのときだったと思います。動揺は隠せませんでした。条件付というのは懲戒解雇の無効確定という条件が成就するまでは解雇の効力は停止していて、条件成就によって普通解雇の効力が発生するということですが、裁判長は、労働者の地位を不安定にするような条件付解雇は認められないのではないかという疑問を提出したのです。
 被告側の準備書面は口頭弁論期日までに前半部分しか提出されていません。目次の後半部分は準備書面(2)で主張されることになっていますが、それはまだ提出されていませんでした。そして、予備的解雇の主張は(2)の方に予定されているのです。裁判長はそのことにふれ、被告大学側の主張が出そろったところで原告側は事実の認否と反論をするようにと指示しました。
 最後に、次回の口頭弁論期日が4月7日13時10分に決まり、被告側の準備書面を4月2日までに提出するようにと裁判長が指示をして閉廷しました。
 閉廷後、3教授の支援者は原告団を囲んで報告会を開くために裁判所近くの弁護士会館に向かったのですが、道路の向う側を三々五々歩いていく人たちのなかに教授会退席・上申書7教員のうちの3人の姿がありました。元朝日新聞記者の大学広報センター長がひとり帰っていく姿も見えました。

全国連絡会の検討要請に対する日本学術会議の回答 2003.2.18

 総日庶第48号
平成15年2月18日

鹿児島国際大学三教授を支援する
 全国連絡会 殿


                           日本学術会議会長
吉川 弘之


「鹿児島国際大学三教授の「懲戒退職処分」に関する報告および検討要請」
(平成14年10月7日)について(回答)


 本会議学術と社会常置委員会委員長宛てに提出された標記の文書について,運営審議会で検討した結果,下記の理由により,本件につき本会議として審議することは適当でないとの結論に達しましたので,回答します。

1.  本会議は,「わが国の科学者の内外に対する代表機関」(日本学術会議法第2条)として,学問の自由に関わる諸問題について,学術と社会常置委員会を中心に幅広く調査審議を行っているが,個別具体的な雇用契約上の権利義務等に関わる紛争は,「法律上の争訟」(裁判所法第3条第1項)に該当し,その解決は裁判所に委ねるべきものである。
   なお,紛争に内在する学問の自由に関わる要素を重視するとしても,現行の日本学術会議法に基づく本会議の権能等をもっては,個々の大学等の内部における複雑な事実関係を正確かつ公正に認定することは困難である。
2. 本件については,三教授の地位保全等を命ずる仮処分決定を経て鹿児島地方裁判所に本訴が係属中であり,上述のとおり,本会議として調査審議の対象とすべきものではないと考える。
なお,本件について提出された文書等は,本会議の学術と社会常置委員会等において,広く現代社会における学問の自由の在り方等について継続的に調査審議を行う中で参考資料とさせていただきたい。

 

全国連絡会:日本弁護士連合会に対し引き続き人権救済の審査を要請

      2003年2月12日

日本弁護士連合会人権擁護委員会
 第5部会長 田中早苗 殿
                         
                        鹿児島国際大学三教授を支援する全国連絡会
                                代表  篠原三郎
               申立事件に関する回答

拝啓 早春の候ますます御清栄のこととお喜び申し上げます。
「申立事件に関するご連絡」の書面を御送付いただきありがとうございました。
下記のとおりご回答させていただきます。
                    記
<回答>
 引き続き日本弁護士連合会における人権救済の審査をお願い致します。

<理由>
1) 学長は昨年10月2日付けで研究室以外への立入りを禁止する通達を出し、三教授の研究・教育活動が行えない状況が継続し、今後長期化するものと考えています。仮処分によって賃金は2003年9月までの仮払いが保障されたものの研究者および教育者としての権利と義務は奪われたままです。賃金と研究室の使用のみが当局によって認められ、研究費の支給も、講義・ゼミの開講も、図書の借出し、コピー機、学内LANの使用も禁止されています。こうした状況は明らかに大学教員の人権侵害と言えます。このことについての裁判所による救済は、これまでの判例等から困難だと考えます。大学教員がこうした研究・教育条件を長期にわたって奪われ続けることは、研究者生命に係ることで放置できません。人権救済が必要と考えます。

2) また、大学当局から10月25日付けであらたな処分通知書がだされ、「懲戒解雇」とは別の「通常解雇」を通知するにいたっています。このあらたな追加処分は解雇権の濫用であり、「理性の府」と言われる大学においてなされていることは重大な社会問題と認識しています。特段の配慮と措置が必要と考えます。

3) 鹿児島国際大学三教授の懲戒解雇事件は大学の長い歴史の中でも驚くべき事件です。人事の審査内容および教授会議事運営の内容にまで学長および経営側が直接介入しました。このことは、大学運営権限が学長・理事長へ集中される中でおこったものであり、世界的な研究者の人権(研究権・教育権)擁護および大学政策の流れに逆行しております。こうした中では研究・教育が萎縮し、その内容に偏りが生じ、国の学術体制全体を歪めてしまう危険な状況にあります。日弁連に対し人権救済を求めます。

4) 国際的な人権擁護の水準からみて今日の日本における人権状況は極めて多くの問題を孕んでおります。大学においてすら例外ではありません。今回の鹿児島国際大学当局による処分は、ユネスコの1998年「21世紀高等教育に関する世界宣言」、1997年「高等教育の教育職員の地位に関する勧告」の内容から大きく逸脱しております。日弁連に対し国際的な視点からの人権救済を求めます。
5)以上の内容は、申立書面でも述べましたように国民の言論・表現および思想の自由そのものを脅かすことにもつながります。日弁連に対し人権救済を求めます。

第1回口頭弁論 傍聴記 (篠原三郎氏・全国連絡会代表) 2003.1.29

 鹿児島地方裁判所での第1回口頭弁論(2003年1月20日)にあたって、急遽、篠原三郎先生に全国連絡会を代表して静岡からご参加いただきました。その傍聴記を以下に掲載いたします。(事務局)

裁判傍聴、私記 ― 第1回口頭弁論をみて ―

篠原三郎   

 裁判というもの、どういうものなのか、また、どのように進められていくものなのか。なにしろ裁判所の中に一歩も入った経験のない、裁判にはど素人のわたくし、不安もあり、好奇心もあり、それらを重ねつつ、鹿児島地裁の裁判の傍聴に向かった。実はその数日前から、今回の事件を知った昨年4月以来集めてきた手元のすべての資料を何度も読み直してみながら、問題はもうはっきりしてきているし、解決に少しでも前進があるのではないか、と期待もしながら家を出たものだった。
 午前10時、開廷、はじめに原告の三教授を代表して田尻利(とおる)さんが、裁判官に向かい事件のこれまでの経過を簡潔に、事態にそくして説明されたうえで、懲戒解雇処分の不当性を改めて強調し、つぎのように述べ、今回の陳述を結ばれた。
 「鹿児島地方裁判所が仮処分において『解雇は無効』と判定されたのちも、大学当局はわたくしたちの教授としての地位を認めようとしません。わたくしたちの家族は懲戒解雇されたものという汚名を着せられ、言葉につくせない苦痛と不安を強いられてきました。わたくしたちは、一刻も早く大学に復帰し、教育と研究に専念したいと願っています」
 まさに等身大の陳述だった印象をうけた。それだけに胸に迫ってくるものがあり、堪えられない気持ちになった。
 傍聴席は、三教授の家族をはじめ、支援に駆けつけてこられた人々、大学当局に動員された大学職員たちなどで、満席、法廷の時間はしんしんと過ぎていった。
 つぎに、被告側を代表して、なぜか、昨年の審訊には法廷に一度もあらわれなかったという菱山泉学長が証言台に立って意見を陳述しはじめる。(後から、増田弁護士から聞いた話だが、普通、第一回の口頭弁論にあたっては、原告の意見陳述で終わり、被告側のそれは次回以降の裁判になるのが一般的で、今回は異例だそうだ)
 ともあれ、その発言内容は、氏の京都大学での研究との出会いから、ケンブリッジ大学のスラッファ教授の下での研究活動へと進み、それ以来今日にいたるまで誠実に学問研究一筋に生きてこられたこと、そこで培われた高い信念にもとづき学長職も務めてこられておられることなどを強調されたうえで、懲戒解雇処分は、原告側の多数決の暴力による不正、大学自治の破壊から大学のアカデミズムを守り、学園の秩序を回復するための、正当な処分であることとする、当初からの主張をあらためて縷々説明しようとするものであった。
 しかし、どういう訳か、わたくしには、申し訳ないことかもしれないが、いささか鼻につくような枕詞にも似た、はじめの自己紹介なるものが最後の最後まで気になって、それが胡散臭く、学長の話、率直にいって、ずっと、空しく響いてきてならなかった。「解雇」されるものの痛み、心情など少しもわからないのではなかろうか。いろいろレトリックを工夫、用意されてきたようにも受けとれたが、裁判官に向かっている氏からは、学問研究に真摯な学徒の背が、残念ながら、ついに見えてこなかった。なにがなんでも、三教授を大学から追放してやろうという、権力者の意志というか、思い上がりしか伝わってこなかったのである。世にいう裁判で争うということは、こういうことなのか、と諦めつつ、侘しくなっていく自分であった
 漱石の『草枕』の周知の一節がしきりに思い出されてならなかった。
 「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい」
 そのあと、漱石はたしか、「住みにくいと悟った時、詩が生まれ」、云々と書いていたように覚えているが、わたくしには、「詩が生まれ」てくる前に、権力を持つものへの怒りが込みあげてきてならなかった。

 

不当にも解雇されたる教員につづく不条理怒り込みあぐ

九州私大教連第14回定期大会「津曲学園理事会に鹿児島国際大学懲戒解雇事件の解決を求める決議」(2002.10.26)

2002年10月26日、九州地区私立大学教職員組合連合第14回定期大会が開かれ、鹿児島国際大学教職員組合が代議員を派遣しました。この大会のなかで、三教授への懲戒解雇問題に関して、組合代議員が特別報告をし、この事件の解決を求める以下の決議が採択されることになりました。


津曲学園理事会に鹿児島国際大学懲戒解雇事件の解決を求める決議


 本年3月31日、鹿児島国際大学(津曲学園)理事会(以下、「理事会」)は不公正な採用人事をしたという理由によって、同大学経済学部教授 田尻氏、馬頭氏、八尾氏に対し、「懲戒解雇処分」することを通知しました。また、同日付で全教職員にこの処分に関する告知文書を送付し、同時に3教授に対して「今後、許可なくして鹿児島国際大学構内、津曲学園内に立ち入ることを禁止する」との通知も出されました。
 理事会の下したこの処分は、正確な事実に基づかないだけでなく、教授会の審議を経ることなく、一方的な判断で懲戒解雇という異例の重い処分を課したものであり、極めて恣意的で不当なものであると言わざるを得ません。問題の焦点となった採用人事についても、理事会の下に「大学問題調査委員会」を設けて再度業績評価を行い、大学の正規の機関である教員選考委員会の評価と教授会決定を覆すなど、理事会が教授会自治へ不当に介入し自治権を侵害しています。
 3教授はこの懲戒退職処分は不当であるとして、4月5日に鹿児島地裁へ「地位保全等仮処分命令申立」を申請し、地位保全と給与の支払い、研究室の利用を求めました。途中、理事会側の要望による審尋引き延ばしがありましたが、9月30日、三教授の主張を全面的に認めた仮処分決定が下されました。その内容は、今回の懲戒解雇処分について「懲戒解雇事由に該当する事実は認められない」とし、「懲戒解雇は無効である」と明確に断言しています。しかし、理事会はこの決定に対しても、本訴で最後まで争う姿勢を崩していません。さらに、理事会は、いまだに、3教授の教育研究活動を妨害しています。仮処分決定や組合が主張する自主解決に背を向ける理事会の態度は、係争の長期化を招き、やだては教職員、在学生と保護者、卒業生を巻き込んで教育・研究に大きな支障が生じ、これまで培ってきた鹿児島国際大学の社会的信頼を失うことになりかねません。それは、鹿児島国際大学関係者一同にとってはもちろん、私立大学関係者、さらに日本の高等教育にとってもたいへん不幸なことであり、是非とも避けるべきだと考えます。
 以上のことから、九州私大教連は、鹿児島国際大学(津曲学園)理事会に対し、本件解雇事件を速やかに解決するよう、以下の要求を決議します。

一、理事会は今回の仮処分命令の結果を厳粛に受け止め、仮処分命令に全面的に従うこと。
一、理事会は三教授の懲戒解雇処分を直ちに撤回し、完全職場復帰させ、原状復帰を行うこと。
一、理事会は三教授に謝罪し、その名誉を回復すること。
一、理事会は三教授への未払い給与を全額支給すること。
以上

2002年10月26日               
九州地区私立大学教職員組合連合第14回定期大会

鹿児島国際大学教職員組合 団体交渉の申し入れについて(再度) 2002.10.18

2002年10月18日
学校法人津曲学園
理事長 津曲貞春殿

鹿児島国際大学教職員組合
執行委員長 長沼庄司

団体交渉の申し入れについて

 2002年10月16日付の貴理事会の回答は、団体交渉に今回新たな不当な条件をつけ、事実上交渉を拒否したに等しく、組合として容認できるものではありません。組合規約と役員名簿は公表されており、承知済みのはずです。組合員の詮索は、組合に対する支配介入に当たり不当労働行為です。
 学園内外の早期に自主解決を望む声は高まっています。原告・弁護団は来週中にも鹿児島地裁に訴状を提出する予定ですが、交渉で円満解決を見るならば、本訴を取り下げることを原告・弁護団に提起します。再度、無条件でただちに交渉に応じるよう、下記の通り申し入れます。

1.従来の慣行にしたがって、無条件で、鹿児島国際大学教職員組合組合員三名への「懲戒退職」処分に関する件について、団体交渉に応じること
2.上記1の件について、2002年10月25日までに回答すること

鹿児島国際大学教職員組合 団体交渉の申し入れについて 2002.10.2
2002年10月2日
学校法人津曲学園
理事長 津曲貞春殿

鹿児島国際大学教職員組合
執行委員長 長沼庄司

団体交渉の申し入れについて

 2002年10月2日、鹿児島国際大学教職員組合は、仮処分決定報告集会を開催しました。この集会は、組合員である三名が貴職から「懲戒退職」処分を受けたため、三名が申し立てた地位保全等仮処分申請に対して、9月30日鹿児島地裁から仮処分命令が下されたのを受けて、開催したものです。私たち鹿児島国際大学教職員組合は、この集会決議にもとづき、団体交渉を申し入れます。
 健全なる労使関係を維持し、教職員の労働環境をよくし、また本学園を維持発展させるため、ぜひともお受けいただけるようお願い申し上げます。なお、残念ながら貴職が団体交渉を拒否した場合には、労働組合法に規定された不当労働行為であるとみなし、地労委に提訴することを考えていることを申し添えておきます。団体交渉の日時については、2002年10月10日までにご回答いただけるよう重ねてお願い申し上げます。

1.貴職がおこなった、鹿児島国際大学教職員組合組合員三名への「懲戒退職」処分に関する件
2.上記の件について、2002年10月19日までの適切な日時で、団体交渉をおこなうこと。

鹿児島国際大学三教授「懲戒退職処分」に関する文部科学省への要請書

文部科学大臣 遠山敦子殿

鹿児島国際大学三教授「懲戒退職処分」に関する文部科学省への要請書

要請にあたっての経過説明
 二〇〇二年三月二九日、鹿児島国際大学の田尻利教授、馬頭忠治教授、八尾信光教授は、津曲学園理事長および鹿児島国際大学学長名で、「懲戒退職処分」を受けました。これに対し、三教授は、四月四日に鹿児島地方裁判所に地位保全の申請を行いました。また、同日、「鹿児島国際大学三教授を支援する全国連絡会」(以下全国連絡会)が発足しました。本会は、北海道から沖縄まで全国の大学人五百名以上の「呼びかけ人」の方々に参加いただいております。今回の処分は、法人経営側が教学内容に一方的に踏み込み、さらに「懲戒退職処分」に至るといったこれまでの長い大学の歴史の中でも驚くべき内容であります。また、「就業規則」に基づかない懲戒権および解雇権の濫用と言えるものです。こうしたことが認められるならば大学教職員は不安の中で仕事をしなければならなくなり、結果として大学の活力は大きく奪われることになりかねません。全国連絡会は、鹿児島国際大学当局(理事会および学長)に対し、速やかな処分撤回と三教授に対する名誉回復を求めています。なお、詳しい内容は添付書類をご参照ください。

仮処分決定

 右記の三教授(債権者)の地位保全の申請に対し、二〇〇二年九月三十日、鹿児島地方裁判所は、処分された三教授の主張を全面的に認め、地位保全の命令を出しました。その内容(主文のみ)は次の通りです。

(主文)

一. 債権者らが、いずれも、債務者に対し、雇用契約上の権利を有する地位にあることを仮に定める。
二. 債務者は、債権者に対し、各金○○○○円をいずれも平成十四年十月から平成十五年九月までの毎月二十日限り、それぞれ仮に支払え。
三. 債務者は、債権者の研究室をそれぞれ利用することを妨害してはならない。
四. 債権者らのその余の申立をいずれも却下する。
五. 申立費用は、債務者の負担とする。

事態の早期解決に向けて
 二十ページにおよぶ決定主文および理由書は、三教授の申立を認め、「本件懲戒解雇は無効である」と明確に述べ、三教授の地位保全の決定を下しています。賃金の支払いも全額を二〇〇三年九月まで支払うことを命じていると共に、大学教授の研究室利用はその身分に直結した権利であると認め、さらに研究室利用の使用妨害を禁止したことは特に評価すべき内容です。この決定に従って、鹿児島国際大学当局がすみやかに処分を撤回し三教授に対し講義・ゼミ担当をはじめとした教育および研究を行えるよう原状回復措置をとることを、全国連絡会は強く求めています。もし処分が撤回されなければ本訴に入らざるをえないことになり、今後、係争が少なくとも数年にわたり続くことになります。このことは三教授のみならず鹿児島国際大学および学生・保護者、卒業生にとって不幸なことです。全国連絡会は、鹿児島国際大学当局が本決定を尊重しすみやかに三教授の処分撤回と原状回復を行うこと強く願っています。しかしながら、未だに鹿児島国際大学当局は「懲戒退職処分」の撤回を行っておりません。そればかりか十月二日、菱山学長は、三教授に対し研究室以外の全ての学内施設の立ち入りを禁止する通達を出しました。これは仮処分決定に違背する妨害行為です。
ここに全国連絡会は、文部科学省に対し、この事態を速やかに終息させるべく鹿児島国際大学当局への働きかけ等のご高配をお願い致したく、左記のように要請する次第です。

要請内容

 二〇〇二年九月三十日の鹿児島地方裁判所による三教授の地位保全の申請に関する仮処分決定に従って、鹿児島国際大学当局(理事会および学長)が、三教授への「懲戒退職処分」を撤回し、三教授の原状回復を行ない、大学運営を速やかに正常化するよう文部科学省のご高配をお願い致します。

二〇〇二年十月七日
鹿児島国際大学三教授を支援する全国連絡会

付記
次の書類を添付いたします。
一. 仮処分申請書(二〇〇二年四月五日)    一部
二. 仮処分決定書面(二〇〇二年九月三十日)  一部 
三. 全国連絡会パンフレット          三部

大学の自治、学問の自由、言論・思想の自由に関する申し立て

日本弁護士連合会
人権擁護委員会委員長殿


大学の自治、学問の自由、言論・思想の自由に関する申し立て

(鹿児島国際大学三教授の「懲戒退職処分」事件について)
 現在、国公私立大学を問わず、大学運営はその権限を学長、理事長へ集中させる傾向にあり、その結果、教授会ならびに大学教員の教育・研究内容に関する侵害事例が多発する前兆が見られるようになってきております。鹿児島国際大学三教授の「懲戒退職処分」はその典型的な事例です。大学の長い歴史の中でも、今回の事件は、研究・教育内容および人事への大学当局側あるいは法人経営側が直接的関与するという驚くべきものがあります。このことは独立行政法人化を進めようとしている国立大学においても懸念されているところです。こうした事態の進行は学問の自由の侵害、大学内での言論・思想の自由の侵害にとどまらず、今後、国民の言論・表現および思想の自由に重大な支障をきたすことが危惧されます。この視点から、ここに日本弁護士連合会人権擁護委員会に対し、鹿児島国際大学三教授「懲戒退職処分」事件についてご検討いただきたく申し立てを行う次第です。

要請にあたっての経過説明
 2002年3月29日、鹿児島国際大学の田尻利教授、馬頭忠治教授、八尾信光教授は、津曲学園理事長および鹿児島国際大学学長名で、「懲戒退職処分」を受けました。これに対し、三教授は、4月4日に鹿児島地方裁判所に地位保全の申請を行いました。また、同日、「鹿児島国際大学三教授を支援する全国連絡会」(以下全国連絡会)が発足しました。本会は、北海道から沖縄まで全国の大学人500名以上もの「呼びかけ人」の方々に参加いただいております。今回の処分は、法人経営側が教学内容に一方的に踏み込み、さらに「懲戒退職処分」に至るといったこれまでの長い大学の歴史の中でも驚くべき内容であります。また、「就業規則」に基づかない懲戒権および解雇権の濫用と言えるものです。こうしたことが認められるならば大学教職員は不安の中で仕事をしなければならなくなり、結果として大学の活力は大きく奪われることになりかねません。全国連絡会は、鹿児島国際大学当局(理事会および学長)に対し、速やかな処分撤回と三教授に対する名誉回復を求めています。なお、詳しい内容は添付書類をご参照ください。

仮処分決定
 上記の三教授(債権者)の地位保全の申請に対し、2002年9月30日、鹿児島地方裁判所は、処分された三教授の主張を全面的に認め、地位保全の命令を出しました。その内容(主文のみ)は次の通りです。

(主文)
一. 債権者らが、いずれも、債務者に対し、雇用契約上の権利を有する地位にあることを仮に定める。
二. 債務者は、債権者に対し、各金○○○○円をいずれも平成14 年10 月から平成15年9月までの毎月20日限り、それぞれ仮に支払え。
三. 債務者は、債権者の研究室をそれぞれ利用することを妨害してはならない。
四. 債権者らのその余の申立をいずれも却下する。
五. 申立費用は、債務者の負担とする。

事態の早期解決に向けて
 20ページにおよぶ決定主文および理由書は、三教授の申立を認め、「本件懲戒解雇は無効である」と明確に述べ、三教授の地位保全の決定を下しています。賃金の支払いも全額を2003年9月まで支払うことを命じていると共に、大学教授の研究室利用はその身分に直結した権利であると認め、さらに研究室利用の使用妨害を禁止したことは特に評価すべき内容です。この決定に従って、鹿児島国際大学当局がすみやかに処分を撤回し三教授に対し講義・ゼミ担当をはじめとした教育および研究を行えるよう原状回復措置をとることを、全国連絡会は強く求めています。もし処分が撤回されなければ本訴に入らざるをえないことになり、今後、係争が少なくとも数年にわたり続くことになります。このことは三教授のみならず鹿児島国際大学および学生・保護者、卒業生にとって不幸なことです。全国連絡会は、鹿児島国際大学当局が本決定を尊重しすみやかに三教授の処分撤回と原状回復を行うこと強く願っています。しかしながら、未だに鹿児島国際大学当局は「懲戒退職処分」の撤回を行っておりません。そればかりか10月2日、菱山学長は、三教授に対し研究室以外の全ての学内施設の立ち入りを禁止する通達を出しました。これは仮処分決定に違背する妨害行為です。
 ここに全国連絡会は、日本弁護士連合会・人権擁護委員会に対し、下記の内容について申し立てを行います。

(申し立て内容)
一.大学の自治および学問の自由の侵害について
2002年3月29日付で、学校法人津曲学園理事長・津曲貞春、鹿児島国際大学学長・菱山泉の連名で、経済学部教授・田尻利氏、同・馬頭忠治氏、同・八尾信光氏に対して「懲戒退職処分」が決定され通知された。しかし、これは、教授会の審議を経たものではない。また、同日付で全教職員に対する告知文書も出され、同時に、三教授に対して「今後、許可なくして鹿児島国際大学構内・津曲学園施設内に立ち入ることを禁止する」との通知内容も出された。この三教授に対する「懲戒退職処分」は、日本の大学の長い歴史においても前代未聞の驚くべき内容であり、暴挙と言うべきものである。「懲戒退職処分」の理由は、1999年6月に始まった公募採用人事に関する審査内容にふみこみ、さらに教授会での採用決定に至る議事運営のあり様にも言及している。このこと自体、異常である。実際に、この採用人事で理事長と学長は、根拠を示すことなく「虚偽記載」と一方的に決めつけ、正式な手続きを経た教授会決定をふみにじり、教授会の採用決定者に対して採用不可の文書を送付するに至った。全く常軌を逸した行為である。このことは教授会自治を無視し、法人経営側が一方的に教学内容に介入するという教学権の重大な侵害を意味する。理事長・学長が、2年以上前の人事問題を理由に、新年度直前の3月29日に「懲戒退職処分」を行ったことは、大学自治の侵害であり、学生の教育を受ける権利を奪うものでもある。全く容認できるものではない。また、この処分と同時に三教授の学園施設内への立ち入りを禁止したことは、三教授の異議申し立ての権利およびその実行を阻害する措置であり全く許しがたい。そして、学長は仮処分決定後も研究室以外の全ての学内施設の立ち入りを禁止する通達を出し、三教授に対する人権侵害を続けている。

二.大学教員の身分保障について

 「懲戒退職処分」の基準について、当局は4月2日の記者会見で「就業規則に抵触するということではないが」と自ら言明している。当局はこの処分が、いかなる法的根拠によって行われたかを明示できずにいる。また、同じ記者会見の席で、処分を受けた教授の不正の意図(虚偽記載の意図)については「分からない」と述べている。法的根拠によらず、虚偽記載の意図も「分からない」としながら「懲戒退職処分」を行ったことは、許しがたい懲戒権の濫用である。教員の身分を保障した教育基本法および重要事項を審議する教授会権限を認めた学校教育法、さらには1997年に採択されたユネスコ「高等教育の教育職員の地位に関する勧告」では教員の「懲戒および解雇」等の「雇用条件」について身分保障の厳格な定めがある。しかし、今回の内容は、そのいずれの項目も無視したものである。今回の「懲戒退職処分」は何らの法的根拠にも基づかないものであり、また国際的基準を無視したものでもある。今回の処分は明らかに理事長と学長の専断的な大学支配と言わざるをえない。

三.大学における自由な言論の確保について
 八尾教授(元経済学部長)の懲戒退職処分の理由において、専断的支配は一層端的に表れている。「経営問題への介入」、「学長の指示に従わず議事進行を妨げた」、「新学部の設置を否決している経済学部教授会の越権的審議を主導した」、「反省する態度が全く見られない」など自らの意に沿わない者は「厳重処分に値する」と述べている。大学内における自由な言論を封殺し、反対意見を述べた者を排除する(解雇する)など驚くべき時代錯誤の懲戒権の濫用という事態に至っている。

2002年10月7日
鹿児島国際大学三教授を支援する全国連絡会

付記
次の書類を添付いたします。
1. 仮処分申請書(2002年4月5日)    1部
2.準備書面(2002年7月25日)      1部
3. 仮処分決定書面(2002年9月30日)  1部
4. 全国連絡会パンフレット       5部

鹿児島国際大学三教授の「懲戒退職処分」に関する報告および検討要請

日本学術会議
学術と社会常置委員会 
委員長 関口尚志 殿

鹿児島国際大学三教授の「懲戒退職処分」に関する報告および検討要請

要請にあたっての経過説明
 2002年3月29日、鹿児島国際大学の田尻利教授、馬頭忠治教授、八尾信光教授は、津曲学園理事長および鹿児島国際大学学長名で、「懲戒退職処分」を受けました。これに対し、三教授は、4月4日に鹿児島地方裁判所に地位保全の申請を行いました。また、同日、「鹿児島国際大学三教授を支援する全国連絡会」(以下全国連絡会)が発足しました。本会は、北海道から沖縄まで全国の大学人500名以上の「呼びかけ人」の方々に参加いただいております。今回の処分は、法人経営側が教学内容に一方的に踏み込み、さらに「懲戒退職処分」に至るといったこれまでの長い大学の歴史の中でも驚くべき内容であります。また、「就業規則」に基づかない懲戒権および解雇権の濫用と言えるものです。こうしたことが認められるならば大学教職員は不安の中で仕事をしなければならなくなり、結果として大学の活力は大きく奪われることになりかねません。全国連絡会は、鹿児島国際大学当局(理事会および学長)に対し、速やかな処分撤回と三教授に対する名誉回復を求めています。なお、詳しい内容は添付書類をご参照ください。

仮処分決定
 上記の三教授(債権者)の地位保全の申請に対し、2002年9月30日、鹿児島地方裁判所は、処分された三教授の主張を全面的に認め、地位保全の命令を出しました。その内容(主文のみ)は次の通りです。

(主文)
一. 債権者らが、いずれも、債務者に対し、雇用契約上の権利を有する地位にあることを仮に定める。
二. 債務者は、債権者に対し、各金○○○○円をいずれも平成14年10月から平成15年9月までの毎月20日限り、それぞれ仮に支払え。
三. 債務者は、債権者の研究室をそれぞれ利用することを妨害してはならない。
四. 債権者らのその余の申立をいずれも却下する。
五. 申立費用は、債務者の負担とする。

事態の早期解決に向けて
 20ページにおよぶ決定主文および理由書は、三教授の申立を認め、「本件懲戒解雇は無効である」と明確に述べ、三教授の地位保全の決定を下しています。賃金の支払いも全額を2003年9月まで支払うことを命じていると共に、大学教授の研究室利用はその身分に直結した権利であると認め、さらに研究室利用の使用妨害を禁止したことは特に評価すべき内容です。この決定に従って、鹿児島国際大学当局がすみやかに処分を撤回し三教授に対し講義・ゼミ担当をはじめとした教育および研究を行えるよう原状回復措置をとることを、全国連絡会は強く求めています。もし処分が撤回されなければ本訴に入らざるをえないことになり、今後、係争が少なくとも数年にわたり続くことになります。このことは三教授のみならず鹿児島国際大学および学生・保護者、卒業生にとって不幸なことです。全国連絡会は、鹿児島国際大学当局が本決定を尊重しすみやかに三教授の処分撤回と原状回復を行うこと強く願っています。しかしながら、未だに鹿児島国際大学当局は「懲戒退職処分」の撤回を行っておりません。そればかりか10月2日、菱山学長は、三教授に対し研究室以外の全ての学内施設の立ち入りを禁止する通達を出しました。これは仮処分決定に違背する妨害行為です。
 ここに全国連絡会は、以下の諸点についての日本学術会議・学術と社会常置委員会の御高見を承りたく検討要請をお願いする次第です。

(検討要請内容

一.大学の自治および学問の自由の侵害について
 2002年3月29日付で、学校法人津曲学園理事長・津曲貞春、鹿児島国際大学学長・菱山泉の連名で、経済学部教授・田尻利氏、同・馬頭忠治氏、同・八尾信光氏に対して「懲戒退職処分」が決定され通知された。しかし、これは、教授会の審議を経たものではない。また、同日付で全教職員に対する告知文書も出され、同時に、三教授に対して「今後、許可なくして鹿児島国際大学構内・津曲学園施設内に立ち入ることを禁止する」との通知内容も出された。この三教授に対する「懲戒退職処分」は、日本の大学の長い歴史においても前代未聞の驚くべき内容であり、暴挙と言うべきものである。「懲戒退職処分」の理由は、1999年6月に始まった公募採用人事に関する審査内容にふみこみ、さらに教授会での採用決定に至る議事運営のあり様にも言及している。このこと自体、異常である。実際に、この採用人事で理事長と学長は、根拠を示すことなく「虚偽記載」と一方的に決めつけ、正式な手続きを経た教授会決定をふみにじり、教授会の採用決定者に対して採用不可の文書を送付するに至った。全く常軌を逸した行為である。このことは教授会自治を無視し、法人経営側が一方的に教学内容に介入するという教学権の重大な侵害を意味する。理事長と学長が、2年以上前の人事問題を理由に、新年度直前の3月29日に「懲戒退職処分」を行ったことは、大学自治の侵害であり、学生の教育を受ける権利を奪うものでもある。全く容認できるものではない。また、この処分と同時に三教授の学園施設内への立ち入りを禁止したことは、三教授の異議申し立ての権利およびその実行を阻害する措置であり全く許しがたい。そして、学長は仮処分決定後も研究室以外の全ての学内施設の立ち入りを禁止する通達を出し三教授に対する人権侵害を続けている。

二.大学教員の身分保障について
 「懲戒退職処分」の基準について、当局は4月2日の記者会見で「就業規則に抵触するということではないが」と自ら言明している。当局はこの処分が、いかなる法的根拠によって行われたかを明示できずにいる。また、同じ記者会見の席で、処分を受けた教授の不正の意図(虚偽記載の意図)については「分からない」と述べている。法的根拠によらず、虚偽記載の意図も「分からない」としながら「懲戒退職処分」を行ったことは、許しがたい懲戒権の濫用である。教員の身分を保障した教育基本法および重要事項を審議する教授会権限を認めた学校教育法、さらには1997年に採択されたユネスコ「高等教育の教育職員の地位に関する勧告」では教員の「懲戒および解雇」等の「雇用条件」について身分保障の厳格な定めがある。しかし、今回の内容は、そのいずれの項目も無視したものである。今回の「懲戒退職処分」は何らの法的根拠にも基づかないものであり、また国際的基準を無視したものでもある。今回の処分は明らかに理事長と学長の専断的な大学支配と言わざるをえない。

三.大学における自由な言論の確保について
 八尾教授(元経済学部長)の懲戒退職処分の理由において、専断的支配は一層端的に表れている。「経営問題への介入」、「学長の指示に従わず議事進行を妨げた」、「新学部の設置を否決している経済学部教授会の越権的審議を主導した」、「反省する態度が全く見られない」など自らの意に沿わない者は「厳重処分に値する」と述べている。大学内における自由な言論を封殺し、反対意見を述べた者を排除する(解雇する)など驚くべき時代錯誤の懲戒権の濫用という事態に至っている。

2002年10月7日
鹿児島国際大学三教授を支援する全国連絡会

付記
次の書類を添付いたします。
1. 仮処分申請書(2002年4月5日)    1部
2. 準備書面(2002年7月25日)      1部 
3. 仮処分決定書面(2002年9月30日)   1部
4. 全国連絡会パンフレット       14部

全国連絡会による関係機関への要請行動/報告(東京)

10月7日要請行動報告(要旨のみ)

行動時間;13:00〜16:30
場所;下記三個所。
参加者(敬称略);田尻利、八尾信光、篠原三郎(全国連絡会代表)、小松善雄(東京事務局)、重本直利(全国事務局)、他2名

1) 文部科学省
私学行政課の担当者(法規係)2名と面談。今後、要請書面等を検討(判断)した上で、私学への指導を担当する部署へ回すことになるだろうとの返事を得た。
2) 日本弁護士連合会
人権第1課の担当者と面談。「人権救済申立て」として正式に書類を提出した。この件は、今後、「人権擁護委員会」で審議され、受理されれば関係者等への調査が行われることになる。この場合、最終的には、「勧告」を含めた書面として関係機関へ提出されることになるとの返事を得た。
3) 日本学術会議
学術課の担当者と面談。直接検討される委員会は「学術と社会常置委員会」である。10月19日に委員会が開かれるので、そこで取り上げられ、今後の取り扱いが話し合われることになるとの返事を得た。また、現在、「学術と社会常置委員会」は、研究者の人権問題を扱う各国アカデミーからなる「諸アカデミー・学術諸協会の国際人権ネットワーク」(IHRN)に対応すべく準備をしているとの説明があった。なお、鹿児島国際大学「懲戒退職処分」問題はこれと連動する内容であると考えられる。

(追伸)現在、全国事務局はIHRNの情報を集めています。鹿児島国際大学の問題と直接つながる内容の組織ですので、何らかのアクセスを取りたいと思います。

(付記)IHRNは1993年5月ワシントンで結成、以後隔年毎に総会が開かれる。開催地はアムステルダム、ローマ、ストックホルム、昨年はパリです。目的は下記の内容です。
「科学と人権、また科学者の人権に関する重要な諸問題について、研究者の立場から、人権擁護のため、国際的に協力して、支援活動を行い、またそのために必要な調査・研究、情報や意見の交流を深めることを目的としている。特に、主たる目的としているのは、『自由に意見をもち表現する権利』等、国際連合が採択した世界人権宣言が保障する諸権利を非暴力的に行使したことのみで不当に抑圧されている世界各地の同僚たち(科学者・研究者)を支援することである。ネットワークはまた、構成メンバーたる世界各地のアカデミーや学術協会における人権意識の高揚と人権活動への組織としてのコミットメントを促進する」。
 なお、会員(各国アカデミー)は58組織であり、現在の執行委員会メンバーは8名、その内4名はノーベル賞受賞者である。(日本学術会議の資料より)

報告者;重本

仮処分決定全面勝訴報告集会決議 鹿児島国際大学教職員組合

仮処分決定全面勝訴報告集会決議

 鹿児島国際大学教職員組合

 2002年9月30日鹿児島地裁仮処分命令によって、鹿児島国際大学経済学部教授の田尻、馬頭、八尾の三氏と、それを支持する私たちの主張が全面的に認められました。
 三氏は、2002年3月31日、津曲学園理事会から懲戒解雇というきわめて重い処分を受けました。これに対して、三氏は懲戒解雇処分は不当であるとして、地位保全と給与の支払い、研究室利用を求めて、鹿児島地裁に仮処分を申請しました。また、私たち鹿児島国際大学教職員組合は、組合員である三氏の懲戒解雇は不当であり、三氏の地位と権利は守られるべきだと考え、理事会に処分の撤回を求めるとともに、三氏を支援してきました。今回の決定はこうした三氏と私たちの主張を全面的に認めた画期的なものであるとともに、社会常識にもそった当然の決定です。
 今回の仮処分命令では、三氏のいずれについても、懲戒解雇事由に該当する事実は認められず、「本件懲戒解雇は無効といわざるを得ない」と明確に断言しています。したがって、仮処分として、三氏が津曲学園に対して雇用契約上の権利を有する地位にあることを定め、学園に対して、2002年10月から2003年9月までの1年間、三氏によって申請された全額の給与を支払うことを命じています。また、「大学教授にとって、研究室を利用することは、十分な教育及び研究を行うために必要不可欠な、その身分に直結した権利の一つ」であると認め、三氏の研究室利用妨害を禁止しました。
 理事会は、今回の決定を厳粛に受け止め、ただちに三氏に対する懲戒解雇処分を撤回すべきです。理事会は、この決定に対して、本訴で最後まで争うと表明しています。しかし、もしただちに処分が撤回されず、本訴に入ることになれば、今後も長く係争が続くことになります。それは、鹿児島国際大学の内外に対立の構造をつくり続け、学生とその父母、教職員、卒業生などを巻き込み、教育・研究に支障を与え、社会的評価を下げ、経営に響く事態を招きかねないものです。このことは、鹿児島国際大学関係者一同にとって、たいへん不幸なことであり、ぜひとも避けるべきだと考えます。
 また、裁判所の命令通り、大学教授の当然の権利として、三教授が十分に教育及び研究をおこなえるように、原状を回復し、従前と同様の条件を確保すべきです。
 鹿児島国際大学教職員組合では、昨年の懲戒理由書の送付以来、団交を要求してきましたが、理事会に拒否されてきました。今回の仮処分決定を受けて、組合はあらためて、懲戒解雇処分撤回、三氏への謝罪、原状回復、完全職場復帰を求めて、理事会に団交を申し入れます。理事会がもし団交を拒否した場合には、労働組合法に規定された不当労働行為にあたるとみなし、地労委に提訴します。理事会の誠実な対応を求めます。
 しかし、理事会が私たちのこれらの提案を拒否し、ただちに処分を撤回しないのなら、本訴で完全勝利をめざす三氏を最後まで支援していきます。

一、三氏に対する懲戒解雇処分をただちに撤回することを、理事会に求めます。
一、三氏に対して謝罪し、名誉を回復することを、理事会に求めます。
一、仮処分命令に従って、三氏が十分な教育及び研究をおこなえるよう、従前の教育研究条件を確保し、三氏の教育や研究を妨害しないよう、理事会に求めます。
一、今回の事態を解決し、また三氏が完全職場復帰できるよう、組合は理事会に対して団体交渉を申し入れます。
一、理事会が団体交渉を拒否した場合には、不当労働行為とみなし、地労委に提訴します。
一、三氏が名誉を回復し、完全職場復帰を果たすまで、組合は三氏を支援します。

以上、決議する。

2002年10月2日      
鹿児島国際大学教職員組合

大きな関心を集めた鹿国大三教授懲戒解雇事件  第14回総合学術研究集会(北大)

鹿児島国際大学班 八尾信光

 去る9月21日から23日まで北海道大学農学部で、第14回総合学術研究集会が開催されました。「人間と地球の未来を考える―平和で安全な社会・その展望―」をメインテーマに11の分科会と全体集会がもたれ、全国から参加した研究者が熱心な討論をしました。
 最終日の午後には、「平和で安全な社会をいかにつくるか」という題のパネル討論が行なわれて、国際政治論、農業・食料論、防災論の立場から問題提起がなされ、活発な議論をしました。グローバルな大競争が進む中で平和と安全を脅かす様々な問題が生じていることが指摘され、そうした問題の解決に寄与しうる研究の重要性が強調されました。「科学者の正義感と行動力を高めよう」という司会者のまとめで討論が結ばれました。

研究者の地位と権利をめぐる討論
 第9分科会では、浜林正夫会員らの企画により、「科学者・研究者の権利問題」というテーマで、7つの報告と討論が行なわれました。私は、主催者と鹿児島支部のご配慮で、この分科会における報告のために派遣されましたので、その全てに参加しました。
 そのうち、岩手県の「富士大学助教授 配転・解雇事件」は、理事長独裁下の大学での理事長らによる徹底的なイジメ事件で、民主主義が破壊された大学で何が行なわれるかを示したものです。日本の大学の将来を考える上で皆が注視し応援しなければならない事件であると思いました。地位保全を求め闘っている川島さんは、一橋大大学院で日本経済史を専攻し、家永教科書裁判の支援活動にも積極的に参加された人だそうです。 
 浜林会員は、「科学者の権利についての国際基準」について報告されました。ユネスコの勧告などを紹介しつつ、学問の自由と自治の原則、研究者の身分保障に関する国際基準を示し、それらを活用していくことの必要性を述べられました。なお、これらについては、                『大学改革論の国際的展開』(青木書店2002年1800円)および『科学者・研究者・技術者の権利白書』(水曜社2001年2500円)が極めて有益な資料を提供しています。
鹿児島国際大学三教授懲戒解雇事件
 本年3月末に起きた鹿国大事件については、下記のような骨子で報告をさせてもらいました。この事件については、「鹿児島国際大学教職員の身分を守る会」のパンフレットや、「鹿児島国際大学教職員組合」および「鹿児島国際大学三教授を支援する全国連絡会」のホームページ(http://www.jca.apc.org/~k-naka)などで概略が示されていますが、その背景や意味についても簡単に述べましたので、その骨子をレジュメ風に示してみます。

鹿児島国際大学事件の概要
1 三教授を懲戒解雇した乱暴極まる懲戒事件
・ 2002年3月末に三名の教員に対する懲戒解雇処分を強行。
・ 大学内の委員会や教授会などで示した判断や意見を理由とした処分。
・ 全国の大学を見ても、ほとんど例がない大規模で乱暴な懲戒処分。
・ 裁判所に地位保全などの仮処分を申請し、9月30日に裁判所の判断が示される。
2 業績抜群の候補者を選出した教員選考委員会
・ 懲戒解雇処分の主な理由は、1999年度後半に行われた「人事管理論および労使関係論」担当教員に関する教員選考委員会と教授会の決定が不適切であったというもの。
・ だが、委員会が選定した採用候補者は抜群の業績と経歴を有する研究者だった。
・ この候補者の研究業績が経営学的でなく経済学的であったとして非難されているが、10名の応募者のうち業績の優れていた人々は全て経済学・社会学系の研究者だった。
・ この採用候補者が上記二科目を担当するにふさわしい業績のある研究者であることは、この分野の代表的な研究者たちも認めている。
3 採用候補者を不採用にして関係者の責任追及
・ 学長は特定の応募者が採用候補者とされなかったことを不満として、委員会の決定を非難し、教授会が決定した採用候補者に不採用通知を送付した。
・ それは「教員の人事に関する事項」であるのに、大学評議会の承認を受けていない。
・ この間、委員会関係者や経済学部長からの事情聴取は全く行われていない。
・ 採用候補者を不採用とした上で、教員選考委員会と学部長の責任追及を始めた。
・ 学園理事会の下に「調査委員会」なるものを設け、委員会での教員選考が不適切であったと判定し、それに基づいて三名の教授を懲戒解雇処分にした。 
4 本件処分の異常性と不当性  
・ 教学事項についての教員の学問的判断を理由とした懲戒処分。
・ 教授会・評議会での審議なしに行われた大学教員の懲戒解雇。
・ 学則・諸規程・就業規則上の根拠を示さずに決定された懲戒処分。
・ 就業規則の定めに反し労働基準監督署長の認定なしに行われた懲戒解雇。
・ 学長の一方的で不公平な判断で決められた懲戒処分。
委員会と教授会の決定を一方的に非難して拒絶
教学上の問題について、大学内でなく理事会の下に「調査委員会」を設置
学長自身が委員長に就き、外部委員は京大在職時代の後輩同僚2名に委嘱
うち1名は、上記の特定応募者が参加していた研究プロジェクトの教授
三教授らを懲罰すると決めた後で、学内に形ばかりの調査委員会を設置
5 本件処分の背景と意味(私論)
(1)本件処分を推進した人々
 ・ 本件処分は、学者理事、学長、側近教員らの複数の動機が合成されて強行された。
・ それについては、10月以降の当局側の対応を見て、必要があれば詳述したい。
(2)学則違反の大学運営
・ 本件処分と並行して、学則無視の大学再編が行なわれ、学長専決体制が創られた。
・ 「大学の機構、組織、制度に関する事項」は大学評議会の協議事項であったが、学則
  の定めは無視し、教授会や評議会での審議抜きに大学の改組・再編が進められた。
・ 「学則及び学内諸規程の制定、改廃に関する事項」は教授会の「審議事項」であったが、これらも教授会・評議会での審議抜きに「報告事項」扱いで改変された。
(3)大学の非民主的再編
・ 学則第1条からは、「日本国憲法及び教育基本法の精神」が削除された。
・ 教授会からは、学則および全学的重要規程についての審議権が奪われた。
・ 各種の全学委員会は各部長や館長・所長の単なる諮問機関に格下げされた。
(4)人事権の集中
・ 役職者の選出は、公選制から事実上の学長指名制に変えられた。
・ 大学評議会への出席者の大半は、学長または理事長が指名した人々となった。
・ 専任教員の募集と審査の権限は、学長直轄の人事委員会に集中された。
・ 公募以外に推薦による採用も制度化されたが、その運用方法は不明である。
・ 各学部教員の昇格審査のための委員も、人事委員会が選任することになった。
・ 教員人事に関する教授会審議は、教授だけの教授会で行われることになった。
・ この結果、助教授や講師は学長と教授連への服従を迫られることになった。
(5)学問の自由と大学自治の否定
・ 学問の自由は、大学の自治と教授会の自治を尊重することにより守られてきた。
・ 大学および教授会自治の根幹は人事の自治であった。これによって教員の身分が保証され、理性と良心に基づいた自由な研究と教育が推進できたからである。
・ 学則・諸規程の改変は、これらの原則を否定し、教員選考に関する自治権を奪った。
・ さらに、教員を教授会・評議会の審議抜きで処分して、教員の身分保障を剥奪した。
・ それだけでなく、任期制の導入を示唆して在籍教員を威嚇している。
・ これらのことは、学問の自由と自治の原則に対する最も乱暴な破壊行為に他ならない。

参会者が示した強い関心と大きな支援
 この事件については、大きな衝撃をもって受け止めたという感想が示され、様々な形で激励の気持が示されました。最終日の閉会式の中でも特別に発言の機会を与えられましたが、参加者は息をのむような表情で聴いてくれました。その場で回されたカンパ袋に多額のカンパが寄せられ、帰りがけに追いかけてカンパを下さった方もありました。

鹿児島発の恥と恐怖 向原 祥隆(図書出版南方新社代表)

南日本新聞「南点」(2002年7月17日)

鹿児島発の恥と恐怖


向原 祥隆(図書出版南方新社代表)
 
 メディア規制法案をはじめ,最近あぜんとすることが多いのだが,鹿児島国際大学で三教授が懲戒解雇となった事件にも目を疑った。
 かつて大学教授といえば,神様の次に偉い存在だと思っていた。同じ先生でも,金と欲にたけた政治家先生とは大違い,国家さえ超越した真理の探究者という崇高なイメージが「教授」にあった。
 セクハラとかで大学教授が首になるのはいまどき珍しいことではない。でも三教授はそうではない。かといって,何か刑事事件で有罪になったわけでもない。
 報道で知る限り,新しい教授の選考をめぐる意見の違いが原因だという。
 民間企業なら経営者との考えの違いによって,社員が首になることは,ままあるケースである。利益を上げるため最も効率的な方法と組織を追及するのが企業だから,それは一面でしようがない。もちろん労働組合は反対するだろう。決着は法の裁きに委ねたらいい。
 ことの成り行きに注目していたのだが,解雇撤回要求の動きがでてきた。大学の職員組合や県内の労働組合を中心とした「身分を守る会」の発足と,裁判への提訴である。
 でも,今回の場合は質が違うように思う。まがりなりにも,真理の探求を標榜する大学である。何よりまず,意見の違い,意思表示の自由,もっと言うなら思想の自由が尊重されなければならない。そうした場における強硬な手段を使った,反対者の意見の封殺。単なる首切りではなく,思想弾圧事件とさえ呼ぶこともできる。
 私立大学であれ,税金からなる国の助成金が支給されている。いわば公的な機関である。公的な場での思想弾圧。恐ろしいことである。これは三教授だけにかけられたものではない。
 私たちが見過ごすならば鹿児島発の恥と思想弾圧の恐怖を,全国に発信することになる。

鹿児島国際大学3教授不当解雇処分の真相と現状を聞く 社会文化学会東部部会


社会文化学会東部部会が支援集会の開催を計画しました。以下紹介します。
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馬頭さんを囲んで 鹿児島国際大学3教授不当解雇処分の真相と現状を聞く

社会文化学会東部部会


 既にご存知でしょうが、今年 3月末、本学会会員である鹿児島国際大学教授馬頭忠治さんが、同僚 2名とともに、大学当局から突如「懲戒退職」「学内立ち入り禁止」を通告されるという異常な事件が起こりました。これは 3年も前の教員採用人事に関する教授会での決定を一方的に誤謬、虚偽と断罪し、その決定過程の中心人物とみなされる馬頭さんたちの責任を問うという前代未聞の「処分」です。
 馬頭さんたちは、この不当処分に対してその撤回と謝罪・名誉回復を求めてたたかう決意を固めており、「鹿児島国際大学三教授を支援する全国連絡会」の活動も展開されています。本学会も<学問研究の発展を求める一学会として、その基盤となる学問研究の自律性、学生の教育権や教員の教学権、それを確保するための教員の身分保障を根本において否定する今回の措置は、学問と大学の将来に大きな禍根を残すものとは判断し、ここに強く抗議し、処分の撤回を要求する>( 4月 15日運営会議決定)ことを表明してきました。
 しかしながら、鹿児島国際大学当局はあくまでも処分の正当性を主張し、最近の学長声明では、馬頭さんたちの行った人事が、従来の学内慣行からみて不当でないとするならば、その学内慣行そのものが不当であり、それに基づいてなされた従来の人事をすべて再検討する必要があるとまで恫喝しています。
 馬頭さんたちは、「懲戒」処分により研究者としての生活の途を脅かされたまま、処分されるにはそれなりの理由があったのだろうという偏見に曝されつつ、長いたたかいを続けなければならないでしょう。
 そのようなたたかいへの支援を求めて、馬頭さんが 5月 24日、 25日の両日、東京に来ることとなりました。そこで急遽、馬頭さんを囲み、事件の真相やその後の進展について直接話を聞く場を設定しました。 
 全く急な企画であり、日程的にもいろんな学会等と重なることが予想されますが、この会の趣旨と意義をご理解され、万障お繰り合わせのうえ、参加くださるよう訴える次第です。

日 時:2002年5月25日12:30〜14:15
会 場:社会福祉法人かがやき会
就労センター「街」3F会議室
161-0032 東京都新宿区中落合1-6-21
電話 03-3952-9975 FAX  03-3952-9976 
   (西武新宿線下落合駅徒歩5分)
報告者: 馬頭 忠治氏
(鹿児島国際大学経済学部教授) 

※ この集会の終了後、同じ場所で社会文化学会東部部会主催の首都圏社会文化運動調査研究会が行われます。これにもご参加ください


連絡先:社会文化学会東部部会 谷 和明 
  TEL/FAX 0424-22-2169  Email:sk-tani @tufs.ac.jp     

鹿児島国際大学三教授を支援する全国連絡会に結集して
八尾信光教授をまもる関西の会への参加を呼びかけます。


鹿児島国際大学三教授を支援する全国連絡会に結集して

八尾信光教授をまもる関西の会への参加を呼びかけます。


 呼びかけ人
 平野喜一郎(元三重大学教授)
 揚  武雄(大阪経済法科大学教授)
 山本広太郎(大阪経済法科大学教授)

八尾教授をまもる関西の会  

場所:大阪社会福祉指導センター
tel 06-6762-9471  
www.c-rights-net.gr.jp/CENTER_ACTIVE/KOZA/MAP/fukushi_map.html
日時:2002年5月11日(土)  3:00〜6:00
 八尾信光教授の先輩・後輩・ご友人のみなさん。2002年3月29日付で、八尾信光教授 をはじめとする田尻利・馬頭忠治教授に対して、学校法人津曲学園(鹿児島国際大 学)より「懲戒退職」処分が決定・通知された事件については、もう聞き及んでおら れることと思います。この処分の不当性と問題については、別紙「鹿児島国際大学三 教授を支援する全国連絡会:声明文」や「不当解雇の事実経過(鹿児島国際大学教職 員組合)」に詳しく示されていますので、そちらのほうを参照していただきたいと思 います。
 来る5月11日(土)に、八尾信光教授をお呼びして、この事件の事実経過や問題 点、およびこれからの、全国連絡会に結集した運動方向について議論し、八尾教授を 励まし、運動の勝利を誓い合いたいと思います。
 つきましては、この「まもる会」の会合に、関係者・ご友人をできるだけたくさん お誘い下さり、会の成功にご協力くださることを心からお願い申し上げます。
 当日、ご都合が悪くご参加くださらない方も、全国連絡会に結集して運動の成功に 尽力いただけることをお願い申し上げます。

全国連絡会HP
http://www.jca.ax.apc.org/~k-naka/
鹿児島国際大学三教授を支援する全国連絡会に結集して
八尾信光教授をまもる関西の会
事務局 610-1195 京都市西京区大江東長町3-1
京都経済短期大学 増田研究室 075-331-3159
増田自宅 615-8125 西京区川島調子町80-3-203 
TEL075-394-8224 携帯090-5097-9231