1次裁判・東京高裁で逆転敗訴判決
最高裁 上告不受理決定
 2002年10月、横浜地裁横須賀支部で、原告全員救済、時効を認めない完全勝訴となった、米海軍横須賀基地第一次石綿じん肺裁判。
 国・防衛施設庁は、9名については責任を認め、判決に従い確定させたが、3名(遺族も含め原告数では5名)については、「時効」を争い東京高裁に控訴した。その控訴審の判決が、2003年5月27日、東京高裁で出された。
 結論は「時効により原告敗訴」の逆転不当判決となった。「じん肺の合併症が労災認定されてから提訴までに10年以上たっている」「10年以内の発症である肺ガンについても、10年以上前に労災となっているじん肺の被害程度の範囲をこえない」のでいずれも時効というのだ。
 原告はもとより傍聴にかけつけた多くの人たちから、怒りの声が相次いだ。
 進行性の職業病であるじん肺に時効はないと、私たちは確信している。年と共にその症状は変化し、人によっては労災認定時より遙かに悪化していく。
 原告の一人で肺ガンを併発し手術じた出浦さんがその典型的なケースだ。それを10年以上前の状態と同じ、として時効にしてしまうのは余りにも乱暴な切り捨て方だ。
 一審の横須賀支部は、米軍と日本政府との間の雇用形態や、どこが責任を持つのか、という難しい複雑な問題もあり、原告がなかなか裁判提訴に思い至れず、遅れてしまったということにも配慮し、国の時効の主張は権利濫用とした。
 そのような心ある判断とは180度違い、国の主張を丸呑みした今回の高裁判決に、原告たちは怒っている。
 原告たちはただちに最高裁に再審理を求め、上告した。この闘いは言うまでもなく、全てのじん肺被災者にとっての課題だ。
 ところが最高裁は、2004年4月8日、原告や被災者の願いを踏みにじる「上告不受理」との不当な決定を行った。
最高裁判所への上告受理要請署名
ご協力ありがとうございました
114,000筆余の署名をいただきました
 皆様のご協力をいただいた署名は、24,014枚、114,055筆に達しました。
厚くお礼申し上げますとともに、このご厚意を今後の活動の糧にして、前進していきたいと思います。
                                       
抗議声明               2004年4月
 4月8日、最高裁判所第1小法廷は、米海軍横須賀基地で働きじん肺や石綿被害を受けた、元従業員らが起こした「米海軍横須賀基地石綿じん肺第1次裁判」で、時効を10年とする東京高裁判決の棄却を求めた原告らの上告受理申立に対し「本件を上告審として受理しない」という決定を行いました。
 1999年7月に提訴した前記第1次じん肺裁判について、横浜地裁横須賀支部は2002年10月、日本政府や米軍の責任を明確に認め、国の時効の援用は権利乱用であるとして、時効差別無き原告全員の救済を認めた、画期的な判決を下しました。
 これに対し政府・防衛施設庁は、被害発生の責任を認め、基地で働く労働者の安全対策に万全を尽くすという内容の声明を発表し、原告9名については控訴せず判決を確定させましたが、その一方で、5名については時効を理由に東京高等裁判所に控訴しました。
 2003年5月、東京高等裁判所は「じん肺管理区分認定あるいは労災認定から10年以上経っている」ので時効が成立しているとして、原告敗訴の逆転判決を下しました。
 これを不服とした5名の原告らの上告受理申立に対し、最高裁判所は何ら実質審査を行わないまま、神奈川を中心とした11万筆以上の署名をも無視し、東京高等裁判所の不当な逆転判決を確定させてしまいました。
 これは、じん肺は進行性の病気であり、時効を適用すべきではないという。全国のじん肺患者の悲願を踏みにじる、」不当な決定であると言わざるを得ません。多くのじん肺やアスベスト被災者とその家族の方々が苦しんでいますが、国や企業が十分な対策をとらず、補償もせず「時効」で逃げるやり方、そして、それを容認する司法の態度を許すわけにはいきません。
 私たちは全国の被災者や支援の方々とともに、強く抗議するとともに、時効無き補償体制の確立に向けて、今後も取組を強めていきます。

米海軍横須賀基地石綿じん肺裁判対策委員会
弁  護  団
原  告  団
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