どのような補償がありますか?

 粉じん職場やアスベスト取り扱い職場で働いたことのある方のじん肺やアスベストによる肺ガン・中皮腫は、労働災害保険法による労災補償(医療補償、休業補償、遺族補償など)の対象になります。
 退職後かなりたって発病した場合でも、労災補償を受けられますので、ぜひこちらに相談してください。

 じん肺に対する労災認定
 業務上疾病として補償の対象になるのは、じん肺管理区分が管理4に該当する場合と、管理区分が管理2、管理3と決定された人で合併症と診断された場合、補償の対象となります。
 じん肺の合併症として認められている病気は次の通りです。
 (1) 肺結核
 (2) 結核性胸膜炎
 (3) 続発性気管支炎
 (4) 続発性気管支拡張症
 (5) 続発性気胸
 (6) 原発性肺ガン
      注:原発性とは、他の臓器のガンからの転移でないものを言う。

図:じん肺の管理区分


 アスベスト被害に対する労災認定
 石綿ばく露作業に従事しているか、又は従事したことのある人は、次のような場合補償を受けられます。
 (1) 石綿肺
じん肺と同じです。
 (2) 肺ガン
   @ 石綿肺合併肺ガン
石綿肺のレントゲン写真の像が、第1型以上である場合の原発性の肺ガン。
   A 石綿肺の所見がない場合の肺ガン
原発性肺ガンで石綿ばく露作業期間が10年以上あり、石綿の影響を受けている医学的な所見がある場合。
   B 上記以外の肺ガン
上記@及びAに該当しない場合でも、短期間に高濃度の石綿暴露を受けた場合の原発性肺ガンは、補償の対象となることがあります。
 (3)中皮腫
   @ 胸膜、腹膜、心膜または精巣鞘膜の中皮腫
石綿ばく露作業期間が概ね1年以上であるか、又は石綿暴露を裏付ける一定の医学的所見がある中皮腫。
   A @に該当しないか、他の部位の中皮腫は、石綿ばく露作業の内容、従事歴、臨床所見などにより個別に判断されます。

 (4)良性石綿胸水及びびまん性胸膜肥厚
石綿曝露労働者に発症した良性石綿胸水及びびまん性胸膜肥厚については、石綿ばく露作業の内容、従事歴、臨床所見などにより個別に判断されます。

 備考:石綿作業による被害の保障内容が2003年9月より改正されました。
     中皮腫認定基準に胸膜、腹膜の他、心膜、精巣鞘膜が追加され、石綿曝露期間も5年から1年に短縮されました。また、良性石綿胸水及びびまん性胸膜肥厚が例示されました。

労災認定の内容の詳細や、手続きに関しては、пi046)827−8570でいつでも相談を受け付けています。

 労災補償の内容
 (1)療養補償給付
療養費(病院の費用など)の給付。
 (2)休業補償給付
療養のため労働ができず賃金の支給を受けられないとき、1日につき給付基礎日額(平均賃金)の60/100に相当する金額。(退職後であっても給付の対象となります)
 (3)傷害補償給付
傷害等級に応じて、年金又は一時金が支払われる。じん肺の場合は病気が治癒、固定し傷害等級を決めることがないため、この支給を受けることはあり得ません。
 (4)遺族補償給付
遺族年金又は一時金。
 (5)葬祭料
葬祭のための費用補償。
 (6)傷病補償年金
1年6ヶ月を経過しても治癒せず、障害の程度が省令で定める傷病等級に該当する場合。


労災と新法による救済比較(配偶者と子供一人(被扶養者二人)賞与除く年収500万円世帯の場合)
  労災補償 新法による救済 労災時効例の救済 認定基準に係る救済
生存事例 法施行前死亡事例 法施行前死亡事例 生存事例
適用期間等 基本的に初診日に遡って適用、「認定の有効期間」の定めなし ▼申請日からの適用、認定の要綱期間5年(治る見込みなければ更新可能) 【施行後3年間の時効措置】 【施行後3年間の時効措置】 【救済なし】 ◆新労災認定基準によれば認定されるにもかかわらず、過去の旧労災認定基準に基づいて不支給と処分を受けた事例の救済について何も触れられていない
対象疾病 中皮腫、肺がん、石綿肺、良性石綿胸水、びまん性胸膜肥厚、その他石綿曝露業務に起因することの明らかな疾病 ▼指定疾病=@中皮腫、A肺がん、Bその他石綿を吸入することにより発生する疾病であって「政令で定めるもの」(定めない) ▼指定疾病(左欄@〜B、Cその他厚生労働省令で定める疾病)
医療費 全額補償 ▼自己負担 ◆なし ◆時効分の救済なし
通院費 原則実費全額補償 ◆なし ◆なし ◆時効分の救済なし
休業補償 月額33万円(平均賃金の80%) ▼療養手当てとして一律月額103,870円 ◆なし ◆時効分の救済なし
葬祭料 約82万円(平均賃金の30日分+31.5万円または60日分) ▼一律199,000円(時効2年=労災の場合と同じ) ▼一律199,000円 ◆なし
遺族一時金 一律300万円(+年金の支給対象とならない遺族には約1,370万円(平均賃金の1,000日分)の一時金) ◆▼法施行日前罹患者が施行後2年以内に死亡し、医療費+療養手当支給総額が右欄の280万円に満たない場合に限り、差額を調整金として支給 ▼一律280万円の特別遺族弔意金 ◆▼年金対象とならない遺族に特別遺族一時金1,200万円
遺族年金 約275万円(被扶養者等1人で平均賃金の153日分、2人201日分、3人223日分、4人以上245日分) ◆なし ◆なし ▼遺族の人数に応じて1人240万円〜4人以上330万円の特別遺族年金
▼時効救済の場合の240万円に満たない低額労災年金受給者多数
就学援護費 保育園・小学校で月額12,000円〜大学38,000円 ◆なし ◆なし ◆なし
◆救済の「隙間」、▼「公正」さを欠く点

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ホームページ 作成日2007/04/13 更新日2007/04/13