第314回定例会(2017.9) 大崎事件再審・心理学鑑定への評価

人権と報道・連絡会の第314回定例会が9月15日夜、水道橋の「スペースたんぽぽ」で開かれ、約25人が参加した。テーマは「大崎事件再審・心理学鑑定への評価」。

1979年に鹿児島県大崎町で起きた大崎事件の第3次再審請求審で鹿児島地裁は6月28日、原口アヤ子さん(90歳)と元夫(1993年に死去)の再審開始を決定した。地裁決定は、有罪の根拠とされた原口さんの旧親族たちの「自白」「目撃供述」について、弁護側が提出した心理学鑑定・供述分析を高く評価した。鑑定は大橋靖史・淑徳大学教授と高木光太郎・青山学院大学教授が第2次再審請求審と今回の2度にわたって実施したもの。供述の内容より、語り口や心理など供述の仕方・特性に着目して分析する方法で行われた。これまでの再審請求審では、「供述の信用性判断は裁判官の専権事項」として、専門家の鑑定が重視されてこなかっただけに、画期的な決定だ。例会では、大橋教授が鑑定方法から分析結果まで、パワーポイントを使ってわかりやすく説明した。