第309回定例会(2016.9) 松橋事件の再審と報道を検証

人権と報道・連絡会の第309回定例会が9月23日夜、東京・水道橋の「スペースたんぽぽ」で開かれ、約30人が参加した。テーマは〈松橋事件再審と報道〉。6月に再審開始決定が出された「松橋事件」について、再審請求弁護団の武村二三夫弁護士から報告を受けた。

この事件は1985年1月、熊本県松橋町(現・宇城市)の男性(当時59 歳)が自宅で刺殺され、将棋仲間の宮田浩喜さん(83歳)が「任意取調べ」で自白を強要されて逮捕されたもの。宮田さんは一審途中、否認に転じたが、熊本地裁は86年12月、自白を唯一の証拠に懲役13年の有罪判決、90年1月に確定した。
宮田さんは99年に出所し、2012年に成年後見人が再審請求、6月30日、熊本地裁が再審開始を決定した。例会では武村弁護士と世話人の浅野健一さんから、自白強要と証拠隠しの冤罪作り、それを容認した裁判、警察情報を鵜呑みにした報道などについて報告を受けた。