第294回定例会(2014.5) 北陵クリニック事件再審棄却決定と報道

人権と報道・連絡会の第294回定例会が5月9日夜、水道橋の「スペースたんぽぽ」で開かれ、約20人が参加した。テーマは「北陵クリニック事件再審棄却決定と報道」。

2001年、仙台市の北陵クリニック准看護師・守大助さんが「患者の点滴に筋弛緩剤を混入した」として殺人・殺人未遂罪で逮捕・起訴され、無期懲役刑が確定した「事件」で、仙台地裁(河村俊哉裁判長)は3月25日、守さんの再審請求を棄却する決定を出した。弁護団は即時抗告した。例会では、阿部泰雄弁護団長と小関眞弁護士が、捜査と報道の経過、裁判の概要、再審請求の内容を報告。今回の棄却決定について「河村裁判長は昨年4月に着任し、11月に審理を打ち切って、実質半年で結論を出した。最初から有罪ありきのムチャクチャな決定。検察さえ言っていないことまで言って非科学的な判断を重ね、請求を棄却した」と厳しく批判した。マスメディアは、この棄却決定についてほとんど報道しておらず、阿部弁護士たちは「仙台高裁での即時抗告審に向け、地裁決定のでたらめさをどう広くアピールしていくか、法廷外の情報戦がカギ」と話した。