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News Update
アチェ・北スマトラ地震津波情報アップデート


2005年1月20日


<ジャーナリスト保護委員会、抗議>
 ニューヨークにあるジャーナリスト保護委員会(Commitee to Protect Journalists)は12日声明を発表し、インドネシア政府がアチェでの取材を制限していることに抗議した。12月29日、シカゴ・トリビューン紙のMichael Lev記者が本委員会に伝えたところによると、彼はムラボに到着後、理由も告げられずに28時間拘束され、メダンに輸送された。また1月6日、インドネシア軍特殊部隊司令官は2人の記者に対し立ち退きを命じた。2人はインドネシア軍が住民に暴力を振るっている場面を目撃していた。(Press Release 1/12)

<華人被災者、多くはメダンに>
 Tjhin Tjhung Mauwが代表をつとめる華人の互助組織Tolong Menolong(相互扶助という意味)は華人被災者のための避難所をメダンで運営している。バンダ・アチェやムラボの華人被災者7000人がメダンに避難してきている。また津波でなくなった華人はバンダ・アチェで50人、ムラボには500人の華人がいたが2割はなくなっているのではないかと見られている。200人ぐらいの華人が津波の影響がなくてアチェに残っている。当初、同団体の事務所を避難所としていたが、今はその裏にあるバスケットボールのコートに被災者は寝泊まりしている。(Jakarta Post 1/15)

<ガジャ・マダ大学が救援プログラム>
 ジョクジャカルタにあるガジャ・マダ大学(UGM)は、5000〜6000億ルピア(5430万ドル)の「アチェ復興プログラム」を発表した。それは保健、住居修復、災害マネジメント、教育復興の4分野を主たる活動域とするもので、4年間に渡って、短期・中期・長期のプログラムを提供する。短期プログラムではまず、500個の組み立て式住居をつくるが、それはアチェの文化を考慮したもので4年間の耐用年数をもつ。長期プログラムは災害に対する知識を広めるというもの。教育分野の支援はアチェのシア・クアラ大学を支援する。教員が多数行方不明になっている。(Jakarta Post 1/15)

<UNFPA、出産セットを供給>
 国連人口基金(UNFPA)は金曜日、14トンの出産関連物資とリプロダクティブ関連物資をアチェ州に送った。アチェの妊婦が必要とするものだ。通常、この種の援助の必要性が見過ごされがちだ。(Jakarta Post 1/15)

<アチェ西岸の町、チャランの状況>
 NGOの国際救援委員会(IRC)が行った調査によると、アチェの西部沿岸にあるチャランの町では、8700人いた住民のうち2500人しか生き残っていない。しかもそのうち3分の1が他の町へ避難民となって移っている。全世帯の65%が家族を津波でなくしている。生き残った人の5%しか5才以下の子どもはおらず、その85%が下痢になっている。(Washington Post 1/15)

<ワールド・ヘルプ問題、誤解か?>
 インドネシアのプロテスタント牧師Henry Lantang氏は、バージニアに本拠をおくキリスト教団体ワールド・ヘルプは、実際には子どもを一人も確保していないと述べた。彼はインドネシアの新聞で、アチェの空港で300人の子どもが出発をまっているという記事をみつけ、それをバージニアの友人に伝えた、ワールド・ヘルプは子ども支援のための緊急アピールをインターネットで行った。Lantang氏は、当初アチェから孤児をジャカルタに移す計画だったが、政府が禁止しているとしってやめにしたと言う。(Washington Post 1/15)

<国防相、外国軍に期限なし>
 ユウォノ・スダルソノ国防相は1月16日、3月26日は決して外国軍の撤退期限ではない、それはインドネシア政府が救援活動の大部分を担うようになるというベンチマーク(基準)だと語った。(AP 1/16)

<学校再開>
 アチェでは1538人の教員が行方不明になっており、1000人の教員が負傷している。600校の学校も破壊された。州政府は1月10日に被害の少ない学校での授業を再開した。すべての学校が1月26日までには再開するよう呼びかけている。(Antara 1/15)

<掃除に3000人雇用>
 1月31日までに遺体収容やゴミ片づけを行うため、NGOのPanglima Laot NAD(アチェ州海軍提督といったような意味)はUNDP(国連開発計画)の援助をうけ、3000人を雇用した。賃金は1日当たり3万ルピア、コーディネーターは35000ルピア。(Jakarta Post 1/15)

<寄付募集、意外に費用が>
 寄付を集めるコストは団体によって違うが、一般に宗教団体は安く、非宗教団体は高い。ある分析によると次のようになった。(Source: GIVEWELL)

オーストラリア赤十字 26%
 CARE Australia 21%
 Caritas Australia 5%
 Oxfam 32%
 Medecins Sans Frontieres 24%(国境なき医師団)
 Muslim Aid Australia 0.4%
 Plan Australia 26%
 Save the Children 67% (34% in 2004)
 TEAR Australia 2%
 UNICEF Australia 24%(オーストラリア・ユニセフ)
 World Vision 12%
(Age 1/16) 

<破傷風で死亡>
 バンダ・アチェの病院ではこの数日、破傷風で6人が死亡した。うち2人は子ども。他にも破傷風患者が30人いる。国境なき医師団は1月14日、少なくとも67人が破傷風に感染していると発表した。(Jakarta Post 1/17)

<サバンの被害>
 アチェの沖合に浮かぶ観光の島ウェ島の町サバンも被害を受けた。サバン市の人口は2万6000人。少なくとも12人が死亡、34人が行方不明、3659人が17カ所の避難所に暮らしている。(Jakarta Post 1/17)

<復興には40〜50億ドル>
 インドネシア政府・世銀の合同研究によれば、インドネシアの被害の復興には40〜50億ドルがかかる見通しだ。国際社会は津波被災国全体に対してすでに50億ドルの援助を約束しているが、インドネシアはCGI(インドネシア支援国会合)を通じてより直接的な援助を求める方針だ。難しい問題は、多くの被害が個人財産の喪失であることだ。家、船、車など。学校、病院の損害はそれに比べれば少ない。こうした個人財産の喪失をどう扱うかが長期的には課題だ、と世銀インドネシア担当のAndrew Steer氏は言っている。(Wall Street Journal 1/18)

<大統領、救援見直しを指示>
 ユドヨノ大統領は、ユスフ・カラ副大統領の指揮下の国家災害救援避難民調整機構(Bakornas PBP)のコーディネーションがまずいことを批判し、改善を検討するよう指示した。(Jakarta Post 1/17)

<副大統領令は違憲?>
 国会は、アチェ緊急対策本部設置に関して副大統領が出した指令は違憲であるとして、大統領に説明を求める。大統領令というのはあるが、副大統領が同種の指令を出すのは法律に規定がないというもの。Yusril Mahendra官房長官も、副大統領にはそうした権限はないとして違憲であると述べている。(Jakarta Post 1/18)

<民兵組織、アチェに足場>
 Laskar Merah Putih(紅白義勇隊、「Merah Putih」はインドネシア国旗のこと)という名前の民兵組織がアチェに足場を築き、アチェを分離主義者から防衛すると言っている。(Courier Mail 1/18)

<マレーシアでインドネシア人の子ども売買業者逮捕>
 アチェの津波被害の子どもについてではないが、マレーシア警察は過去6カ月で27人のインドネシア人の幼児売買にからんで9人が逮捕されていると発表した。そのうち5人はインドネシア人だ。中には生後25日の赤ちゃんを、マレーシア居住のインドネシア人の母親から3000リンギットで買い、18000リンギットで売ったケースがあった。(US$1=RM$3.8、18000リンギットは約52万円)(AFP 1/18)

<NU、孤児2万人を受入れる用意>
 インドネシア最大のイスラム教団体ナフダトゥル・ウラマ(NU)のハシム・ムザディ総裁は1月18日、スマトラとジャワにあるプサントレン(イスラム寄宿学校)が2万人のアチェ人の孤児を受入れる用意があると語った。そしてそのために子どもをアチェ州から出さないという政府の規制を撤廃するよう求めた。政府によれば3万5000人の子どもが津波で孤児になっている。(Jakarta Post 1/19)

<死者数の混乱>
 ユドヨノ大統領は社会省と保健省の死者数がかなりちがっていることについて、確認をするよう指示を出した。社会省はこれまで115,229人と言っていたのを1月18日に114,717人と下方修正、行方不明者数を12,082人とした。一方、保健省は死者95,000人、行方不明者77,000人としている。いずれも推計値であり、生存者数及び西部沿岸地域については人口密度をもとに計算したもの。遺体はすぐに埋葬されたものも多く、その数は把握されていない。(AP 1/18)

<死者数、数えるのを止める>
 ユスフ・カラ副大統領は社会省に対して、死者数を数えることではなくて、避難民支援、負傷者の手当て、行方不明者捜索に力を注ぐよう命令した。社会省は今後、省内では死者数のカウントは続けるが公表はしないことにした。(Bloomberg 1/19)

<Oxfam、米政府に繊維への関税を下げるよう要請>
 民間援助団体Oxfamは金曜日、米政府に対し、インドネシア、スリランカ、モルジブからの衣服・繊維製品に対する関税を引き下げるよう要請した。Oxfam AmericaのRaymond Offenheiser代表が米通商代表部に書簡で要請した。(Reuters 1/14)

<ヨーロッパ各国の支援>
 ハサン・ウィラユダ外相は月曜、先週のパリ・クラブ会合に先立ち4カ国政府と会い、債務問題等について議論したと語った。外相によると、ドイツ、フランス、イタリアはスワップと無償援助提供で合意した。ドイツは無償援助とソフトローンで合計5億ユーロを津波被災国全体に提供するが、無償援助の割合を高めることを検討している。イタリアはインドネシアに対する3000万ユーロの債権をアチェ復興などその他のプロジェクトに振り向けることで合意。さらに2006年も同額を他プロジェクトに振り向けることを提示した。またEUは、インドネシアからの輸入品に対する関税引き下げや特定品目に対する貿易障壁解除を検討しているという。フランスはインドネシアの繊維製品に対する優遇措置を行ってきたが、これからはエビや海産物も考慮するつもりだ。ドイツはまた、インド洋津波警報システムとは別に、インドネシアの津波早期警報システムの構築を支援すると述べた。(Jakarta Post 1/18)

<経済学者:債務削減こそ追及すべし>
 1997年の通貨危機発生時、インドネシアの債務は538.7億ドルだった。それから7年後、債務は821.1億ドルに膨らんでいる。50%増だ。経済学者のDradjad Wibowo氏は、政府は債務削減を真剣にやってないと批判する。今年政府は歳出から131兆6000億ルピアを債務返済にあてなければならず、72兆ルピアが海外に流出するということだ。悲しいのは1969年から2003年の期間、インドネシアは元本と利子で、378億ドルの借り入れに対し565.2億ドル支払っているということだ。2003年の時点でインドネシアの債務は800億ドル以上あった。彼はメキシコをモデルにすべきだという。1989年のブラディ米財務長官の政策で、メキシコの債務をブラディ債権と引き換えた。それによって294億ドルの債務が削減され、政府の返済は毎年38億ドル減った。この他にも、ドイツは大戦後50%の債務削減と返済猶予、さらには残った債務の利子削減という措置を受けている。フィリピンもマルコス政権崩壊後15%の債務削減があった。インドネシアは1970年に対外債務の60%がカットされた。Dradjad氏は、もはや返済猶予だけでは不十分だ、政府は債務削減をこそ追及すべきだと言う。(TEMPO 1/18-24)

<世銀、インドネシアに7〜8億ドル>
 世銀のイシハラ・ヨーイチロー氏は1月17日、世銀は今年インドネシアに7〜8億ドルを提供するだろうと語った。インドネシア政府は今週開かれるCGI(インドネシア支援国会合)で30億ドルを求める予定だ。世銀の見積もりではアチェの復興は50億ドルかかるが、世銀は今年アチェのために5000万〜1億ドルのローンを考えている。(Bloomberg 1/18)

<津波がGDPを0.4%下げる>
 世銀は1月18日、津波がインドネシアのGDPを0.4%下げるだろうとの予測を出した。これで世銀は昨年11月に出したインドネシアの2005年GDP予測5.4%を5.0%にした。(AFP 1/18)

<物価上昇>
 アチェでは米や砂糖が10〜20%、ピーナッツやヤシ油が50%以上値上がりしている。アチェ人の平均年収は250ドルちょっとしかない(2002年)。とくに値上がりが激しいのは援助関係のニーズがあるところで、車、ドライバー、通訳、家賃だ。津波前は1日50ドルで借りられた運転手付き車が、今では100ドル。飛行機の切符はダフ屋が買い集めて3割り増しで売っている。寝室4つの家は1日100ドル。(Christian Science Monitor 1/19)

<GAMも救援活動した>
 GAMの司令官の一人Muharram Idrisは1月18日、ワシントン・ポスト紙記者に国際救援組織が入る前GAMが救援活動をしていたことを明らかにした。山の方にある隠れ家から沿岸地方に降りてきて、自分たちのもっているものを難民に配ったという。シェルターをつくり応急措置施設をつくって数百人をそこで扱った。何人かのけが人をバンダ・アチェの病院まで運んだこともある。Muharramは大アチェ県を領域とする1000人のGAMの司令官だ。彼の部下は多くが沿岸の漁村出身で、彼自身も津波で妻をなくした。(Washington Post 1/19)

<政府とGAM、1月末に会談予定>
 ウィラユダ外相は1月19日の記者会見で、今月末にGAM側と会談をもつ計画でいることを明らかにした。津波以後、密かに連絡をもってきたという。(Reuters and AP 1/19)

<盗みが横行>
 バンダ・アチェではがれきの中から鉄くずやプラスチックを拾い集める人たちがいる。彼らはそれが悪いこととは知りながら、他に金をかせぐ手段がないと言う。バンダ・アチェ警察署長によると、略奪が今や最大の犯罪となっている。1月17日には1日で43人が逮捕された。州都には780人の警察官がいたが300人が津波で死亡したため取り締まりもままならない。インドネシア刑法363条では、戦争や自然災害発生時の略奪はより罪が重いと規定している。(New York Times 1/19)

<早く家に戻りたい>
 アチェの避難所にいるYuswardiは妻と子どもをなくしていた。しかし、「ひがな1日坐って失った家族のことを考えている。とても悲しい。われわれは働く必要があり、家族のことばかり考えてないで前へ進まなければならない」と言う。彼がいる避難所はバンダアチェから40キロ離れたところにある。「われわれには家が必要だ。仕事も。稼ぐために。いつまでもここにはいられない。他人にすがって生きたくはない」と語るのは農民のYusuf。避難所の食事はラーメンと米ばかりであきもくる。病気蔓延の心配もある。ただ、避難民たちには帰るところがない。おそらく政府がつくる再居住施設に移ることになるだろう。「それは家じゃない。でもここよりまし。少なくとも木の床があるから」とYuswardiは言った。(Reuters 1/19)


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