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PLTA Renun, 150 Meter di Bawah Perut Bumi
「ルヌン水力発電所 地中150メートルで」


コンパス紙のインターネット版の記事(2002年11月9日)の翻訳。建設現場の様子と工事遅延の理由、北スマトラ州の電力事情などが書かれている。(原文を見る


コンパス紙インターネット版
2002年11月9日(土)

「ルヌン水力発電所 地中150メートルで」

  4人乗りのエレベータが3メートル以上もある竪穴をゆっくりと降りていく。真昼の日の光もゆっくりと消えていき、真っ暗になる。胸の鼓動がかなり速くなり、心配になる。竪穴の底は見えない。さらにエレベータはゆっくりと降り続け、空気が薄いと感じられてきた。
  そして気圧が上がり鼓膜を圧迫し始めた。しだいに水の滴る音と同行者の声だけが聞こえてくる。竪穴の底は、現在建設中のルヌン水力発電所(PLTA Renun)の導水トンネルの横に位置していた。
  地中への旅は3分ほどかかった。暗闇は、導水トンネルの天井からぶら下がっている40ワットのネオン灯のぼんやりとした光に変わった。トンネルは地下約150メートルに位置している。トンネルの中には、直径3メートル以上にもなる巨大なドリルを動かすための2本のレールがある。その他には、削岩機などの機械があった。酸素を供給するためにトンネルの全長にわたって直径1メートルのパイプがあり、地上から空気を送り込み続けている。
  ルヌン水力発電所は、北スマトラ州メダンの南、約100キロにあるダイリ県にある。同発電所はルヌン川とその11の支流を利用する。毎秒約10立方メートルを取水し、トバ湖に流すことにより、約434.6メートルの落差を作り出す。同水力発電所は、それぞれ41メガワットの発電能力を持つタービンを2機備えている。
2機のタービンから、年間313.5ギガワットの電力を生み出す。さらに、ルヌン川から流れ込む水は、トバ湖の水位を引き上げる。それによって、第2アサハン水力発電所の発電量は年間304.7ギガワットに増える。また、現在、発電所からの送電はブラワンが中心になっている。
  ルヌン水力発電所は、全長132.2キロにわたるルヌン川から取った水を利用する。それに加え、この発電所に供給される水は、シビラ、シパトンガ、シマルタバン、シパハといったルヌン川の支流からも取り込まれる。これらの水は、50万立方メートルの貯水が可能な六角形の調整池(regulating pond)に貯水される。この発電所の操業で取水される最大流量は、毎秒約22.1立方メートルである。同発電所は直径3.4メートルの導水トンネルを利用する。
  ルヌン水力発電所の発電機の容量は82メガワットで、年間313.5ギガワットの電力供給が見込まれている。ここでつくられた電気は、まず全長5.7キロと65キロ、150キロボルトの複数の送電線網で、その後、発電所をつなぐ北スマトラ州の送電線網システムによって供給される。

  266億円と見積もられているこのプロジェクトには日本の国際協力銀行(JBIC)が融資している。この円借款は3期にわたる契約で成り立っている。すなわち1991年9月25日に調印された54億円の借款契約(IP-376)、1993年11月4日に調印された156億円の借款契約(IP-407)、1994年11月29日に調印された54億円の借款契約(IP-424)である。
  第1期の借款は、インフラ建設とエンジニアリング・サービス(E/S)に充てられ、第2期の借款は、本体部分の工事と導水管、堰、廃棄物搬出装置などの水利機械系統の工事に充てられた。そして、第3期の借款は、電気・機械系統の工事に充てられた。
  この水力発電所の詳細設計の全ては日本企業、日本工営によって作成された。設計は1988に完成し、工事を落札した19の契約企業が建設を進めている。主な企業は、オーストリアのElin Energieversorgung社、韓国の現代建設、イギリスのGE Energy社、国内のアマルタ・カルヤ社、メルチュ・ブアナ・ラヤ・コントラクター社などである。
  工事は2002年8月に完了する予定であったが、実際には延長に追い込まれている。工事の過程で障害が生じたことで延長を余儀なくされている。
  トンネル内部に、約300万年前にできた、まだ新しい岩盤が現れたのである。岩盤は火山が噴火した際に出た物質でできているが、噴火の際にできたのが現在のトバ湖である。岩盤の構造は脆く地下水を含んでいる。トンネルの内壁には、岩盤の残りが見えている。この欠片はコンクリートタイルのように四角形をしている。

  トンネル工事は、直径3メートル以上もあるトンネル・ボーリング・マシーン(TBM、以下ボーリング・マシーン)を使用して1997年7月に開始された。トンネルの総延長は27キロで、ルヌン川のメイン取水堰からトバ湖畔の水力発電所のタービンまでを繋ぐ計画である。
  トンネル工事は当初、月間380メートルのペースで、29カ月間で完了すると見られていた。1997年11月には、凝灰砂岩(sandy tuff)という脆弱な岩盤が見つかったため、工事の遅延に追い込まれた。結果として、7カ月間でたった670メートルという工事のペースになってしまった。1998年10月には、工事の過程が全般的に困難な状況になったばかりか、よりひどい状況になった。6カ月間に226メートルしか進まなかったのである。
  さらに、1999年5月以来、またもボーリング・マシーンは地下水を大量に含んだ岩盤の領域に入ってしまった。この地下水の流量は毎秒482立方メートルにも達していた。この状況下で、工事のペースは、たった月間45メートルに落ち込んだ。「掘り進んでいく全ての岩盤が液状化してしまうため、ドリルの先にある土砂の廃棄が難しい。我々をサポートしている米国と英国の技術者は、これまでに多くのトンネル工事をしてきたが、この工事が一番難しい、と語るほどだ」とルヌン水力発電所プロジェクト長のヘンキ・ヘル・B氏は述べている。
  このプロジェクトの技術者はその後、ボーリング・マシーンを再調整し、吸水設備を追加して、この問題を克服しようとしている。現在、トンネル工事はまだ3.7キロが残っている。ヘンキ氏によれば、トンネル工事は2003年11月に完了し、2005年から操業することが可能であると見られている。
  ルヌン水力発電所は、現在わずか682メガワットしかない北スマトラ州の電力供給を補うものと期待されている。これまで、これらの電力のほぼ90%がブラワン火力発電所(PLTGU Belawan)から供給されている。同発電所の電力供給量は486メガワットである。
  現在、同火力発電所のGT-12とGT-21の2機の蒸気タービンは、外国で修理中である。インドネシア電力公社(PLN)の北スマトラ州発電・配電第1部長のアルベルト・パンガリブアン氏は、このタービンのプロペラの羽のいくつかに亀裂があり、現在、英国で修理中と語った。
  この故障によって、北スマトラ州の電力供給は約130メガワット減少している。結果として電力公社は、順番ごとに電力供給停止をせざるを得ない状況である。


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