インドネシア支援国会合(CGI)中間会合に関するインドネシアNGOの共同声明


4月23-24日 インドネシア支援国会合(CGI)中間会合に関するインドネシアNGOの共同声明

INFID、ICW、JARI、UPC、WALHI、FNBI、FWI、SP PLN、GERAH、SOLIDAMOR、TELAPAK、IDe

2001年4月20日、ジャカルタにて

(翻訳・校正:日本インドネシアNGOネットワーク)
 

CGIは解散するのみ、なぜならインドネシアへの支援にはなっていないから
 

来る4月23〜24日、ジャカルタでCGI中間会合が開かれる。世界銀行によりコーディネートされるこの債権国フォーラムは、2000年10月のCGIでのコミットメントと合意、とりわけ森林問題、貧困、地方分権化、秩序ある統治に関して評価がなされる。

これに関し、私たちインドネシアのNGOは私たちの見解と立場を述べたい。

CGIには国連開発計画(UNDP)や国連児童基金(UNICEF)などの国連組織が構成メンバーとして含まれているが、彼らは決定的な役割を担っていない。なぜならこうした組織は基金量が少ないばかりか、国際金融市場の中で重要な立場にいないためである。もっとも決定的なことは世銀や国際通貨基金(IMF)、そして日本、米国、ドイツ、イギリス、フランス、その他の重要な債権国の政策や意向である。

1997、1998、1999年の連続3年間における開発のための借款の内訳は、国際復興開発銀行(IBRD、いわゆる世銀)から28%、34%、41%、アジア開発銀行(ADB)から23%、28%、27%、海外経済協力基金(OECF)/国際協力銀行(JBIC)から35%、19%、20%、その他から14%、19%、12%である(出所:インドネシア銀行)。ところが実際には、インドネシアの経済構造の強化を達成していないことが明らかになった。社会基盤の整備も同様である。結果として、インドネシアは現在ますます深刻化している経済危機の暴風に耐え切れなくなってしまった。
 
私たちはつぎの事を明らかにする。すなわち、スハルト時代とポスト・スハルト時代、または経済危機前の時代とその後の時代を通じてCGI(旧IGGI)のさまざまな事例と役割を的確に学んだのち、CGIは問題解決者でないばかりか、問題の一部をなすことが明らかになったという結論に達した。スハルト政権下における32年間にわたるIGGIとCGIの行為は、同等でない関係の形態、すなわち債務国に対する債権国の専横的な関係を強く示している。その関係の構造は、いまだ変化したと結論づけられない。以下の事例で説明していこう。

森林問題

1960年代末に森林伐採権(HPH)の許可を与えることによって始まった森林資源開発は、現在にいたるまで非常に大規模な森林の破壊をもたらした。持続可能な森林管理の実施は実際は一度も行われなかった。森林伐採率は年間180万ヘクタールに達し、過去3年間ではこの2倍に上昇したと推定される。1980年代初頭に(合板製造業を核とする)製材産業の立ち上げを「強制」したインドネシア政府の政策は、製材産業の設備過剰をもたらした。その後インドネシア政府は、大規模な生産力を持つ製紙パルプ産業開発のために優先権とインセンティブを与えた。その結果、国内で丸太材の需要と供給の不均衡が非常に大きくなっている。現在この不均衡は4000万立方メートルをくだらないと推定される。インドネシアの製材産業に供給するのに必要な丸太材の不足によって、各地の森林で非常に大規模な盗伐(違法伐採)が猛威をふるっている。盗伐は各地の森林保護地域、例えばタンジュン・プティン、グヌン・ルスル、クリンチ・スブラト、クタイといった国立公園にまで及んでいる。現在インドネシアの製材産業で使われている原木(約4000万立方メートル)の3分の2は盗伐されたものと推定される。

さらに森林の領域をめぐる衝突問題も全インドネシアで一層多く起こるようになった。このことは特に、きわめて基本的なこととしての土地保有権が、良好かつ正当な着手を目的として優先的に扱われてこなかったゆえに引き起こされた。その間に地方分権の時代に入り、地方政府と林業経営者たちは収入源として迅速にそれぞれ主導権を握っていった。このことは森林資源と環境への脅威となり続け、インドネシアの森林破壊の拡大と深刻化と政府の信頼性の喪失をもたらした。

この間政府は、関係技術省(林業省、林業・農園省、農業・林業省)を通じ、多面的で複合的なインドネシアの森林諸問題の克服のために、その能力を十分には示していない。 CGIの圧力により様々な森林問題が提示され、結局2000年2月上旬のジャカルタでのCGI会合で、インドネシア政府はCGIに対し森林分野での8つのコミットメントを伝えた(その後、この8つのコミットメントは2000年10月中旬の東京でのCGI会合で12に増加した)。この圧力に対する対応の1つが、林業分野の省庁間委員会(IDCF)設置に関する大統領決定80/2000号の発行である。

現在にいたるもIDCFは実功ある活動や効力を示していない。IDCFのパフォーマンスは非常に低く緩慢である。それゆえ、いまだに一つのコミットメントも着手されず実質的な影響を及ぼしていないのは当然のことといえる。東京でのCGI会合後、政府は林業省主導でそれぞれの問題のための行動計画を作成した。しかし実際は、行動計画の多くの部分は、これまでに林業省が良好かつ正当に遂行してこなかった省内業務または日常業務に過ぎない。様々な地域・地方に対する行動計画の作成・実施において、インドネシア林業界の既得権益者を含む透明で協議的なプロセスは、現在まで行われていない(無い)。行動計画の大部分はいまだに一方通行であり、トップダウンで抑制的で、法制面からの制限的性格がある。このような性格は、上記の行動計画の高い効率性を失わせる結果となっている。

インドネシアにおける林業問題・森林破壊は、インドネシアの林業企業が行っている違法行為に、国際金融機関や輸出信用機関を通じて便宜を与えている先進国の役割に関連がある。このことで、CGIは森林問題に対して2重の役割を果たしている。一方では、CGIはインドネシアに対し森林保護に厳格な措置を取るよう要請しているが、しかし他方でCGIに加わっている国々は、インドネシアの森林に対し大規模な伐採を支援し便宜を与えている。それはとりわけ、明らかに違法伐採の森林資源に頼っている製紙パルプ産業に肩入れしたり、ヨーロッパ、日本、米国の輸出信用機関(ECAs)を通じ輸出信用措置を与える手段を通じて行っている。
 

汚職問題

広範で組織的な汚職はインドネシア経済の脆弱性の最大の原因となっている。世界に最たる汚職の高さは債権国フォーラムとしてのCGIをして汚職を優先議題とさせなかった。スハルト体制から政権が交代して初めて、CGIは実質的で明確な措置がないために効率を損ねさせている汚職問題を提案し始めた。

スハルト新秩序体制時代の32年間にわたる借款に絡む汚職に対して、CGIに加盟している債権国が借款供与を停止または削減をしたり、汚職を防止するための重要で明確な措置を採用したりしたことはなかった。供与された新しい借款は新しい汚職の温床となるだけであった。

CGIの道義的、法的、社会的責任は、汚職で使われた資金の用途についての調査を通じて、指摘されなければならない。というのは外国からの借款の30%以上が、インドネシア政府の高官自身または支援国機関の共謀により汚職で消えてしまっているためである。現在まで、汚職をした者を調査し糾弾するための明確、透明、分析的、迅速な措置は見当たらない。

前述の様々なケースでの証拠はマスメディアにより公にされている。JPS(ソーシャル・セーフティ・ネット・プログラム)のような、NGOによって明らかにされた幾つものケースは、現在にいたるまでインドネシア政府や債権国によって完全に解決されていない。

BLBIの基金はCGIのメンバーでもあるIMFの金融セクターの健全化政策を担っていたが、この基金での汚職と背任行為は、金融調査委員会(BPK)であきらかにされたように、国家に対し1450億ルピアの損失を与えた。

パイトン1号の民間発電事業者とインドネシア電力公社(PLN)のケースでは、パイトン1号に対する訴えを取り消すため、インドネシア政府の圧力によって法廷外で問題解決が強行された。このやり方は、債権国側が自身の利益を優先し、また民間電力事業で生じた馴れ合いや汚職を指摘し得る公正で透明な法的手続きが堅持されるのを望まなかったことを示している。
 

貧困問題と対外債務

長引く経済危機はインドネシアの貧困層を総数4000万人以上にまで引き上げた。インドネシアの貧困問題は構造的な問題であり、その対策も組織的でなければならず、単なるつぎはぎであってはならない。貧困はまた子供たちにとって機会の喪失を意味する。貧困の結果として、何百万もの子供たちが中途退学してしまうが、このことは将来のインドネシアの人的資源(SDM)への投資がますます暗くなり、貧困の悪循環に入ることを意味している。

私たちはCGIが貧困を克服するのに寄与できるということに疑問がある。それどころか反対に、CGIが貧困を深刻化させているのは確かだ。

第一の理由は、危機以前の金融部門の増強と自由化におけるCGI加盟国の役割と、危機以降の国内外の民間部門の債務処理(救済)におけるCGIの役割である。CGIの意向によってインドネシアは民間債務を公的資金でカバーすることを決定し、民間債務は公的債務となった。その結果として国家財政による負担と生産力のある国営企業(BUMN)などの売却に跳ね返った。6350億ルピア以上の国債発行は、重い債務負担となった。換言すれば、CGIは、債務負担を通じて国家予算の困窮化に非常に重要な役割を果たし、また貧困の克服のために必要とされる生産力のある国家資産を減少させることに一役買った。

第2の理由は、CGIの調整役である世界銀行が、債務負担の軽減によって貧困を克服するという政策を引き出すことに失敗したということである。世銀とその他CGI加盟国は、貧困層のための事業を実施していると主張する一方で、債務返済を請求する債権者として行動しつづけてきた。フォーラムとしてのCGIが、債務の軽減・一掃のという要求を拒否しているのである。その代りになされたのは、ソフト・ローンの供与(世銀にとっての国際開発協会(IDA)、ADBにとってのアジア開発基金(ADF))と100億ドル規模のパリ・クラブ(第1回と第2回)による返済計画の繰り延べ(リスケジューリング)である。世銀やその他CGI加盟国は、この2つを負債の軽減措置として主張された。この措置に有効でなかったことはすでに証明されている。2001年度国家予算の赤字と次年度(2002年)のパリ・クラブの返済計画の再見直しを国会が要求したことは、パリ・クラブの返済計画の繰り延べが単なるつぎはぎ的な対策であり、インドネシアの危機克服にとって十分ではないという証拠である。

第3の理由は、どのような貧困克服の戦略やモデルがとられたとしても、問題の根源が国家予算の規模にあることだ。貧困削減プログラムの一方で、過去の債務の負担や金融分野の健全化プログラムのため、国家支出の最大部分は、国内の債務返済および外国からの借款の分割払いのために支払われている。債権者フォーラムとしてCGIは、経済の回復を加速させ貧困を克服するために十分な予算を支援すべきである。それにもかかわらず、現実にはインドネシアの予算は出血状態が続いているだけで、その最大要因の1つは有意義な債務救済がなされていないことにある。

結論

以上の議論や証拠から、CGIの役割はいかなるものか明らかになった。それにもかかわらず、依然としてCGIは、生じている問題に関心を寄せず、インドネシア国民に対し、道義的、法的、社会的責任を指し示さない。根本的な問題解決はCGIにより実施されたことはなく、私たちはCGIが問題そのものの一部であると見なす。

CGIの失敗の事実と森林伐採推進への介入、貧困の増加、重い債務負担、借款への汚職における無責任に基づき、ここに私たちは次のことを表明する。

・CGIは危機解消の手助けにはなり得ない。それどころか、危機をもたらす問題の一部となっている。ことから、CGIは即刻解散すべきである。
・CGIは、これまでにその政策や推奨の結果としてインドネシアで起こった様々な分野でのすべての損失に対し責任を取らねばならない。
・我々は、インドネシア政府に対してCGIを解散するよう要求する。なぜならCGIは、経済危機を解決することにおいてインドネシアと友好関係や共同責任を持つ関係よりも、支配関係の永続に関心があるからである。
 

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