NGOプレス・リリース〔抄訳〕
2000年7月7日
発信元:Tapak Ambon
*Tapak Ambonは、インドネシア法律扶助人権協会(PBHI)、インドネシアの開発に
ついての国際NGOフォーラム(INFID)、ジャカルタ社会研究所(ISJ)、社会アド
ボカシー研究所(ELSAM)、フアロプ・アンボン、バイレオ・マルク、コントラス
(人権団体)、カリアナミトラ(女性団体)、インドネシア法律扶助協会
(YLBHI)、女の連帯などで構成されている。
マルク州および北マルク州で長引く武力衝突に対し、インドネシア政府はついに民政
下非常事態を宣言した。翌日、TVRIニュースは非常事態下で同地域最高責任者である
サレ・ラトゥコンシナ州知事による声明第1号を伝えたが、その中には以下の点が含
まれていた。
1. マルク州において、東インドネシア時間の22時から6時の間は外出禁止とする。
2. 10人以上の、特に目的のない集会を禁止とする。
3.
手製および国軍・警察から流出した小火器類は、東インドネシア時間の6月30日
24時までに治安維持部隊に引き渡す。
ほぼ2週間経過し、人道支援、NGOのスタッフ、ジャーナリストなどの目撃者の証言
によれば、非常事態宣言による規制措置やマルク州知事の声明によって出された規制
措置は、まだ十分に実施されていない。非常事態宣言に関連する情報は、州政府の第
1号声明が出されてから5日後、一般の住民に伝えられた。そのため当然のことなが
ら、治安にさほど大きな変化がないと感じている一般の人々もいる。
今回の非常事態宣言の実施効力が充分でないことを示すいくつかの報告がある。
1. 今日までの間に、カラン・パンジャンとクブン・チェンキの2か所でわずかに2
回武器の摘発が実施されただけである。そしてほとんど毎日、特に夜間に銃声や爆発
音がタナ・ラパン・クチル、バトゥ・ガントン、ワイハオン、クダマティ、バトゥメ
ラ、マンガ・ドゥア、カンプン・コラム、プリギ・リマ、マルディカなどの境界で聞
かれる。これらの地域では、特に夜間、スナイパーの銃声音が激しく聞こえ、アンボ
ンの市民に不安を与えている。
2.
6月27日から7月4日の間、毎日のように非武装の住民への銃撃、手製の武器や
爆弾、手榴弾、さらには装甲車からの砲火による居住区に対する襲撃があった。
3.
衝突は7月4日、居住区とパティムラ大学やパティムラ・ポリテクニック大学の
キャンパス、マルク州教育訓練ビル、マルク歴史・文化博物館調査センターが放火に
よって破壊されたときにピークに達した。
4.
いまだに国軍と警察の一部は明らかに個人・集団レベルでの襲撃に加担してい
る。そのため治安維持部隊による治安回復能力への一般の信頼は弱まるばかりであ
る。
これらの事実は、マルク州知事が非常事態を十分にコントロールできていないこと
を示している。また国軍指揮官らも治安維持部隊をコントロールできていないように
思われる。6月26日、同地域の治安維持にあたるパティムラ軍管区のマデ・ヤサ司令
官は隊から離れたすべての兵士らに、7月1日までにそれぞれの隊に戻るよう命令を出
した。実際には、まだ多くの兵士らが隊に戻らず武装民兵の襲撃に加わっているとい
う目撃者報告がある。もし治安維持部隊の結束と武器押収がしっかり行われていれ
ば、この2週間の暴力行為とそれにともなう市民の死は避けられたかもしれない。
最後に、すでに数十万に達し、最もひどい状態に耐えなければならない難民がいる。
基本的必需品はもう数日分しかない。物資があるとしたら、彼らは非常に高い値で購
入するしかない。
また物資を手に入れるために、いくつかの地域の住人は山を越えて隣村に行かなくて
はならない。こうした山越えは、すべてのルートが遮断され紛争が拡大しているため
に8時間から12時間かかる。食糧支援をしている組織の一つであるマルク州コーディ
ネーション・チームは、スタッフや地域住民の身の安全がまったく保証されていない
ために、なす術もない。難民キャンプで食糧支援を行っているボランティア・チーム
もほぼ同じ状況である。さらに長雨によって、アンボンの状況は悪化する見通しであ
る。
ハロン海軍基地の難民キャンプのみが中立的状況にあると考えられている。しかし
海軍基地は、アンボン中のキリスト教徒・イスラム教徒の混成難民キャンプ内の安全
を保証できないという理由で、これ以上進んで基地を難民シェルターとして提供する
意思はない。
こうした事実から、TAPAK AMBONはインドネシア政府に以下の措置をとるよう求め
る。
(1) マルク州および北マルク州における民政下非常事態宣言について、明確な期
限を設定すること
(2)
非常事態の執行権を持つマルク州知事に対し、どのような措置を実施したか
を定期的に報告するよう要請すること
(3)
パティムラ軍管区司令官に対し、隊を離れ襲撃に加担する兵士をコントロー
ルし、軍法に従って対処するよう要請すること
(4)
人道支援を行うスタッフや人権活動家に対し、彼らが仕事を実施できるよう
安全を保証すること
TAPAK AMBONはまた、インドネシア内外のマスメディアが公平な立場の報道によっ
て、インドネシア政府及びマルク州知事による地域の治安回復のための努力を支援す
るよう呼びかける。
Tapak Ambon
ジャカルタ 2000年7月
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