NHK「番組改竄」に国際的な非難あがる 一月三〇日に放映されたNHK教育テレビ「戦争をどう裁くか」が放送直前に大幅に改竄された問題(本誌353号〔三月二日]参照)は、国際的にも批判が展開されつつある。 なお番組の題材は、昨年一ニ月に東京で開かれ、「天皇裕仁有罪」の判決概要を出した「女性国際戦犯法廷」(本誌347号〔一月一九日〕参照)。「法廷」の日本側主催団体「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク(VAWW―NETジャパン)の松井やより代表と東沢靖弁護士らは三月二日、弁護士会館(東京・千代田区)で記者会見し、次のことが明らかにされた。 二月二四日には「法廷」の国際実行委員会がNHKの海老沢勝二会長宛てに「番組改竄」に対しての抗議声明を出し、「被害女性の名誉と尊厳を踏みにじって、名誉毀損を犯し」たことなどを非難。「『法廷』を公正に報道する番組を制作、放映すること」を強く求め、回答を要求した。 また松井代表は三月八日に、ニューヨークの国連で法廷の裁判長を務めたガブリエル・マクドナルド氏や「慰安婦」制度の被害女性なども同席する記者会見を開く予定だ。 松井代表は、「右翼の抗議で、公共放送の内容が差し替えられる状況は、言論・報道の自由の危機であり、戦前の言論弾圧下で行なわれた戦争犯罪を再び繰り返すことにつながる」と指摘。番組が、「戦争責任を視聴者にきちんと知らせず、言論の制限を行なった」ことへの強い怒りを表明した。 また同席した西野瑠美子副代表が、同日NHK側に提出した、詳細な独自調査にもとづく「番組改編に関する事実経過の確認」について説明。すでに昨年中に「法廷」を取材したVTR部分の編集と高橋哲哉東大助教授ら出演者のコメント収録が終了していたこと、その時点では主催団体名や元加害兵士の証言、天皇を有罪とした判決などが残っていたこと、その後の数次にわたる再編集の過程とそこに関与した人物などが新たに公にされた。また提出文書を受け取った遠藤絢一NHK番組制作局制作主幹は一月二八日以降から放送直前までの試写に関してあえて否定はせず、「責任者が必要と判断すれば試写を見ることもある。局長クラスがそうすることはよくある」などと語ったことも明らかにした。 これら「外部圧力による番組改竄」疑惑について海老沢勝二会長は一日の定例記者会見において全面否定したが、疑念は払拭されていないようだ。 (フリーライター 竹内一晴) (出典) 『週刊金曜日』第354号、2001年3月9日 注) 『週刊金曜日』の記事を本ホームページに転載することについて、執筆者である竹内一晴氏にご快諾いただきました。感謝いたします。なお、さらなる転載はご遠慮ください。本ホームページにリンクしていただくことはかまいませんが、その際はご連絡をいただければ幸いです。 |