署名運動事務局御一同 殿

 さる六月九日に受領いたしましたNHK番組「ETV2001」に関する「わたしたちの要望と見解」に対して、NHKとしての考え方を、六月二十九日付けの文書にてご説明申し上げましたが、このたび、七月九日付けのお手紙で再度ご意見をいただきました。

 再回答のご要望を受け、先の文書でご説明した内容に若干の補足をさせていただきます。

 先に差し上げた文書で、わたくしどもは、当該番組についてのNHKとしての基本的な立場、とりわけ番組の企画意図・編集方針、制作の経緯につきまして、誠意をもってご説明したつもりでございます。制作に直接携わった者との面談のご希望がございましたが、お目にかかったとしても、文書でお答えした内容以上に申し上げることはございません。なにとぞご了承ください。

 また、シリーズ第2回を「大改変前の原状に復した上で」四回シリーズ全体を再放送するように、とのご要望がありましたが、すべての番組は、様々な議論を重ね、放送の直前まで構成内容の検討と編集作業を継続したうえで、最終的に放送しております。したがってNHKとして責任をもてるのは放送した番組が唯一のものであり、ご指摘のような「改変前の原状」というものは存在し得ないことをご理解いただきたく存じます。

 なお、番組の制作過程の詳細を明らかにするようお申し越しの部分がありました。

 放送機関として、自らの責任と判断によって放送した番組内容に対する視聴者の皆様からのご意見、ご批判は、真摯に受け止めなければならないことは申すまでもありません。一方で、番組の取材・制作過程を公表しないことは、憲法に保障された表現の自由に基づく報道の自由の根幹であると考えております。したがって番組の制作過程の詳細について申し上げることは差し控えさせていただく、というのがNHKの立場でございます。

 なにとぞご理解を賜りますよう、重ねてお願い申し上げます。

NHK番組制作局長
出 田 幸 彦

平成十三年七月三十日