Subject: NHKへの「わたしたちの見解と要望」署名運動事務局からのお知らせ(2001.7.27) Date: Fri, 27 Jul 2001 00:45:52 +0900
6月9日に提出した「わたしたちの見解と要望」に対するNHK側の回答があまりに不誠実なものだったので、7月9日付で署名事務局からは再回答要求を送り、また署名者からも多数の抗議を送っていただきました。みなさんのご協力に感謝いたします。しかし、これに対してNHKは「先に差し上げた書面で、NHKとしての基本的な考え方については意を尽くしてご説明した所存でございますが、再回答のご要望を受け、7月末までにご返事申し上げます」と返事を送ってきました。今はこの返事を待つしかありませんが、この煮え切らない対応の背後には、時間をかせいでその間に熱が冷めるのを待つといった態度すら感じられます。 このような中、このたび女性国際戦犯法廷の主催団体であるVAWW-NET ジャパン(代表:松井やより)が、NHK、番組制作を担当したNHKエンタープライズ21(NEP21)とドキュメンタリー・ジャパン(DJ)を相手取り、「信頼(期待)利益の侵害」「説明義務違反」を問う訴訟を、7月24日に東京地裁に提訴しました。 私たちは、NHKに提出した「見解と要望」について、少なくともNHK側の責任者との面談の席を設けるまでは、この署名運動を継続させたいと考えます。これについては、引き続きご協力をお願いしたいと思います。 他方、VAWW-NET ジャパンの提訴を契機として、署名運動とは別途に「メディアの危機を訴える市民ネットワーク」(略称:MEKIKI-Net、メキキ・ネット)を設立することにしました。その詳細は下記のとおりです。念のため確認しておきますが、署名に賛同された方が、自動的にメキキ・ネットの参加者となるわけではありません。署名運動とメキキ・ネットの取り組みは、つながっていますが、別のものです。 以下、その設立趣旨を説明するとともに、広く参加者を募ります。 ************************************ 【「メディアの危機を訴える市民ネットワーク」(略称:メキキ・ネット)設立趣旨と参加の呼びかけ】 2001年1月30日、NHK教育テレビETV2001「シリーズ 戦争をどう裁くか」の第二夜は、日本軍性奴隷制を人道の罪として裁いた女性国際戦犯法廷(2000年12月開催、以下「法廷」)をつぶさに伝えるはずだった当初の内容を大幅に改変し、いわば「法廷隠し」ともいえる改ざんの経緯を経て放送されました。このNHKによる改ざん問題には、今日、さまざまな権力によってメディア全体を覆い尽くそうとする、「報道の自由」「表現の自由」「知る権利」へ制限が、象徴的に集約されています。 そこで私たちは、右傾化する日本社会における「メディアの危機」に抗して、「メディアの危機を訴える市民ネットワーク」(略称 MEKIKI-Net メキキ・ネット、英語名Citizens for Responsible Media、略称CRM)を設立しました。NHKの番組改ざん問題にとどまらず、教科書問題や日の丸・君が代強制の問題、排外的・人種差別的な外国人犯罪報道など、メディア全体が権力や暴力に対する批判的機能を萎縮させ、「検閲」や「自粛」によって表現の自由が犯され、現場のジャーナリストの自由が経営者によって奪われ、結果的に社会全体が右傾化していく、という深刻な事態に対抗することを共通の目的とし、各々の現場で起きる具体的な問題と取り組んで行くために、ひろく意見や問いかけを共有できる場としたいと考えます。 なお、「メキキ・ネット」という略称には「目利き」、つまり自ら物事の真偽を見分けるというメディア・リテラシーの意味をかけています。また英語名の中のレスポンシブルには、責任あるメディア、ということと、市民からのうったえに応えるメディア、という両方の意味を込めています。 メキキ・ネットでは、NHKの改ざん問題を出発点により広く問題をとらえていこうという趣旨に基づき、その時々の中心的な取り組みを「バージョン○○」としてサブタイトルに掲げることにしました。最初の「バージョン2001」は「NHK「法廷隠し」番組改ざん問題」として、法廷の主催者バウネットによるNHK裁判を側面から支援していくことを具体的な課題としたいと思います。今後、いくつもの深刻な事態が起きてくると予想されますが、そのなかで、メキキ・ネットにおいて共同で取り組むに相応しいという判断にいたった場合、それぞれ新しくバージョンを設けてとりあげてゆく方針です。 メキキ・ネットの基本的な活動は、当面電子空間でのコミュニケーションをつうじて行います。今のところ、メールによるニューズレターやホームページを通じた目下取り組み中の問題の経過報告(Ver.2001ではバウネットNHK裁判支援などが中心となります)、メディアのあり方を考えるシンポジウムの企画、状況に応じてのカンパ活動、などを考えています(なお、FAXや郵送によるニューズレターの発行に関しては検討中です)。また、メキキ・ネットは、参加者ひとりひとりが積極的に意見やアイデアや情報をもちより、メディアの危機に対抗するさまざまな戦略や思想的基盤を鍛え上げてゆくことを理想としています。 政治家によるメディアへの規制の動きに疑問を感じている方、偏狭なナショナリズムに基づく報道のあり方に不信を感じておられる方、右傾化したメディアがおかしいと感じておられる方、NHKという「公共メディア」のあり方に疑問を感じておられる方、ぜひネットに参加して力と知恵を出し合ってゆきましょう。 2001年7月27日 「メディアの危機を訴える市民ネットワーク」事務局 ※ ホームページ(未完成)を以下に設けてあります。 http://www.jca.apc.org/~lee/mekiki/index.html ※ メキキ・ネットの基本趣旨に賛同してくださり、お知らせなどの配信を望まれる方は、まず電子メールによるニューズレターへの登録をお願いしたいと思います(FAXや郵送によるニューズレターの発行に関しては検討中です)。登録申請はホームページからおこなうのを原則とします。以下のページから、必要事項を送信してください。 http://www.jca.apc.org/~lee/mekiki/subscribe.htm ※ メキキ・ネットについてのご意見・お問い合わせ・情報提供等は「事務局」宛にお願いします。またメキキ・ネットの活動に積極的に協力してくださる方も、以下の連絡先にご一報ください。 メキキ・ネット事務局 ──────────────────────────────────── 【メキキ・ネット Ver.2001 「NHK「法廷隠し」番組改ざんを問う」の趣旨】 NHK教育テレビで去る1月30日に放送されたETV2001「シリーズ 戦争をどう裁くか」の第二回「問われる戦時性暴力」が放送直前に改変された問題で、このたび女性国際戦犯法廷の主催団体であるVAWW-NET ジャパン(代表:松井やより)が、番組改ざんの事実を公共の場で明るみに出し、番組改変のプロセスで働いた検閲の構造の不当性を明確にするために、NHK、NHKエンタープライズ21(NEP21)、ドキュメンタリー・ジャパン(DJ)を相手取り、「信頼(期待)利益の侵害」「説明義務違反」を問う訴訟を7月24日に東京地裁に提訴しました。 このNHKによる番組改ざん問題に対しては、これまで主催団体や出演者から抗議がなされてきただけでなく、一般視聴者の「知る権利」の侵害でもあるという観点から署名運動が展開され、2878人分の署名がNHKに提出されています。しかしこうした一連の異議申し立てにもかかわらず、NHKは具体的な番組改変の事実を公開しようとせず、ひたすら組織としての自己保身に走り、正面からの対話を拒否し続けています。 そうしたなかで、 VAWW-NET ジャパンの裁判は、この現状を打開する糸口となるでしょう。私たちは、これを契機とし、裁判の展開を見まもりつつそれを側面から支援するとともに、さらに広範な観点から「メディアと権力」をめぐる問題を公論化していく運動体が必要であるという思いから、メキキ・ネットを設立しました。 この運動は、メディアの制作現場で表現の自由を追求する動きとも連動していると考えます。これまで、NHKは、改変の詳細を明らかにできない理由として「編集権」という言葉を用いてきました。しかし、「編集権」とは、本来、国家権力による検閲などの外部の不当な介入から制作現場を守るためのものであり、上層部の意向で番組制作現場の「編集権」を脅かすことを正当化するものではないはずです。実際、6月15日付のNHK労組発行の『NIPPORO』(no.1559)には、今回の番組改変問題について「私たちは、この問題を受けて、あらためて、NHK内部で自由な議論ができる環境にあるのか、現場の判断が一方的に経営によって覆されるような状況に置かれていないか、見つめ直す必要があります」と書いています。出演者や取材協力者を裏切り、制作現場の意向にも反し、視聴者の「知る権利」を犯すような「編集権」とは、一体誰のためのものなのでしょうか。 メキキ・ネットは、メディアの制作現場との連帯も模索しながら、VAWW-NETジャパンによる裁判を支援し、「メディアの危機」の中での「報道の自由」「表現の自由」「知る権利」への制限を問う作業を続けていきたいと思います。 ※ この番組改ざん問題についての詳細は、以下の署名運動についてのホームペー |