Subject: NHKへの「わたしたちの見解と要望」署名提出に関するご報告

Date: Thu, 14 Jun 2001 13:51:55 +0900

 このメールは「NHK教育テレビETV2001「シリーズ 戦争をどう裁くか」第二回「問われる戦時性暴力」(2001年1月30日放映)に関するわたしたちの見解と要望」に賛同する署名を寄せていただいた方のうち、メールアドレスのわかる方全員にBCC(お互いにメールアドレスがわからない方式)で送信しています。

 署名の呼びかけへのご協力をありがとうございました。署名事務局としてあらためてお礼申し上げます。

 6月9日(土)にみなさんから寄せていただいた署名をNHKに提出、その後、東京ウィメンズ・プラザ視聴覚室にて共同記者会見および交流集会を開催いたしました。詳しくはあらためてホームページ( http://www.jca.apc.org/~itagaki/nhk/index.html )でお伝えする予定ですが、取り急ぎ、当日の概要のみ報告させていただきます。

○署名提出(10:00〜11:00)

 署名提出には、署名事務局や呼びかけ人、署名者から12名が参加、NHK側は鈴木敏光・視聴者ふれあいセンター長等約15名が応答に出ました。まず署名の内容を読み上げ、2878名の署名簿を提出した後、番組制作担当者である吉岡教養部長がなぜその場にいないのかを問いただすとともに、いつまでに回答できるのか、ということの返事を求めました。

 しかし、NHK側は「可及的速やかに」「誠実に」応対するという言葉をくり返すばかり、押し問答の末、10日後にはこの件に関する何らかの返答(進捗状況)を知らせて欲しい旨、当方が強調し、もし10日経っても返事がない場合は当方より催促することとしま
した。

 なお、事前の電話連絡では30名収容の会議室を準備するとのことでしたが、NHK側は10名よりもっと少人数に限定してほしいと要求し(これは拒絶しました)、会議室にも案内されることなく立ったままで1時間近くの交渉をすることになりました。また、署名提出の際に『東京新聞』および『赤旗』記者が取材に来ましたが、10分で立ち退きを迫られました。

 最初から最後まで過度に自己防衛的な応対であり、「ふれあいセンター」ということばが空々しくきこえるほど「官僚主義的」な対応であるという印象を拭えませんでした。

○共同記者会見(13:00〜15:00)

 午後1時から、署名事務局、VAWW-NET Japan、番組出演者による「共同記者会見」を開催しました。「共同」というのは、VAWW-NETJapanによるNHKへの抗議や番組出演者による申し入れを前提にしながらも、今回の署名運動が、一般の市民・視聴者の立場から独自に「知る権利」や「人格権」などが犯された点を問題にして始まったものであり、この記者会見はあらためてこの3者が合同で行ったものだからです。

 記者会見に参加したマスコミ関係者は、『朝日新聞』、『東京新聞』、『赤旗』、共同通信の記者のほか、フリー・ジャーナリストとして今回の番組改竄問題についての記事を『週刊金曜日』に寄せている竹内一晴さんなどです。なお、諸般の事情で土曜日に、記者クラブではなく一般の会場で開催したため、マスコミ関係者の集まり具合は決してよくありませんでしたが、記者会見の質疑は活発に行われました。また、一昨日、マスコミ各社に当日の概要を伝えるためのFAXを送付しました。

 記者会見では、岩崎稔さん(東京外国語大学)が司会となり、まず署名事務局として駒込武さん(京都大学)が経過報告、次いで西野瑠美子さん(VAWW-NET Japan副代表)が話し、番組出演者からは高橋哲哉さん(東京大学)と内海愛子さん(恵泉女学園大学)が話をされたほか、海外にいるために出席できなかった鵜飼哲さん(一橋大学)、米山リサさん(カルフォルニア大学)のメッセージを読み上げました。

 西野さんは、現在の段階では詳細は語れないとしながらも、今回の番組改竄問題について、VAWW-NET Japanとして「法的手段に訴える」意向があることを明らかにしました。

 また、米山さんは、記者会見と集会に寄せたメッセージにおいて、「今回のような事態をくりかえさないという確約をNHKから取りつけるまでは、NHKの番組づくりに協力しない、NHKに対して抗議をつづける、という決心をすることが必要」と述べました。この点に関して記者側から他の出演者その他に対して出された「出演を拒否するという気持ちがあるか?」との問いに対し、一同そうせざるを得ないと答えるなど、活発な質疑が行われました。当初は2時半までの予定でしたが、3時まで延長して記者会見を行いました。

 現時点で署名事務局で確認していている限りでは、以下のような報道があります。

・『朝日新聞』2001年6月10日付朝刊
・『東京新聞』2001年6月13日付朝刊
・asahi.com http://www.asahi.com/culture/update/0609/003.html

○ 交流集会(15:20〜17:00)

 交流集会は、吉田俊実さん(東京工科大学)を司会として、50名近くの人が参加して行われました。

 まず駒込さんが署名提出と記者会見の概要を報告した後、4人の方にお話しいただきました。

 北原恵さん(甲南大学)はメディア分析を専門とする立場から、実際に番組のビデオを上映しながら、映像の捏造の痕跡を詳細に解説されました。

 金富子さん(VAWW-NET Japan運営委員)は「女性国際戦犯法廷」に関わった立場から改竄が「慰安婦」とされた女性の人格権・肖像権の侵害であることを強い憤りとともに述べました。

 竹内一晴(フリー・ライター)さんは、『週刊金曜日』に本件に関する記事を掲載した体験をふまえながら、海外と比較して「編集権」概念がジャーナリズムの本来の趣旨を生かす形で日本社会に根付いていない問題を指摘しました。

 浅野健一さん(同志社大学)は「人権と報道」連絡会世話人として、NHKと法廷で闘っている立場からNHKの報道をめぐるさまざまな問題を組織のあり方・体質との関連で話されました。

 フロアーからは、吉見俊哉さん(東京大学)が「この問題にさまざまな問題がすべて凝縮されている」という見解を明らかにしながら、大学vsメディアという構図に陥ることなく、さまざまな次元で運動の広がりをつくりだしていくことの重要性を指摘されました。

 準備段階での事務局の不手際もあったために、決してたくさんの方に集まっていただけたとは言えませんが、内容的には充実した交流集会であり、記者会見であったと感じています。

 今回の署名提出を「終わり」にするのではなく「始まり」として、今後も運動を継続していきたいと思っています。

 今後の運動の展開としては、NHKの回答次第によっては受信料拒否の呼びかけを広範に行うことや、他のテレビ局への働きかけなども考えています。

 この点に関するアイデアやご意見などありましたら、署名事務局(  etv@ml-c8.infoseek.co.jp  )までお願いします。

 どうか今後ともよろしくお願いいたします。

*署名事務局*
(署名管理)中野敏男、岩崎稔、駒込武
(WEB管理)板垣竜太、李孝徳
(会計・郵便)鈴木香織