都立三田高校事件第三、四回公判

爆発は警視庁処理班のミス

古澤英樹(99・8・25)(99・9・27)



<第三回公判報告>

 都立三田高校に爆発物を松村さんが置いた後、その爆発物の安全化処理作業を警視庁の爆発物対策班が行いました。第三回公判はその実行者の岡村氏の証人尋問でした。処理班は、松村さんからの起爆装置の解除法の説明を、犯人からの言葉は信用できないとして退け、処理班自身で、エックス線検査をするなど、爆発物の構造を調査した。乾電池を使った鉄管爆弾であることが判明したが、起爆装置(マイクロスィッチ)が確認できなかった。時限式ではなく、振動によって起爆装置が作動し爆発することが松村さんの話でわかったが、どんな起爆装置であれ、乾電池を液体窒素で冷却して起電力を消滅させれば、通電しないということで、爆発物自体を液体窒素の中に液没させる方法がとられた。液体窒素を注入する容器として、発泡スチロールの箱を底をくりぬいて使い、爆発物が置いてある机にガムテープで接着させ、隙間を粘土でふさいだ。そして、注入ホースから液体窒素を注入していった。注入していくうちに、机上のビニール製デスクマットが液体窒素の冷却効果で波打ち状に変形してきて振動型爆発物が動いて、爆発が起きた。
  液体窒素による凍結処理に使う容器は液体窒素によって変形してしまうような容器ではまずい。容器の四囲は発泡スチロールであったが、底面はビニール製デスクマットであった。警視庁の爆発物処理班は、底の部分が変形してしまうことを、詳しく調査せずに、「安全化作業」を行ったことが、あきらかにされた。爆発させたのは、松村さんではなく、爆発物処理班のミスであった。
 これは、裁判の大きな争点であるので、次回公判(9月27日2時20分、東京地裁510法廷、裁判所合同庁舎、地下鉄霞ヶ関・桜田門下車)では、警視庁公安機動捜査隊の鈴村氏の証人尋問をつづけて行う。

ー傍聴の感想ー

1.公判は、事実経過の重要な部分で、傍聴してよかったと思っています。何より、一応お元気そうなご本人を拝見できて、ほっとしました。
 彼が爆弾解除についてすすんで指示しようとしていたこと、巡査がそれをまったくとり入れようという気がなかったこと、巡査が基本的なことへの不注意で爆発させてしまったこと、そしてそれを素直に認めようという態度が希薄なこと、などがよくあらわれていたと思います。
 ビニールマットについての認識不足や取り扱いのずさんさには唖然としました。あれでもしも警官がケガでもして、そのことまで罪を問われでもしたらたまったものではありませんね。これらの点について、裁判長にはかなりのインパクトを与えたのではないでし
ょうか。 (都立A高校教諭N氏)

2.検察側は松村さんを爆発物取締罰則1条「爆発物使用」で起訴しているわけですが、三田高校の爆発物の爆発(つまり「爆発物使用」)は、警視庁の爆発物処理班のミスによるものであることが、今回明かになった。しかし、次回に、やはり警視庁の公安機動捜査隊の鈴村氏を、証人に呼ぼうというので、この問題について、検察側は執拗だな、という感想をもった。次回も弁護側は頑張ってほしい。 (都立B高校教諭D氏)


<第四回公判報告>

 警視庁公安捜査隊の鈴村氏の証人尋問の予定でしたが、前回の証人(警視庁爆発物処理班 処理実行者 岡村氏)とほぼ同内容のため、供述調書読み上げに変わりました。内容は、「起爆装置にマイクロスイッチを使用した不安定な爆発物であったから、液体窒素使用は妥当だ。構造があきらかに把握できていたら、安全化処理は可能であった」というものでした。
  松村さんの前勤務校・都立赤坂高校長の供述調書も読み上げられ、「教育内容に生徒・保護者からの苦情はなかった。ひとりで仕事をしていて、“暗い"印象を持った」という内容でした。
  松村さんの調書に対して、供述の任意性に、弁護人側から異議申し立てがありました。松村さん本人の気持に反することを、取調官の誘導によって供述させられたというものです。この件は、重要で、警察での調書では、松村さんの犯意について、「確定的な殺意」があったと書かれていますが、検察の調書では、「未必の故意」があっただろうと後退しています。
  松村さんの気持ちはどのようなものだったのかーをめぐって、次回公判(10月22日.2時20分.東京地裁510法廷、裁判所合同庁舎,地下鉄桜田門・霞ヶ関下車)で松村さん本人に対する質問が行われます。松村さんは「殺人未遂」の罪でも起訴されていますので、この問題はたいへん重い意味をもっています。お忙しいこととは存じますが、ぜひ傍聴にお出でください。

「松村高太郎さんの問題を考える会」 代表 古澤英樹
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