市民立法機構  第1回運営委員会

日時:1997年6月5日(木)  10時〜12時

場所:学士会館  310号室

 

出席:安生、安藤、江橋、後藤(仁)、後藤(敏)、斉藤、佐々木、須田、並河

 

@設立総会総括

・総会出席者

・会計報告

・報道記事

・監査−後藤敏彦氏が候補者を次回運営委員会までにリストアップする。

 

A状況報告

◎NPO法(報告者−須田)

  衆議院での可決が延期されたが、明日6月6日に可決の見込み。与党3党と民主党は修正案に合意しているものの、参議院での審議期間が短すぎるため、審議未了で廃案の可能性もある。こうした一連の背景には、自民党と新進党の一部に、本来NPO法案に不信感をもっている人が多いことが起因しているのではないかと言われている。

  秋の内閣改造で保保連合(過大評価しすぎるきらいがある)が成立する可能性も低く、性急に今国会でNPO法案を成立させる必要性はどこにあるのか。

  山岡氏の動きを応援しつつ、仮に今国会で法案が廃案となっても、あせらず民法改正も含め正攻法で取り組む。

 

◎情報公開法(安藤)

  民主党と新進党が、独自の情報公開法案を議員提案しようとしているのに対し、政府提案も秋に繰り上げられる見込み。情報公開部会の要綱案を改悪させないように、議員提案をしっかりしたものとし、政府提案との対比をはっきりさせるつもり。

  先週、部会の秋山幹男弁護士を中心に民主党、新進党と会合を行った。6月12日にも、両党に対して、最低限、継続審議を要望する。

  今回の議員提案は本法のみを扱っているが、関連法案の調整は閣法に任せる考え。衆議院法制局でも他の法律とのつきあわせはやっている。

 

◎自治基本法(須田)

  地方分権推進委員会では、自治体と国との間の紛争処理のための第三者機関の設置が、省庁の抵抗で難航している状況。最初の議論どおり、こうした調停機能は司法に任せるべきだが、その簡便策としての第三者機関の設置も難しいとすると、改革の内容がさらに空疎になる。また、第2次勧告案では財政改革の本質には迫られておらず、結果として何も変わらない恐れがある。

 

◎容器製造時課税制度(後藤(敏))

  5月9日の設立総会でも、かなり市民の関心が高いことがわかった。基礎的な調査後、経団連などを交えながら検討項目をつめてスタートする予定。

 

◎配偶者扶養控除制度(並河)

 「女性の自立」「男女共同参画」という視点で議論を洗い直し、再度、袖井孝子さんに協力を依頼し、長期スパンでプロジェクトチームを立ち上げたい。

 

◎寄付税制(須田)

  仮にNPO法案が可決されれば、3年間で寄付税制の議論をしなければならないが、免税となれば必ず国の管理がうまれる。NPOも会計処理を余程しっかりさせないといけないが、現段階で市民団体は耐え得るだろうか。政治資金も絡めて、この問題を議論する場(寄付のあり方懇話会)をつくることが不可欠。

 

B今後の活動計画について

●他の市民団体との連携について

  市民立法の先駆的事例ともいえる神戸の市民立法との連携をたずねられる機会が多いが、現在、数種の法案が提案されている。市民立法機構としては、市民立法が活性化するための応援(国会の議事運営を変える、など)は行うが、それ以外の各団体の具体的提案内容については容喙しない。

 

●立法ウォッチングについて

  今国会終了後、会期中に審議された法案のレビューを、政府立法・議員立法・市民立法の比率、法案に対する各政党の態度などのデータを添付して作成する。

 

'97年度スケジュールについて

  それぞれの課題について、次回運営委員会までに、アクションプランと予算案を作成して持ちよる。

 

−容器製造時課税(担当:小塚、後藤(敏))

  来年の通常国会をめどに、容器製造時課税(グリーンタックス)に関する法案(及び条例)の作成・提出をめざす。今秋には、このテーマについてのオープンディスカッションを行う。なかなか難しい問題ではあるが、12月に京都で開催されるCOP3との関連で、各省庁にCO2削減の具体的アイディアがないため、「容器の製造量を減らすことで、CO2がどれだけ削減されるか」という試算が突破口になるかもしれない。

 

−配偶者扶養控除制度(担当:並河、斎藤)

  この問題は、「男VS女」という問題ではなく、「外で働く女VS家庭で働く女」の問題であるので、男性も参加して夏頃プロジェクトチームを立ち上げる。

 

−寄付税制(担当:須田、土井、後藤(仁))

  7月には、「寄付のあり方懇話会(仮称)」を発足させて、具体的活動を開始する。

 

−自治基本法(担当:須田、並河)

  今夏の解散する分権推進室の活動を引き継ぎ、これまで報告をいただいた辻山幸宣氏のほか、神野直彦氏や財政法の専門家にも参加してもらい、今年が地方自治法50周年ということもあるので、新しい自治基本法の制定をめざして、今秋に案を発表する。

 

●その他

  市民立法機構のホームページが完成。URLは「http://www.jca.apc.org/^initiati/」で、e-mailアドレスは、「initiati@jca.ax.apc.org」。