葉っぱプレス関係 2001.10
◆「東住吉冤罪事件」報道を巡って 2001.10

この事件は、1995年に発生した火災事故が、実子放火殺人事件であるとして起訴され、一審で無期懲役となりましたが、現在、無罪を訴えて控訴審で審理中です。それにもかかわらず、有罪を前提にした報道がなされていることに憤りを覚えます。

<朝日新聞の報道から 2000年7月18日付朝刊 天声人語>
あとから後から、実にさまざまなことが起こる。残念ながらその多くは、元気の出ない、むしろ意気阻喪するような内容だ。この百年のツケが、世紀末に一気に噴き出した感さえある。(との書き出しで)
「自宅に放火し、小学生の娘を焼死させ母親がいた。娘の保険金で借金を返し、マンション購入の資金もひねり出そうとしたのだった。」

<弁護士からの申し入れ 7月19日>
本件記事については全面的に削除し、かつその削除理由も付した、もしくは現在係争中で確定していない事実であることを明示した「訂正とお詫び」記事を速やかに掲載すること。

<毎日新聞の報道から 2001年5月8日付夕刊「武富士放火事件の記事に関連して」−「相次ぐ放火殺人」の見出しで−>
最近、多数が死亡する放火殺人事件が相次いでいる。「95年7月22日、大阪市東住吉区西今川西の民家が全焼し入浴中の小学6年生が焼死。母親と内縁の夫が保険金殺人の疑いで逮捕され、現在公判中。」

<弁護士からの申し入れ 5月18日>
本件記事については全面的に削除し、かつその削除理由も付した、もしくは本件では「母親」も「内縁の夫」もともに無罪を主張して現在も公判で争っていることを明示した「訂正とお詫び」記事を速やかに掲載すること。

<毎日新聞社の対応 5月25日付大阪本社社会部部長名の「申入書」に対する回答>
『記事中「現在、公判中」として、確定事件扱いはしておらず、大阪高裁で控訴審が続いていることは承知している。』

<神戸新聞の報道から 2001年6月21日付日刊 「講師訪問 神戸夏季大学を前に」>
「女の事件簿 - 母性無しの時代」と題したつかこうへいさんの講演についてのインタビュー記事の中に「95年には、自宅に放火して小6の娘を殺した大阪市の夫婦が逮捕された。保険金目当てだった。夫婦が犯行前に女児に入浴を勧めた。入浴中に放火すれば、娘は裸じゃ恥ずかしくて外へ逃げられないと考えたらしい。殺害方法が残虐すぎる。」

<弁護士からの申し入れ 6月21日>
つか氏に「無罪を争って裁判中であること、放火と矛盾する客観的証拠も多くあること」の内容を連絡し、訂正記事を神戸新聞に掲載するよう求めた。

<神戸新聞社の対応 6月29日連絡>
「訂正記事を載せる。つか氏の講演は主催者側の都合により中止する」

<神戸新聞社の対応 6月30日付で訂正記事掲載>
「21日付「講師訪問 神戸夏季大学を前にC」の記事で、「自宅に放火して娘を殺した大阪市の夫婦が逮捕された」とある事件は、現在、被告夫婦が無実を訴えて控訴中です。このため、「保険金目当てだった」など断定的な表現を削除します。」


朝日新聞、神戸新聞は小さいスペースでしたが、訂正記事を掲載してもらえました。つかこうへい氏の講演は中止になりました。毎日新聞からは、「現在、公判中」として確定事件扱いはしていないとのことで、訂正記事の掲載はありませんでしたが、係争中の事件の記事化については慎重に報道していくという内容の回答書を入手しました。今後とも、人権を無視した東住吉冤罪事件の報道には注意をしていきたいと思っております。新聞、雑誌等でこの事件についての記事をご覧になった方は支援する会にご一報ください。(S.Y.)