葉っぱ東住吉冤罪事件とは
◆「支援する会」設立経過

わが子を火事で失い、悲しみの真っ只中、母親は、ある日突然、子殺しの容疑者に・・・
なぜ、こんなことが起こるのでしょうか?

1995年の7月、大阪市東住吉区で火災が発生、小学校6年生の少女が亡くなりました。その母親青木惠子さんは、子どもに掛けた生命保険金目当てに、自宅に放火し、子どもを殺害したとして起訴され、大阪地方裁判所の一審で無期懲役の判決が出されました。
私たちは、その間、裁判の傍聴を通じて下記の点で疑問を感じ、冤罪ではないかという思いに至りました。

  1. 青木さんの犯行であることを裏付ける物的証拠がない。
  2. 違法不当な取調べ下で自白を強要されたが、以後一貫して無罪を訴えている。
  3. 自然発火の可能性も明らかになっている。
また、法治国家である近代社会で信じがたいことなのですが、警察の取調べのあり方、裁判での審理にも大きな疑問を抱き、憤りを感ぜずにはいられません。

一審判決後、青木惠子さんは直ちに大阪高裁に控訴しました。
私たちは一人でも多くの方にこのことを知っていただき、この事件について一緒に考えていただこうと青木惠子さんを支援する会を結成しました。彼女を支援する輪を大きくするために、ぜひ本会へのご入会をお願いいたします。


◆東住吉冤罪事件とは

これは、火事で自宅を失い、そして最愛の我が子を失った夫婦が、その我が子を焼き殺した放火殺人犯人と疑われ、一審で無期懲役の判決を受けてしまったという、“冤罪”事件である。

青木惠子さんは、内縁の夫である朴龍晧さん、長女(当時小6)と長男(当時小3)の家族4人で、大阪市東住吉区にある実父所有の建物に住んでいた。ところが、このごく平凡な家族を突然不幸が襲った。

1995(平成7)年7月22日の夕方、ガレージ付近から出火し、家屋がほぼ全焼してしまったのである。青木さんと朴さん・長男は無事逃げ出せたが、風呂場で入浴中であった長女だけが逃げ遅れ、消火中に救出され病院に運ばれたが、その甲斐もなく既に死亡していた。
この火災は、全く偶発的な火災であり、原因不明で処理される火災の一つであった筈だった。

ところが、長女に生命保険金が掛けられており、また、青木さんと朴さんが共にガレージの入り口を施錠したと述べたことから、警察は、火災の当日から、内部の犯行による放火を疑って捜査を開始した。

<違法な取調べ>
そして、青木さんと朴さんの共謀による放火殺人であるとの見込みの元に、同年9月10日(日)の早朝、突然10名近くの刑事が青木さんらの自宅を訪れ、それぞれ別の警察署へとパトカーで連れて行った。

そこで待っていたのは、およそ信じがたいほど違法・不当な取調べであった。黙秘権も弁護人を頼めることも、いつでも退去できることも知らされないまま、二人に対して長時間に及ぶきびしい取調べが続けられた。そして、警察から「相手がもう自白しているぞ」と言われたり、「長男がおまえ(朴さん)が火をつけるところを見たといっているぞ」というような、うその事実を伝えられ、ついにその日の内に、青木さんも朴さんも「自白」させられてしまったのである。

検察は、その後、青木さんと朴さんの共謀による放火・殺人・詐欺未遂事件として「マンション購入費用等の170万円を手に入れるため、長女に掛けられていた死亡保険金を手に入れることを共謀、朴が自宅に放火し長女を殺害した」と判断して、二人を大阪地方裁判所に起訴した。

<多くの疑問点>
この事件においては、朴さんが放火の実行犯とされたが、火をつけたとされるライター、ガソリンを抜いたとされるポンプ等は見つからず、直接朴さんが火をつけた場面を目撃した者はおらず、また、青木さんらの犯行であることを示す決め手となるような物的証拠もなく、青木さんと朴さんの自白以外は直接証拠がないことが特徴である。

しかも、その自白は、前記のように、ありとあらゆる違法不当な取調べの末に得られたものであることが明らかとなった。また、その自白の内容も

  1. 客観的証拠との不一致が多々見られる。
  2. まいたとされるガソリンの量、共謀の回数・時期など、重要部分について不合理な変遷が多々見られる。
  3. 資金繰りにさほど窮しておらず、動機が不自然。
など幾多の問題点が次々と明らかになった。そして、弁護人申請の意見書・証人により、自然発火の可能性もあることも明らかとなったのである。

ところが、一審はこれらの問題点にはなぜか目をつぶり、予断と偏見に基づいたずさんな事実認定によりこれら自白の信用性を認め、青木さんと朴さんの犯行によるものであると断定、二人に対して無期懲役の判決を下したのである…。