私たちキリスト者は、人間の「いのち」は超越的な神から与えられた尊厳なもので、「生命への権利」(憲法13条)は、人権の中でももっとも根源的な人権だと考えます。これを奪うことは、どのような理由があっても決して許されないと信じる立場から、死刑制度に強く反対しています。
●私たちは多くの憲法学者と共に、死刑は憲法36条の「残虐な刑罰の禁止」に違反していると考えます。
●死刑は取り返しのつかない刑罰であり、死刑囚の再生の道をとざします。
●「死刑は正義の維持のために必要である」という主張があります。しかし、私たちは人を殺すという根本的な不正義(人権破壊)によって正義が維持されるとは考えません。
●死刑制度に凶悪犯罪の抑止効果がないことは、死刑を廃止した国で凶悪犯罪が増加していないという統計結果によって明らかです。
●人間の裁判は誤判をまぬかれません。死刑制度は無実の人を処刑する危険があります。
●犯罪被害者の応報感情について、私たちは可能な限り慎重かつ細心の配慮を配り、被害者遺族への救済措置の充実を通して、慰めと励ましの努力以外に解決の道はないと呼びかけます。
●拘置所の矯正職員(刑務官)は死刑の執行に携わり、矯正の対象である人を処刑しなければなりません。これは耐え難い矛盾であり、「意に反する苦役からの自由・良心の自由」を基本的人権として保障している憲法(18条・19条)に違反しています。
●1989年、国連において「死刑廃止に向けての市民的および政治的権利に関する国際規約第二選定議定書」(いわゆる死刑廃止条約)が採択されました。その後も死刑執行を継続する日本政府の動向は国連決議違反として、国連などから非難と勧告を受けています。
●政府は世論調査をもとに、死刑制度存置派が多数であるという理由で、この制度の存置を支持していますが、少数者の人権を多数意見によって決めるのは危険です。私たちは、政府は理性によって世論をリードする責任があると考えます。
●日本国憲法は前文で「恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利」(平和的生存権)という新しい人権を宣言しています。
私たちは、いかなる人をも排除せず、人と人が共に生きることができる新しい社会を築くことを、強く訴えます。