大都会のダイナミクスさと、小粋なエネルギ ー節減の日常に、ほんの少し慣れた三日目、経 済的グローバリゼーションをテーマにしたシン ポジウムが開かれた。ここでは、世界銀行・国際通貨基金・世界貿 易機構・多国籍企業がそれぞれの国に及ぼして いる現状を通して見えてくる、南北格差の拡大 に対して、フェミニストのとるべき戦略につい て話し合われる。(少し難解な通訳に頼らなけ ればならない自分が悲しい・・・)
北京でも大きな問題であった貧困の女性化は、 少しも解決されることなく、WORLD BANK・IMF・ ODA・WTOのより緻密な進出によって、複雑に格 差が増大し、ますます女性たちが窮地に追い込 まれている。
タンザニア労働局のRose Lugembaさんは、大 企業が一時期に大量に入り込むことによって、 低賃金労働者が増加し、しかも女性は労働の機 会を奪われ、結果として子どもの死亡率が上が り、権利が低下していると報告する。教育もグ ローバル化し、教育を与えられるようになった が、しかしその費用を支払えない者が多い。
南北格差がもたらす新たな格差が生まれる。 政府は何ら対応力を持たず、ローカルな立場か ら政策を率先する法的システムの必要性を訴え ていた。
ヒュースン女子大学で教えている韓国出身の Lee Jung Okさんも、韓国や中国・東南アジアに おける、北京以降のバックラッシュについて報 告する。同様にグローバル化の混乱を除去する ために市民を代表する政治的勢力の欠如を述べ ていた。
ドイツの大学教授で議員でもある、Brigitte Youngさんは、EU加盟国(15ヶ国/27ヶ国〉の 女性の権利と、加盟していない女性の権利の格 差について話す。社会主義の枠組みから、自由 主義の導入とグローバル化による新しい局面の 中で女性たちが取り残される。
また経済力のあ る男たちが教育を受けるかたわらで、その機会 を奪われているカザフスタンの若い女性につい て、北京+5ユースコーカスのFranziska Bra- ntner さんの報告も同じように重なる。
南北格差の拡大は、同時に南側・北側内の格差 拡大につながる。援助(?)大国の一つアメリカに おいてもマクロ経済の中で3400万人の貧困層が 生まれ、労働時間も伸びているとSpieldochさん は指摘する。
日本からもパート労働研究会の鴨 桃代さんの発表があり、実に丁寧な数字による 分析がなされていたが、そうした日本の労働形 態とグローバル化との関連性について私は読み とることができなかった。
最初に発言したインドのDevaki Jainさんの 経済のグローバル化に対して、草の根運動から ナショナルベースでの規制化が必要であるとい う提言は、参加者全体の確かな共通認識でもあ った。
そして、それは進行役をつとめたEllen Cheslerさんが、取り組むべき10の課題として 見事にまとめあげた最重要課題でもあった。
残念ながら10の課題全部を把握することは、 できなかったが ●新しい規制の必要性 ●大 規模債務超過の取り消し ●労働力の安定化 ●政府の腐敗に対するローカルレベルからの改 革 ●若い女性への平等な教育と労働への参加 ●NGOの果たす役割 ●ローカルから問題提 起をし、コミュニケーション・情報の共有の必 要性 などが述べられた。
これらは、草の根レベルでの女性たちのエン パワメントから共有の認識を持ったグローバル フェミニズムへの移行の必要性につながる。 21世紀こそ、こうした女性たちの連帯が求め られるのだろう。
NGOフォーラムは開かれないと言われなが らも世界から集った女性たちが、ホスト委員会 の歓迎記念イベントで、ハンバーガーを食べな がら歌い、踊ったあの場所に21世紀があるよ うな気がした。そしてセントラルパークを颯爽 と自転車で走り抜けた時の、あの風がNY市立 大学にも吹いたように感じた。