4月26日に内閣府、外務省に提出し、正午から記者会見を行います。
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緊急共同声明の賛同呼かけ
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非政府組織(NGO)、市民運動団体、ジャーナリスト団体およびこれら団体に携
わっている多くの皆さんに呼かけます。イラクにおける人質事件をきっかけに、
政府やマスメディアの一部から「自己責任」を問う声が非常に強くなっていま
す。こうした動きは政府から独立して活動する私たちにとって見過ごせないと
考え、以下のような声明を出しました。是非ともこの声明にご賛同ください。
(賛同の方法、現時点での呼かけ団体(個人)および賛同団体(個人)は末尾
にあります)
(お願い)共同声明の原案の段階で呼かけ・賛同団体(個人)になられた方で、
リストにお名前がない方がいらしゃれば至急おしらせください。お手数ですが
よろしくお願いします。追加訂正はウエッブ版で行います(集約係 小倉/呼かけ人)

(回覧をお願い致します。回覧期間 2004年4月21日)
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■(共同声明) ■
■「自己責任」論による非政府組織(NGO)、市民団体、ジャーナリ ■
■スト等の活動への批判に憂慮します ■
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わたしたちは、世界中の人々との草の根の交流、人びとの生活や人権などへの
支援活動、ジャーナリストとしての活動などをおこなっている非政府組織
(NGO)、市民団体やこれらに関わる個人です。わたしたちは、イラクにおける
人質事件以降、政府および一部のマスメディアが今回の人質事件の原因を危険
なイラクに出向いた被害者たちにあると批判し、事態の責任を「自己責任」の
名のもとに、現地で活動しているNGOや個人に転嫁しようとしていることに大
きな憤りと悲しみを感じています。(注)

このような「自己責任」論は、NGO等として紛争地域などで活動する人たちの
人命が危険にさらされるような事態になったとしても、それは当事者の責任で
あると考えるあやまった世論をつくり出してしまいます。このような世論形成
は、人命を軽視した安易な武力行使や実力行使を正当化させかねず、NGOなど
による海外での活動を大きく制約しかねないという危機感を大変強く持ってい
ます。

政府や一部マスメディアが主張する「自己責任」論は、自律した個人が自らの
責任で社会活動をすることの意義を意味するという、その本来の意味をすりか
えにしています。そして、人質の人たちとその家族を、そのようなまちがった
「自己責任」論によって批判するようなことはすべきではないということを強
く訴えたいと思います。

紛争地域などでのNGO活動には多かれ少なかれリスクは伴います。このことは、
海外で活動する人びとにとっては十分理解されています。武器をもたずに、ど
こかの国家の組織に属することもなく、イラクの人びとの 安全や人権を守り、
真実を伝えるために危険な地域におもむいた人びととその行動を「自己責任」
論を持ち出して批判することはできません。 ところが、現在、政府や一部の
マスメディアが批判のために持ち出している「自己責任」論は、紛争地域での
NGOやジャーナリストなどの活動を萎縮させて閉め出し、その独立性を失わせ、
ますます地域の不安定を助長することになりかねないのです。

はたして自衛隊や日本の政府がNGOにかわって劣化ウラン弾の被害の調査を行っ
たり、貧しい子どもたちを支援するといった活動を行ってきたでしょうか。ま
た、政治的な理由に左右されることのない人道支援を行えるでしょうか。戦争
の被害を当事国の利害や国益にとらわれずに正確に把握することが果たして戦
争の当事国にできるものなのでしょうか。国連のガイドラインでも、人道およ
び軍事活動間の明確な区別を維持するために、軍事組織は直接的な人道支援を
すべきではないという基準を設けており、紛争地域で中立な立場で人道支援で
きるのはNGOだということが確認されています。これに反して、「自己責任」
論は、人道支援の軍事化を促し、人びとの安全をますます損なう結果となるこ
とに強い危惧を持つものです。

NGO や市民団体は、政府や軍隊には出来ない多くの分野で支援の実績を達成し
てきました。この事実は正当に評価されるべきことであっても、「自己責任」
の名において批判されるべきではありません。あるいは、戦時のマスメディア
がどれほど戦争の真実を伝えてきたでしょうか。軍隊や政府の庇護を受けない
フリーのジャーナリストの報道は不要だといえるでしょうか。検閲や自主規制
にとらわれないフリーのジャーナリストが戦争の真実を伝えるために、報道の
自由に果たした役割ははかり知れません。

私たちは、政府や一部マスメディアによる「自己責任」論に基づく人質とその
家族の皆さんへの批判はいわれのないものであって間違いであり、これを撤回
することを強く望むものです。そして、現在のイラクの状況から、人道支援の
最大の障害は軍隊なのだということがあらためて明らかになっているというこ
とを強調したいと思います。日本政府が自衛隊をいち早く撤退させ、米国や連
合国にも軍隊の撤退を働きかけかけることこそが、イラクの人びとの生活と生
命の安全を保障し、NGOなどの援助活動、人権監視活動、ジャーナリストとし
ての活動の安全を確保するもっとも確実な方法なのです。

(注)
「自己責任」論についての政府、報道機関の言及の一例
外務省の竹内行夫事務次官の発言「非政府組織(NGO)メンバーによるイラ
ク国内での活動について「自己責任の原則を自覚して、自らの安全を自らで守
るということを考えてもらいたい」
『日経』4月13日社説 「自己責任がイラクにおける基本的な行動原則である」
『読売』4月13日社説 「自己責任の自覚を欠いた、無謀かつ無責任な行動が、
政府や関係機関などに、大きな無用の負担をかけている。深刻に反省すべき問
題」

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「(共同声明) 「自己責任」論による非政府組織(NGO)、市民団体、ジャーナリス
ト等の活動への批判に憂慮します」に賛同します。

お名前
所属
連絡先(メールかファックスをお書き下さい)

なお、いただいた賛同署名については、お名前と肩書きを公表いたします。連
絡先は公表されません。

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●賛同署名の送り先および問合わせ先は下記です。
賛同署名の送り先
電子メール
jikosekinin@freeml.com
ファックス(ピープルズプラン研究所)
03-5273-8362

電話での問合わせ先
070-5553-5495 (小倉/WSF連絡会)
メールでの問合わせ先
jikosekinin@freeml.com
ウエッブ上でのアクセス((WSF連絡会ウエッブサイト内)
http://www.jca.apc.org/wsf_support/ngo_statement.html
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