Subject: [wsfj 912] WSF最新情報 ( 1/28日号)
From: mataro <mataro@jca.apc.org>
Date: Wed, 28 Jan 2004 16:38:46 +0900
Seq: 912


こんにちは。遠藤@事務局です。
WSF最新情報・メルマガバージョンができましたので送ります。

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                もう一つの世界は可能だ!
           世界社会フォーラム2004最新情報(1/28日号)
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おしながき
○オーマイニュース(韓国)が報道する「WSF 2004」 
 ・ブッシュ落選運動、世界社会フォーラムで激論
 ・ムンバイでの反戦フォーラム
○ムンバイ現地情報
 ・ピースボート
 ・BeGoodCafe
 ・国鉄共闘会議
 ・ATTAC Japan
 ・レイバーネット日本
○日本のメディアが伝えた「WSF2004」
 ・しんぶん赤旗
 ・日刊ベリタ
 ・共同通信(Yahoo!ヘッドライン)
 ・WIRED NEWS
○日本からの参加者の声
 ・奥田 みのり(東京大学大学院)
 ・藤田 明史(トランセンド・ジャパン会員)
○インターネット新聞「JANJAN」より記事執筆のお願い
○WSF日本連絡会メーリングリストご案内
○編集後記

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☆オーマイニュース(韓国)が報道する「WSF 2004」
・ブッシュ落選運動、世界社会フォーラムで激論
ブッシュ落選運動、米保守派の脅威なのか餌食なのか
[ここはインド ムンバイ4] '韓国の提案'賛否両論激化
チャン・ユンソン(sunnijang)記者

「韓国市民社会が提案したブッシュ落選運動は成功するだろうか?」
韓国ブッシュ落選運動チーム(発議者チョ・フィヨン聖公会大教授 以下落選
運動チーム)は現地時間17日午後1時、インド、ムンバイのネスコA27行事場で
「ブッシュ落選運動」シンポジウムを開いた。

韓国市民社会運動陣営でも、「投票権がないのに、果してブッシュ落選運動が
可能なのか」という論難を引き起こしただけに、世界社会フォーラムの参加者
たちは「韓国のブッシュ落選運動」についてどう思うのか、序盤から韓国参加
団は熱い関心を持って臨んだ。
落選運動チームは討論が始まる1時間前から、メディアセンターの前でブッシ
ュ米大統領を皮肉るパフォーマンスを繰り広げて、「ブッシュ落選運動」を知
らせる印刷物を配った。大部分の世界社会フォーラム参加者たちは、朝からタ
ブロイド判の"Defeat Bush Network-Bush Off!"を持って歩きながら興味深そ
うに読んでいたし、“アイディアを越える代案を求めて”、シンポジウム会場
を直接訪れる各国の参加者たちが、100人余りにのぼった。チョ・フィヨン聖
公会大教授は、「ブッシュ落選運動」提案を通じて、「反ブッシュ運動は'武
装されたグローバル化'に対抗する非常に象徴的な運動だ」とし、「2004年の
アメリカ大統領選挙で、ブッシュ現アメリカ大統領を落選させよう」と主張し
た。

「イラクで人々が死んでいくのはブッシュの責任」

マレーシアの'正義あふれる世界のための国際運動'のチャンドラー・ムジャパ
代表は、「ブッシュが、全世界すべての社会運動陣営が連帯できる媒介のリン
グになった」とし、「私たちはブッシュに感謝しなければならない」と、逆説
的にブッシュを難詰した。
彼は、「アメリカ人たちが今度の大統領選挙で再び彼を望めば、私たちには変
化の希望がなくなる」とし、「希望を作り出すためにもブッシュを落選させな
ければならない」と主張した。ムジャパ氏は、何よりも「アメリカ人たちがど
んな選択をするかが注目される」とし、「アメリカの市民たちは、ブッシュが
全世界の人々に対して行っている環境汚染と軍事費の増額、戦争による人命被
害などをはっきりと認識して判断しなければならないだろう」と警告した。

フランスCCFTのマリリン・アマコスト幹事は、ヨーロッパの反戦運動とキリス
ト教反戦運動について紹介しながら、「去年の6・24反戦共同行動は、ブッシ
ュの政策を支持した政府の政策を批判する場だった」とし、「イギリス、スペ
イン、デンマークなどはもちろん、フランスでも100個以上のNGOが反戦運動に
参加した」と語った。同氏は、「今年の'3・20国際反戦行動共同の日'にも、
全世界のあちこちでブッシュのイラク戦争を批判しよう」と提案した。 フィ
リピン大学社会学科のウオルドン・ペルロ教授は、「戦争には終りがない」と
述べ、「イラク現地では、今も米軍に対立した抵抗勢力が持続的に爆弾テロを
行っており、イラク南部地域では市民とゲリラ勢力が結合して戦っている」と
指摘した。
ウオルドン・ベルロ氏は、「人々が死んで行くのはブッシュ政権の責任だ」と
し、「私たちが生きうる方法は、ただ連帯のみだ」と強調した。彼は、「今度
のアメリカ大統領選挙にも民主候補が一、二名ほど出るようだが、市民運動が
手にした平和の武器に対応しなければならない」と、ブッシュ落選運動に対す
る直答は避けた。

ブッシュを助ける企業の品物を買わない運動

アメリカ'Boycott Bush!'で活動する日本女性は、「消費者運動の次元でブッ
シュの選挙資金を援助する企業の品物を買わないようにしよう」と述べ、'実
用的ブッシュ落選運動論'を提案した。

一方、'下方からのグローバル化'のチェ・ヨンチャン会員は、「94年の韓半島
危機を記憶していない人はいないだろう」と語り、「ブッシュが落選して民主
党の候補が当選すれば大丈夫なのだろうか」と批判した。チェ・ヨンチャン氏
は、「ブッシュ落選運動を繰り広げるより、根本的な立場で米帝国主義の深刻
な弊害を知らせる運動から展開するべきであろう」と主張した。イタリアから
来た女性活動家は、「落選運動チームが政治キャンペーンなら、'ボイコット
ブッシュ'は経済キャンペーンだ」と前置きした後、「二つの運動が結合して
共同作用(synergy)を発揮し、それに必要な資金はアメリカに反対する政府や
企業からもらってもいいのではないか」と述べて、少し韓国NGOのマインドと
へだたりのある話を投げかけたりもした。
争点は、韓国が提案したブッシュ落選運動をアメリカ市民社会がどのように理
解し解釈して実行するかだ。
ジョセフ・ゴスン米国親友奉仕会関係者は、「今の状況で選挙をすればブッシ
ュが当選するだろう」と語り、「民主党候補の知名度がとても低く、ブッシュ
も信頼が出来ないが次善の選択をすることになる可能性が高い」と指摘した。
彼は、最近のアメリカ社会の現実を伝えて、「南北戦争以後、社会分裂がこん
なに激甚になった時期は初めてだろう」とし、「ブッシュ落選のためには、浮
動層である若者と移民者を攻略する方法が最善だ」と語った。

フィリピンから来たカトリック司祭のロバート神父は、「私のニックネームは'
ランニングプリースト(韓国で人気のあるマンガの主人公らしいです 訳者)'
だ。その理由は、'戦争反対' 、'ブッシュ反対'を主張しながらフィリピン全
域を走ったから」と語った。彼は、「映画<フォレスト・ガンプ>の主人公は、
走っている途中で理由が分からなくなって止めたが、私は私が走る理由を明確
に分かっているから最後まで走った」と語って、満場の爆笑を誘った。
彼は、「政治に関心のない若者達に働きかけるためには、インターネットとチー
プな実践運動を提案しなければならない」とし、「コーラの代わりに水を飲ん
でハンストをするとか、マラソンを行うなどであれば、ブッシュ落選運動もと
ても安上がりなキャンペーンになる」と付け加えた。アメリカAFL-CIOのティ
ム・ベット副委員長は、「外から提案されるのは有り難いが、アメリカ国内の
右派たちに逆利用されないように気を付けなければならないだろう」と憂慮し
た。

韓国のブッシュ落選運動、背後が知りたい?

カリフォルニアから来たというデービッド・スーザントンは、「韓国の提案は
非常に新鮮だ」と述べ、「韓国の提案した落選運動が、現米政府の政策変化に
つながるように願う」と語った。
昨日世界社会フォーラム行事場に到着したピースボート(日本の平和運動団体)
の中でも、「ブッシュ落選運動」は争点になった。平和を作る女性会のチョン
・ギョンラン会員は、「これについて、二種類の気流が流れている」とし、
「第一は国外から声をあげてブッシュに反対すればアメリカ保守派の逆襲にあ
いやすいという意見と、市民運動の水準では十分に提起できるイシューだとい
う主張とが、目だって提起された」と語った。
メディアセンターで会ったニューヨーク'インディメディア'の記者は、「どう
して韓国の市民運動がブッシュ落選運動をするのか」と述べ、「何か背景があ
るのではないのか」という疑惑の視線を投げかけさえした。
これについて、チェ・ミギョン国際民主連帯幹事は、「ニューヨークの記者が
ブッシュ落選運動を理解できないのは、第3世界の人々が直面する悲惨な現実
を全然知らないからだ」とし、「彼が韓国の現実を理解したなら、ブッシュ落
選運動も理解するだろう」と述べて、もどかしさを吐露した。

'韓国のブッシュ落選運動'を眺める世界社会フォーラム関係者たちは、「アメ
リカ市民社会を動かすことができなければ、この運動は成功が難しいだろう」
と口をそろえた。
(記事紹介終わり)

・ムンバイでの反戦フォーラム
米帝国主義の軍事力、世界を脅かす最も大きな敵
[ここはムンバイ9] 軍事主義、戦争と平和」フォーラム
カン・グッチン(ハヌルホス)記者 
 "ムンバイから世界へ、平和のための全地球的な闘争を見せよう。"

去る16日から21日まで開かれている第4次世界社会フォーラムで最も注目され
ているテーマは、断然反戦だ。 17日朝に“開かれた南半球の焦点”が開催し
た、「米軍基地に反対する国際セミナー」や、同じ日の夕方7時に開かれた
「軍事主義、戦争と平和」会議(世界社会フォーラム組織委員会主催)は、21世
紀初頭から切迫する対テロ戦争と軍事主義に対する世界市民社会の共同闘争を
模索して各国の情報を共有する場だった。

緑色連合のイ・ユジン局長は、「海外駐屯米軍基地がある国は、アメリカの軍
事主義を直接的に経験している」と、米軍基地問題が持つ重要性を強調した。
彼は、「今度の世界社会フォーラムほど、米軍基地問題が広範囲に焦点として
浮き彫りになったことはなかった」とし、「海外駐屯米軍基地問題を世界的次
元で認識しようとする、活動家たちの努力の産物」と評価した。
実際、「米軍基地に反対する国際セミナー」には、ヨーロッパ・南米・アジア
などから30人を超える米軍基地反対運動の活動家たちが集まって情報を交換し、
連帯闘争を模索した。小規模行事として企画されたこの行事で論議した内容は、20
日に開かれる大規模パネル討論で正式に扱われる計画だ。特に3・20国際反戦
共同行動の時、米軍基地の前で集会を行う国際共同行動を組織する問題を議論
する予定だ。
「軍事主義、戦争と平和」会議に参加した各国の活動家たちは異口同音に、ア
メリカの軍事主義を糾弾し、国際関係と国連を民主化して多様な社会階層とNGO
が地域的・国際的に連帯するための実践方案を模索した。
チャンドラー・ムジャパ(マレーシア, JUST)は、「アメリカ帝国主義の軍事力
が、世界を脅かす最も大きな敵」であるとし、「アメリカを最後の帝国にする
歴史を、ここムンバイから始めよう」と語った。
チャンドラーは、アメリカを「戦争と暴力、軍需企業、キリスト教原理主義、
多国籍資本に基盤を置く帝国」と規定しながら、「それでも、アメリカは経済
的に弱まりつつある帝国主義であり、数百万をこえる人々の憎悪と抵抗に直面
した帝国」であると語った。彼は、「正義と平和のための民衆の闘争だけが、
帝国主義に勝つことができる代案だ」と強調した。
世界社会フォーラムの公式招請を受けたホン・グンス牧師(“平和と統一を開
く人々”常任代表)は、韓国市民社会の観点からアメリカの軍事主義を批判し
た。
彼は、「過去半世紀の間続く朝米間の葛藤は、アメリカの経済制裁と攻撃の脅
威、そしてこれに対する北の恐怖と抵抗が核心」と指摘しながら、「戦争では
なく平和的方法によって解決せねばならない問題だ」と強調した。ホン牧師は
また、「平和は戦争よりも経済的だ」として、「戦争産業を平和産業に変えな
ければならない」とも主張した。
アルゼンチンのエコノミストで第3世界負債蕩減運動の専門家であるビバリー
・キーン(ジュビリーサウス(Jubilee South)所属)は、「借金という武器がラ
テンアメリカを無力化しており、アメリカはこれを利用して南米に11ヶ所以上
の米軍基地を作るため南米の国家たちと新しい協定を推進している」と明らか
にした。
キーンは続けて、「南米が経験している窮乏・失業・悲惨さなどの劣悪な生の
質は、もう一つの形態のテロであり、ブッシュのもう一つの大量殺傷兵器だ」
と述べ、「現在南米は窮乏と失業など悲惨な現実ともう一つの戦争を遂行して
いる」と指摘した。キーンは、「借金が支配しない世界、自由貿易地帯に属さ
ない世界、米軍の軍事訓練場がない世界のため、そして子孫たちが幸せに暮ら
すことができる素敵な場所を作るために力を合せて闘争しよう」と訴えた。
ムスタファ・バルゴウティ(パレスチナ・ナショナルイニシアチブ代表)は、苦
しむパレスチナの現実を"第2のアパルトヘイト"と規定して、イスラエルの軍
事主義を糾弾した。
ムスタファは、「イスラエルはパレスチナのすべての都市を封鎖し、軍事力を
ますます増強させている」とし、「数多くの人々が人権侵害を受けているパレ
スチナは監獄と同じだ」と語った。彼は、「パレスチナの状況はきわめて深刻
だ。私たちは自由と平和のための闘争を止めないだろう」と断言した。  
(記事紹介終わり)

☆ムンバイ現地情報
WSF2004には、初日だけで125,000人の参加者を記録し、参加国
も120ヵ国以上を記録した。日本からもNGO・労働組合関係者など約50
0人が参加し、様々なイベントを開催した。このコーナーでは、インターネッ
トで報道されたもの(主に各種MLに流れたもの)を集めてみた。
・ピースボート
http://www.peaceboat.org/cruise/44th/wsf/17.html
クルーズ参加者の約半数がWSFに参加。
WSF1日目・2日目の様子を紹介

・BeGoodCafe
http://begoodcafe.com/tetra/wsf2004.html
1月19日に開催された、BeGoodCafe in ムンバイの様子を紹
介。2時間で30人ほどがオープンマイクに登場し、多様なパフォーマンスを
展開。

・国鉄共闘会議
http://www.h4.dion.ne.jp/~tomonigo/
WSF2004に参加した、鉄建公団訴訟原告団事務局長・佐久間 誠氏のム
ンバイ報告と現地の写真。

・ATTAC Japan
WSF2004に参加した、ATTAC会員のレポート
http://www.freeml.com/message/attac@freeml.com/0000261
「ムンバイ、セックス・ワーカーのデモ」
「セックスワークは労働だ 我々に労働者の権利を」という横断幕を掲げてデ
モ行進した、女性達のデモの様子

http://www.freeml.com/message/attac@freeml.com/0000266
WSFムンバイ記
WSFに参加した大学院生が見た、WSFの雰囲気とムンバイの様子

・レイバーネット日本
http://www.labornetjp.org/NewsItem/20040127m2/
レイバーネット日本実行委員・安田幸弘氏(WSF日本連絡会事務局)
のWSF2004報告

☆国内メディアが伝えた「WSF2004」
・しんぶん赤旗
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik3/2004-01-24/06_01.html
「第4回世界社会フォーラムを取材して」
「WSF2004」を現地で取材した、赤旗記者の対談

・日刊ベリタ(記事購読は有料ですので注意)
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=200401220512054
「南北冷戦」の時代へ 世界社会フォーラムが閉幕
日本メディアが伝えない「もうひとつの未来」

以下、関連記事
【関連】世界各地のヒバクシャが証言、世界社会フォーラムで=インド 
【関連】女性の多様性と豊かさ強調 人気の論客ヴァンダナ・シヴァさん 
【関連】うねる「反グローバル化」の波、15万人が参加 近くでは「反世界
社会フォーラム」も 
【関連】「もう一つの世界」目指し、10万人超える参加者 ムンバイの「世
界社会フォーラム」

・共同通信(Yahoo!ヘッドライン)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik3/2004-01-24/06_01.html
反グローバル化の波拡大 印のフォーラムに12万人

・WIRED NEWS
http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20040123205.html
国際会議で多言語通訳を実現するオープンソース・ソフトウェア
WSF 2004で大活躍した、通訳ソフトウェアの紹介
関連ページには、通訳マシンや世界社会フォーラムの紹介記事も。

☆日本からの参加者の声
・奥田 みのり
先日インドムンバイで行われた「世界社会フォーラム」から帰ってきました。
(無事に帰国しました。)
さっそく報告をしたいところですが、学期の終わりということもあり、私自身
課題に追われており、速報をお伝えすることが出来ません。(涙)
簡単に私の感想を述べると、
-参加してよかった。
-参加することに意義があると痛感。
-感じたこと、知ったことをムンバイへいけなかった人とシェアしたい。
-私が知っている日常は、世界の多くの人々にとっては「ぜいたく」でしかな
い。
-人々には希望がある。希望は原動力へとつながる。そして「another world
is possilbe」も夢じゃなくなるのかも…と感じた。
-ムンバイへ行けた人は一握り。ムンバイで発表されることのなかった人々の
抱える問題がわることを忘れちゃいけない。
そんな問題がフォーラムで取り上げられていなかったか?それはなぜか?
-「子ども達に教育を!」「チャイルドレーバー反対!」これは、何度もみた
ポスターやチラシに書かれていたメッセージ。
私が知っている日常は、ある人びとにとっては日常ではないのだ、ということ
を痛感。実感。共感。

…という感じです。(思いつくままに書いてみました。)

(おくだ みのり 東京大学大学院)

WSF に参加して(藤田 明史)
私は、2004年1月16日から21日までインドのムンバイで開かれたWorld Social
Forum(世界社会フォーラム、以下WSF)に、日本原水協代表団に加わって参加
しました。
合言葉は”Another World is Possible.”(「もう一つの世界は可能だ」)。
様々な思念が渦巻いて整理して書くことはとうていできませんが、とくに強く
感じたことを忘れないうちに記しておきます。

まず、既存の言葉や概念では把握できない何か――しかも世界の未来にとって
第一級の重要性をもつもの――がここで確かに起こっていると強く感じました。
何しろアジア・アフリカを主体に世界から集まった10数万の人々(もちろんイ
ンド人が大きな割合を占める)が、スラムに隣接する広い会場(工場か倉庫群
の跡地のような場所)の埃と喧騒の中で、必死になって議論し、踊り、行進し、
自分を表現しようとしたのですから。そのエネルギーは生半可な総括を拒否す
るものであり、これからじっくり自分の生き方と重ね合わせてそれを表現する
的確な言葉を見つけ出さねばなりません。しかし同時にそれは、いま少しでも
表現しておかないとすぐに分らなくなってしまう何かでもあります。
私は日本原水協が主宰する行事(被爆者の証言と原水爆禁止の署名集め)に参
加するとともに、時間と体力の許す限りいくつかのワークショップにも出てみ
ました。
深く印象に残ったのは”Make Tibet a Zone of Peace”(「チベットを平和地
帯に」)と”Moving towards Peace in Kashmir”(「カシミールにおける平和
に向かって」)です。
仮設テントの会場に前者には約百人、後者には約二百人が参加していました
(発言は英語とヒンズー語)。
「チベットを平和地帯に」では、チベットの中国からの自立(autonomy)が主
張され、とくに女性の活動家が目立ちました。パネラーの一人であるチベット
の知識人(男性)のスピーチに、仏教学者としてガルトゥングの名が出てきた
のには驚きました。若い中国人のインドへの留学生(女性)が、「私たちはチ
ベットに巨額の資本を投下し、チベットの人たちを愛しているのだ」と発言し
ましたが、やや公式的でした。 
カシミール紛争をめぐるワークショップでは、パキスタンからのスピーカーと
して物理学者のP.フードボーイが招待されていたのには驚きました(私はピー
スデポの「印パ速報」に彼の論稿を掲載したことがあり、また横浜の集会でも
彼に会いました)。フードボーイは、カシミールをめぐって印パ間に戦争が起
こればそれは必然的に核戦争につながり(今まで 4回その危険があった)、し
たがってカシミール紛争は何としても解決されなければならない、そのために
は、心理的にいかに困難であっても、お互いが相手を認め合い共存するほかな
いことを理性的かつ情熱的に主張しました。会場のざわめきで発言が中断され
ましたが、司会者がここは議論の場だと発言を続けるよう促す場面もありまし
た。発言が終わると彼は数人に守られるように会場を出て行きましたが、まさ
に命懸けで発言しているように私には思えました。インド人の発言も、ヒンドゥー
およびイスラム原理主義的な心情に訴える印パ両政府の政策を批判し、民衆レ
ベルの対話を呼びかけるきわめて理性的なものでした。

カシミール問題のような政治的にきわめて微妙な問題がワークショップのテー
マとして取り上げられ、民衆レベルで活発に討論されている事実に、私はここ
にこそWSFの意義があると思いました。それを可能にしたのは、多くの国の
人々がカシミール紛争に関心をもち、ワークショップに参加したからであり、
このことをフードボーイも指摘していました。 

開会式でスピーチを行なったインド人女性作家アルンダティ・ロイをはじめ
(彼女は、「アメリカのブッシュもわれわれとは正反対の方向に『新しい世界
は可能だ』と考えている。批判だけではなく、われわれは行動を起こさなけれ
ばならない。アメリカの製品をわれわれの生活から締め出そう」との趣旨の発
言をしました)、ここで述べたような民衆の立場に立つまったく新しい知識人
が力強く出現し始めていることに、私は強烈な印象を受けました。
「もう一つの世界は可能だ」と感性的に確信することはとても重要でまた絶対
に必要なことです。それがなければ何事も始まりません(英語の表現としてはAnother
と言ったところが素晴らしい。並みの知識人であればAlternativeという言葉
を使いたいところでしょう。少し分りやす過ぎて困るくらいだと思います)。
しかし、次の段階として、ブッシュのとは異なった、われわれが希求する「新
しい世界」はいかにして実現可能か、という課題が出てくるでしょう。こうし
た問題の解決の筋道を理論化することがまさに知識人――もし知識人というも
のが存在するのであれば――に与えられた課題です。われわれの平和学もそれ
に実質的に貢献するものでありたいと思います(それ以外に平和学の存在意義
があるでしょうか)。

最終日にはムンバイの中心街を4キロほど行進しました。私はこのような大規
模なデモは初めての経験で、感動しました。通りの両側の窓から住民が顔をだ
して行進を眺め、中には手を振る人もいました。原水協の横断幕を見たどこか
の国のテレビ局に私はインタビューを受けました。歩きながらいくつかの質問
に答えたあと、私は”The future is ours, not theirs!”(「未来はわれわ
れのものだ、彼らには未来はない」)と大声で叫んでいました。
日本被団協の小西さんが、後ろを歩くインドの女性のグループに合わせて、”
Koizumi,  Down! Down!”とやり始めると、彼女らもつられて”Koizumi,
Down! Down!”とやり始めました。 

今回のWSFへの参加が私にとって心に残るものになったのは、行きと帰りの飛
行機でたまたま隣り合わせた被爆者の75歳のおばあさんと、じっくり話し合う
ことができたからだと思います。私には貴重な経験でした。75歳にもかかわら
ず、とても元気で好奇心が旺盛であり、皆がバスで帰ったあとも二人で残って、
メーンステージで行なわれたローマのスパルタクスの反乱を題材にした劇を遅
くまで見たりしました。ホテルまでタクシーで帰りましたが、低い目線で見る
町の光景はすさまじいものでした。
私が強く感じたのは被爆者とWSFに集まった政治的・経済的・文化的に抑圧さ
れた世界の人々とは何の抵抗もなく連帯し合えるということです(「被爆者の
証言」への人々の敏感な反応、3000筆以上の署名が集まったことにもそれが表
れていると思います)。それは”Expendables” (この言葉は被爆者の証言集
会で誰かから発せられました。「棄民」とでも訳すのでしょうか)としての連
帯です。そうした抑圧・搾取された人々が立ち上がり、異議をとなえ、さらに
人間として生きる権利を積極的に主張することの中に、未来につながる希望が
あると私は思いました。
(ふじた あきふみ トランセンド・ジャパン会員)

☆インターネット新聞「JANJAN」より記事執筆のお願い
インターネット新聞「JANJAN」を運営している日本インターネット新聞
社から、WSF2004参加者に、記事寄稿の依頼が来ていますのでご紹介し
ます。参加者の皆様、是非ご検討ください。

こんにちは、日本インターネット新聞社の山本と申します。
突然のメールで失礼いたします。
平素はインターネット新聞『JanJan』をご支援いただきましてありがとうござ
います。

さて今回は、インドのムンバイにてWSFが開催されておりましたが、それに
関する記事をご執筆いただけないかと思いましてのお伺いです。マスコミには
あまり取り上げられていないようですので、ぜひ関係者や当事者の方からのお
話をご投稿いただけないかと思いまして・・・。
特にきまりなどはございません。1000字以内を目安に、お写真などを添えて簡
単にご紹介いただければと存じます。

原稿料などはございませんが、他の方にもWSFを広めるためにも、ぜひご検
討いただければと存じます。
お忙しい中、突然のお願いで申し訳ございません。
無理にというわけではございませんので、何とかご検討いただければと思って
おります。どうぞよろしくお願い申し上げます。

※記事投稿方法(編集子補足)
記事執筆にあたって
https://www.janjan.jp/journalist/journalist.htmlから、ボランティア記者
登録が必要になります。
登録には
・名前(実名)
・生年月日
・住所
・電話番号
・E-mailアドレス
の記入が必要です。個人情報は公開しません。
登録は無料です。手続きはインターネットで5分程度で完了します。
記事作成画面はこちらです。
https://www.janjan.jp/common/r_login.php

記事作成にあたって、原則として実名での参加になります。
HN・ペンネームでの参加も可能ですが、その場合はボランティア記者登録時、
その理由を明記する必要があります。

1ページあたりの文字数は、800字以内ですが、これでおさまらない場合で
も、連続して2ページ、3ページ文の記事を作成することが可能です。
これまでの経験からいって、1ページ800字以内でおさまった記事は、その
まま紙面に掲載される可能性は高いです。

それでは参加団体の皆様、よろしくお願いします。

☆メーリングリストのご案内
WSF2004の個人参加申し込みはすでに締め切ってしまいましたが、WS
F連絡会では、情報交換のためにメーリングリストを用意しています。どなた
でも参加でき、また情報は原則として公開です。
WSF関連の英文を翻訳していくプロジェクトも走っていますので、みなさま
のご参加、ご協力をお待ちしています。
ML参加を希望される方は、題名を「ML参加希望」とし、
・氏名(ハンドルネーム不可)
・所属団体(学生は学校名でも可 個人参加の場合は無記入でもOK。 もし
よろしければ、過去の活動歴を明記希望)
・メールアドレス
・このイベントをどこで知ったか
を記入の上
 wsfj@talktank.net 
まで送付してください。

実際にインドに行かなくても、平和・環境・貧困問題・マスコミ問題など、何
かしらの社会問題について関心がある方の参加を歓迎します。
この機会に是非登録してみてはいかがでしょうか。

☆編集後記
前号発行からまだ間もないのですが、また新しい情報が入ってきましたので発
行します。
今回は、実際に現地に行ってきた参加者の、アツアツの情報をたっぷり盛り込
んでいます。
現地は砂埃が舞い、寒暖の差が激しいという最悪な状況だったにもかかわらず、
報告を送ってくれた人たちに感謝したいと思います。
韓国は市民・メディアとも本当にパワフルです。
それにしても、我が日本は……(ため息)
来月に入ったら、参加団体の報告会日程が決まるでしょう(たぶん)。
連絡会としても、何らかのイベントをやりたいと個人的に思っています
(やりたい……でも、できるのか?)

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 もう一つの世界は可能だ!
 世界社会フォーラム2004最新情報

発行日 2004年1月28日
発行人 遠藤 嘉則(世界社会フォーラム日本連絡会事務局)
世界社会フォーラム日本連絡会事務局 HP
http://www.jca.apc.org/wsf_support/preforum-j_top.html

WSF2004
http://www.wsfindia.org/

世界社会フォーラム日本連絡会 連絡先
wsfj@talktank.net

※このメルマガの転載・転送を歓迎します。

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