Subject: [reg-easttimor 92] pprp news 号外
From: Pacific Asia Resource Center <inobuko@jca.apc.org>
Date: Wed, 22 Mar 2000 18:21:49 +0900
Seq: 92


東ティモール市民平和救援プロジェクトニュース 号外    (3月22日作成)
 
 
◆◆◆ラモス・ホルタ西チモール難民問題に関する声明◆◆◆
 
本日(3月22日)、ホームページ「チモール・ロロサエ情報」を運営なさっている方から
西ティモールの東ティモール難民の問題に関するラモスホルタさんの声明(日本語訳)が
送られてきましたのでPPRPの号外として転送いたします。
ぜひ、ご一読頂き、そして日本政府やインドネシア大使館への緊急申し入れ
などの行動にご参加いただければ幸いです。
西ティモールの現状や背景、難民に対する緊急行動は、次のチモール・ロロサエ情報に掲載。
 
http://www.asahi-net.or.jp/~gc9n-tkhs/

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「世界はインドネシア軍ではなくインドネシアの民主化を支援しなくてはならない」

※ラモスホルタは、国際社会が、インドネシアの民主化を支援すると同時に、東チ
※モールに関する国際法廷を準備するよう求めている。

CNRT(チモール民族抵抗評議会)は、東チモールの民兵及びインドネシア軍が制
圧しているキャンプで東チモール人が直面しているひどい状況をとても心配している。

一ヶ月以上前、西チモールの官僚が、500名近く、そのうち310名は子供、の東
チモール人が不十分な衛生施設と医療処置のためにキャンプで命を失ったと発表した。
難民キャンプの衛生施設と医療は実質上存在していないに等しい。民兵と軍による脅
迫や攻撃は今も続く現実である。国際援助団体によるキャンプへのアクセスは非常に
制限されており、援助職員に対する民兵による攻撃も多い。東チモールの人々が強制
的に移送されたまま、六ヶ月たってもこうした状況が続いているのは犯罪的な事態で
あり、すぐさま改善が必要である。

インドネシア軍と民兵の強硬派により流されている東チモールで暴力が続いていると
いう宣伝により、帰還作戦は困難度を増している。我々はインドネシア政府とともに、
インドネシアと協力した東チモール人を含めて、東チモール人は全て安全に帰還でき
ると説明することに努めている。

インドネシア内での自治案に投票した人も、インドネシア軍と協力した民兵も、祖国
にかえって安全に感じることができる。CNRTはこれらの人々への復讐を許容しな
い。彼らにとっても東チモールは祖国であり、ここに属している。そして我々全てが、
抵抗勢力も自治案派も、真ん中で出会い、過去を葬り、平和を培って国を再建しなく
てはならない。

しかしながら、西チモールのキャンプ、東西チモールの国境、オイクシの国境でテロ
キャンペーンを続けている民兵の指導者達に対しては、これを許すことはできない。
これらの残虐行為を行った人は逮捕しなくてはならない。つい最近、国連平和維持軍
が、東西チモール国境で、インドネシア軍の支援を受けた民兵に、24時間の間に4
回も襲われた。またさらに再起員、民兵かインドネシア軍のどちらか(非常に多くの
場合これらは一つの同一のものであるが)が東チモールに侵入し、一人の東チモール
人市民を殺した。ある国連の軍報道官は「東チモール人に対するさらなるいやがらせ
や殺害が起こる可能性は大きい」と発表した。

我々は、西チモールの民兵のボス、モコ・ソアレスが遂に逮捕されたことに安堵して
いるが、西チモールでの彼の裁判の遅れについて憂慮している。未だに攻撃命令を出
している民兵のボス達のもっと多くを裁判にかけ、また、インドネシア軍内にいる彼
らの司令者達の責任も問わなくてはならない。西チモール当局がスハルト時代の傲慢
な二枚舌の調子で、東チモール人は3月31日までに帰国するかどうか決めなくては
ならないというのなら、世界は西チモール当局に対して、今週中にも、攻撃を指示し
ている軍の悪党達と民兵との間にけりをつけるよう言うべきである。

東チモールで、我々は、UNTAETとともに、司法体制を作りつつあり、すぐに民
兵や犯罪暴力で逮捕された人々を裁くことができるようになる。けれども、東チモー
ルの兄弟姉妹達は、もし暴力に関与した最高位のものが処罰されないのであれば、許
しを実行するのに困難となるであろう。これには、1975年以来東チモールが経験
した破壊の悪夢に責任を負うインドネシア軍の裁判も含まれる。これが、国際社会が
罪のない東チモール人に対しての軍事攻撃を許しはしないと示す決定的な行為となる。
この理由で、我々はインドネシアが行っている東チモール人権侵害調査を支持するも
のであるが、同時に、国際社会が国際法廷開催へ向けて動き出すことを望む。このよ
うな法廷は、インドネシアが法的手続きの国際基準に従った裁判ができなかった場合
に虐殺の中心責任を負うインドネシア軍高官に対して正義が行われることを保証する
ものである。国際社会はこれらの基準を今明確にし、裁判官の信頼性、証人の保護、
軍の協力などに特に注意を払い、選択的不起訴を許してはならない。

我々は、インドネシアのワヒド大統領が勇気を持って東チモールを訪問し、和解の手
を差し出したことを感謝する。この善意の表明の中で彼はインドネシア軍による東チ
モール破壊についての後悔を表明したが、これを東チモール人は軽々しく受け取った
わけではない。また、我々は、ワヒド大統領がスハルト時代に我々の自決を支持した
ことを忘れはしない。我々はまた、彼が西チモールでの民兵に対する軍の支援を終わ
らせると約束したことに感謝し、それが実行されるのを望んでいる。

国際社会は、インドネシアの民主化運動と文民政権を、インドネシア軍に対してあら
ゆるレベルの監視をすることにより、支援しなくてはならない。残虐なインドネシア
軍との全ての軍事関係を停止することにより、世界の大国は、西チモールのテロを終
わらせる手伝いをすることになるだけでなく、我々の友人、アブドゥラハム・ワヒド
大統領の文民政権を支援し、インドネシアの人々がついには平和に、軍の弾圧無しに、
またそれを維持する軍の「二重機能」なしに生きる日がくるのを早めることになる。
我々は、軍時支援の制限とその継続を、インドネシアが完全に文民統制の国となり、
法的責任と人々の帰還が実現されるまで続けることを希望する。

未だに西チモールにいる東チモール人同胞の迅速な帰還を助けるために、帰還付添い
文民の集中的増加を望む。国際援助職員をキャンプに送り、今一度、西チモールで人
々が接している日々の現実に光を当てることが必要である。

皆さんが、この決定的に重要な問題に注目してくれることに感謝します。

ジョゼ・ラモス・オルタ
1996年ノーベル平和賞受賞者
CNRT副総裁
2000年3月22日

◎付録
《外務省と懇談報告》
先日3月21日、清水が個人的な立場で、南東アジア第二課 課長補佐 熊谷直樹さんと
西ティモール難民への援助打ち切りなどに関して話し合いをした要約です。
 
Q:インドネシア政府が、3月31日で西ティモールにいる東ティモール難民に対する
援助を終了すると発表。それについて、外務省の見解。
A:外務省としては、少々、唐突なのではないかと感じでいる。しかし、現地の
UNHCRが懸念を示したことが影響したのか、先週の情報では、インドネシア
政府が出した、今月末の期限についてはあいまいになってきているように聞いている。
外務省は、国連機関の調査とインドネシア政府の方針を待っている状態。
国際社会として、何らかの政治的圧力をかける場合も、日本だけが動くことは
まずありえないだろう。それは東ティモールに限ったことではない。
 
Q:難民キャンプ内の衛生環境や食糧事情は、場所によって非常に悪い状況であること。
さらに、東ティモールへの帰還に不安をつのらせるような、さまざま流言飛語が
民兵によって戦略的に流されいる、これ以上猶予のない状態であることについては。
A:民兵が西ティモールに存在していることは聞いている。民兵が軍を背後に活動している、
また武器の提供を受けていると噂されていることも知っているが、外務省はその明確な
証拠はもっていない。生活環境が厳しい状態であることは、UNHCRの報告などで
把握しているつもり。さらに、キャンプ内の限られた情報のなかで、西に残るか東に
帰るかの選択を迫っていることも聞いている。しかし、いつかの時点で難民
キャンプは閉じなければならない現実もある。それが、今月末が適当なのかどう
かはわからないが、いずれにせよインドネシア政府の動きと今後のUNHCRの
計画と支援要請を待っている状態。日本政府が単独で働きかけることは難しいだ
ろう。
 
Q:昨年、日本政府は、西ティモールの難民に人道的な国際協力が必要と独自の
判断を下し、単独でPKO法に基づき自衛機を派遣したが。
A:それはまた別の話になると思う。
現実時点で、外務省から言えることは、インドネシア政府が、このままの状態で
西ティモールへの援助を本当に今月末で終了するようなことになれば、なんらか
の対策は考える必要があることは理解している。
以上

外務省もPKO本部も「国際貢献」を声高らかに叫び、税金を使うのであれば、
西ティモールに残された難民の最後のひとりが無事に帰国できる日まで、責任を
もった援助を強く求めてきました。
いまだ9万人をくだらない人びとが難民の状態であること、その援助があと
10日でうち切られようとしているまぎれもない事実だけでは日本政府は動かな
いようです。
(文責:清水祐子)
 
 
 


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101-0052 千代田区神田小川町2-1 檜ビル3F
アジア太平洋資料センター(PARC=パルク)内
tel 03-3291-5901 fax 03-3292-2437
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 Pacific Asia Resource Center(PARC)
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tel: +81-3-3291-5901 fax: +81-3-3292-2437
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