2000年3月定例議会草島 一般質問 

鶴岡市地下水の水位低下  根拠なしと判明!

草島進一 一般質問 と水道部長 答弁


さて、庄内南部広域水道と水道政策について、
総括質疑では、広域水道全般にわたる情勢についてふれましたが、この一般質問では、特に、水道政策の中、主に当市の地下水の現状などについて、細かく質門させていただきます。

昭和55年にこの市議会で決議された、月山ダムからの広域水道計画に切り替えなくてはならない理由。
それは将来的に、人口11万5千人、8万2千トンもの水が必要で、地下水源では、鶴岡市民の水道水をまかないきれない。これが、大きな理由でした。
しかしながら、現状、水需要の予想はずれ、過去実績最大で、5万3千トン。今、水需要は平均で四万2千トン。そして、ここ数年は、水需要は減少傾向にあり、人口は将来減少が予想されている。
 とすれば、今の地下水で十分に将来もまかなえるのではないか、と私も含め、市民の多くは思うわけであります。

しかしながら、当局からだされるパンフレットや、要望書には、今の地下水が減少している、枯渇傾向にあるなどとされ、広域水道移行が強調されています。今回は、この足りない、枯渇しているなどといわれている鶴岡の地下水の現状について、問うてみたいと思います。

はじめに、、パンフレットや、広報で有名な平成8年の断水をともなう給水制限についてです。

この時の事件について、以前から鶴岡市の水道の拡張計画の際の地下水源の調査に当たられていた、元山形大学教授、桑原英夫先生が、これは、地下水の不足や、枯渇が原因なのではない。と指摘をされています。
まず、枯渇という表現ですが、私たちは、あたかも枯渇というとすぐに地下水の枯渇と連想しがちです。このときのは、高坂の配水池のタンクがカラになっただけですね。まずそれを指摘されていました。

先生は、この時の給水制限は、8冬続いた「暖冬慣れ」が招いたものとして、当時平成9年2月13日の山形新聞の提言に投書されています。それによれば、最低気温が氷点下6.6度で真冬日が3日間続いたものの、「平年並み」の冬にすぎなかったのに、水道管の凍結・破裂事故が、1千9百79件に達して、急激に水がでっぱなしになり、貯水池のタンクの水がでていく一方になり、ほぼタンクが枯れてしまったというものでした。先生は、鶴岡市の不凍栓普及率が93%なのに、それがほとんど使われなかったことを指摘し、私たち自身が暖冬になれきって、予防措置をおこたっていた。ということや、給水制限に入った4日以降にはじめて水道部が繰り広げた広報、巡回態勢が、水道管の凍結事故の届け出が急増した2月1日または、2月2日にしかれ、節水の呼びかけと凍結・破裂事故の発見と処置にあたっていたら、おそらくは、給水制限は避けられたのではないかとのことでした。

先生は、この断水事件は、せっかくの施設をつかいきれなかった、あくまで人為的なミスで、2千件近い水道管破裂のために水が大量にでて、ポンプの能力を超えたため、貯水池のタンクがカラになったもので、地下水位が低下したのでも、地下水の渇水が原因なのではない。といわれていました。
当時の水道部は、「そのとおりです」と先生のコメントを認めたとのことですが、

1,これを明らかに地下水の水位低下、などの理由としてパンフレットやマンガに記載している当局の見解を求めます。
2,また、8月の給水制限については、毎年のお盆の人口増によるもので、
いずれも給水調整というレベルではないのか。
昨年も給水制限減圧20%で大騒ぎしていたわけですけれども、ほとんど影響はないのではないか。何のために、高坂に2万トンのタンクがあるのか、といわれていました。私も、全国の状況からすれば、同感です。これについても当局の見解を求めます。

3,さて、先日、鶴岡市の地下水について昭和52年から数年にわたり、調査してくださった先生をお訪ねしました。
地下水の研究では、世界的権威である、柴崎達夫先生です。当時、第3次拡張計画の際、全国で先駆けてこの鶴岡で、初めておこなった最新の三次元帯水層モデルを使用した地下水の調査をおこなっています。
先生は、この鶴岡の水源の質の良さと豊富な量、そして何より、この水源を非常に大切にしている当時の水道部の熱意にかられて、この調査をおこなったのだといわれておりました。

その際の調査では、地下水の豊富な地域にあたっているとし、赤川扇状地の地下水源全体で、日量25万トンの持続的補給量があり、科学的なシミュレーションによって現在、市の水源の井戸があるところの地下水層には、日量5万2千700トンの持続性補給は可能だということになったわけです。

今回、今後の広域水道計画の要望事項として、湯田川、田川南部、豊浦含めて、1万トンしか残さない。5万2千とれる地下水源からそこの箇所に関しては、9千トンだけと言う計算になります。
今、災害時のためにもまた、21世紀の水政策として、循環型の持続的可能なコミュニティづくりのためにも水循環がうたわれているわけで、水質的にも自己水源、地下水の価値がいわれながらも、これはあまりに申し訳程度と思うわけですが、この1万トンとした理由を更にお尋ねします。地下水盆の有効活用のためにも、借用地の井戸も検討の余地はないのでしょうか。
お尋ねします。

この広域水道の受水については契約水量を達成するまでのシュミレーションを含め、今かかえているいろいろな問題点、そして、何よりも公共料金の高騰が考えられるわけです 今までや、これからの県の協議、交渉の詳細、それと給水条例の見直しなど、どのように見直すのか。また既存の地下水源についてどうするのかを含め、専門家も交えながら、早急に議会で全体協議する必要があると思われます。

また、何より、この水道の受益者であり、権利者である住民に対しての広聴会が合ってしかるべきと思われます。いかがでしょうか。

●水道部長

2月の給水制限について
議員は、
今の地下水で十分まにあうというご認識のようでございますけれども、今の地下水の受水状況を含めてお話したいと思います。

平成8年の2月の給水制限ですが、2月4日から10日まで、夜間断水を含めて、給水制限を余儀なくされております。。
ま、突然でしたが、
断水でしたので、市民の方に多大なご迷惑をおかけいたしました。
要因といたしましては、1月下旬からの寒波による、地下水位の低下によりまして、取水量が減少したこと。これは事実でございます。
それからご指摘ありました、この凍結によりまして、水道管が約2000件ほど、当時としては、近年にない、多くの件数が発生をしたという状況にあります。市民への対応といたしましては、凍結防止のために、不凍栓の普及、93%

とありましたが、不凍栓の操作以外に、大部分の方々が、出し流しをされたという事実もあったと思います。これによりまして、排水量が、通常時に比べまして、相当増加したということも一因とされております。これだけがこの当時の断水の原因ではなく、冒頭申し上げた、。寒波による地下水位の低下、これによる取水量の減少が、最も大きな要因と、私どもは考えているところでございます。

水道部では、この8年の時間断水、の教訓としまして、冬季、夏季の渇水対策マニュアルを作成しまして、そういうような自体をできるだけ回避をするために、監視機関をもうけまして、そうした自体を回避するために強化をはかることや、節水広報を実施するほか、冬季もおきましては、毎年12月には、凍結予防月間を設けまして不棟栓の無料しかし、さきほど、現在の給水状況でも説明したとおり、
季節的な取水量の変動の他に、、年々、取水量が低下しているのは事実です。

また、高坂の配水池の役割。この役割につきましては、時間最大排水量に対応するために貯水をしておく。多くの量を確保しておくというのが最大の目的。であります。災害時の揚水確保などを担っているわけであります。現在では、取水量が不安定なこともありまして、一時的バランスを調節する働きとしても活用されている次第であります。

●それから、最近の地下水の取水の現状でございます。

これから申し上げますのは、平成8年の8月におきましても
給水制限がありました。減圧ですが、その8月の時点と、昨年の8月の取水量を比較します。これは、高坂の配水池が満水にならず、取水および、給水ポンプがフル稼働した時の状況でございます。
平成8年では、一日あたりでありますが、4万7千8百トンを取水していました。それが昨年では、4万2千3百トンと、5千5百トンほど、取水量が減少したという事実にことになっています。

昨年の場合は、節水のご協力をいただくとともに、緊急的に民間井戸の借用をいただきまして、なんとか、断水まではいたらなかったわけでございます。
これらの要因。といたしましては、浅井戸の取水量では、平成8年では9400トンほど見込めたわけでございますが、昨年の夏においては、6700トンしか取水できなかった。割合では30%も大幅に減少したものでございます。更には、深井戸におきましては、平成8年より、7%の減少になっています。
今年におきましては、暖冬傾向で推移してまいりましたけれども今年の冬、2月中旬から、夜間とか浅井戸の取水量は、夏に比較し、更に減少しておりまして、現在、3900トンの取水量となっている状況であります。

ま、これらの私どもといたしましては、できるだけ取水量を確保いたしたいしということで、深井戸のメンテナンス、これも年次的におこなっているわけでございます。
昭和60年から、平成10年度までは、18本の井戸について、復元工事を実施をいたしております。
目的ですが、ストレーナの閉塞状態を回復させて取水量の増量をはかるという目的でございますが、効果としましては、ストレーナの位置、掘削年度、掘削方法によるものと思われますが、井戸ごとにそれぞればらつきがあり、増加をみこめた井戸にきましても、総じて2年から、3年ほどの効果にとどまっているという状況でありまして、それらの期間をすぎますと、また元にもどるという現状でございます。
ま、以上のような現状から見ましても、水位低下による、浅井戸の運転不能時間の拡大や、深井戸の揚水水位の低下などによる大幅な取水量の減少をみますと不安定な要素が大きく、特に、夏冬の渇水時期においては、取水排水量のバランスがくずれ、いつこの給水制限、時間断水まで追い込まれるか、大変不安な状況を迎えているところでございます。

なにとぞ、現在の鶴岡水道の取水の現状について、議員からもぜひご理解賜りたいものと思います。

●自己水利用、1万トンあまりの根拠でございますが、
広域水道移行後の自己水利用については、鶴岡水源の一部、旧簡易水道の3水源を考えている。
地下水取水。深井戸28本あるが、。取水量の減少が顕著である浅井戸の大部分については廃止をしていきたいと考えております。
深井戸28本の内、12本につきましては、農家の方々はじめ貴重な用地をお借りしていまして、その用地の中に、井戸を設けているところでございます。。
● 広域水道受水後については用地をお換えしするわけでございますので廃止をする。これらの地権者のみなさまの、用地の返却の考え方でございますが、私ども最低年1回ほど、懇談会をもうけておりますが、やはり、みなさん総じて、返還をしていただきたいという希望でございます。
 なお、この井戸用地としてお借りしてます地権者の皆様には、お約束が当初から、だいぶおくれておるところでございまして、それにもかかわらず、全面的にご協力をいただいるところでありまして、深く感謝している次第でございます。

自己水の利用はできるだけ多くというこれは市民の方からの要望はあります。
私どもとしても、それにできるだけそいたいと言う気持ちはあるわけですが、、
広域水道は、鶴岡だけの問題ではないわけでしてl。庄内全域の問題であるわけです。。自己水を多くすると、広域水道の水量の関係がでてくると、いうことで、また更に受水費の影響を及ぼすという関係でございまして、まず私どもの判断としては、1万トン余りをお願いしたい。というところで、今、調査したものを提出しているところでございます。

公聴会の開催というご質問でございましたけれども、ま広域水道計画については、これまで、関係市町村、それから圏および国などの協議を踏まえ、さらには県議会、さらには関係する市町村議会において、それらの手続きをへて、方針決定されたものでございます。
それを受けてこれまできておりまして、来年には、供給が開始されるという段階でございますので、今、この広域水道について、公聴会を開催をするという考え方はございません。

議会での協議についてですが、次回、また料金改訂をお願いしなければならないわけでございますので、それらの改定案がまとまりまして、議会調整をそのへんの検討はいたしたいと考えております。

□草島進一
地下水位の低下の考え方です。
地下水位は、観測井戸というのがあって、観測井ではかるのが常識なわけです。
熊本には、33カ所の地下水井があって、それではかっているわけですけれど鶴岡の観測井、どうなっているかとおもって、以前、データをだしてくださいといったんですが、鶴岡観測井は十分に整備されていない。0点調整がされていないといったことだったんですねえ。

地下水位というのは、観測井ではからなければいけないのに、それが実行されていない、それでなんで、地下水位が低下しているといわれるのか、それだけちょっとおうかがいします。

●水道部長
観測井では、4カ所ほど設置をされておりますが、これまでの経過のなかでいろいろ維持管理の面とか、その辺で正確性の問題、多少あるといわれています。
地下水位の関係では、さきほども言いましたが、揚水水位、水を上げる水位ですその運転上の関係であります。

□ 草島進一
これさきほど常識的にといったわけですけれども
観測井が地下水位の低下をはかるといったものなんですか、それについてはお認めにならないんですか。

●水道部長
ま、先ほど、申し上げましたように、多少、正確性に問題があるということでありましたので、それらのものについては、まず、せっかくあるものでございますので、これは手直しをして、これから測定をして参りたいと思います。ま、およその関係ではデータ上ではでているはずではございます。

□ 草島進一
□ えーと、観測井についてなんですけど、、要するに、十分にデータもだせない、いうようなことではホントにおそまつなんではないかと思うんです。
基本的にこの観測井、熊本なんかでも非常に重要視されていまして、これによって水位をはかる、これによって、地下水位がさがった、あがったというんですね。揚水によって、地下水位をはかるという方法は私は聞いたことがないんですが。その辺、もう一度、お願いしたい。

もうひとつ、借用地についてです。
また、借用地の井戸について、独自にその井戸の持ち主の方を尋ねまして調べてみました。12の井戸の内、12本の一1本は、開発公社の所有、1本は建設省所有のものです。
10本の内、9名の方に個別にお話を聞くことができました。その内7名の方は、契約の延長については、別に何の影響がない。井戸もせっかくあるもの、もったいないような気がするし、それよりも、この不景気で大変なんだから、公共料金である水道料金をおさえてくれ、といわれておりました。
この廃止しようとしている借用地の井戸は、すべて深井戸で、水量的にも非常に豊富なわけですが、これについては、交渉して再契約してもおかしくないんじゃないでしょうか。

えーと、お答えの中で、地下水の価値というのが、全く感じられない。これ、柴崎先生がせっかく計った地下水井、井戸、これについて、評価されてないような気がするんですけれども、この地下水についてですね、この地下水の価値ということで、水質の面で大きな差がでてきている。これは、今、世界中でいわれていることなんですね。今まで急速ろかの水、これは安全で十分おいしい、といわれてますが、全国で普及しています。しかしながら、なぜ、今、ペットボトルの水を、特に若い人たちは、飲むんですか。
ということなんですね。確かに、全国で急速ろか方式、採用されています。水質や、おいしさ、また、安全性に市民は安心していない。っていうことなんじゃないですか。凝集剤のアルミニウムの混入や、トリハロメタンの他にも、発ガン性物質などの生成物が、世界中で問題になってきているんです。そして、昨年朝日村で発生した、クリプトスポリジウムなどの原虫にも、この急速濾過では何の解決策にもならない。というデータもだされているんです。
そういう状況の中で、あえて、この方式にする。で、この地下水を失おうとしている。1万トンというのは、ほぼ失うも同然です。私は、これ、深刻なことなことだと思うんですね。この地下水、せっかく、一流の先生が認めてくださった地下水ですので、大事にする。これ、ほんとに、みなさんの考えの中に、少しでも入れてほしい。で、土、水、命の研究センター、これ、世界に貢献するバイオを研究するというならば、この水、この自然の数億ものバクテリアで浄化される地下水についての研究は最先端の領域なんです。そのための貴重な資源として残したらどうなんですか。
ホントに、今、月山ダム、この受水が目の前に、この地下水についての価値を失っている。そう思います。柴崎先生が、当時の水道部の、地下水をなんとかしようという意識、それに感激してこの調査してくれた、そういったことに、今、応えてないんじゃないですか。また、今、廃止しようとしている井戸、当時、第3次拡張計画では、2億6千万円ものお金をつかって設置たわけですが、これをみすみすムダにするのか、ということになります。

地下水位、これについて、しっかりと計られていない。私はそれでは、地下水が枯渇しているだとか、低下しているだとか、全く言えないんじゃないかと思うんですね。そうであれば、まだまだ、豊富にあるんではないか。と私は思うんであります。
ま、昨日、契約水量について、見直しはできない、と言ってましたけれども、それについてもその契約水量、ホントに、買えるのか、その水量、使えるのか、僕は本当に不安です。
そういった、不安、それと現に今、足りているという実状を元に、やっぱりこの受水時期ですとかそういったことについても考えるべきなんじゃないかと思うんですね、以上、ご見解をお願いします。

● 水道部長
まあ、観測井については、正式に測定できるような対策はだしますし、これまでのデータ、そういった前提はつきますけれどもお出しするようにいたします。

それから、お借りしている12本の井戸の地権者のご意向を把握されたということでございますが、私どもの把握のしかた、意向といたしましては、これ全然、この、現状どおり、いいですよ、というようなお方はおらない状況であります。その辺もまた、返す予定のこともありますので、それらの意向については確認したいと思います。
それから、地下水の価値について、全然、認識していないということでございますが、これは、やはり地下水のそれぞれのメリット、あるわけでございますので、これについては、何ら否定をするものではございません。水道部といたしましても、できるだけ、地下水は、使っていきたいという考えかたをもっておりますし、また、すぐに全部の取水井戸を廃止をする、といろいろご説明を申し上げましたが、そうした考え方でございませんので、井戸は保全をしていく、というような考え方でございます。それから、トリハロメタンとか、クリプトとかお話がありましたけれども、この広域水道が安全性がないというようなこの問題については、前の議会で、議員からも意見が出されて安全性は大丈夫という私どものお話をだしておりますので、これについては何ら問題はないと考えております。