2001.6月定例会 市議会速報
一般質問編

*お断り

草島の質問と当局の回答の要旨をのせています。速報ですので記憶とメモをたどって書いたものです。よって、文体もまちまちになっています。それから、回答などに誤っているところがあったらご指摘ください。傍聴されていたみなさん。当局のみなさんもよろしく。


1,病院の災害対策について

病院建築中の近所に長らくお住まいの市民や、旧コンマ製作所に勤務していた人など、多数の方から次ぎのような声を聞いていた。

「赤川 のため池で地盤の弱いところであり、工場の建物が盛り上がったり、雨の時は水がふきあがり、水路側溝のコンクリートふたも吹き上げてしまう勢いのところに、なぜ、病院の建物をたてなければならないのか、心配でならない。という声です。」
 私は、阪神大震災の際、被災地の中でダメージを受け、結果的に入院患者が被災してしまった病院を間のあたりにしたとき、災害時の病院の耐震性の重要性を感じました。また安全を保証されていたはずの高速道路や、高層建築のビルが倒壊するのを見たとき、建設に際しては念には念をいれて最善をつくさねばならないことを感じています。

過去の議会議事録を見ると、この新病院建設の敷地は深さ20メートルまでが軟弱地盤。そして20メーターから30メーターまでは砂礫層だけれども悪いところが点在するとある。そしてこの免震構造では地震に耐えられないのではないかと、一級建築士である前市会議員である菅原氏が、指摘をしています。しかし当局からは、これに対しての明快な回答が見あたらず、これには住民同様、私も大きく疑問を感じています。そこで、今ただちに技術的な再確認を、市民のために実施し、不安を解消してはどうかとおもいますがいかがでしょうか。市内には一級建築士会などの専門の方がいらっしゃいますので、そうした方々より技術者を依頼し、第3者的なチェックをしていただくことは大切と思いますがいかがでしょうか。

2,洪水の対処について
また、これも新病院建設地の周辺にお住まいの方、から、「この敷地は集中豪雨などの際、周辺の水が集まりに非常に水のつきやすいところだ」とうかがっています。
また、現在作成中の洪水ハザードマップを見ましたら、この病院の敷地は、どうも市内で最も湛水する地域になっているようですが洪水の際の対処はどのようになっているか。

つまり湛水しても、救急車ははいれるのか。病院機能は維持できるのか。非常に心配になってしまうのですが、どうか。

◎ 病院回答 

1.地盤の調査はおこなっていて、チェックはおこなっているので大丈夫。

草島
災害の際に最も役にたたなければならないのが病院ではないかと思います。
周りの建物が倒壊してもそこだけはしっかりと建っている。災害拠点病院として機能できるか、それとも被災してしまうか。これは市民にとって大きな分かれ目になると思います。
市民の税金から10万人一人5万円の出費をしている病院と聞いています。。そうした意味で、あらゆる災害時の時のための対処を考える。念には念をいれたチェックをする。

病院回答

地盤の調査のやり直しは考えていない。
やり直せといっているんじゃない。不安の声を解消できるような、チェックを再度、市民の見識をもった建築士会とか そうした方々におこなってもらうことはやってもいいんじゃないか。

洪水については、100年に1回想定される赤川氾濫時、ハザードマップでは、2メートルから5メートルの浸水地域。救急車の出入りということだが、この際は、周辺道路が冠水して、周辺にも立ち入りできない。

草島
要は、洪水時には機能できないということですね。丘の上とかにつくれば良かったんではないですか。場所の選定の時に、こうした議論はおこなわれなかったのか。

病院
機能しないというわけではない。洪水ハザードマップの時を想定して対処方法を検討する。

水道政策、水源政策について

◎現段階での予定では今年の10月20日に、水源を広域水道からの取水へ切り替える予定となっている。この新しい水源の管理ということを踏まえながら、端的におたずねしたい。なお、特に水道部長に忠告をいたしますが、答弁は簡潔に、尋ねたことだけお答えいただきたい。

庄内南部広域水道の水源であるダム湖に朝日村の田麦俣集落、33件の下水が流れ込むことになっている。さて、この内、数件の下水は、何の下水処理もされず、垂れ流しになっていると指摘する声があるようだが、この現状をどのように把握されていらっしゃいますか。
この戸数とそれらについての対処をおたずねしたい

→33のうち15件は合併浄化層 他18件は下水垂れ流し状態。そして平成17年にはすべての民家で合併浄化槽をとりつける予定。

q再確認しますが、17年ということは、今年の10月には間にあわないと。要するに、こうしたことが、急速濾過施設の塩素量を増大させ、結局トリハロメタン値をあげることになったりする。どうか。

A 努力すると聞いているが、残念ながら、今年はすべての地域で合併浄化槽がつくものではない。と朝日村から聞いている

草島
河川表流水は、先週も、山形市の水道水源で汚染物質が混入し、その水源を停止するといった事故がありました。まず、表流水のリスクは地下水に比べ、ぐっと高くなるのだということを指摘したい。

1,厚生省のおいしい水道水85年に
日本水道コンサルティング おいしい水研究の第一人者 小島貞男博士によるランクづけによれば

1,特級品 湧き水や良質な地下水を塩素消毒しただけの水道水
2,一級品 汚れていない川や湖、伏流水を「緩速濾過」しただけの水道水
3,二級品 河川水を「急速濾過」した水道水
4,それ以下 汚れた河川水を「急速濾過」した水道水

これでいけば、鶴岡の水は、特級品から2級品に格下げになる。水道料金が高くなると同時にこうしたサービスの低下が生じる。

特に、急速濾過については、その濾過の不十分さが指摘され、5月18日には、鳥取市でこの浄化施設の建設差し止めの訴訟がおこなわれています。

□ この急速濾過の浄化施設は、
■ 水に溶解している物質は除きにくい。
アンモニア、カビ臭などの物質、マンガンなど。
■クリプトスポリジウムが通過してしまう。
■ トリハロメタン他の有機塩素化合物の生成 ちなみに、いままでの水道部長の説明では基準値内だから大丈夫のような答弁がありましたが、基準値内でも流産を誘発するというレポートが98年の2月にカリフォルニア州健康局からだされているんです。
■ こうした議論はアメリカなどではさかんにおこなわれ、急速濾過は、不十分な濾過のため、膜処理、オゾン処理、高度浄化を併用するに至っています。そして、緩速濾過方式、などが見直されています。

さて、鶴岡でどのような水道を供給するか、私たちは問われていると思うのですが、特に、水源地域のこうした状況や問題が多く指摘されている急速濾過方式の水道水に切り替えることはやめるべきであると思います。

急速濾過方式の水について水道部の見解をおたずねします。

水道部長
寒河江ダムからの水は厚生省のおいしい水に選ばれている。
急速濾過方式の水も国の基準を十分満たすおいしくて安全な水である。

草島
国の基準値内ということだが、基準値内でも安心できない水のために浄水器やペットボトルの水を買うことになっている。これはまさに水道の受難者。水道難民だと思う。こうした水道難民を鶴岡でつくってはいけないと思う。ぜひ検討をしていいただきたい。


解説 草島進一 2001.6.13

◎新病院 洪水の時は、2m〜5mの湛水地域。周辺地域住民と避難せねばならぬか。100年に1回の洪水だから、いつもは心配いらないけれど。でもねえ。うーむ。免震構造の採用など、準備室はとても良くがんばっているように感じられたのに。要するに場所の選定の際の問題か。

◎水道問題。以前から水道部やダム工事事務所から「梵字川は県内で有数のきれいな水で、水源地域には集落も少なく、、、。」と説明をうけていた。でもまてよ、「集落も少なく」とは「集落がある」ということ。それじゃ下水はどうなっているか朝日村役場に聞きに行くと案の定下水処理がない家が18カ所と集落の半数以上あった。それでこの質問。17年までには全部に浄化槽がつくなどと言っている場合か? 水源の汚染原因をそのまま容認しながらこの水源切り替えをおこなってはならない。それに、アメリカの学会では、急速濾過方式の浄水場はもうあてにならないことで有名になっている。そして発ガン物質トリハロメタンを生成することで、別の濾過方法が検討、採用されている。オゾン滅菌、膜濾過、そして古いローテクだが非常に効果がある緩速濾過方式の浄水場だ。 「国の基準は満たしている」けれど、「水道難民」をつくりだしているこの国。

おかしいと思わないのか。絶対、東北地方で随一の地下水源を飲み続けてきた、そして同水源を業者がその水を売っている鶴岡で、ペットボトルや浄水器に頼らざるをえない「水道難民」をつくりだしてはいけない。