山形新聞 社説 2月12日

水道料金 全国一の“高さ”是正
県内では高い水道料金が問題になっている。山紫水明、自然豊かな県土なのに、水道料金が全国一の料金になっている。水道は市民生活に直結した最も基礎的な公共料金であり、高い水道料は県民生活を直撃、大きな負担になっている。
高料金の是正に努め、自然に恵まれた県土に住む豊かさを享受したい。
日本水道協会の調べによると、平成10年度の家庭用水取るよう金は、十立方メートルあたり、全国平均が1446.2円だったのに対し、本県は2081.8円だった。全国平均に比べ、実に1.43倍の高い料金となっており、47都道府県の中で最も高い水を使っていることになる。
最上川が貫流、山林面積で全国8位の広さをもつ県土であり、水資源には恵まれているはずなのに、水道料金だけが全国一高いというのはどうしたことだろう。
その主な要因としては広域水道から受水する市町村が増えていることが挙げられる。広域水道は多目的ダム建設などに合わせ計画され給水してきたが、給水開始からの経過年数が短く、減価償却費が高いという背景がある。
また県などの説明では、給水面積に対し、給水人口が少なく投資効果が低いこと、中山間地が多く、送水や配水施設を整備するのに経費が高くつくことなどを高料金の理由として挙げている。
確かに、村山地区や置賜地区での広域水道整備は水道水の安定供給という願いをかなえることになったが、それにしても高すぎる水道料金は市民生活にとては大きな負担となっている。広域水道は高度経済成長時代に計画され、水需要の急増を踏まえた施設整備となったという側面もある。
しかし、県内では給水効率が悪いとする理由や中山間部が多く施設整備の経費が高くつくという理由は、本県の水道料金が高くなる理由としては極めて薄弱だ。本県の水道普及率は平成9年3月末時点で、95.9%であり、全国平均の96%よりもわずかながら低率になっている。他県に比べて特に普及率が高く、給水効率が悪いといえるような状況ではない。
県内市町村の高い水道料金を低く抑えるため、広域水道事業を行っている企業局に対して県は事業費の出資をするなど高料金対策を実施してきた。そうした対策をより充実しながら、さらに会計の特質を十分生かしながら企業努力を発揮して、より安い水道料金での給水が求められる。少なくとも水道料金が全国一の県などというのでは説明がつかない。


毎日新聞1月15日

村山・置賜地区の広域用水 「水道卸値20%値下げへ」

県企業局は、14日、村山・置賜地区の広域水道用水の卸値を20%程度引き下げる方針を明らかにした。県内水道料金は全国的に高水準で、引き下げが来たいされている。しかし、用水を使う自治体の水道財政が厳しく、県の引き下げが家庭用料金などの値下げに直結するかは不透明だ。

両地域の広域水道は、83年と84年から供給が始まり、現在、8市8町の60万人以上が利用している。県内は、他県より整備が遅れ、巨額の整備投資を回収しているため、高料金になっている。企業局は浄水場の経費を節約、高利の企業債を借り換え、用水の販売量も増やしている。こうした対応で、村山地区では新年度から10年間、20%程度の料金引き下げのめどが立った。2月定例県議会に料金条例の改定案を提出する。一方、県の用水を買い、家庭などに配水している自治体は、水道料金の値下げに慎重なケースが目立つ。村山地区のある市は、市一般会計から多額の補助を受け、水道事業の赤字を防いでいる。このため、県が値下げしても、補助が減らされ値下げができない可能性があるという。古くなった水道施設を取り換える検討をしている自治体もあり、県の値下げで浮いた経費を施設改善に使う検討ををしている。(松田 健)


読売新聞99.12.9

水道料 5年連続全国最高 家庭用2104円 平均の1.4倍

山形県の家庭用上水道料金(使用水量10立法メートルで計算)の今年4月現在の平均月額が、47都道府県で1番高いことが、8日、わかった。厚生省の外郭団体、日本水道協会によると、山形の平均額2104円は、全国平均の約1.4倍。5年連続の最高額となった。

県内の水道事業者の数は36で、給水人口は112万人。料金の平均月額は、全国平均(1463円)を大きく上回り、最低額の神奈川県(720円)と比べると実に約3倍。東北には料金の高い県が多く、全国の”ワースト3”は、山形、宮城、青森の潤。一方、額が安いのは、神奈川、山梨、東京の順。また、給水人口別にみた全国比較でも、酒田市が「10万|30万人。で3位、天童市が「5万ー10万人」の5位などと、県内自治体が高額ランキングの全国上位を占めている。

県は、高額になる理由を、「山間地が多く、給水管工事の費用が高くなる。その上給水世帯が広範囲に呼ぶため、給配水設備のコストが割高になる」と説明しており、山形が「全国上位」から外れることは当分なさそうだ。