鶴岡市議会 総括質疑2000年3月定例会 水道事業についての質問

水道事業(広域水道など)について

私は、広域水道事業については、市長とは見解を異にしておりますが、市長提案の内容について、おたずねしたいと思います。

「住みやすい魅力のある町」をつくっていく。
これは、21世紀、地方分権の時代、また少子高齢で人口減少が叫ばれる時代、非常に需要なことだと、先ほども述べました。
自治体間では、「町の魅力」「住民サービス」を少しでも高め、なんとか人口流出をおさえるための戦略を練る、そうした時代がやってくると私は感じています。
この町の魅力を支える未来の資源というべきものが、この鶴岡では、この地下水源からの水ではないか。私は再三にわたって一般質問などで、指摘してまいりました。
そして、この誰もが認めるおいしい水が豊富にありながら、
それをほぼ失い、全国一高いといわれている山形県の広域水道に移行することは、町の魅力をおおいに失うのではないか。そして、運用されれば今の試算にもとづくならば、13年度より市で年間24億円の負担がいっきょにのしかかり、市民全員が支払う公共料金である水道料金が現在の2倍以上にはねあがる。これは本当に市民生活にとって、重大なことと、危機感を日に日につのらせております

1,公共料金として水道料金が、現状のほぼ2倍以上と、全国で最も高いレベルの料金になること。
2,水質の面で、今までの地下水よりも質が落ちること。
これは、明らかな住民サービスの低下ではないでしょうか。

研究者によれば、国の押し進めてきた広域水道政策は、
長良川河口堰や、諫早干拓事業などと同様、「政治家、・官僚・ゼネコン」の鉄のトライアングルとよぶべき悪行であり、
国主導でダム開発を中心にした巨大公共事業そのものであると指摘されています。建設推進が決定されると、ほぼ何の見直しもおこなわれず、その中で、水需要の読みの甘さや、建設費の増大により、結局は、末端の水道の受益者である市民への水道の高料金となってはねかえり、住民負担によって、見通しの甘さのつじつまをあわせているといった現状があり、往々にして自治体水道の破綻という結果をひきおこしている現状が数多くあるとのことです。

山形県の広域水道も例にもれず、現在、、広域水道から受水する市町村のうち、新庄市、村山市など7事業体は、その負担を住民の水道料金では賄いきれず、国の高料金対策として補助金を受け取っています。にもかかわらず全国一の料金水準で12年度、山形県では、村山広域水道、置賜広域水道から各市町村への受水費を平均20パーセント引き下げる措置が12年度県予算案に示されているのですが、それでもなお、結果的に末端の水道料金では下がらずに、ワースト1はくづれていません。これは、明らかに水道事業の破綻を意味していると思います。

山形県は、山河に恵まれながらも、水道料金が全国でワーストワンと、「くらしにくい」というイメージを全国に発信する結果になっています。
この全国で最も高い水道料金をひきおこしている、言ってみれば全国で最も経営感覚として非常に問題のある契約をしようというのが、今回の庄内南部の広域水道計画ということになります。

庄内南部広域水道の場合、右肩あがりの昭和55年にたてた計画が、国の人口推計や、水需要の読みが大きくずれ、県もその水需要のズレという状況を全く把握せず見直しがおこなわれず、、ほぼ、当初計画のまま過大な水源施設が確保されました。
現状、鶴岡市の自己水源である地下水は、十分に保有されている。そうした
ダムからの受水移行の根拠も疑問視されるような、状況があるにもかかわらず、、事業は推進されています。また、責任水量制をとっているため、水量に関係なく、一定の料金の償還をしていかなくてはいけないという契約があり、さらに結果的に水道料金の高料金を引き起こすと予測されています。そして、この人口減少が予測される時代、人口がもし減少すると、水道料金はどんどん高くなっていくのではないか、と懸念されているわけです。l

また、庄内南部広域水道事業計画が、昭和55年、市議会で同意決議された当時、ダムの建設費用は780億円、広域水道事業の総事業費は230億円だった。現在、ダムの建設費用1780億円、広域水道事業の総事業費が510億円に膨張している。水道料金に影響する事業費増加の理由とその負担について、ほとんど受益者である市民に説明されないまま、今に至っている、つまり、行政の真実についてのアカウンタビリティ、説明責任をおこたっている。

これは、本当に大きな問題です。

水道事業は、水道法によれば、水道受益者である、住民の主権を念頭において、「清浄、豊富、低廉」な水道水を送り出すという事が基本です。

現在、鶴岡には、実績として、最大5万800トンに耐えうる、水道源水としては最高の地下水源があります。人為的ミスや施設的な能力不足はあっても自然の地下水枯渇による市民生活への深刻な影響のある給水制限はありません。

水道受益者である、鶴岡市市民10万人は、「低廉」という基本原則から、大きく逸脱をし、「特別に」おいしい」という付加価値も失った、水を買い、飲まなくてはいけません。

このまさに、危機的状況の中で、月山ダム、計画段階からの国、県との行政間のやりとりを重要視されるのか、それとも、住民へのサービスを第一とされるのか、今、まさに問われているところではないかと思います。
 
住民へのサービスを第一とするならば、行政単位では市民に最も近い場所にいらっしゃる市長は、このまさに、「くらしにくさ」を全国にアピールするような水道料金高騰、と水質の低下という、住民サービスとしてほぼ明らかな低下を招くことなど、きわめて問題の多い、この広域水道の受水について、市長は、市民の立場にたって、矛盾はないのですか。
認識をお尋ねします。

また、この庄内南部計画策定の根拠となった水需要予測をたて、結果的に重大な過ちを犯し、受水市町村の受益者である市民にたいして、ムダな負担をかけようとしている国や県に対して、その責任を追及すべきではないかという専門家の声もあります。

そうした方法を何かお考えになっていらっしゃるのか。おたずねしたいと思います。


この後市長の発言要旨

○民主主義手続きによって、決定したことなので、見直しはありえない。

○水道部の広報「すいすい」などで情報は十分流している

○できるだけ料金の引き下げには努力する。

など、今までの姿勢と同様、抜本的な見直しの方向は全くない、「市民の側より行政間のやりとり重視」「現状がどうあっても、決めたことだから」という感じの答弁だったと思う。

いいのか、これで?ホントに鶴岡の風土、台無しになるのに?

をうけいれるということか。


総括質疑、先日、2月25日、議会での大先輩、石川一郎議員と2人で、「私利私欲じゃなくて、21世紀の公益を考えよう!」ということで、「公益21の会」という議会内会派を申請。3人より議会の正式会派ということで、正式な会はとしては認められず、「総括質疑は、3月と9月の2回」「議会運営委員会と、会派代表者会議はオブザーバー」ということで、今回は初の「総括質疑」の時間をいただいた。質疑は無制限。しかしながら、議運の申し合わせ事項で、総括質疑は、あくまで市長提案について、その考え方を問うもので、委員会で問えばいいようなことを問うたりするものではないこと。そして、質疑の前に、「再質問なし」というようなことがしきりにいわれた。質問についての答弁もれがあっても、か。

以前の議事録を読むと提案があったり、非常に自由奔放な感じの質疑もあったのだが、何か、今回は、かなり何か制限がかかった。それと、一般質問で同じことで質問をしてはいけない。とのこと。ふーん。

しかしながら、僕は、今回、全く同じ項目「広域水道計画と水道政策について」徹底的に問う。おまけに意見書も提出。めげずにかんばろう。