とある土曜夜のメールから・・

〜のぞみのつぶやき〜

1999年6月19日 角田 望


1999年6月19日(土).私は深夜パソコンに向かっていました.私がメールを書くのはなぜかいつも深夜なのです.いつもの,たいてはどうでもいいおしゃべりと必要に迫られた連絡・・

が,その土曜日はなぜかそういう気持ちになったのです.その日の帰り道に心の中に浮かんできたよしなしごとをふとコトバにしてみたくなったのです.そしてどうせコトバにするなら誰かに聞いてもらいたくなったのです.以下は,そんな私の「つぶやき」です.

そう,これもいつものように泡のごとくはかなく消えていく「つぶやき」のはずでした.しかし私はすっかり忘れていたのです.そのメールの送信先の一人にユニトピア編集担当がいたことを・・


拝啓 ユニセフクラブのみんなへ

みなさまこんばんは.

別に暇人というわけではないのですが,ちょっと思いついたことをつらつらと書こうかなぁという気分です.できればおつきあいくださいませ.

今日の夜はチャレンジクラブに行っていました.(チャレンジクラブ=大山崎町にある青少年地域クラブ.学童保育の延長のような,大人と子供がともに学びあう「場」.私は基本的に週1回中学生に勉強を教えに行っている.)チャレンジに行くと,ユニセフクラブにたまにしか来られない人のことを考えます.チャレンジもユニセフ同様,「これをする」という明確な活動内容,目的のないところです.地域での活動という性格から,内部の結びつきはかなり強く,お互いに活動上の関わり以上の普段の関わりを持っています. そこへとつぜんやってきた私という存在.時間的にも週1〜2回ぐらいしか顔を出せず,地理的にも遠く離れていて気軽には来られない・・・.

みんなにとっては日常の,くつろぎの場が私にとってはいつも緊張と新しい発見の連続です.それを実感するたびにユニセフクラブにたまにやってくる人たちのことを考えます.みんなはこういう気持ちでユニセフに来ているのだろうか・・.

同じ場所で同じ時間を過ごしていても,求めているものが違うことは明らかです.むこうが私に対してもどかしく思うこともあるだろうし,私も居心地の悪さを感じないわけではありません.けれどもそこであきらめてしまうのではなく,いろいろな関わり方をする人がそれぞれに何かを得ることのできる場であればいいなぁと思います.ユニセフも,チャレンジも.本当にお互いエネルギーと忍耐のいることだと思いますが,そこをあきらめたくはないと今のところは思っています.

そんなことを考えていると昨日の例会の帰り道のあやちゃん※の言葉が思い出されます.「ユニセフクラブってなんだか家族みたいなものですね.私なんかはたまにしか来られないから遠くに行ってる娘かな?で,たまに帰ってきてお話をする・・.帰ってこられる場所っていう感じなんでしょうね.」

なんというか,とても感動しました.ユニセフクラブが,たくさんの人にとってこんなふうに感じることのできる場所になればどんなにいいことでしょう.

チャレンジでの話に戻ります.

「内部メンバー」以外の人にとって連絡がきっちり行かないことや,相談なしに勝手に物事が進んでしまうことはもちろんあまり気分のいいことではないと思います.でも,それぞれに「貢献」の度合いは違うのだからそれはある程度仕方がないと割り切れる部分だと思います.それよりも何よりももっと大切にしなければいけないのはもっと人間どうしの関わり合いの部分だと思います.「最近どうしてるの?」「昨日こんなことがあって・・」 私のような関わり方をするものにとって本当に嬉しいのが何気ない会話,そして挨拶です.自分の存在をみんなが認めてくれている,それが実感できるだけで十分なのです.「こんにちは.」「バイバイ,またね.」「おつかれさま」そんな当たり前の,でも慌ただしさにかまけてつい忘れてしまいそうなことば.3号BOXでも大切にしていきたいと思います.

そういえばずっと前あやちゃんも言ってたっけなぁ.あれは例会後の雑談の時間でした.

「私にとってはこんなふうにみなさんとお話しする時間もとっても大切な時間なんですよ.」

これらは私の個人的な考えなので違う感じ方をする人もいるかもしれません.しかもかくいう私自身もこれらのことがきちんとできているとは全く思えません.けれども,新しい人がたくさんBOXにあらわれる時期なので,普段私が他の場所での経験を通じて感じていることを皆さんにも伝えておきたくて気の向くままに書いてきました.自分自身に言い聞かせるという意味も込めて・・

新しい1回生にとって,たまにやってくる人にとって,そして普段から3号BOXに出入りしている人にとって,みんなにとってユニセフクラブが気持ちのよい場所でありますように・・

それでは,おやすみなさい.

編注

※ 小塚史子さん。工繊大の2回生で、近頃よくユニセフクラブに来てくれます。

 

 

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