新歓合宿報告

98/07/17 田岡直博


1.趣旨

今年も下記のとおり新歓合宿が行われました。内容は昨年度に引き続きワークショップで、ファシリテーターも池住義憲さんに依頼したところ快く引き受けてくださいました。この合宿を通じてユニセフクラブのメンバーの(特に新入生との)親睦を深めること、各人の問題意識を共有し、掘り下げることを趣旨として掲げました。

2.概要

内容:ワークショップ

ファシリテーター:池住義憲さん

場所:曹洞宗乾窓院

時 :6月20日(昼)〜21日(昼)

参加者:20人程度

3.プログラム

・1日目

自己紹介

 自分について語る。全員が一通り終わったら池住さんの自己紹介。

最近の関心事

 2人で向かい合って座り、一方が最近の関心事について3分間ひたすら話す、もう一方は体全体で聞く。終わったら話し手と聞き手が交代して再開。最後に全員で簡単にシェアリング。

不倫

 2人で向かい合って不倫について是非を討論(5,6分)。終わったら全員でシェアリング、簡単な討論。池住さんの実体験も交えた話。

(夕食)

 夕食後の一連のワークは「非暴力トレーニング」と言って、非暴力的な手段を用いて市民が社会を変革していくための手法を学ぶというもの。

ハンカチ獲り

 2グループに別れ、2列に並ぶ。前の人の肩にそれぞれ手をかけて、ムカデみたいになる。各列の最後尾の人のお尻にハンカチをつけて、列の先頭の人が相手チームのハンカチを獲れば勝ち。1回目が終われば作戦タイムを取る。

 「闘争心」について。たかがハンカチを獲ることと言ってしまえばそれまでなのだが、みんな闘争心を持っている。その闘争心を持っていると自覚することから始まる。

向かい合って真似をする

 2列に向かい合って並び、間に見えない鏡があると想定して一方の動きをもう一方が真似する。最初は速く真似されないように動くが、だんだんゆっくり動くようにする。

そのうち相手との一体感が生まれたり、相手のことを考えて動くようにならなかったか?

大声を出す

 2列になって向かい合って並び、片方は力を抜いてハミング。もう一方は大声を出したり、体を動かしたりして邪魔をする。ただし相手の体に触れてはならない。大声を出す方はたった1分半でもかなり疲れる。ハミングをする方は長続きする。これを現実世界に対応させて見ると…。

警官

 ロールプレイです。やはり2列で向かい合って並び、一方が警官(A)の役、もう一方が一般市民(B)の役を演じます。役を替えて2回行ったのですが、2回目の場面設定は「無灯火の自転車を押して歩いているBが公園に差し掛かりました。実はその公園では何やら不審な事件などがあったらしく、通報を受けた警官(A)がパトロールしていたところ。Bに出くわした警官は何と言って声をかけるか。」というところからスタートしました。

 とにかく警官役の人間は相手を逃がすまいとして、執拗に職務質問と言いがかりをつけて引き止めます。Bの対応はさまざまで、「はい、すいませんでした」と従順に謝って早く解放してもらおうとするもの、「いや自転車のライトが壊れてるんですよ」と言い分けを始めるものまでいてかなり盛り上がりました。

 警官は任意の職務質問をしているだけなので、Bは拒否できます。しかもBの体に触れることはできません。そこでBの方から先に警官に声をかけて「いつもごくろうさまです」などと言いながら脇をとおりすぎてしまうと、警官はなすすべがありません。

 質問する側が主導権を握るということ。市民は警官に対して権利を持っていることを自覚すること。不当な捜査、職務質問等に対してはきちんと権利を主張していくこと。

ワールドカップ観戦

 日本対クロアチア戦。なんでこんな日に合宿やるんや、という不満も。

宴会

 宴会がない合宿なんて…。ということで夜通し酒を飲みながら語り合いました。途中、北野天満宮に行くものあり、朝まで起きているものあり、というあり様で当然翌朝のワークショップに支障を来たすはめになりました。

・2日目

ディベート

 前日の飲み会が響いて朝1時間寝坊。仕方ないので朝ご飯抜きでワークショップすることになりました。「死刑制度」についての是非をめぐるディベートを行いました。死刑反対(廃止)派が圧倒的多数だったのですが、賛成(存置)派に何人かまわって、眠たい人はオブザーバーになって始めました。終始反対派が優勢で、結局賛成派はいいところなく終わりました。

 死刑反対派は過渡的な措置として終身刑(≠無期懲役)を設けることで一致していたようでした。死刑廃止を進めるのならば、それと同時進行で犯罪被害者にたいする救済措置、補償を厚くしていくことが必要でしょう。死刑賛成派は冤罪だけとってみても勝ち目がないと判断したのでいかに話をうまく逸らすかということに腐心しました。

4.参加者の感想

合宿全体について

  • 2日目の朝のことを考えた方がよい。徹夜は好ましくない。
  • 飲み会で語り合えたことは非常に有意義だった。エネルギーを充電させてもらった。
  • ワークショップは非常に発見があった。池住さんに感謝。
  • もっと自主性を持って合宿を企画すべき。池住さんにまかせっきりというのはどうか。
  • くだけた雰囲気で話し合えたのはとてもよかった。
  • 死刑制度のディベートについて

  • 自分の考えと違う立場で主張することの難しさを知った。
  • 100年、200年というスパンで考えていくことを忘れていたので、ハッとした。
  • 「人を殺してはいけない」ということは絶対にしてはいけないことだと言えるのか。
  • 大多数が現状維持を望んでいる世の中で、社会を変革することの難しさを考えたい。
  • 5.担当者の反省

     昨年も新歓合宿を担当し、池住さんのワークショップを企画しました。今年もあまり昨年度と代わり映えのしない企画 (もちろんワークショップ自体は変わっているので新鮮で刺激的なのですが)になってしまいました。池住さんにまかせっきりにするのではなく、自分たちで自主的に企画しテーマ設定することを考えてはどうか、という批判もあり再考を迫られています。

     そもそも新歓合宿でワークショップする際の難点は、参加者の半分くらいはワークショップを体験したことがなくどのようなものか想像もつかない。さらに昨年度のようにテーマを募集してもあまり出てこないというような状況があり、参加者が何を求めているのかが掴めないということにあると思います。それに対して池住さんは参加者の反応や興味関心をうまく引き出しその場でワークショップを作り上げていくという手法を取られるので、こちらとしては大変望ましい形で進行していただける。そしてせっかく池住さんを呼ぶのだからできる限り時間を割いて、できる限り多くの人に参加していただきたい。それゆえ池住さんに全部まかせっきりにしている、というような現状なのだと認識しています。

     その上で新歓合宿をより自主的に企画運営し、より充実したものにしていこうとするならば、新歓合宿担当に複数(ワークショップを内容とするのであればワークショップを知るもの)を置いて、遅くとも4月から企画準備を始めることが必要だと思います。多忙な池住さんへの依頼は2ヶ月前では遅いです。(ちなみに今年は5月中旬にぼくがレジュメをきった時点で担当者になってしまいました。)そしてユニセフクラブのメンバーからワークショップに対する希望、興味、関心などを引き出すための働きかけ、合宿を作り上げていくための努力を惜しまないことが必要だと思います。まさに合宿担当者にはファシリテーターとしての能力が要求されるわけで、合宿を作り上げるという作業自体がワークショップとしての意味を持ちうると言うこともできると思うのです。(こういうことを言うと運営担当ことファシリテーターたらねばならないと思うのですが)

     もちろんこれはぼくの担当した2回の合宿についての反省に過ぎませんから、来年度の担当者は自由な発想に基づいて(できれば合宿をするのかどうかというところから)企画していただければいいと思います。この反省が来年度以降の合宿において、何らかの意味を持ちうることを望みます。

     

     

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