東大生研と住友電工 設立
1999年11月18日 日本経済新聞 朝刊
東京大学生産技術研究所は住友電気工業と共同で、研究開発型のベンチャー企業、宇宙情報技術研究所(東京、03・3423・5901)を設立した。村井俊治教授が開発したデジタル航空写真技術を応用し、航空写真を基にデジタル地図を製造販売。高度道路交通システム(ITS)や気象解析の受託研究もする。2001年4月から事業を始め、5年後をメドに年商20億円を目指す。
宇宙情報技術研究所の資本金は2億円で、住友電工が90%、生産技術研究所の教官6人が合計10%を出資。生産技術研究所の高木幹雄名誉教授(現東京理科大学教授)が社長に就任した。
実用化を目指すのは、飛行機に高精度の電荷結合素子(CCD)センサーと全地球測位システム(GPS)などを搭載し、約500メートルの高度で移動しながら地上を撮影する技術。1時間に200平方キロメートルの広範囲の撮影が可能で、画像を安価に提供できるという。
衛星写真の解像度が約80センチなのに対し、新技術はカメラを使う従来のアナログ航空写真と同等の最高5センチまでの精度があり、建物の高さなど立体構造や移動中の車のナンバーなども判別できるという。
1999年12月7日 東京大学新聞
11月17日、東京大学生産技術研究所(生産研、港区六本木)において「株式会社宇宙情報技術研究所」の発足に関する記者会見が行われた。同社は生産研教官6人と住友電気工業株式会社の共同出資により設立され、本格的な産学連携事業を目指す。
新会社は、リモートセンシング(遠隔計測)やGIS(地理情報システム)などの空間情報を計測、解析、利用するための新しい技術の研究開発、利用促進、コンサルタントを主たる事業とし、生産研・村井俊治教授の特許技術であるスリーラインスキャナー(TLS)の実用化、利用促進を当面の事業対象とする。TLSは、航空機に搭載して地表面を観測する画像センサで、地表面の3次元情報及び車両等の移動する物体の移動方向、速度を観測することができる。また同システムは撮影時に直接画像をデジタルデータとして記録することが可能であり、フィルム等の中間媒体を使用する従来の航空写真利用に比べ多くの手間が省ける。
生産研の教官が設立したベンチャー企業としては、既にシリコン製造のアイデアを生かした「アイアイエスマテリアル」があり、今回設立された会社は、生産研による産学連携ベンチャー企業の第2号となる。なお代表取締役社長は生産研名誉教授の高木幹夫氏、資本金は2億円とし、本社は住友電工東京本社内に置く。(編集部・鳥谷 亘)