東大病院

顔面神経マヒ女性手術

マユ左右取り違え

1999年10月26日 読売新聞朝刊


 東京大学医学部付属病院(東京都文京区、武谷雄二院長)で今月22日、顔面神経マヒの女性患者のまゆ毛を修正する手術を行った際、執刀医が左右のまゆを取り違えていたことが25日わかった。この医療事故を受けて、同病院は25日、「リスクマネージメント委員会」を開き、対策を協議した。

 同病院によると、この女性は、顔面マヒのため右まゆ毛全体が垂れ下がったため、皮膚の下にナイロン糸を入れ、額上部からまゆ毛付近の皮膚をつり上げ、固定する内視鏡手術を受けた。執刀は30代の形成外科助手が行い、今月22日午後1時過ぎに始まり、約1時間で終了した。女性患者が同日夕、「手術をしたはずの顔の右側ではなく、反対側に痛みを感じる」と訴えたため、左右のまゆ毛を取り違えたことが判明。同助手は同日中に再手術を行った。助手は、手術直前、執刀部位に油性ペンでしるしをつけた。その際、反対側に「しるし」を付けてしまったという。


顔の左右間違え手術
形成外科30代医師 

東大病院、患者に謝罪

1999年10月26日 毎日新聞朝刊


 東京都文京区の東京大医学部付属病院(武谷雄二病院長)で、顔面神経まひの女性の手術をした形成外科の医師が顔の左右を取り違え、正常なまゆに手術を施していたことが25日、分かった。患者の訴えで再手術し、後遺症の心配はないというが、病院側はミスを認めて患者側に謝罪した。

 病院によると、この患者は成人女性で、右のまゆが下がって物が見えにくいなどの症状が出て20日に入院した。形成外科の30代の医師が22日、全身麻酔をかけたうえで、まゆの筋肉をつり上げる手術をしたが、誤って左のまゆにしてしまったという。麻酔から覚めた患者の抗議で、左のまゆの筋肉を元に戻し、右のまゆを改めて手術した。

 病院では手術部位の取り違え防止のため、手術前の執刀医に部位を写真で確認することを定めている。医師は「確認した」と主張しているが、全身麻酔を施すと患者のまゆは両方とも下がり、どちらが異常か区別できなくなることもあるという。病院側は医師が思い込みで左右を取り違えた可能性が高いとみている。

 病院は23日、文部省医学教育課に事故を口頭で報告する一方、内部で善後策を協議。同病院の波利井清紀・形成外科長は「手術部位のマーキングの徹底など『事故防止マニュアル』作成を早急に進めたい」と話している。


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