国立大「独立行政法人化」問題

大学間の競争激化も


   1999年10月25日 読売新聞朝刊(学ぶ・育てる)

 

 国立大学が2001年度以降の遠くない段階に、独立行政法人という新しい形態に生まれ変わる見通しが確実になってきた。「各大学が教育研究の質で競争する時代に入る」と文部省は説明する。独立行政法人とは何なのか。最近の論議の動きをまとめた。(解説部 徳永文一)

(中略)

 授業料などは不透明

 国と私立大学との関係は、主に新設学部などの認可、経費助成の2点で、国立大学が独立行政法人化されても、国との関係は私立大学より圧倒的に濃いことに変わりない。では、独立行政法人になれば、どう変わるのか。文部省では変革の大きな中身として3点を指摘した。

 まず、評価制度の導入によって教育・研究の競争の時代を迎えること、目標・計画を立てることによって、講座や学部ごとにばらばらになりがちだった組織に求心力が生まれ、学長のリーダーシップが発揮しやすくなること、3点目は、国の管理から離れ、自分で判断し自分で責任を持つという意識改革につながること、だという。

 授業料も、現在は「国立学校における授業料その他の費用に関する省令」で一律に決められているが、独立行政法人になればこの省令の適用もなくなる。大学ごとに授業料が異なるものになるのか、値上げにつながらないか、などはまだはっきりしていない。

 また、独立行政法人に対する評価・検討の結果を受けて、効率性の観点などから大学間の統合が進む可能性を、文部省は否定していない。

 18歳人口は今後、さらに減り続けるから、大学進学率に変動はあったとしても、私大を含め大学分布図に大きな影響を与えるのは間違いない。文部省の言う大学間競争は、極めて激しいものとなるかもしれない。

 「大学は社会の発展を支える重要な役割を担っており、諸外国でも国立大学が大きな地位を占めている」として、同省は、独立行政法人となっても、国がいま以上の支出をしていくべきだとしている。

 文部省では今後、国会、政府関係や国大協との調整を進め、2000年度のできるだけ早い時期に特例措置などの具体的方向について結論を出し、その後、制度の詳細について、「十分に時間をかけて慎重に検討していく」としている。

   

大学

学生数

備   考

アメリカ

州立・公立
私 立

27%
73%

66%
34%

州立大の多くは州の法律などで法人格を与えられている

イギリス

国 立
私 立

99%
 1%


運営費での公費支出の割合が高く、実質的にほぼすべてが国立として機能

フランス

国 立
私 立

83%
17%

98%
 2%

法人格を持ち、教育、研究、財政などに関する自治権を持つ国家施設と規定

ドイツ

州 立
その他

80%
20%

98%
 2%

公法上の団体で、同時に州の機関として、法人格を有する団体と行政機関の一部としての両方の性格を併せ持つ

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