「今後の国立大学等の在り方に

関する懇談会」の初会合

 

慎重な意見相次ぐ 国立大法人化 文相懇が初会合

 1999年8月11日 東京新聞 朝刊より

 国立大学の独立行政法人化問題などについて話し合う有馬朗人文相の私的懇談会「今後の国立大学等の在り方に関する懇談会」の第1回会合が10日、開かれた。国立大学協会の会長OB4人を含む8人の識者のほか、有馬文相も出席し、フリートーキング形式で話し合いが行われた。メンバーからは「教育の成果も短期間では評価しにくい」「必要な学問分野が効率性のために切り捨てられることのないよう、評価システムによる配慮が必要」など、現在の独立行政法人通則法のもとでの法人化については、慎重な意見が相次いだ。文部省では、独立行政法人化問題での対応を来月にも決めるとみられ、8月中だけで3回の懇談会を開くなど検討作業を急いでいる。

 

国立大学懇が初会合 独立行政法人化を協議

 1999年8月11日 読売新聞 朝刊より

 国立大学の独立行政法人化問題を検討する文部省の懇談会「今後の国立大学等の在り方に関する懇談会」の初会合が10日、東京・千代田区の霞が関ビルで開かれた。

 文部省では懇談会の議論を踏まえ、年内に国立大学の設置形態について方針をまとめる。

 懇談会であいさつした有馬文相は、「日本の大学が世界に冠たるものになるという目標に向けて、独立行政法人がふさわしい形態なのか。ふさわしくないとすれば、どうすればいいかなど検討してもらいたい」と述べた。

 

「投資拡大が前提に必要」 国立大法人化、初懇談会

1999年8月11日 朝日新聞 朝刊より

 国立大学の独立行政法人化を検討している文部省は10日、識者を集めた「今後の国立大学等の在り方に関する懇談会」の初会合を開いた。メンバーからは「学問の自由、自由裁量拡大、公的投資の拡大といった前提がないまま独立行政法人化すれば、改悪になってしまう」などの意見が出た。

 一方、同懇談会は、会議を非公開とすることを決めた。議事録も明らかにせず、議事要旨の公表にとどめるとしている。

 懇談会のメンバーは次の各氏。

 阿部謹也(共立女子大学長)

 石川忠雄(慶応義塾大名誉教授)

 井村裕夫(科学技術会議議員)

 梅原猛(国際日本文化研究センター顧問)

 江崎玲於奈(茨城県科学技術振興財団理事長)

 小田稔(東京情報大学長)

 田中郁三(根津育英会武蔵学園長)

 吉川弘之(放送大学学園学長)

 

国立大法人化、評価の声も 文相私的懇 初会合

「通則直接適用に難」

1999年8月11日 日経新聞 朝刊より

 国立大学の独立行政法人化問題を検討する有馬朗人文相の私的懇談会(国立大学長経験者などで構成)の初会合が10日、開かれた。行政事務の効率化を目的とする独立行政法人の基本制度について「大学にそのまま適用するのは無理がある」との認識で一致したが、「市場原理の導入はある程度必要」「(行政の)事前関与から事後チェックという観点は重要」と法人化の意義を評価する意見も出された。懇談会ば国立大学協会(国大協、会長・蓮實重彦東大学長)からも意見を聴き、今秋にも一定の方向性を打ち出す。

 懇談会のメンバーは、ノーベル物理学賞受賞者の江崎玲於奈前筑波大学長、吉川弘之放送大学長、小田稔東京情報大学長、阿部護也共立女子大学長ら八人。有馬文相が将来の独立行政法人化を視野に入れた大学改革の在り方について意見を求めた。

 懇談会では、法人化が学問の自由や高等教育への予算の充実を伴う方向で行われるべきで、独立行政法人の運営、制度の基本を定めた「独立行政法人通則法」の直接適用は研究、教育の発展にかえって悪影響を及ぼすとの認識で一致した。

 一方、国立大が抱える課題として@学長に管理、運営権限がなく優秀な教官の待遇改善や招へいが困難 A文部省の職員が短期に異動する事務機構の間題点−などが指摘され、現行制度のままでは学長のリーダーシッブが発揮できず、改革の必要性を指摘する意見も出された。

 独立行政法人化した際に、大臣が法人の達成すべき中期目標を策定し、第三者機関が業績を評価することになる。この点について「大学への資源配分は一律ではなく、評価を踏まえた重点化は避けられない」「市場原理を過度に導入すると必要な学問分野が衰退するが、ある程度は必要」など、法人化が大学間の競争を促した大学審議会の答申に沿うものとなるか検討すべきとの認識が示された。

 懇談会は次回以降、国大協の検討委員会のメンバーからも意見を聴き、今秋をメドに法人化の是非や課題についての意見を取りまとめる方針だ。


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