国立大に外部評価
国立機関を来年度新設
観点別に優劣
文部省、概算要求へ
1999年8月3日 朝日新聞 夕刊より
国立大学の研究や教育内容のレベルを評価して国民に公表するため、文部省は来年度に国立の評価機関を新設する方針を固めた。学位授与機構に専門部署を設ける方向で調整を進めている。今夏の概算要求に盛り込み、来年の通常国会に設置法案を提出する考えだ。調査・評価に携わるスタッフは国立大学の研究者のほか、公、私立大、民間企業などにも参加を求めるという。大学運営をめぐっては、「教授が地位に安住して努力しない」「学生への教育という視点が欠けている」どいった批判が根強い。文部省は、第三者評価を制度化することで、質を向上し、信頼を高めることが期待できると判断した。
文部省は、新機関による評価を国立大への予算配分の参考資料にする考えだ。また、公立や私立も活用できるようにする。入試の偏差値や知名度に左右されがちな大学の社会的評価を、「真の実力」に基づくようにするねらいもあるといい、国立大の研究者を中心に私大関係者も参加して具体的な評価の方法を倹討している。優れた大学と芳しくない大学が観点別に明確にわかるようにする方向だが、全国立大に一斉に順位を付けたり、格付けをしたりする単純な評価にはならないとしている。
国立大学に第三者の評価機関を設ける考え方は、昨秋の大学審議会の答申で示された。文部省が検討を進めた結果、「納税者への説明責任を果たすためにも、早期に創設すべきだ」という意見で固まったようだ。
大学運営の点検については、何らかの方法で実施している大学は88%、結果を公表している大学は65%ある(1997年10月、文部省調ベ)。
ただし、各大学が別個に進める方法では相対的な評価が難しく、また学内で作業を進めた場合には「自画自賛」に陥る恐れがある。このため文部省は「全国立大学参加・結果公表」という原則のもとで、公的機関による客観評価を打ち出した。
具体的な評価方法についでは、「単に論文の数などによらず、研究内容や成果の『質』を見る」「短期的な成果に目を奪われず、将来的な展望も合めて評価する」「地域社会との連携、貢献度に着目する」といったポイントが考えられている。
また、古い伝統がある大規模校と小規模校を同列には論じられないとし、「予算や施設の充実度を考えれば、期待以上の成果を上げている(上けていない)」「入試の難易度は相対的に低い(高い)が、卒業時に学生を高いレベルに引き上げている(いない)」といった評価もする考えだ。
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