申し立てなどによると、郡司元課長は昨年12月、NHK側から川田さんとの対談の提案を受けて承諾した。その際、NHK側は「双方が納得のいく形で問題を提起する番組を放映する」と趣旨を説明したといい、@収録は3回行うこと A自分の考えを話す機会が十分に確保されること B収録テーブを編集する際には郡司元課長の意見を聞いて公正中立な番組にすること−と口頭で約束した。
しかし今年4月に2回で計13時間余りにわたって収録された対談では、川田さんに一方的に非難されて十分な発言ができなかったうえ、謝罪を迫られるなどした。その後、NHKは3回目の収録をせず、編集についても意見を述べる機会を設けなかったという。このため、郡司元課長は「放映されれば、血友病患者のエイズ被害について非難されるべき人間との誤った印象を多数の視聴者に抱かせる結果となる」と主張している。
NHK広報局の話 仮処分の申請書の内容を十分に検討したうえで、対応を決めたい。
1999年7月3日 毎日新聞朝刊より
薬害エイズ事件に絡み郡司篤晃・元厚生省生物製剤課長(61)がNHKに対し、東京HIV訴訟元原告の川田龍平さん(23)との対談番組の放映中止を求めて東京地裁へ仮処分申請した問題で、郡司元課長は2日この申請を取り下げた。同日、東京地裁で開かれた審尋で、NHK側が番組の公平さを説明する上申書を提出し、郡司元課長側がこれを受け入れた。
上申書でNHK側は@番組中で川田さんの発言時問は14〜15分、元課長は16〜17分 A川田さんが元課長に謝罪を要求する場面はない B川田さんの質問だけで終わっている場面はない−など6項目を示した。
審尋後の会見で郡司元課長は「この番組で断片的な説明しかできなかったことは変わりがない。薬害エイズ事件がなぜ起きたかは医療、科学の本質にかかわり、説明するのは難しいが、その機会を与えられなかったのが残念だ」と話した。
番組は4日放送予定のNHKスペシャルで、申請取り下げの結果、番組は予定通り放映される。
NHK広報局の話 番組づくりの当初から公平公正な内容に配慮しできた。申請が取り下げられたことは当然だと受け止めている。
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