「トップ30」特別に予算枠

大学改革、来年度から着手

文部科学省

公私立の評価機関 新設

2001年8月18日 日本経済新聞 朝刊

 文部科学省は17日、大学の構造改革の柱の一つとして打ち出した、世界に通用する「トップ30」の国公私立大の育成策を、来年度から実施することを決めた。資金を重点配分するために特別の予算枠を設けるほか、公私立大の評価を行う第三者機関を新設する。来年度予算の概算要求に盛り込む。国立大の再編・統合や、民間的経営の手法の導入などを目指した改革の一つが初めて、具体的に動き出すことになった。

 文科省が6月に公表した「大学の構造改革の方針」では、大学の役員や経営組織に外部の専門家を登用したり、国立大の機能の一部を民営化する構想が示されており、従来の「護送船団方式」から、“アメとムチ”による大学間の競争促進行政への転換を目指している。「トップ30大学」は、専門家による第三者機関の評価結果を基に、約650の国公私立大学の中から教育、研究で優れた業績をあげた30大学を選び、資金を重点配分するもので、同省は具体的な運用策を検討してきた。

 現行制度で大学への資金配分の代表的な例は「科学研究費補助金」。人文・社会科学、自然科学などあらゆる分野で優れた研究を行う研究者、研究グループに交付されており、予算規模は今年度で約1600億円。同省は、こうした予算枠とは別に「トップ30」を推進するための重点化資金枠を設けることを決めた。

 配分先は研究者個人でなく、大学の学部、学科、研究科などで、組織を評価対象とすれば、どんな学問の分野に力を入れていくのかを大学側が経営計画などの中で明確に位置付けるようになり、各学長のマネジメント機能の強化につながるといった狙いもある。

 現在、国立大の業績評価は「大学評価・学位授与機構」が行っているが、公私立大についての評価システムは整備されていない。このため、文科省は、同機構とは別に、公私立大向けの専門家委員会を新設し、“二本立て”で全大学の評価を行っていく。

 同省は、「トップ30を固定化せず、入れ替えも行う」としており、大学間の競争や、能力主義による教員人事を促したい考えだ。また、評価システムの公平・透明性を確保するため、評価結果を全面的に公開する。


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