国家公務員の発明

報酬基準 撤廃へ

特許庁、研究意欲高める

2001年7月30日 日本経済新聞 朝刊


 特許庁は実用化された特許を発明した国家公務員に支払う報酬基準を2002年度から撤廃し、各省庁が報酬額を自由に決められるようにする。1人当たり年間600万円の報酬の上限を外すほか、特許で国が得た収入を発明者に配分する算定基準を廃止する。国立大学の教官や国立研究所の研究者が十分に報いられるようにして、研究開発意欲を高め、民間への技術移転を支援する狙いがある。

 国家公務員が職務上で得た特許の所有権は国が持つ。現状では特許を民間企業が実用化した場合、企業は国に売り上げの数%を特許実施料として払い、国は特許庁の基準に沿って、実施料収入の一部を発明者に補償金の名目で支払うのが通例だ。

 特許庁によると、2000年度に国が発明者に支払った実施補償金は2033件で総額8012万円どまり。特許庁は補償金の上限を撤廃、特許の発明者が成果に見合った報酬を得られるようにする。また補償金を算定する基準自体も廃止し、各省庁が実情に応じて自由に支払えるようにする。実用化の有無にかかわらず、特許などの知的所有権を発明者から国が取得した場合の登録補償金も自由に決める仕組みに改める。

 4月から独立行政法人に移行した研究機関は独自の基準で報酬を決めることができ、特許庁は統一基準は役割を終えたと判断。各省庁の裁量で所属する研究者たちに還元できるようにして、国全体の研究開発に刺激を与えたい考えだ。

国家公務員の発明に対する報酬の実績
件数 補償金額(万円)
<一般会計>
工業技術院 882 1,513
防衛庁 353 2,396
農林水産省 246 801
科学技術庁 177 784
郵政省 35 47
運輸省 30 161
建設省 23 279
国税庁 18 106
消防庁 11
北海道開発庁
厚生省 106
環境庁
合計 1,789 6,208
<特別会計>
文部省 147 1,304
建設省 35 251
工業技術院 28 32
大蔵省 18 15
運輸省 16 165
合計 244 1,804

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