大学に職業訓練講座

厚労・文科省、来年度から

離職者向けを開講

2001年7月5日 日本経済新聞 朝刊

 厚生労働省と文部科学省は大学・大学院を活用した職業訓練を拡充する。来年度から大学・大学院で失業者向けの訓練を初めて実施するほか、在職者についても受講料の一定額を国が肩代わりする講座数(現在98)を大幅に増やす。受講者数は数万人規模で増える見通し。リストラなどで離職者が増える可能性のある金融、流通業界などの中高年層や新たな世界への転身を目指す在職者に企業財務などの高度な技術・知識を身に付けてもらい、円滑な再就職や転職を後押しするのが狙いだ。

 職業訓練拡充策は両省の事務次官をトップとする「連携協議会」で6日に基本合意する。経済財政諮問会議(議長・小泉純一郎首相)が基本方針のなかで「人材大国の確立」を打ち出したのを踏まえ、教育と訓練を連携させて競争力のある人材の育成を目指す。

 来年度から大学・大学院に導入するのは「委託訓練」と呼ばれる失業者向けの教育訓練。これまで国や都道府県に代わって民間の専修学校などが実施、2000年度は約17万人が受講した。委託先の学校は1人当たり月約6万円を支給される。

 失業者の受講期間は通常3ヵ月(1ヵ月当たり100時間以上)が一般的。文科省がこうした短期集中型の講座を設けるように大学・短大に要請する。情報技術(IT)、金融工学、年金、会計などの講座に人気が出ると見込んでいる。

 また、主に自己啓発する在職者に国が入学金、受講料の8割(最大30万円)まで支給する「教育訓練給付」も充実する。今年4月現在の指定講座約1万8千のうち、大学・短大では51講座、大学院では47課程・コースにとどまるため、厚労省は大学・大学院での指定講座を大幅にふやして社会人受け入れ枠を拡大できるようにする。


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