予算、ITなど7分野重点

経済諮問会議が来年度方針

2001年6月19日 日本経済新聞 朝刊

 政府の経済財政諮問会議は2002年度の予算編成で、情報技術(IT)や環境対策などの7分野に予算を重点配分する方針を打ち出す。21日にもまとめる経済・財政運営の基本方針に明記する。国債の新規発行額を30兆円以下に抑えるなど、予算全体では歳出を見直すものの、民間企業の投資や生産を刺激する効果が大きいとみられる7分野の事業には重点的に取り組む。景気の後退懸念が濃厚になるなか、財政支出の抑制で景気に悪影響が及ぶのを防ぐねらいだ。

2002年度予算の7つの重点分野
1.循環型経済社会の構築など環境対応
2.少子・高齢化への対応
3.地方の個性ある活性化、まちづくり
4.都市の再生−都市の魅力と国際競争力
5.科学技術の振興(ライフサイエンスなど)
6.人材育成、教育
7.世界最先端のIT国家の実現

 7分野への重点配分は18日に明らかになった基本方針案の「2002年度予算の基本的考え方(編成方針)」に明記された。重点分野はITや環境対策のほか、少子化・高齢化への対応、都市の再生、科学技術の振興など。いずれも政府が取り組みを強化すれば、新たな事業の機会が生まれ、潜在的な民間需要を掘り起こすことができると判断した。たとえばIT化を促す政策をとると、光ケーブルの敷設や超高速通信の研究・開発などにつながり、環境対策は低公害車の普及を後押しする効果が見込める。

 7分野のうち、省庁の管轄を横断する案件についてはIT戦略本部や都市再生本部などが中心になって政策を進める。それぞれの機関が諮問会議の方針に沿って関係省庁との調整を進め、内閣主導で総合的な政策を実行に移す。

 2002年度予算の編成方針には、特殊法人や特定財源、地方交付税の配分の見直しなども盛り込んだ。財政再建に向けて歳出の効率化に取り組み、メリハリのある予算とする。国債費を除く歳出と国債発行を除く歳入の差であるプライマリーバランスの黒字化については、諮問会議で達成時期などの検討を続け、年内をメドに具体像を示す。

 諮問会議は2002年度予算の編成方針に併せ、今後の経済見通しを基本方針で示す。今年度と来年度の経済動向については「低い経済成長になる」との表現を盛り込み、昨年度実績の実質0.9%成長を下回る可能性を示唆する。不良債権の最終処理(直接償却など)を含む構造改革によって企業倒産や失業が増え、短期的にはデフレ圧力が高まると判断した。

 今年度については、政府見通しの実質1.7%成長を「かなり下回る」として見通しを下方修正する。予算編成方針には将来の成長率の具体的な数字は盛り込まれていないが、竹中平蔵経済財政担当相が参考値として成長率見通しなどを提示する可能性もある。


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