雇用創出へ産学官連携

大学ベンチャー育成

 産業構造改革・雇用対策本部

2001年6月19日 日本経済新聞 朝刊
  

 政府の産業構造改革・雇用対策本部(本部長・小泉純一郎首相)は18日、雇用創出・雇用対策に関する中間報告案をまとめた。金融機関の不良債権の最終処理(直接償却など)に伴って悪化する雇用の新しい受け皿をつくるため、大学での研究成果を事業化する「大学発ベンチャー」企業を3年間で1000社に増やす目標を掲げるとともに、産業界と公的研究機関のトップが対話する「産学官連携サミット」の実施などを盛り込んだ。

 中間報告は週内に正式決定し、9月に具体策を盛り込んだ最終報告をまとめる。中間報告案は今後5年間でストックオプション(自社株購入権)制度の弾力化などで企業の新規開業数を倍増させることや、サラリーマンの転職・再就職を円滑にするために大学などで受け入れる社会人を現在の30万人から100万人規模に増やす目標を設定した。

 新規雇用を創出するため、医療・介護・保育分野で規制緩和や民間参入を促進する方針も明記。不良債権処理で影響を受ける業界から新規成長産業への出向・移籍を公的機関を通じてあっせんする方針も示した。


大学発1000社設立

改革・雇用中間報告

 大学・院へ社会人100万人

2001年6月19日 朝日新聞 朝刊


 政府の産業構造改革・雇用対策本部(本部長・小泉純一郎首相)は18日、新市場・新産業の育成による雇用創出のための中間報告をまとめた。

 先端分野での大学の研究開発力や産業振興の役割に着目し、「大学発のベンチャー」を今後3年間で1000社設立して産業基盤の底上げを図る一方、医療福祉、環境などの分野で規制緩和を進め、新たな雇用の受け皿づくりを促す。

 同時に、社会人の大学・大学院への受け入れ数を、現在の30万人から5年で100万人規模に増やす「社会人キャリアアップ100万人計画」を打ち出すなど、個人の能力の向上に力点を置いた。9月の最終報告のとりまとめに向け、関係省庁間で具体案を詰める。

 「大学発ベンチャー」の育成では、国立大学などの施設使用の規制を見直すほか、研究を委託した企業が特許権を独占的に使用できるような法的枠組みに道を開くことで、民間からの資金流入を5年で10倍に増やす。

 個人の能力開発では、IT(情報技術)を使った遠隔教育や短期集中コースを大学や専修学校に充実させ、社会人が単位を修得しやすい環境を整える。雇用保険から授業料などを最高30万円まで補助する制度を活用して、多様なコースを受講できるようにする。

 今後、不良債権の最終処理などの構造改革が進めば、政府は「失業者が15万人から20万人程度増える」と見込んでおり、新たな雇用の受け皿や安心して働ける環境づくりが急務。中間報告では、就業形態の多様化を踏まえ、原則1年の期限付き雇用(有期雇用契約)の延長、人材派遣や職業紹介の一段の規制緩和なども盛り込んだ。


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