財政審議会、民営化路線を示す
中間報告、90年代の政策を批判
2001年6月9日 朝日新聞 朝刊
財政制度等審議会(会長・今井敬経団連会長)は8日、財政改革に関する中間報告を発表した。景気対策のために財政出動を繰り返した90年代の財政政策を強く批判し、公的部門の民営化路線を打ち出したのが特徴だ。塩川正十郎財務相が経済財政諮問会議に提出し、同会議が6月末に決める経済・財政運営の基本方針に反映させる方向だ。
90年代の経済運営は「許される範囲を超えて財政に依存していた」とし、予算配分も「生産性の低い部門に資源が固定化された」ことや、不良債権処理の遅れが、巨額の財政赤字や経済低迷を招いたと結論づけた。
今後は、米国のように金融政策を経済安定化の「主役」とし、「財政出動は深刻な不況下で金融政策の余地が少ない場合に限るべきだ」と指摘したうえで、民間にできるものは民間にゆだね、民間企業の効率的な手法を導入し、新しい行政サービスの実現を提言した。
主要分野の改革の具体策を示したのも特徴だ。社会保障では、医療費の伸びを基礎賃金の伸びの範囲内にするなどの「医療費総額管理政策」の導入に言及。公共投資も「整備ペースを落とす時期」として、国内総生産(GDP)に占める割合(現在6%程度)を欧米並み(2%程度)の水準に近づけることを目標に掲げた。
◆中間報告に盛り込まれた来年度予算の課題の骨子
【社会保障】
・高齢者に現役世代と同様の医療費自己負担を要求
・年金保険料引き上げの凍結を早期に解除
【公共投資】
・公共投資の対GDP比の縮小を開始
・特殊法人の大規模事業の縮小・停止を検討
【地方財政】
・地方単独事業の縮減
・地方交付税の補正制度を見直し