国立大学の法人化案まとめる

 国大協、運営に学外識者も


2001年6月2日 朝日新聞 朝刊


 国立大学協会(会長・長尾真京都大学長)は1日の理事会で、国立大の法人化案をまとめた。大学運営に学外の識者を加え、教職員に業績給を採用し、基準は各大学で定めることなどを提示した。12日の総会で了承される見通しだ。

 国大協は、法人化が、自律性を拡大し教育研究の質を高める契機になりうるという考えに立ち、「高等教育への国の財政支出の拡大」「大学の自主、自律性の拡大」「社会に開かれた大学」という基本方向を示した。

 行政事務の効率化を目的にした独立行政法人通則法とは別に、国立大学法人法を制定して、一般の独立行政法人と異なる法人とするとした。通則法は法人の長は主務大臣が任命するとしているが、学長は外部の意見を反映しながら学内の評議会が選考するとした。

 さらに具体的な枠組みとして

 ▽業務、経理を国民に毎年公開

 ▽学長への勧告権を持つ外部識者で組織する運営諮問会議を設置

 ▽専攻、学科など大学の判断で再改編

 ▽教職員の身分は国家公務員型を基本に検討

 ▽職員の任免は学長権限、教員の任用、昇進は教授会の審議に基づき学長が行う

 などを提示した。

 一方、収入は国からの資金と授業料などを基礎とするとしており、「民営化」は「議論の視野に入っていない」としている。


国立大法人化

外部識者も運営に参加

2001年6月2日 日本経済新聞 朝刊


 国立大学協会(国大協、会長・長尾真京大学長)は1日、理事会を開き、国立大を法人化する際の組織や人事など制度の基本的な枠組みをまとめた。大学の自主性、自律性の確保を目指す一方、学外の識者を大学運営に参加させ、国からの予算配分に業績評価の結果を反映させるなど、社会の要請にも配慮した内容になっている。今月12日に開く国大協総会に諮る。

 国大協の設置形態検討特別委員会がまとめた「法人化の枠組み」は、法人の執行機関として学長、副学長などで構成する役員会を設置。重要事項の決定に際しては評議会の議決を経ることとし、必要に応じて外部の識者で構成する運営諮問会議に意見を求めることとした。役員に学外の識者を加えることも可能としている。

 専攻や学科の改廃は大学の裁量にゆだね、予算の使い道の自由度を高めることを提言。教職員の給与も成果・業績を反映させることを求めた。大学の教育・研究の評価には、各大学の自己点検を尊重するよう求める一方、国からの運営費交付金の算定には評価結果を反映させる仕組みが必要とした。

法人化の推進明言

国大協会長、民営化論を批判

2001年6月2日 東京新聞 朝刊


 国立大学協会(会長・長尾真京都大学長)は1日、理事会を開き、大学運営に学外者の参画を進めることなどを盛り込んだ法人化案を了承した。会見で長尾会長は「国立大学が自ら競争的環境を実現する改革を行う決心をしたと言ってよい」と述べ、法人化を進める方針を初めて明らかにした。

 民営化については「国益を考えると軽々しく言うべきでない」と批判しており、今後、法人化を軸に文部科学省との調整が進められる可能性が濃厚になった。

 法人化案は、国大協の特別委員会がまとめた。12日に開かれる総会で報告される。

 長尾会長は「(独立行政法人の枠組みを定めた)通則法に比べて、はるかに良い制度設計になった。民営化してはどうかという意見があるが、日本全体の学問、教育に大きな損失を招く」と、“民営化論”を批判。副会長の中嶋嶺雄東京外国語大学長も「モンゴル語やスロベニア語を国立以外で継続的に教えていけるだろうか」と、国が設置する法人になる以外に選択肢がないことを強調した。


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