民主党、国立大 民営化を要求
小泉首相、民営化に賛成
○議長(井上裕君) 小林元君。
〔小林元君登壇、拍手〕
○小林元君 私は、民主党・新緑風会を代表し、小泉総理の所信表明演説に対して、総理及び関係大臣に質問を行います。
(中略)
次に、教育問題に対する基本的姿勢についてお尋ねをします。
今国会を教育国会と位置づけた森総理は退陣をされました。小泉総理も教育を最重要課題に位置づけますが、所信表明演説では教育改革の一言だけだったように思います。教育問題についてどのような認識を持ち、どのような教育改革を目指しているのでしょうか。これまで経済重視の成長路線に傾斜をして、教育改革に力を入れてこなかった長年の自民党政権に教育の危機的状況の原因と責任があると言わざるを得ません。
総理が言われた長岡藩だけではなくて、米沢藩でもあるいは私の水戸藩でも、苦しいときにこそ教育に力を入れた先達がおりました。小泉総理の教育改革は森前総理と同じものですか。それとも、新しく小泉流教育改革を打ち出すおつもりがあるのか、またその中身についてお尋ねをいたします。
森前総理は、教育改革国民会議に対し、教育基本法の根本的議論を求めました。余りの性急さに国民会議でさえ国家主義的な動きを危惧する声が上がり、教育基本法の改正の議論が国家至上主義的な考え方や全体主義になってはならないと歯どめがかかったところであります。小泉総理、どのような観点で見直しされるのか、お伺いいたします。
次に、教育問題に関する重点施策の提案をしたいと思います。
学校の第一の本分は基礎学力の定着です。民主党は、三十人学級法案を提出するなど、一貫して少人数学級の実現を目指してきました。学力低下や不登校に対応するには、何よりもわかる授業を実現することが先決です。少人数学級で一人一人の子供に目が届く教育を目指すべきであります。
政府・与党の非協力的な態度により、我々の三十人学級法案は成立しませんでした。小泉総理、先進国並みの教育環境をつくるべきではありませんか。少人数学級の実現についての目標を示すべきだと思います。いつまでにおやりになりますか、総理、御答弁願います。
さて、総理は自民党総裁選の公約において、大学の研究と経営に競争原理を導入すると掲げています。今、国立大学の独立行政法人化が文部科学省で検討されています。徹底的に競争原理を導入するのであれば、中途半端な法人化よりも、思い切って国立大学の民営化を目指すべきだとも言えます。総理、どのようにお考えでしょうか。
産業競争力の強化に資する教育の充実も重要であります。スイスのある研究所が発表した二〇〇一年の世界競争力ランキングによると、かつて首位を占めた日本は、四十九カ国中二十六位に落ち込みました。起業家精神、大学教育においては、日本は残念ながら最下位であります。今こそ新しい技術を生み出し産業に貢献する、地域に根差した大学を育成することが急務であると考えます。この件について総理の御所見を求めます。(後略)
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 小林議員にお答えいたします。(中略)
教育改革についてでありますが、森内閣においては、今国会を教育改革国会と位置づけ、本格的な教育改革に取り組んできたところであります。
私も、教育全般についてさまざまな問題が生じている今日、日本人としての誇りと自覚を持ち、新たなる国づくりを担う人材を育てるための教育改革に取り組むことは極めて重要と認識しております。私は、所信表明演説において米百俵の精神を述べましたが、この精神は教育においても重要な指針となるべきものと考えております。
教育改革を具体的に進めていくためには、知識に偏重した教育ではなく、バランスのとれた全人教育を推進するとともに、今国会に提出している教育改革関連法案の成立、また教育基本法の見直しなどに全力を挙げて取り組んでまいります。
教育基本法についてのお尋ねでありますが、さきの教育改革国民会議の最終報告においては、新しい時代の教育基本法を考える際の観点として、新しい時代を生きる日本人の育成、伝統、文化など次代に継承すべきものの尊重、教育振興基本計画の策定等を規定することの三点が示されたところであります。
私としては、教育基本法の見直しについては、教育改革国民会議の最終報告を踏まえ、中央教育審議会等で幅広く国民的な議論を深め、しっかりと取り組んで成果を得てまいりたいと考えます。
三十人学級などの少人数学級の実現についてですが、教職員定数の改善については、学級編制の標準を一律に引き下げるのではなく、子供たちの基礎学力の向上ときめ細かな指導のため、教科等に応じて、既に、二十人程度の少人数指導を行うなど、学校の主体的な取り組みを支援するという観点に立った新しい改善計画を今国会においてお認めいただき、平成十三年度からスタートいたしました。政府としては、この計画の着実な推進に努めてまいります。(発言する者多し)
○副議長(菅野久光君) 静粛に願います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君)(続)
国立大学のあり方についてでありますが、現在、政府は国立大学の独立行政法人化の問題について検討を進めておりますが、大学の教育研究の一層の活性化を目指し、競争原理の導入を含め、改革のためのいろいろな可能性を検討してまいりたいと思います。
なお、議員は思い切って国立大学の民営化を目指すべきだという御指摘でありますが、私はこれには賛成であります。国立大学でも民営化できるところは民営化する、地方に譲るべきものは地方に譲るという、こういう視点が大事だというように私は思っております。
産業競争力の強化に資する大学教育についてですが、我が国の国際競争力を高めるためにも大学の役割は極めて重要であります。このため、評価に基づく重点的予算配分など、各大学間の競争的環境を醸成するとともに、地域社会や産業界との連携、交流等を促進し、積極的に経済社会に貢献できる大学づくりを進めていきたいと思います。(後略)