ノーベル賞30人目標に

政府 科技基本計画を決定

2001年4月2日 日経産業新聞


 政府は今後5年間に24兆円の研究開発費を投じる第2期科学技術基本計画を閣議決定した。生命科学、ナノテクノロジー(超微細技術)・材料など4重点分野に研究費や人材を集中投資する。50年問にノーベル賞受賞者30人を生み出す目標も掲げた。
科学技術基本計画の概要

 24兆円の総投資額は第1期(1996−2000年度)計画より7兆円増えた。国内総生産(GDP)比で1%に相当、欧米先進国と同水準を目指す。人材の交流促進など産官学の連携を強化、産業競争力の底上げを狙う。

 新計画は科学技術の負の側面にも焦点をあて、研究者や技術者の倫理や社会に対する説明責任の大切さを盛り込んだ。欧米の医師らが不妊治療と称してクローン人間計画を打ち出すなど、生命科学を中心に最先端の技術が人間の尊厳にかかわる難題を投げかけているためだ。

 科学技術計画の主な内容は以下の通り。

 ▼政策の理念 目指すべき国の姿を「知の創造と活用により世界に貢献できる国」「国際競争力があり持続的発展ができる国」「安心・安全で質の高い生活のできる国」の三つとする。

 ▼社会との新しい関係 「社会のための社会の中の科学技術」という考えに基づき、科学技術と社会との間に双方向コミュニケーションできる条件を整備。

 ▼戦略的重点 知的資産の増大、経済的効果、社会的効果に大きく寄与する「生命科学」「情報通信」「環境」「ナノテクノロジー・材料」の4分野に重点を置き、優先的に研究開発資源を配分。「エネルギー」「製造技術」「社会基盤」「フロンティア」の4分野も重視し推進する。急速に発展しうる領域にも先見性と機動性をもって的確に対応する。

 ▼研究開発システム改革 競争的資金を5年間で倍増、開発環境の改善に使う間接経費を研究費の30%メドに配分。任期付き任用はこれまでの3年から5年に延ばす。博士課程修了者(ポストドクター)の質的充実も目指す。

 ▼産業技術力強化 産官学連携を強化する情報流通や人材交流の仕組みを改革、経済社会ニーズと公的研究機関の研究シーズのマッチングを促す。

 ▼倫理と社会的責任 生命科学や情報技術が一層発展すれば社会と個人に大きな影響を及ぼすと予想され、倫理面のルール作りが不可欠になる。研究者・技術者は高い職業倫理を持ち、研究内容や成果を社会に説明する義務を負う。

 ▼総合科学技術会議 基本計画の重要政策が具現化されるように政策推進の司令塔として、省庁問の縦割りを排し、先見性・機動性をもって運営する。


ホームページに戻る     最近のできごとと話題メニューに戻る