診療科ごとに危機管理者
医療ミス防止

 国立大病院が統一改善案
事故時、カルテ公表

2000年5月16日 読売新聞 朝刊


 全国の医療施設で患者の取り違えや薬剤の投与ミスなどが相次いでいることを受け、国立大学医学部付属病院長会議の「医療事故防止方策の策定に関する作業部会」(委員長=玉置邦彦・東大病院副院長)は15日までに、全国の国立大病院に、病院長を責任者とする事故防止委員会を設置し、各診療科や病棟ごとにリスクマネジャー(危機管理者)を配置して事故防止に万全を尽くすとする改善案の中間報告案をまとめた。同案ではまた、事故が発生した場合には、事故原因の調査を徹底的に行い、新たな事故を未然に防ぐ必要性を強調。求めがあれば患者や家族にカルテを示して状況を説明し、社会に対しても迅速に事実を公表すべきだとしている。国立大病院が、医療事故防止のためにこうした統一ガイドラインをまとめるのは初めて。

 作業部会は、国立大病院医師や看護婦、弁護士など17人で構成。昨年11月から会合を開き、事故防止の方策について審議してきた。きょう16日の会合で同案を了承、年内にも最終報告をまとめる予定だ。

 中間報告では、「高度な医療を提供する大学病院で、極めて基本的と思われる過誤から重大な医療事故が繰り返されている」と指摘。医療事故防止とともに「医療全体の質の向上を目指す」との基本的な考えを示している。その上で、「緊急の院内総点検」「事故防止のための院内体制整備」「安全管理のマニュアル作成」など、具体的な方策を提示している。

 それによると、事故防止の取り組みを効果的に推進するため、病院全体を統括する「事故防止委員会」を設置し、安全問題担当の副院長を任命すること、また日常的に事故発生を監視する専門員「リスクマネジャー」を任命することを求めている。医療事故の多くが、医薬品・医療材料の扱いに関するものであることから、病棟での薬剤師の役割を拡大することも提言している。

 万一、事故が発生した場合の対応としては、現場の医師は、病院側に速やかに報告し、同時に患者や家族、遺族にも説明すべきだとした。社会への公表に関しても、「隠匿は厳しく処断される」と改めてくぎを刺した。患者が死亡するなどの重大な結果が起きた場合は、外部評価委員会の設置など、公正で透明性のある対策を取るよう求めている。


国立大病院
重大事故は自主公表
不祥事受け統一改善案

2000年5月17日 日本経済新聞 朝刊


 国立大学医学部付属病院長会議の「医療事故防止方策の策定に関する作業部会」(委員長・玉置邦彦東大病院副院長)は16日、国立大学病院が重大な医療事故を起こした場合、自ら事実を公表すべきだなどとする中間報告を発表した。

 同会議は、全国42の国立大学病院の院長すべてが参加。最近の相次ぐ医療事故を受け、予定より半年早く中間報告をまとめた。報告書は、院内の各部門に安全管理担当職員を配置するといった事故防止策に触れたうえで、事故後の対応に言及。「国の機関は社会に対する説明責任を果たさなければいけない」として、重大な医療事故が発生した場合は、「すすんで事故の事実を正確かつ迅速に公表することが必要」と明記した。

 「重大事故」は「警察に届出ないし連絡するような事故」と定義し、患者や家族の意向やプライバシーの保護に配慮しながら公表を検討すべきだとした。また、患者や家族・遺族らから求めがあれば、カルテなどの診療記録も開示すべきだとしている。

 同作業部会の玉置委員長は「報告書では基本的な理念選択肢を示した。病院はそれぞれの特性に応じて参考にしてもらいたい」と話している。

医療ミス防止へ指針
国立大病院会議
中間報告書を発表

2000年5月17日 読売新聞 朝刊


 大学病院など高度医療を担う病院で患者の取り違えや投与ミスが相次いでいる問題で、国立大学医学部付属病院長会議の「医療事故防止方策の策定に間する作業部会」は16日、事故を防ぐ「リスクマネジャー(危機管理者)」を各診療科や病棟に配置、事故が起きた場合には患者や家族の求めに応じてカルテを開示する−−などの指針を示した中間報告書をまとめ、発表した。国立大学病院が、事故防止のための院内体制強化や情報公開を中心に据えた指針を出すのは初めて。


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