[電磁波問題市民研究会による状況説明]
大分県別府市春木地区における、NTTドコモ九州の携帯基地局建設と操業差止仮処分を、小学生や幼児28名が10人の代理人(弁護士)と共に、大分地方裁判所に提訴しました。この文は、2002年7月25日の第5回口頭弁論において、その原告の一人(小学校6年生女子)が陳述した原稿です。


<私が裁判で言いたい事>

 私は『健康』ということはとても大事だと思います。そして『生きる』ということも大事です。その二つを電磁波は失うものかもしれません。ここで危険かもしれない電磁波をあびてはいられん、裁判できちんと言っておきたいことはいっておかんといけん!と思いここに立つことにしました。

 この裁判で自分の将来が決まるのかもしれない、いや自分だけでなく、この地域のたくさんの子供達の将来が決まるのかもしれないと思っています。電磁波が有害だったとわかり白血病やガンになったら、それこそ一生の終わり。

 幸いにもこの電波塔の出る電磁波に危機感を持ち、子供を守ろうと立ち上がってくれた地域の方々がいて、弁護士さんがいて、色々な人がいて、今こうしてチャンスをあたえられている気もします。

 またNTTドコモ九州の「おどし」や「うそ」もゆるせません。

 そんな中で私も「何かせんといけん」という気持ちがわいてきました。だから法廷で意見を述べようと思いました。

 まず、春木川地区についてです。この春木地区や春木川校区は、大勢の子供が住んでいたり、幼稚園や学校に通っています。その中で将来へ向けて努力している人はいっぱいいます。努力をつみ重ねつみ重ね、やっと大人になり、社会へ出た時にガンになったり白血病になってと中で夢をたたれたらどんな気持ちになるか想像して下さい。

 もし電磁波が有害だったらと考えると、とてもこわいです。電磁波を流して電磁波が有害だったら、もしかすると私は大人なって友達が白血病になった事とかを耳にすることになるかもしれません。だれだって知り合いが苦しんだりするとこなんて見たくないし、そう式やおつやなんてしたくない。しかもまだ若い人のは。自分だって例外っていえなくなるかもしれないし、考えるとこわい。そうなると、これから産まれてくる人も同じになるのではないでしょうか。

 さらに、この電波塔の事についてNTT側は理にかなっていません。

「安全だ、安全だ」と言ってるくせに実験の一つもしていない。ただ決め言葉は「国の基準の三千分の一ですから安全です」と。私が聞くとただ「国の基準」という前例からみて、たいそう甘そうなものにすがっているだけで人の命に対して無責任すぎる。そんなことじゃ、危険かもしれなくて、健康や夢、将来、そして命をもうばいそうなものを「はいはい」と言って許す人はいないでしょう。

 そうか!NTTドコモ九州は、別に電磁波の安全研究なんてしなくても、新しくて、画面の質も良くって若者がとびつきそうなケータイの開発研究をしていれば、お金ほくほくですね。

 さらにまた気づきました。この地域の子供達が「実験動物そのもの」だと。そして電磁波を流すことは実験なんじゃないかと。でも、そんな実験のために命をあずけるなんてできない。

 私達は夢や志をいだき、これからの人間社会をつくっていく子供達です。お金大好きで人の命なんてどうでもいい人の金もうけや実験の道具になって死んだりするために生まれて、今まで生きてきたんじゃないんだ!

 さらにまた、おかしく道理はずれなことがある。

 ふつう、危険があったり危険かもしれない事はさけて通ると思います。ましては危険だった時は命もうばうし体の自由もうばう。それに大変なめいわくはNTTドコモ九州側ではなく周辺住民にかかります。NTTドコモ九州はこの電波塔が使えなくなるまで金もうけができます。これっておかしくないですか。

 研究もせず、国の基準のことしか言わない無責任な業しゃが命を失うかもしれないこの電波塔のことをおし進める権利はないと思います。

以上


<この文の作者による補足>
「子供を利用しているのではないか?」と言う質問を受けるらしいですが、子供だって、言いたいことはいっぱいあります。友達とかと、電磁波の話をしていてもみんな意見を持っています。だけど、相手が会社で黒い服着た怖そうなおっさんが相手でなかなか「裁判では言えないな・・・。」「怖いな。」と思ってる人だって居るんです。


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