[注:個人名関連は「*」であらわす]


[陳情1]

小田原市市議会議長 二見健一様

平成12年6月9日

電磁波の恒常的発信源で人体への無害性が確立されていない携帯電話およびPHSの無線基地局を設置する際、事前に近隣住民に通知し了承を得るよう電話会社と設置契約者(地主)に指導を求める陳情書

********* 小田原市**********
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趣旨

 携帯電話およびPHSの普及にともない、多数の無線基地局(アンテナ)が設置されているが、基地局には社名の記載すら無いものが多く、何故か、基地局の場所についての問い合わせに応じないことにしている電話会社さえある。電話会社から地代を受取る設置契約者以外の大多数の一般の人々は、身近にある基地局の存在を知らずに電磁波を浴びせられている。
 基地局は、短いサイクルで電磁場を変動させながら体内を貫通するマイクロ波を常時発信し、さらに脳波に近い極低周波に変調されたパルスが周期的に出る仕組みになっている。微弱ながらも長期継続的に浴びた場合の身体的影響として、成長・免疫・生殖・回復を掌るホルモンであるメラトニンの低下やカルシウムイオンの流出、精神不安定、記憶力や思考力の低下、発ガンなどが指摘されている。無害性が確立されていないゆえに慎重に回避することを勧める内外の医学・理学・工学の専門家もいる。
 健康被害の懸念を気にせず利便を優先する人もいる一方で、電磁波の影響を心配に思う人もいて、効果が無いものが多いにもかかわらず電磁波防護用品の売上が伸びている。基地局設置反対運動は国内および世界各地で起きており、携帯電話の使用者であっても自宅近くには基地局を立ててほしくないと思う人もいる。
 最近、ペースメーカーを装着した人が身体への影響を脅かされずに電車に乗る権利を保証するために、JR東日本をはじめ多くの公共交通機関が乗客に携帯電話の電源を混雑時あるいは常時切るよう求めるようになった。電磁波過敏症という言葉も最近マスコミに取り上げられているが、基地局の隣地に住んでいた陳情者自身も然りで、契約者に頼んで基地局を撤去してもらったところ、それまで自覚していた慢性疲労感や頭の縛れ感が消えた。
 電話会社が安全性の拠所としている電波防護指針は無害性を保証する根拠を持つ規準ではない。科学技術庁は電磁波環境と小児ガンとの関係を探る疫学調査を昨年から開始し、WHOの後押しで郵政省が今年9月から脳腫瘍との関係の疫学調査に乗り出す。
 基地局の設置場所について国の規制はまだ存在しないが、憲法にある「健康な生活を営む権利」および「知る権利」を不当に侵害されてはならない。基地局の安全性が確立されていない限り、電波を受ける周辺住民の了解なしに基地局が設置されるのは不当なことで、設置の可否については近隣の意志も尊重されるべきである。しかし、最大手のN社は「契約者以外の第三者からの撤去要請には応じないことにしている。」との主張を固持している。設置契約者が撤去を決意してくれない場合は、近隣住民は身体が不調であっても我慢を強いられるしかない。コンクリートの建物であれば電波の強度はかなり和らぐが、木造家屋で窓から基地局が見える場合は、電波をほぼ直撃で浴び続けることになり、身体の変調が出やすくなる。
 さらに、基地局はその電話会社の携帯電話を持つ人の用益にしかならず、公衆電話のような万人のための公共性は無い。携帯電話を持たない人にとって、営利目的の基地局の電磁波は不用なものである。

項目
  市は、携帯電話およびPHSの基地局の設置にあたっては、電話会社は近隣住民および当該自治会長に通知し、了承を得るよう指導する。既設のものについては、近隣住民から撤去の要望があった場合、自治会長と設置契約者、住民とで納得のいく話し合いをするよう指導する。

以上



[陳情2]

小田原市市議会議長 二見健一様

平成12年6月12日

免疫的弱者で身体機能の発達途上にある子供を健康への悪影響の可能性がある電磁波の被曝から回避させるため、幼稚園・保育園・小中学校の近くに携帯電話およびPHSの無線基地局(アンテナ)を設置しないよう勧告を求める陳情書

********* 小田原市**********
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趣旨

 先月、イギリスの政府諮問の専門委員会が「携帯電話が子供の身体に悪影響を与える可能性がある」として「子供が不必要に携帯電話を利用しないよう求める」との報告書を公表した。中心となってその報告書をまとめた生物学者は、「子供は神経の発達過程にあるため、大人よりも電磁波の影響を受けやすい」と指摘した。
 遮蔽物が無い場合、PHSの基地局からは通常型で100〜200メートル、高出力型では500メートル、携帯電話基地局では数キロ〜十数キロにわたって通話が可能となる強度の 電波が飛ぶ。恒常的に携帯電話機と電波交信をする基地局が、市内の幼稚園・保育園・小中学校の至近にも設置されている。基地局は各社の共用性が無いため、酒匂幼稚園周辺のように狭い範囲に複数(四社四基)が存在する状況もある。
 基地局からは、短いサイクルで電磁場が変動しながら体内を貫通するマイクロ波と脳波の周波数に近い極低周波が恒常的に出ており、長期継続的に浴びた場合の身体的影響として、これまでにも成長・免疫・生殖・回復を掌るホルモンであるメラトニンの低下やカルシウムイオンの流出、精神不安定、思考力や記憶力の低下、発ガンなどが指摘されている。
基地局の小中学校への設置については県内でも複数の市で反対運動が起きており、撤去や新規設置の凍結に至っている。小田原市でも、市長への手紙制度を通して広報課に市立酒匂幼稚園正門前の市立酒匂小学校敷地内電柱に取付られていたPHS基地局の撤去を求めたところ、教育総務課を通じて電話会社に私どもの気持ちが伝わり、配置計画を見直すということで5月2日に撤去された。教育総務課からは、新規設置の申し込みは受けないと聞いた。この撤去によって、自宅の隣地や周辺に複数のPHS基地局が立っていたこともあって電磁波過敏体質になった陳情者と娘は、園内における偏頭痛が和らいだ。
 電話会社が安全性の拠り所としている電波防護指針は無害性を保証する規準ではない。科学技術庁は電磁波環境と小児ガンとの関係の疫学調査を昨年夏から開始し、WHOの後押しで郵政省が脳腫瘍との関係の疫学調査に今年9月から乗り出す。無害性が未確立であ るゆえに、慎重にマイクロ波の被曝を回避することを勧める内外の医学・理学・工学の専門家もいる。
 基地局の無害性が保証されていないかぎり、児童憲章および児童福祉法に謳われている「子供の心身の健全な発育」のための環境が阻まれる恐れを回避するため、基地局は、文育施設から距離を置くべきである。陳情者は、PHS三社による電波強度のグラフと自身の体感から、高出力型のPHS基地局については300メートル以称電磁波による子供の不調への心配がつのる。携帯電話の先駆国である米国では、カリフォルニア州で教育施設や病院から離すよう勧告が出されているし、スウェーデンやスイスをはじめ、地域内の電力密度に規制や規準を設ける国が増えてきた。
 基地局の設置場所についての国の規制は無いが、規制は多くの犠牲者が明らかになって初めて設けられるものであるから、有害であるとの結論が出てから対処するのでは、被害にあった人は「当時の科学では解明されていなかったこと」として泣き寝入りせざるをえない。少子化であるにもかかわらず市立背負う子供への害に疑問がある以上、予防原則に従い、市長自ら「教育と健康」を重んじる小田原市らしい審判を仰ぎたい。
 携帯電話を持たない子供にとって、基地局の電磁波は全く不用なものである。電話の公共性ということを考えるならば、誰もが利用できる公衆電話を設置する方が適切である。

項目
  市は、携帯電話およびPHSの無線基地局を幼稚園・保育園・小中学校の近くには設置しないよう勧告する。

(添付資料)

以上
 
 
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