全国化学物質過敏症患者会で電磁波過敏症について講演

□盛り沢山な内容
 第16回NPO全国化学物質過敏症患者会・東京集会が2009年1月31日あり、はじめに、当会の事務局長が「電磁波問題と電磁波過敏症」について講演しました。
 次に各サ−クルよりとして、電磁波過敏症サ−クル、化学物質過敏症サ−クル、シックスク−ルサ−クルの3グル−プから、具体的な患者の症状や取り組みの報告がありました。
 続いて、2番目の講演として、三好基晴ホスメック・クリニック院長が「対応商品の実態」について話をしました。内容は「サプリメントや健康食品の中には、抗酸化作用が強いビタミンEやポリフェノ−ル、酵素類などの抗酸化物質が、活性酸素を除去して病気の予防や治療に効果があると言ってます。しかし、これらの抗酸化物質が必ずしも体に良いとは言えず、むしろ有害になっているケ−スもある」でした。
 最後の講演は市川市民診療所前所長の河野泉氏が行い、タイトルは「化学物質過敏症と食物アレルギ−」でした。同氏は、医師になってから41年にもなり、37年間にわたり、食物アレルギ−や化学物質過敏症の患者を診療してきました。

□河野泉氏の話は興味深かった
 河野氏の講演は興味深かったので、要点を紹介します。
「あらゆる病気の原因は一つでなく、多くの原因の作用の総合的な結果、生体の恒常性維持機能が不全や破綻を起こすことにある。恒常性の維持は、免疫系、自律神経系、内分泌系、酵素系のネットワ−クで構成されているため、たとえば、自律神経系に異常が起これば、その他の系にも波及する。」
「化学物質過敏症(MCS)は、化学物質のみで発病し持続されるのではない。化学物質以外で重要なものとしては、第1が食物アレルギ−であり、第2が花粉やダニやその他のアレルギ−であり、第3がおそらくイ−スト類がある。さらにそれに加えて、睡眠不足、感染、疲労、その他すべての身体的・精神的ストレスがある。気温、湿度などの天候条件やビタミン、ミネラルの不足も関係する。そして、おそらく電磁波もこれに加わる。」
「化学物質過敏症(MCS)の治療には、まず食物アレルギ−の治療が不可欠と考えている。アレルギ−をもたらす食事を除去する治療法だ。その上で、必要に応じて花粉やダニのアレルギ−やイ−ストコネクションの治療、あるいは、ビタミンやミネラルの補給が必要となろう。」
「参考になる資料としては『マンデル博士のアレルギ−治療』という本である。」


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